目次
ホームセンター業界とは
家具や園芸用品、日用品、食品など、さまざまな商品を取り揃えているのが「ホームセンター」です。他にも、DIY関連商品やペット商品など、「売ってないものがない」というくらいの多彩なラインナップで「店舗の中を歩き回っているだけでも楽しい」と感じる方も、たくさんいらっしゃるでしょう。
本記事では、そんな「ホームセンター」業界について、さまざまな角度からご紹介していきます。就活先としてこの業界を少しでも視野に入れている方にとって、お役に立てると幸いです。
ホームセンター業界の概要
ホームセンターのライバルとなるのは、アウトレットモールやショッピングモールです。これらが郊外などで店舗拡大しているため、ホームセンターのマーケットは、著しい伸び率とは決して言えません。
また、同じ商品を展開しているスーパーマーケットをはじめ、ドラッグストア、ディスカウントショップも競合相手です。ホームセンター業界は、負けじと店舗の数を増やしている状況です。
こうしたライバル業界の台頭や少子化に伴うマーケットの縮小を考慮し、この業界は、規模を拡大することに注力しています。そのため、M&Aが相次ぎ、大手企業が成長しているとも言えるでしょう。「買収して子会社化する」という動きは、事業成長のために欠かせない戦略となっているのです。
ホームセンター業界の業績推移について
- 業界規模:3兆2,730億円
- 平均年収:529万円
- 平均勤続年数:12.2年
業界規模自体は、その他と比較しても決して小さいものではありません。年を重ねるごとに、右肩上がりに数字を伸ばしているものの、伸び率そのものは低い状態が続く見込みです。
また、業界規模に比べると、平均年収や平均勤続年数はあまり高い数字とは言えません。とはいえ年収は、大手クラスの場合700万円〜800万円にもなり、中には1,000万円を超える企業もあるので個別でみると年収が低いとは判断できないでしょう。
もちろん勤続年数も、長い企業では20年を超えます。平均的には低い傾向にあるものの、会社によっては高年収、もしくは腰を据えて働ける環境であることは頭に入れておいても損はありません。
ホームセンター業界の動向
それでは、ホームセンター業界の動向について解説します。ホームセンター業界の近年の動きとしては、品揃え豊富な大型ストアなどの競合他社の存在が、市場開拓を牽制し合っていました。今後は人口減少、戸建て住宅の減少により、市場はどんどん小さくなっていくことが予測されています。その中でも、ホームセンター業界のM&Aが新しい動きとして見受けられます。
そんなホームセンター業界の主要トピックとして、平成18年9月にカーマ、ダイキ、ホーマックの3社が経営統合し、DCMホールディングスが設立されたことが挙げられます。また、同社は平成28年3月に、ユニーグループ・HD傘下のユーホームが展開していた11店舗のうち8店舗を買収しました。このように、ホームセンター業界のM&Aは、市場が飽和している現代では生存競争に生き残るための必然的な戦略であり、他社でも同様の動きが拡大されていくと考えられています。
ホームセンター業界の課題
ホームセンター業界は市場が飽和状態にあり、今後のさらなる成長は難しいと考えられています。店舗を展開して売上を伸ばす戦略だけではリスクが大きく、生存競争に勝つためにはM&Aが有効な手段の一つです。ただし現状として、大手DCMホールディングスなどのM&Aは加速していますが、全てのホームセンターが同様にM&Aを実行できているとはいえません。
今後の課題としては、主力商品の販売強化やPB商品の開発をおこない、ホームセンターそのものの魅力を強くしていくことが求められます。そして、ライバルであるECサイトやオンラインショップの台頭は最大の課題ともいえます。
実店舗型ではないのに品揃えもよく、安くて便利なショッピングを可能にした通販サービスは、現在多くの人が利用しています。この現状を打破するためにも、ホームセンター自身もオンラインサービスの強化をしていき、利便性の追求をしていくことが必要になるでしょう。
ホームセンター業界の細かい職種分類について
- 販売員
- 店長
- スーパーバイザー
- バイヤー
- MD
販売員は、他業界と同様に接客・レジ打ち・商品補充などを行います。広い面積の店舗が多いため、従業員ひとりひとりが部門ごとに配置され、そこで対応を任せられるのが基本的な人事です。店長は、店舗の責任者として全体のマネジメントや店のあらゆる業務を担当することになります。
スーパーバイザーという仕事は、複数店舗のマネジメントを担うものです。従業員の教育や業務指示を行うこともあります。所属している会社によっては、マネージャーなど別の名称で定着しているところもあるようです。バイヤーはその名の通り、買い付け業務に担い、MD(マーチャンダイザー)は、扱う商品の責任者として、商品の計画や売上管理などを行います。
ホームセンター業界の動向
