志望動機

「強い志望理由が書けない、思いつかない会社も受けていいけど…」。新卒時代の面接で教訓を得た先輩が、受かる志望動機やテンプレを探す就活生に伝えたいこと

先輩に学ぶ「就活でしくじらないために」 〜なぜ御社なのかって理由、みんなすぐ出てくるものですか?〜

あなたはやりたいこと、ありますか?

「何がしたいのかなんて、決まっていない」
「夢とかってどうやって見つけるもんなの?」
「とりあえず就職先なんてどこでも良いし」
「いい志望動機ってどんな書き方なの?」
「人生なんてなるようにしか、ならないでしょ」

…現在の状況に不安や危機感、絶望を感じている学生の皆さん! 今回お届けするエピソードは『夢や目標を持たずに新卒時代を過ごした』という瀬島弘之さんの体験談です。

会社を選ぶ軸や理由もなくとりあえず就活をして、とりあえず知り合いの企業に就職。そんな過去を持つ瀬島さんですが、転職を経て、今では非常にやりがいのある環境で仕事ができているそうです。

「自分と向き合うことを忘れなければ、いつだってやりたいことを見つけるチャンスはある」と語る瀬島さん。なぜ自身の希望に沿った職種に就くことができ、やる気と自信に満ち溢れた社会人生活を送ることができたのか。

志望動機に関する『しくじり』から、やりたいことを見つけるポイント、後輩に対する熱い思いまで、赤裸々に語って頂きました。

特にやりたいことが見つからない学生時代。現実から背を向けていた

まずは瀬島くんの学生時代を振り返っていきたいんだけど、大阪出身だよね。東京の大学に進学したのは、何かやりたいことがあったからなの?

瀬島さん:東京に行きたかった、ただそれだけです。総合文化政策学部を選んで、ゼミのテーマが「地域活性化」だったのも、特に理由はなかったですね(苦笑)。当時は夢とか将来やりたいこととか、考えたこともなかったので。

インターンシップとかは参加してたの?

瀬島さん:一応、ゼミの影響もあって、地域活性化や農業コンサルティングの事業を展開している会社のインターンには参加していたんですよ。ただ、参加した一番の理由は就職活動で生かせると思ったからです。

就活で有利になりそうだからって理由でのインターンかぁ。

瀬島さん:はい(笑)。どうせインターンに参加するのであれば、普通の大学生とは違ったことを経験したいじゃないですか。IT企業とかよりも珍しかったので。ただ、企業リサーチや商材の販路コンサルという、マーケティングの領域での仕事はめちゃくちゃ楽しかったですね。

ゼミでもインターンでも地域活性化をやっていたら、就職活動のときには経験や知識を生かせる業界へ就職しようと思わなかったの?

瀬島さん:いや、受けなかったですね。よく考えてみると「興味がある」という程度で、将来の仕事として考えるまではできませんでした。

まぁ、早くから「人生を通してやりたいこと」を考えられる人は多くないよね。当時の自分を振り返ってみて、どう思う?

瀬島さん:そうですね~。一言で言うならば、考えなさすぎていたからこそ、新卒での就活で痛い目を見たという感じ。現実から背を向けていた自分を恥ずかしく思います。

内容が思いつかず「受かる志望動機」といったテンプレートそのままだと面接でも危ない

結局、就活のときは何社くらい受けたの?

瀬島さん:エンジニア職を採用しているIT企業を3社ほどですね。

よりによって、ゼミやインターンシップの経験を活かせなさそうな業界(笑)。面接の時とか絶対に苦労するでしょ。

瀬島さん:もう大変でした(笑)。今だから話しますけど、志望動機はたまたまハッカーの本を読んだことに影響されたという程度だったんですよ。でもIT、細かく言えばプログラミングの知識はゼロ。だから「未経験可」の企業だけに絞ってエントリーをしていました。

書類が通って面接に行く場合は、事前にIT知識とかを習得して行ったの?

瀬島さん:企業のHPを調べて、事業領域に関する知識は習得しました。志望動機には「ITの将来に可能性を感じています!」「御社の環境は自分にとって魅力的です!」というテンプレート的な内容を書いて面接にのぞんだんですけど、人事担当者の洞察力って凄いんですよ。ある企業の面接に行った時に「でも、IT領域に可能性を感じていて、プログラミングが好きだったら独学でも勉強するもんじゃないの?」って言われてしまって。

それは絶体絶命だね(笑)。もの凄く本質をついた指摘だし、何を言っても言い訳だと思われちゃうな。

瀬島さん:もう冷や汗が止まらなくて。「終わった」と心の中でつぶやきました。それでもある意味、人生を変えるきっかけになったのかな。面接で嘘をついてでもエンジニアになろうというよりは、もっと自分と向き合って、本当にやりたいことを探そうと思ったんですよ。

なるほど。でもその頃には時すでに遅し、と。それで知り合いの会社に入社したの?

