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事務の仕事内容とは
新卒では事務職の仕事も多く募集されていますが、実際にどのような仕事内容なのか把握できている人は少ないでしょう。事務=パソコンを使った仕事、事務処理というイメージを持つ人が多いですが、パソコンを使う仕事は多岐にわたり、事務処理の範囲も広いです。
また、事務職は企業を運営するためには欠かせない職種であり、業界を問わずに存在します。事務職は事務作業がメインというのは間違っていませんが、事務作業の中にはさまざまな仕事が含まれています。事務職の仕事内容は多岐にわたるため、どのような仕事があるのかを把握しておきましょう。
事務の基本的な仕事内容
事務の仕事は多岐にわたり、業界や企業によって細部は異なります。しかし、仕事内容が全く異なるというわけではなく、どの業界や企業でも共通した仕事があります。事務の仕事について理解を深めるためには、まずは共通部分の基本の仕事を知っておきましょう。
基本の仕事といっても簡単なものばかりであるとは限らず、手間がかかる仕事や重要度が高いものもあります。
メールチェック
事務の仕事は、まずはメールチェックから始まることが多いです。企業では1日に何十、何百通とメールが届き、それを処理するのが事務職の重要な役割です。営業マンと顧客が直接やり取りをしている場合もありますが、それを飛び越えて企業宛てにメールが届くこともあります。
個人でやり取りをするメール以外はすべて事務職が対応するともいえ、メールチェックだけでかなりの時間がかかってしまう場合も多いです。また、企業宛てに届いたものでも、内容が個人の担当者に向けたものであれば、転送してやり取りを繋げることもあります。すべてのメールに自分で返信するわけではなく、内容から誰に割り振るべきかを考え、メールを振り分けるのも大切な仕事です。
書類作成・整理
事務職の仕事でメインになるのは、書類の作成や整理です。書類作成といっても幅広いですが、商品やサービスの契約書であったり、企業内の経理をまとめた書類などがこれに該当します。
また、会議用の資料を作成する場合もあり、作成する書類の種類は膨大です。作成した書類はそのままにするのではなく、ファイリングして整理しなければなりません。
特に会計の帳票関係は法律で保存期間が決まっており、この保管、管理も事務職がおこないます。書類作成から整理までをおこない、すべて管理しているため、企業における書類関係の仕事の大半は、事務が関わっているといえるでしょう。
電話・メール対応
営業時間中にきた電話に対応するのも事務の仕事です。電話は個人、法人の両方からかかってくるため量が非常に多く、電話対応だけで業務の大半の時間を費やすことも少なくありません。また、社外からの電話だけではなく、社内の内線電話にも対応しなければならず、書類の作成、整理に次いで、ウエイトの多い仕事だといえるでしょう。
社内外での対応は電話だけに限らず、メールの対応もおこなわなければなりません。朝一でメールチェックは済ませますが、その後もメールが届くため、溜まらないうちに処理する必要があります。電話とメール対応はあくまで業務の一環であるため、同時にその他業務も進めなければなりません。
来客応対
企業に来客があれば、応対をするのも事務の仕事です。顧客を応接室に案内したり、お茶を出したりするのが主な来客対応の仕方です。顧客との話し合いについては担当者がおこなうため、事務はあくまでそのサポートと考えましょう。ただし、顧客をただ応接室に通せばいいわけではなく、最低限のコミュニケーションを取って対応しなくてはいけません。
最初の対応で印象が悪くなると、その後の商談も進みづらくなる可能性があるため、商談の邪魔をしないためにも、礼儀正しく振る舞う必要があります。事務の仕事は社内外でさまざまな人と関係するため、ビジネスマナーが厳しく求められることも多いです。
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事務の仕事内容は職種によって違う
事務の仕事内容は幅広いですが、さらに職種ごとに仕事内容は異なります。事務は事務職という大きなくくりでひとつの職種になりますが、さらに細かい職種に分けられます。事務の職種は業界ごとに異なるだけではなく、企業内でも複数存在することもあるので注意が必要です。
ひとくちに事務職といっても、仕事内容はすべて同じなわけではありません。職種ごとの違いを正しく把握して、多岐にわたる事務の仕事内容への理解をさらに深めましょう。
一般事務
一般事務は事務職と聞いてイメージされやすい職種であり、もっともスタンダードな職種といえるでしょう。仕事内容は基本的なものが多く、企業内における事務全般をおこなうことが仕事です。ただし、一般事務の場合でも、企業によって仕事の範囲は異なるため注意しましょう。
小さな企業であれば、基本の仕事すべてを任されることが多いですが、大きな企業になれば業務ごとに分業され、ひとつの仕事に集中して取り組むこともあります。担当する事務の範囲は企業によって違うと考えましょう。
営業事務
営業事務は、営業職の仕事を事務の側面からサポートする役目を担います。顧客に提出する書類やプレゼン用資料、契約書の作成などが主な仕事です。また、契約後の顧客対応も仕事であり、対消費者の場合はお客様窓口も営業事務の仕事範囲といえます。