それでは、ホームセンター業界の動向について解説します。ホームセンター業界の近年の動きとしては、品揃え豊富な大型ストアなどの競合他社の存在が、市場開拓を牽制し合っていました。今後は人口減少、戸建て住宅の減少により、市場はどんどん小さくなっていくことが予測されています。その中でも、ホームセンター業界のM&Aが新しい動きとして見受けられます。
そんなホームセンター業界の主要トピックとして、平成18年9月にカーマ、ダイキ、ホーマックの3社が経営統合し、DCMホールディングスが設立されたことが挙げられます。また、同社は平成28年3月に、ユニーグループ・HD傘下のユーホームが展開していた11店舗のうち8店舗を買収しました。このように、ホームセンター業界のM&Aは、市場が飽和している現代では生存競争に生き残るための必然的な戦略であり、他社でも同様の動きが拡大されていくと考えられています。
ホームセンター業界の課題
ホームセンター業界は市場が飽和状態にあり、今後のさらなる成長は難しいと考えられています。店舗を展開して売上を伸ばす戦略だけではリスクが大きく、生存競争に勝つためにはM&Aが有効な手段の一つです。ただし現状として、大手DCMホールディングスなどのM&Aは加速していますが、全てのホームセンターが同様にM&Aを実行できているとはいえません。
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主要企業5選紹介
日頃よくホームセンターに来店する方でも、身近な店舗に行くケースが多いため、主要企業に関しては意外と知られていないでしょう。もちろん、多くの企業がホームセンター業界に参入しています。就活のために、各会社の特徴を押さえていきましょう。
地域密着型で店舗を展開している企業があり、買収・子会社化も続いているため、業界の動向は複雑かもしれません。だからこそ、きちんと企業情報を把握して、賢く就活に臨んでください。
①株式会社ニトリホールディングス
- 企業名 株式会社ニトリホールディングス
- 代表者名 白井 俊之
- 従業員数 10,169名
- 設立年月日 1972年(昭和47年)3月
株式会社ニトリホールディングスは、インテリア小売業をしているお馴染みの「ニトリ」などを展開しています。ほとんどの商品を自社で開発し、企画から原材料の仕入れ、生産、検査、販売、配送まで、すべてをニトリグループで行うことが大きな特徴です。海外にも店舗を構え、現在も国内外で躍進していると言えるでしょう。中でも本社のある北海道では「勝ち組企業」として認知されているようです。
自社商品の開発に携わることは、ニトリで仕事することの醍醐味でしょう。数年で配置転換を行うので、さまざまな業務を経験できることも大きな魅力のひとつです。そして、30期連続増収増益を達成している会社に在籍することは、安定を手に入れられるだけではなく、成長企業のワクワク感も味わえるでしょう。
②DCMホールディングス株式会社
- 企業名 DCMホールディングス株式会社
- 代表者名 久田 宗弘
- 従業員数 4,373名(連結)
- 設立年月日 2006年(平成18年)9月1日
DCMホールディングス株式会社は、カーマ、ダイキ、ホーマックの3企業が統合して設立された会社です。買収を繰り返し、事業規模を拡大しているのが大きな特徴でしょう。ホールディングス店舗は全国で600を超え、ホーマックブランドが売り上げに貢献し、ホームセンター業界で大きな存在感を放っています。
社内では「レポートコンクール」や「改善提案制度」があり、社員ひとりひとりの意見や考えを尊重する風土が根付いています。また、チャレンジ精神をバックアップする助成制度などもあり、成長を続けたい方にもオススメの企業です。会社自体も、ホームセンター事業だけでなく、介護福祉のビジネスなど新たな領域に果敢に挑戦しています。今後のM&Aや事業展開の動向がもっとも気になる企業と言えるでしょう。
③株式会社コメリ
- 企業名 株式会社コメリ
- 代表者名 捧雄一郎
- 従業員数 11,855名
- 設立年月日 1962年(昭和37年)7月
株式会社コメリは、新潟を中心にホームセンターを展開する会社です。新潟だけではなく全国に店舗を拡大し、プライベートブランドの売り上げ構成比率は、この業界で最高クラスを誇ります。そして園芸や農業領域に強みを持ち、海外にも事業を設けている成長企業です。
多岐にわたる事業に挑戦しているため、職種はなんと50以上もあります。仕事を分けることにより、ひとりひとりが役割に専念できるため、効率的かつスピーディに課題解決に向かうことができます。また、さまざまプロジェクトを立ち上げ、新しいことにトライしていることも、魅力のひとつでしょう。ホームセンター業界で異例の「小型店舗」を成功させた企業だからこそ、実現できることはたくさんあるはずです。
④コーナン商事株式会社
- 企業名 コーナン商事株式会社
- 代表者名 疋田 直太郎
- 従業員数 正社員2,682名、準社員7,800名
- 設立年月日 1978年(昭和53年)9月20日
