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生産技術者に資格は必要なのか
生産技術者としてキャリアアップする方法のひとつとして、資格取得が挙げられます。資格は専門的知識を得ている証になりますし、会社での評価基準として設定されていることがあります。そのため、資格を保有していた方が働く上で有利であるということは間違いありません。
資格を取得するということは、給与や昇進、昇格に深く結びつくことでもあり、何よりも専門的知識は自身の成長の糧となります。生産技術者として会社に貢献し、ステップアップをしていくためにも、生産技術者資格は欠かせない存在だといえるでしょう。
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生産技術者に必要な資格とは
生産技術者に必要な生産技術資格とは業務にかかわる資格が代表的です。自分が担当している業務によって何の資格が必要かという点は分かれますがいずれにしても生産技術者として必要な資格は自分の業務にかかわる資格であることが多いです。ここからは、生産技術者におすすめの資格をご紹介していきます。
①マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
wordやExcelなどのオフィスソフトに関する知識を証明する資格です。通称MOSとよばれ、資格を取得して知識を証明するか否かにかかわらずIT系などでは必須とされる能力です。
なぜならIT系の生産技術職でオフィスソフトを使わないことはまずあり得ないからです。たとえば資料の作成ひとつをとってもオフィスソフトは必須と言えます。そのような状況でオフィスソフトを使えないということは結構なロスとなります。そのためMOSを取得することにメリットがあると言えます。
勉強方法
勉強方法としては独学や通信教育を通したもの、あるいは公共職業訓練などがあります。どの勉強方法を選択するかに関しては個人の自由です。独学と比較して通信教育や公共職業訓練は試験の性質を把握した勉強をさせてくれるため、確実な線を狙うのであればそれらを利用した方がいいと言えます。
一方MOS自体、そこまで難易度の高い資格ではなく、独学で取得したという人も多いようです。また独学、通信教育などのように個別に考えるのではなく、基本は独学で進め、分からないところは通信教育に頼るといった複合的な勉強方法も可能です。自分に適合した勉強方法を選択することが重要と言えます。
受験する方法
MOSを受験するには年2回実施される試験にMOSの公式WEBサイトから申し込む必要があります。受験科目は3つありますが、1科目につき10,584円が必要です。受験方法には2通りあり、全国斉一の試験会場で受験する方法と、最寄りの試験会場で受験する方法があります。
前者は試験開始日の1~1.5か月前に、インターネットないし郵便にて申し込みを完了させる必要があります。後者は試験会場によって申し込み方法や時期もまちまちです。受験に当たって特に必要な資格・経歴は存在せず、小学生以上であればだれであろうと受験することが可能です。試験に合格した場合、証明書を受け取ることができ、就職に活かすことができます。
②TOEIC
TOEICは生産技術者としてでなくとも、あらゆる職業において必要とされる資格のひとつです。ただ海外に拠点を移したり、海外との交流が生まれる可能性の高い生産技術者にとっては、そうではない職種についている人間よりも重要な資格と言えます。
TOEICで高得点を取ることは難しいですが、逆に取ることさえできれば、海外で活躍する際に役立つことはもちろん、国内における転職活動などの際も一定の権威を持つ資格です。そのため、間違いなく取得しておくべき資格と言えます。
勉強方法
TOEICは難易度の高い資格です。そのため完全に独学で学ぶのではなく、ポイントをおさえた問題集や参考書を使用する必要があります。問題集や参考書はTOEIC公式が発売させており、過去の試験データから考えられた問題や、多くの受験者が間違いやすい問題が掲載されています。
問題集や参考書を活用することで、効率的に試験に対処することができるでしょう。また問題集や参考書を使用せず勉強した場合は、知識が偏ってしまうかもしれません。英語の単語数は膨大なので、参考書や問題集によって学習の方向性を必ず決めておく必要があります。
受験する方法
TOEICを受験する機会は年に10回あります。TOEICの公式ホームページやコンビニから申し込むことで受験者となることができます。受験に当たって必要な資格や経歴は存在しません。20歳未満の方については保護者の同意を得る必要がありますが、基本的には誰でも自由に受験することができます。
