企業研究
【隠れ優良企業:文系編】上手な探し方で差を付ける方法
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目次
隠れ優良企業を探す文系学生は多い
就職活動をする際、企業選びで大切にすること、いわゆる「就活の軸」は人によってさまざまです。大学で学んだ専門知識を活かしたい、人と接する仕事がしたい、モノ作りに携わりたい、地元で就職したい、とにかく給料が高いところがいい、など、それぞれ考えや主張があるでしょう。中には、「隠れ優良企業がいい」と考える文系の就活生もいるはずです。
そもそも、隠れ優良企業とはどんな企業なのでしょうか。ここでは、隠れ優良企業とその探し方にも焦点をあてて、詳しく解説していきます。
隠れ優良企業とはどんな企業か
そもそも、隠れ優良企業とはどんな企業なのでしょうか。実際のところ、「優良企業」にも「隠れ優良企業」にも、明確な定義はないようです。しかし、大多数の社会人の間では、ある程度「こういう特徴を持った企業」という共通の認識はあるでしょう。
明確な定義がないため、絶対的な条件というわけではありませんが、一般論としての「隠れ優良企業とはどんなものか」を解説していきます。隠れ優良企業に興味がある方もない方も、参考にしてみましょう
離職率が低い
まず、離職率が低い企業は、一般的に優良企業と言われています。離職率とは、ある時点の在籍人数に対して、一定期間後に退職した人の割合のことを指します。例えば、同時期に入社した新入社員100名のうち40名が3年以内に退職したり転職したりした場合、「3年間での新入社員の離職率は40%」となります。
離職率は従業員の職場に対する満足度に比例しているといわれています。もちろん、職場環境とは関係なく、家庭や個人の事情などで退職する社員もいるでしょう。ただ、全体的に見ると、従業員にとって不満の多い企業であれば離職率は高く、不満の少ない企業であれば離職率は低い、ということです。
ここ数年での新卒社員の平均離職率は、全体で30%~40%といわれているため、平均と同等、もしくは平均よりも離職率が低ければ、比較的「優良」といえるのではないでしょうか。
経営が安定していて年収が高い
企業の経営が傾いて赤字続きだと、従業員に十分な給与を支払うことができず、場合によってはリストラや倒産などのリスクもあります。もちろん、どんな企業においても、この先ずっと安定している保証などはありません。しかし、少なくとも現状の収支が黒字で、ある程度安定していれば、それでひとつの水準はクリアといえるでしょう。企業や業界の将来性については、AIの普及や外国人労働者の雇用などにより、どう変わるかは未知数です。自分で考え、自分の目で企業を見極めましょう。
年収に関しては誰でも気になるところですが、新卒の面接などで詳しく尋ねるのは控えましょう。自分の待遇ばかり考える姿勢でいては、あまりよい印象を持たれません。企業の応募ページなどで「大卒の初任給」や「○歳男性 営業職のモデルケース」などのように、給与の目安を開示している企業も多くあるため、それらを参考にしてみるとよいでしょう。
あなたが受けない方がいい職業を確認してください
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有給などの取得率が高い
優良企業と呼ばれる企業の多くは、有給休暇などの取得率が比較的高い傾向にあります。逆の視点で考えてみて、有給休暇の取得率が低い企業はどのような労働環境なのでしょうか。一般的には、忙しい、人も時間も足りない、人間関係で休暇の申請がしづらい、そもそも「有給休暇は悪だ」という考えが根付いている、というイメージがあるでしょう。
つまり、有給休暇が取得しやすい環境の企業は、余裕をもって仕事ができ、休暇の申請を出しやすい人間関係や社風が築けている、といえます。ちなみに、「休む余裕がある=暇」という考えは極端です。1日たりとも休めないような過密スケジュールでは身体を壊しますし、適度に休んでこそ、よい仕事ができるというものです。そういう考え方ができるのが、優良企業なのでしょう。
隠れ優良企業はBtoB企業に多い
BtoB企業とは、Business to Business企業の略称で、法人間取引、つまり企業を相手に商売を行う企業のことです。例えば、BtoC(Business to Consumer)企業は消費者にスマートフォンを売りますが、BtoB企業はスマートフォンの販売や製造をおこなう会社に部品を売ります。
そのため、一般消費者の知名度が高いのはauやdocomoといった販売会社、あるいはソニーやシャープといった製造会社となります。一方で、部品を扱う村田製作所や、部品を加工する装置を扱うディスコといった企業は、その業界では有名だとしても、一般消費者にとってはほぼ無名の、いわゆる「隠れた」企業といえます。
隠れ優良企業がBtoB企業に多いというのは、「BtoB企業は全てが優良」という意味ではありません。BtoC企業に比べて「隠れた企業が多い」こと、そして部品加工や製造といった分野の企業なら、独自の技術や長期契約による安定感もあるため、優良企業である可能性が高いことから「隠れ優良企業が多い」と推定できるのです。
隠れ優良企業を探す就活生が多いのはなぜか
隠れ優良企業がどのような企業かは、ある程度把握できたでしょう。ここで出てくる疑問は、なぜ「隠れ」優良企業がいいのか、です。
優良企業の中でも、有名な大手企業の方が、知名度があって募集人数も多いため、就活生からの人気が高いようなイメージがあります。しかし、「有名な大手企業は人気が高い」この事実こそが、多くの文系学生が「隠れ優良企業」を狙う理由なのです。一体どういうことなのか、詳しく解説していきましょう。
大手企業は競争率が高い