営業事務はすべての業界や企業に存在するわけではなく、基本的には営業職が多い業界、企業で設置されていることが多いです。不動産や金融業界がこれに該当します。不動産、金融、法律、保険など、幅広い知識が求められる場合もあるので注意しましょう。
顧客対応も業務に含まれるため、自社の製品、サービスに関する深い知識が必要です。営業職のサポートの役割を担っていますが、実際には営業事務単体で動く仕事が多いことは理解しておきましょう。
総務・法務事務
総務・法務事務は仕事の範囲も幅広く、企業内におけるほとんどの仕事に関わることもあります。総務は備品の発注や細かい雑務、経理などを担当することが多く、他部署と連携しながら仕事を進めなくてはいけません。法務は法的な観点から契約書の有効性を確認し、チェックするのが主な仕事です。
法律の規定を守った契約書の作成をする必要があり、書類の作成からチェックまでと業務の幅は広いでしょう。総務と法務は同じ部署で設置されていることもあれば、それぞれ単独で設置されていることもあります。どちらの場合でも、総務なら企業全体、法務は法律に関係する仕事になるため、仕事の幅は広いでしょう。特に法務は専門知識が求められるため、他の職種と比べても難易度は高いです。
医療事務
医療事務は病院内での事務職全般を指し、その他の事務職とは特徴が大きく違っています。書類の作成や整理、メール、電話の対応などは同じですが、すべて医療関連の仕事になるため、専門的な知識を必要とする場合が多いです。診療点数の計算をおこない、患者の治療費がいくらかかるのかを計算したり、窓口での受付業務を担います。
病院ごとに仕事の範囲は異なるため、事務の仕事だけに専念できるところもありますが、受付業務は理解しておきましょう。
経理事務
経理事務は、企業の資金の管理をおこなうことが大きな役割です。仕事としては、日々の資金の流れを記録したり、実際に支払いや金銭の受け取りをおこなったりします。また、伝票の仕分けや帳簿への金銭の出納の記載、経費の精算なども経理事務がおこなう仕事でしょう。基本的には日々のお金のやり取りについての仕事ですが、場合によっては決算などの大きな仕事を任されることもあります。
決算は月単位でおこなう月次から、年に4回行う四半期のもの、年に1回おこなう年次決算までさまざまです。月次や四半期、年次決算やその補助などをおこなう場合は、簿記や税金などについての深い知識が必要です。また、会計全般や法律についての知識も必要ですが、一般的な経理事務ではそれほど専門的な知識は求められません。
人事・労務事務
人事・労務事務は、主に企業の労務に関する仕事をおこないます。例えば人事部では、人材採用活動などをおこないますが、この際の書類仕事をおこなったり、採用活動の補助をおこなったりすることが事務の仕事です。
具体的にいえば、入社手続きや退職手続き、社員情報の管理などが、人事・労務事務の役割といえます。また、勤怠や給料の計算なども仕事のうちであり、企業で働く人たちの幅広い管理や手続きをおこなっています。
企業によっては、採用活動の際に使用する資料作成を手伝ったり、求職者からの問い合わせなどに対応したりすることもあります。企業ごとに求められる仕事の範囲は異なりますが、労務に関する仕事、労務関係の書類上の手続きなどが主な役割になることは共通しているでしょう。
貿易事務
貿易事務は、貿易にかかわる企業にある職種であり、貿易書類の作成や確認、出荷や輸送、通関などの手配から、出荷納入管理などをおこないます。商社やメーカーなどにもある職種であり、貿易に関係する仕事のため、他の事務職とは違った専門知識が求められることも多いです。
海外との取引になるため、語学力が必要になることも覚えておきましょう。貿易をする際には、インボイスと呼ばれる書類や商品のリストなどを作成する必要があり、これをおこなうのが貿易事務の仕事です。
また、内容が間違っていないかの確認をしたり、出荷や輸送、通関などの手配、スケジュール管理などもおこないます。最終的に取引金額が間違っていないか、きちんと納品されているかなどの管理もおこない、貿易取引の最前線にいる職種ともいえます。
学校事務
学校事務は、小学校から大学までの学校で事務職として働く仕事です。公立の学校の場合は地方公務員試験に合格する必要がありますが、私立の事務職なら民間企業と同じく採用試験を受けて就職できます。学内での事務作業全般を請け負う学校事務ですが、学校の規模によってどのような仕事をするかは異なります。
小規模から中規模までの学校なら、学校内の施設や備品の管理、教師の給料や経費の計算など、幅広い業務を担当することが多いです。対して大規模な学校の場合は、教務課や学生課、人事課、経理課など複数の課が設置されており、それぞれ配属先で細分化された仕事をおこないます。
その他の仕事としては、教材の管理や学生の募集、学籍の管理や広報の仕事を請け負うこともあり、多様な領域で活躍します。
事務の仕事に必要なスキル・資格
職種ごとに仕事内容が違うように、求められる能力やスキルも異なります。事務職の仕事は多岐にわたるため、総合的な能力が求められることも多いです。応募の際に必須の資格はありませんが、持っていれば評価されるものもあります。
資格があればさらに有利に就活を進められるでしょう。求められる能力を知っておけば選考でもアピールがしやすく、評価もされやすくなります。必要な能力や評価される資格を知って、選考時のアピールに役立てましょう。