受験料は税込み5,275円で、割引制度を利用すれば数百円安く受験することが可能です。なお、受験票には証明写真を張り付ける必要があります。この証明写真は試験後の採点書にもまるまる利用されます。受験や就職でTOEICを利用しようと思っている方は、きちんとした証明写真を用意するようにしましょう。
③CAD利用技術者試験
CADとはPCを使った図面作成のことですが、CAD利用技術者試験とはその名のとおりCADにおいて必要とされる技術知識を証明する資格です。CADは設計をするのであれば必須の技術なので、取得すれば全体的なキャリアアップを図ることが可能です。
ただし、2級からは職場や学校などで一定の経験をした人にのみに受験資格が限定されるので注意しましょう。現場では取れて当たり前の資格とみなしているところも多く、自分にとって本当に必要な資格かどうか必ず熟考してから受験することが大切です。
CAD利用技術者試験にはさまざまな種類がある
CAD利用技術者試験と名の付く試験はひとつだけですが、1級のレベルであれば建築、機械、トレースといくつかの専門的な種類に分かれます。またCADに関する資格であれば、CADトレース技能審査や建築CAD検定試験というようにいくつもの種類があります。
多くの種類がある上に、各分野によって必要とされる技術、知識が異なるために万人におすすめすることができる資格というものは存在しません。自分に何が必要なのかという点を知った上で、自分の得たい資格を見極めることが大切です。
受験する方法
受験できる回数は年に2回で、税込み4,000円で受験することができます。新規で受験する人は公式HPの「試験申し込みサイト」から基本情報を登録します。この基本情報の登録自体はどのような時期でもおこなっており、例え試験期間外でも可能です。
次に同様の試験申し込みサイトから、試験の申し込みをおこないます。試験の申し込みは随時おこなわれているわけではなく、試験期間中にのみおこなうことが可能です。学校や職場に所属している方で、なおかつ学校や職場がCAD利用技術者試験を受け付けている場合、それら経由で受験することも可能ですので確認してみましょう。
④生産技術者マネジメント資格
2009年に日本能率協会によりスタートした資格で、生産技術者のマネジメント力を示す資格です。正式名称は「生産技術者マネジメントスキル資格認定試験」で、種類は2つあります。1つ目は「Certified Production Engineer」(CPE)、2つ目は「Certified Production Engineer Managing Expert」(CPE-ME)です。
試験はCPEが90分で90問、CPE-MEが90分で60問です。どちらもコンピューターを使った試験方法になります。合格点は、CPEが800点満点で545点以上、CPE-MEは800点満点で525点以上となります。結果は受験した日にすぐ分かり、初回が不合格でも同期間内に再度の申し込みで2回までの受験が出来ます。受験には生産技術の実務経験が5年以上あることが望ましいです。
多くの大企業が取り入れている
生産技術者マネジメント資格は、日本の製造業の多くが社員に受験することを推進しています。主な企業ではNTT、NEC、ソニー、パナソニック、トヨタ自動車、富士フィルムなど、多数の企業の社員が受験しています。
企業側がこの資格の取得を推し進めている理由として、実際の自分が知り得る範囲の業務だけではなく、広い視野から生産マネジメントを出来る人材を作り上げたいからという理由があります。この資格の取得者が多いということは、他の部署に異動になったり打ち合わせなどで他部署と接する機会がある場合に、お互いの立場や各々の仕事の流れも理解しやすくなるというメリットが生まれます。
受験する方法
生産技術者マネジメント資格(CPE)の試験は、7月期と1月期の年2回おこなわれます。申し込み方法は、年2回の申込期間内に直接試験会場に申し込みをします。試験会場は全国にあるため、WEBサイトで自分が受験出来る場所を決めることができます。
試験の当日は本人確認の書類が必要となります。当日、本人確認が出来ない場合は、受験できないため、必ず持って行きましょう。受験料は税抜で15,000円、5名以上であれば団体割引を受けることができます。CPEは5~10年の生産技術者の経験があれば、受験資格は特にありませんが、CPE-MEはCPEの資格をすでに取得している人で10年以上の実務経験があることが必要となってきます。
⑤情報処理技術者
情報処理技術者試験は国家資格です。「情報処理の促進に関する法律の第29条」に基づき、経済産業大臣が実施しています。試験の実施自体は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)がおこなっています。情報システムの構築、運用、開発からエンドユーザーまでのITに関わる全ての立場の人がIT知識を向上するための試験として実施されています。試験は4段階のレベルが設定されています。