前述した通り、大手企業は就活生の人気が高いです。なぜなら、毎日CMで見るような、誰もが知る大手企業に就職した方が安定しているように感じられる、親に報告する時に誇らしい気持ちになる、といった理由が挙げられます。
だからこそ、有名な大手企業には就活生の人気が集中するのです。大手は募集人数も多いですが、応募者数がそれを圧倒的に上回るため、競争率が非常に高いのです。一方で、隠れ優良企業はその名の通り、一般消費者の中での知名度が低いのです。知名度が低くて競争率が低いけれど労働環境は優良、つまり苛烈な競争を勝ち抜かなくても優良企業に入社できる、と考えられるのです。
もちろん、内定が貰えるかどうかは本人の努力や能力次第ですが、40人で1席を取り合うよりも5人で1席を取り合う方が、まだ勝ち目がありそうだと考えるのは、自然なことといえるでしょう。
文系には「専門性」という武器がない
隠れ優良企業に魅力を感じる理由はだいたいわかってもらえたと思います。ではここで、なぜ「文系学生」なのでしょうか。それは、理系学生と文系学生のもつ「専門性の違い」にあります。
理系学生の専門性というと、機械工学、建築学、化学、生理学、遺伝子工学、医学など、様々な分野があり、それぞれ専門に扱う研究機関や企業がありそうなイメージです。一方で、文系学生の専門性というと、教育学、法律、経済学、文学、外国語、といった分野があり、十分に専門性があるように感じられますが、理系分野とどう違うのでしょうか。
文系の専門性は、実際に企業では活かしにくいのです。教育や法律は主に公務員で活かされ、外国語は通訳までできるレベルでなければアピールには力不足です。文学はなかなか活かしどころが難しく、就活に有利といえば経済学などでしょう。
このように、文系だと「大学で学んだ専門知識を活かす」というアピールがしづらく、競争率の高い大手企業への応募を躊躇してしまう文系学生が多いようです。
隠れ優良企業一覧
・矢崎総業
・株式会社ミツトヨ
・ニプロ株式会社
・株式会社アルバック
・アンリツ株式会社
・株式会社タムラ製作所
・セントラル硝子株式会社
・株式会社ハーマン
・ナブテスコ株式会社
・東京エレクトロン株式会社
・シスメックス株式会社
・日置電機株式会社
・宇部興産株式会社
・浜松ホトニクス株式会社
・フィリップス ライティングジャパン
・信越ポリマー株式会社
・株式会社アドヴィックス
・株式会社タダノ
・山佐株式会社
・株式会社キーエンス
聞いたことのない企業名ばかりかもしれませんが、だからこその「隠れ優良企業」です。ほとんどがBtoB企業のため一般の知名度は低いですが、それぞれの業界では有名な企業が多いです。国内シェア率や世界シェア率が高い企業なども数多くあるため、やりがいをもって働けるのも魅力です。
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隠れ優良企業の探し方
インターネットなどで紹介されている隠れ優良企業ですが、実際のところ、「隠れ優良企業」として紹介されている時点で、競争率は多少なりとも上がってしまうでしょう。もちろん、ある一定の水準をクリアした優良企業なのでしょうけれど、もはや「隠れてはいない優良企業」の仲間入りをしてしまっている可能性もあります。
そこで、自分の力で隠れ優良企業を探したいと考える就活生のために、隠れ優良企業の探し方をご紹介しましょう。
特許取得件数をチェックする
まず、ひとつの指標として「特許の取得/出願件数」は、大いに参考になります。なぜなら、特許を取得しているということは、独自の技術があることの証明になるといえるためです。また、特許を取得した技術は他社には流用されないため、競合することなく、安定した経営を確立しやすいのです。
特許の件数を調べたいときには、検索エンジンで「特許ランキング」などを検索してみましょう。特許の取得件数で上位にきている企業は大企業やグループ企業である可能性が高く、競争率も高くなります。特許取得数100件前後のゾーンから見てみて、気になる企業があったら調べてみるとよいでしょう。
もちろん、特許の件数が全てというわけではありません。しかし、判断材料や探し方のひとつとして覚えておくと、役立つかもしれません。
就職四季報などから情報を集める
情報源は、何もインターネットだけに限りません。「就職四季報」のような本からも、情報は十分に集まります。「就職四季報」には、企業名や特色はもちろん、従業員数や離職率、平均年齢や平均年収、有給消化率など、企業が開示している、ありとあらゆる情報が記載されています。
全国で発売されている就活情報誌なので読者も多いのですが、まず情報量が圧倒的に多いです。また、検索エンジンのように表示順がランキングになっているわけではありません。そのため、「読者の目が○ページの○○会社に集中する」といった事態も起こりにくく、応募が分散しやすいといえます。
企業分析の第一歩としても重宝する情報源なので、興味がある方は購入を検討してみるとよいでしょう。
自分に合った隠れ優良企業を見つけよう
優良企業を探すのはさほど難しくありませんが、「隠れ優良企業」を探すのはなかなか困難です。しかし、企業探しに力を入れて「隠れ優良企業」を探し当てることができれば、必要以上の就活競争を避けることができるでしょう。
こんな企業がいい、あんな企業がいいと、他人からの意見を参考にするのはもちろんよいことです。しかし、最終的にその企業で働くのは、他でもない自分です。そのため、「自分が納得できるか」を最優先に考えて、自分に合った「隠れ優良企業」を見つけられるようにしましょう。
もちろん、自分にとって最高の隠れ優良企業を見つけられても、必ず就職できる保証はありません。企業探し以外の就活準備も進めて、内定を獲得できるように努力を怠らないようにしましょう。