コミュニケーション力が必要
事務職の仕事内容は幅広く、複数の部署の人と関わって仕事をするケースが多いです。社外の人と関係する機会も多いため、コミュニケーション能力は必須でしょう。事務職はオフィスの中でする仕事というイメージが強く、コミュニケーションが不要と考える人が多いですが、これは間違いです。
事務職が関わる人の数は非常に多く、場合によっては営業職よりも多くの人と関わって仕事をしなければいけません。事務処理を素早くおこなうためにも、他部署や部署内での連携は必須であり、コミュニケーションが取れていないために仕事がストップする可能性も多いです。
企業の運営を支える幅広い仕事だからこそ、コミュニケーション能力が重要視されることは理解しておきましょう。
パソコン関係のスキルがあると◎
事務職では特別な資格は必要ありませんが、パソコン関係の能力を示す資格があれば高く評価されやすいです。仕事内容は多岐にわたるものの基本は事務処理であり、パソコンを使った仕事も多いです。パソコンを使うといっても、エクセルで会計処理をおこなうこともあれば、ワードで文書の作成、パワーポイントで資料の作成など、業務はたくさんあります。
高いスキルが必要なわけではありませんが、最低限オフィスソフトは扱う必要があるため、MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)という資格を持っているとアピールしやすいでしょう。また、さらに幅広く知識やスキルをアピールできるITパスポートもおすすめです。これらは必須ではありませんが、持っていれば選考を有利に進めやすいでしょう。
簿記や経理の知識も評価される
事務職だからといって、必ずしも経理をおこなうとは限りませんが、それでも簿記や経理の知識があれば企業で重宝されます。簿記の資格はもちろん、大学で経理や会計について勉強している場合も評価されやすいため、積極的にアピールしましょう。簿記や経理は企業を運営する基礎となる知識であり、実際には事務職に限らず、すべての職種で必要なものです。
お金の動きや流れを把握していることで、より利益を意識した働きができるでしょう。事務職では部署内で経理や総務に移動することもあります。資格や知識があれば働く選択肢が増えるため、採用メリットが高いと判断されるでしょう。簿記や経理の知識は、事務職以外でも役立ちますので、就活に先駆けて身に付けておくのがおすすめです。
事務として働く際のメリットとデメリット
事務職として働くことには、メリットとデメリットの両方があります。これはどのような職種でも同じことがいえますが、実際に就職を考えているなら、両方の特徴を把握して、さらに職種への理解を深めておくことが大切でしょう。
メリットだけに目を向けて就職すると、デメリットが就職後に現れて不満を感じてしまうことも少なくありません。自分に合っているかどうか、本当に求めている条件で働けるかを知るためにも、メリットとデメリットのそれぞれを知っていきましょう。
メリット:残業が少ないため働きやすくパソコンスキルも身に付く
事務の仕事は残業が少ない傾向にあり、ワークライフバランスを取りやすい点がメリットです。企業によって仕事量は異なりますが、期限が迫っているもの以外は後回しにして翌日以降におこなうという仕事の取り組み方もできます。
また、1日でおこなう作業量がある程度決まっている場合もあり、慣れてくると時間内にすべての業務を問題なく終わらせられるようになるでしょう。事務職はデスクワークが基本であり、パソコンを使って仕事をします。
詳細な職種によって内容は異なりますが、ワードやエクセル、パワーポイントなどを使う機会が多く、パソコンスキルが身につく点もメリットです。身についたスキルはその後の社会人生活でも役立つため、働きやすく、かつ成長を目指せる点は事務職ならではの魅力でしょう。
デメリット:ルーチンワークで実績が評価されづらい
事務職のデメリットとしては、基本的にルーチンワークが多いため、実績が評価されづらい点にあります。例えば営業部などなら、個人で獲得してきた営業の数によって評価をつけられますが、事務職ではこのような評価の付け方が難しいです。
毎日決まった量の仕事を同じだけこなすということも多く、評価するなら作業の正確さやスピードなど、明確な指標のない部分をみなければなりません。そのため、周囲からその活躍がみえづらく、実力がある人でも、なかなか評価されないということもあるでしょう。
評価されづらいことで、キャリアアップが遅くなることもあります。長期間同じポジションのままということも多く、ルーチンワークでやりやすい分、評価されづらいデメリットがあることは理解しておきましょう。
事務の仕事内容は幅広い
事務職は新卒でも多く募集されている職種のひとつであり、身近な仕事といえるでしょう。身近な仕事なだけに、仕事内容について漠然としたイメージしか持っていない人も多く、事務=事務処理をおこなう仕事と考えている人は多いです。
事務処理も業務の一環ですので間違いではありませんが、実際には業務の幅はさらに広く、仕事量も多いので注意しなければなりません。事務では事務処理から電話、メールの対応、顧客の応対など、やるべきことはたくさんあります。
また、事務職でも職種はさらに細かく分けられ、職種ごとに詳細な仕事内容も異なります。事務の仕事内容は多岐にわたりますので、どんな仕事をしているのか明確に把握し、正しい認識を持って就職を目指しましょう。