12個の試験分野が存在しており、難易度も高く、合格率は約2~3割と低めです。情報処理技術者試験は認知度が高く、情報処理に関わる職種に就きたい方には大変おすすめの資格です。また、資格保有者には手当や奨励金制度を設ける企業も増え、資格取得を目指して勉強に精を出す人も多いです。公的機関などの情報技術職では、情報処理技術者の資格取得、もしくはそれに相応する専門知識を所持していることが採用基準になっていることもあります。
勉強方法
情報処理技術者試験は難易度が高いのが特徴です。また、試験分野も多いので、対策本だけでも何種類もの本が販売されています。対策本を購入する際は、最新版を購入するようにしましょう。常に情報がブラッシュアップされるIT分野の試験なので、最新傾向を分析した対策本で勉強をするようにしましょう。
また、難易度が高いことから、通信講座をおこなっている企業も多く存在します。対策本を購入するよりも費用は高くなってしまいますが、自分で勉強するのが苦手な人におすすめです。研修をおこない、資格取得の勉強をサポートしてくれる企業もあるので、入社後に資格取得を目指したいと考えている人は、志望している企業の福利厚生や研修制度について調べるといいでしょう。
受験する方法
情報処理技術者試験は、春・秋の年2回実施されます。春は4月の第3日曜日、秋は10月の第3月曜日に実施されます。ただし、ITパスポート試験はCBT形式での受験が可能なので、随時実施中となっています。受験会場は各都道府県に1ヶ所以上は設置されるため、受験場所に困ることはありません。試験費用は5,700円です。
申し込み方法は、IPAの公式HPからインターネット経由での申し込み、もしくは郵送にて申し込みが可能です。申し込みは申請できる期間が決まっているので、うっかり申請期間が過ぎないよう、試験の情報が解禁された際は必ず締め切りを確認するようにしてください。
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資格取得を目指す際に注意するポイント
複数存在する生産技術資格の中でも、MOSやTOEIC、CAD利用技術者試験は大学でも資格取得を補助してくれる制度がある場合があり、資格取得のための準備自体は難しくありません。では、実際に生産技術取得を目指す際に注意しておきたいポイントはなんでしょうか?勉強をしっかりおこなった上で試験に臨むことも、資格取得を考えているなら勿論大事なことです。
就職に向けて資格取得をおこなうのであれば、他にも気を付けるべき部分があります。特に注意すべきポイントは、自分がどの分野でどう活躍したいかを明確にすること、また複数の資格を取得するつもりなら計画的に取得していくことになります。
自分がどの分野でどう活躍したいかを明確に
資格を取得しておくことは、確かに就職活動において有利になることは確かです。しかしそれは、その資格を活かすことができる職種や企業であることが前提になります。とりあえず資格が欲しいからと闇雲に資格を取ったとしても、実際に企業に就職した後にその知識や技術を活かせないのでは意味がありません。
実際に自分がどの分野への就職を志望するのか、就職後どのように上のキャリアを目指していきたいかによって、取得を目指したい資格や必要となる資格は大きく異なってきます。就職活動に資格を活かすつもりでいるのなら、まずは将来の自分をどのようにしたいか、そのビジョンを明確にした上でそれに必要な資格の取得を目指しましょう。
複数の資格を取得したい場合は計画的に
ひとつ資格があればそれだけでも有利ですが、可能なら複数の資格を取得したいと思う人もいることでしょう。資格は自分が学生時代にどういった勉強をしたかを証明することにもなるので、複数挑戦するのは悪いことではありません。
複数の資格取得をおこなうなら、計画的に考えて取得する必要があります。それぞれの資格ごとに、試験や実際に資格取得ができるまでの期間は違いますし、合わせて勉強する内容や順序を考えなくてはいけません。また、就職活動と資格取得試験が被ってしまうのも、あまりいいとは言えません。就職活動に向けて複数の資格取得を目指すのであれば、早めに計画を立てて取り組む必要があります。
生産技術者の仕事に役立つ資格を積極的に取得しよう
生産技術に関連する資格の内、どれが必要かはその人が関わる業務に依存するため、万人に必要な生産技術資格というものはありません。将来的に海外との関係を持つ可能性がある場合はTOEICなどの語学系資格をとる選択肢など、自分がどのような人物なのかという点を見極め柔軟に取得する資格を見定める必要があります。
勉強方法に関しても参考書や問題集を利用したり、通信教育を利用したりと多種多様な勉強方法があるということでした。万人に当てはまる資格、勉強方法というものは存在しませんが、自分の資質を見極め就職や仕事に役立つ資格を取得しましょう。