瀬島さん:はい。インターン先の上司が新しい会社で農業ビジネスを始めると聞いたので、参画させてもらうことになりました。僕にとってはありがたい話でしたね。

就職浪人ではなく、とりあえず就職できたんだね。

瀬島さん:「なぜその会社なのか」という理由があったわけではないので、志望動機には本に書いてあったようなテンプレートをそのまま使いました。「新卒だからポテンシャルを見込んで採用したけど、こういう書き方はやめたほうがいいよ」とつっこまれはしましたね。やっぱり見抜かれるみたいです(笑)。

やりたいことを見つけ、志望動機を考える上で大切なポイント

その会社では具体的に何をやっていたの?

瀬島さん:企業や行政に対して農作物の提案をしたり、サポートをしたり、収穫物の販売をしたりしていました。自社農園を展開した時には、実際に茨城県に行って農作業もしましたよ。

インターンの経験を生かせる環境だったんだ。でも1年で転職することを決意したと。その間に何があったの?

瀬島さん:業務自体はとても楽しかったですけど、2~3年後、10年後の自分を想像することができなかったんです。あとは事業構想が壮大過ぎて、あまりにも会社の将来性を感じることができなかったんです。

そうか。新規事業だから成功と失敗を繰り返して、模索していくしかないもんね。そんな簡単にゴールも見えないだろうし。

瀬島さん:幸か不幸か、忙しいときと忙しくないときの差が激しかったんです。何も仕事がないときは、一日中ネットサーフィンをしているしかなくて。

ネットサーフィンとか羨ましく思えるけど(笑)。でも、一番成長できる時期に何もしていないのは辛いか。

瀬島さん:最初の頃はまだ良いんですけど、どんどんキツくなりますよ(笑)。ただ、仕事が少ない時期は「自分と向き合う時間」が山のようにあったんですよ。資格について調べたり、色んな業界の情報を収集したり。

それで自分のやりたいことを見つけることができたの?

瀬島さん:色々調べていくうちに、リサーチや商品企画の分野が面白そうだな、と。インターン先と就職先で、マーケティングの仕事に関わっていたこともあって。転職活動を始めたんですけど、学生の頃とにかく書けない、思いつかない項目だった「志望動機」に、本心が書けるようになったのは本当に嬉しかった(笑)。後は就活の時に得た教訓をやっと活かせると感じた瞬間でもありましたね。

強い志望動機が思いつかない会社を受けること自体は悪くないけど…

転職活動では苦労しなかった?

瀬島さん:おかげさまで苦労はしませんでした。自分が本当にやりたいことができる企業を選択できたのは、新卒時代との大きな違いですから。就職するなら志望動機がハッキリしてるのは当たり前のように感じる人がいるかもしれませんけど、どこまで本気なのかとか、実は自分と向き合えてない人の方が多いんじゃないですかね。

今の就活生とか、同世代の人を見ててそう思う?

瀬島さん:そもそも、みんな「やりたいこと」を持ってたり、会社でやれてたりするんですかね? …と、疑問には思っています(苦笑)。

そうだよね。若い時にやりたいことを見つけるのは大変だと思う。それに学生生活と就職活動で、自分と向き合う時間を作れない人もいるだろうし。

瀬島さん:僕は後悔をバネにして、何とか巻き返しています。でも学生の皆さんには在学中から将来を見据えた行動をした方が良いと伝えたいです。

瀬島くんがそうだったように、希望の仕事を見つけられない人は、どうすれば良いと思う?

瀬島さん:いろんな人に出会って、さまざまな経験をすることですかね。どんな些細なことでも良いから、自分のやりたいこと、やってみたいことを書き留めていくのも良いかも。

とにかく一回よく考えて、何かしら行動してみるってことか。

瀬島さん:学生の頃の人生って、親が働いて学費を払ってくれたり、授業に出ていれば進級できたり、他人が動かしてくれますよね。でも、「自分の人生をどうするか」という意識を持って向き合ってこないと、いざ社会に出るときに「なぜその会社なのか」「ずっと同じ会社で働くのか」を判断できないと思います。僕みたいに、テンプレート的な「受かる志望動機」をそのまま使って落とされるようなことはしてほしくないですね(笑)。あくまで例として考えて、その会社で今何をしたいのとか、現状の自分の気持ちを表現してほしいです。

わかりやすい具体例だね。

瀬島さん:でも 一番は、焦らないことだと思います。やりたいことが見つからないなら、とりあえず今の自分が興味を持てる企業に就職するのもアリ。人生は有限だけど、自身の可能性は無限です。自分と向き合うことを忘れなければ、いつだってやりたいことを見つけるチャンスはあります。

やりたいことが見つからないし、志望動機も書けない。新卒での就活で苦労の連続だった瀬島さんに学ぶ教訓

今現在、やりたいことが見つからなくて、とりあえず就職活動をしているという学生の皆さん。志望動機が書けない、就職先が見つからないことで人生に絶望をしているという学生の皆さん。どうか諦めないでください。

人生は短いようで長いものです。まずは自分を大切にし、素直に向き合うことで、「本当にやりたいこと」を追求してみてはいかがでしょうか。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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