コーナン商事株式会社は、近畿エリアを中心にホームセンターを展開している会社です。郊外に店舗を構えることが一般的な業界ではありますが、大阪では中心部にも展開し、他社よりも開店時間を早めるなどの対策も万全です。地域密着型の企業として、今後の成長が期待されている会社のひとつと言えるでしょう。
地域の人たちを愛するように、新入社員に対して手厚いサポートを用意しています。ビジネスマナーや基本的な仕事内容を学ぶ研修をはじめ、3年かけてじっくりと成長を支える制度もあるので、経験のない方も安心です。企業柄、求められるのは「変化をいとわないこと」「成長を続けられること」の2つが挙げられるでしょう。こうした精神を持っている方こそ、もっとも輝ける職場かもしれません。
⑤株式会社ナフコ
- 企業名 株式会社ナフコ
- 代表者名 石田卓巳
- 従業員数 1,633名
- 設立年月日 1970年(昭和45年)8月
株式会社ナフコは福岡県を本社に構え、西日本をメインに店舗展開している企業です。母体は1947年設立の「深町家具」で、創業70周年を迎えました。出店していない都道府県は全国に約10ほどありますが、海外展開も視野に入れ、今後の動向に着目すべき企業のひとつでしょう。
男女比率では「2:8」と女性が活躍している職場で、育休・産休にも力を入れています。また、月の平均残業時間は9.5時間で、ワークライフバランス実現できる環境だと言えるでしょう。また、「現場第一主義」を掲げ、昇進するための試験はなく、あくまでも現場の働きぶりによるものです。まずは店長になることからキャリアが始まりますので、「店舗運営に興味がある」「接客が好き」そんな方は、活躍できるはずです。
かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断
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ホームセンター業界の志望動機例文
私はお客様が1日中いても飽きないお店作りができる販売職を目指しています。ホームセンターは広い店内と豊富な品揃えが大変魅力的です。そして、販売職は丁寧な接客と提案力が求められる仕事です。スーパーマーケットのアルバイトで身につけた品出しや会計業務を活かしながら、幅広い年代のお客様の日常をサポートし、豊富な商品知識を積み重ねたいです。
コミュニケーション能力があること、お店作りやホームセンターならではの品揃えに着目し、ホームセンターだからこそ働きたいという思いを整理して伝えると説得力のある志望動機となります。
ホームセンター業界研究のおすすめ書籍紹介
インターネットで情報を収集することが主流になったとはいえ、書籍には濃密が情報が詰まっていると考えられます。特にホームセンター業界に関する情報は、無料で読めるネット記事が充実しているとは限りません。
流通・小売業に関する専用のサイトや各種メルマガ、そして書籍に目を通すなどの情報収集への積極的姿勢が、内定獲得の肝になるかもしれません。そこで、この業界の知識を深められる本を数冊ご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
①ニトリ 成功の5原則
『ニトリ 成功の5原則』という本は、ニトリがなぜこれほどまでに成功を収めたのか、創業者の似鳥昭雄氏が自ら記した書籍です。成功の5原則とは「ロマン」「ビジョン」「意欲」「執念」「好奇心」で、この5つに「30年連続増収増益」を達成した秘訣が隠されています。
業界知識を深めるには、各企業の創業者の書籍を読むと有効かもしれません。その中に書かれている「いかにして成功したのか」を知ることは、現場でも必ず活かせる知識になるでしょう。
似鳥昭雄氏は23歳で「似鳥家具店」を創業し、アメリカ視察で学んだことや人生の師の教えを胸に、創業から50年後には、時価総額1兆5000億円を超える企業へと成長を果たしました。この書物には、ホームセンター業界に腰を据えたい方にとって、大切なことがたくさん見つかるはずです。
②イケア・無印良品・ニトリで いつもすっきり! 収納 (学研インテリアムック)
『イケア・無印良品・ニトリで いつもすっきり! 収納 (学研インテリアムック)』という本は、「イケア」「無印良品」「ニトリ」3社の人気インテリア企業の商品を使い、部屋をスッキリさせるメソッドが紹介されている本です。有名なデザイナーやブロガー、収納アドバイザーなどによる収納方法のノウハウが満載で、多彩なアイデアに溢れている書籍とも言えるでしょう。
こうした本は、各社の商品知識が身につくだけでなく、各企業の配属される部署によって効果が発揮できるかもしれません。例えば店舗の現場でお客様からアドバイスを求められ時にも役立ちますし、商品を企画する際にも、アイデアの源泉となりうるものでしょう。消費者向けの本には、ビジネスプランのさまざまなヒントが隠されているはずです。
ホームセンター業界を深く知って就活を有利に進めよう
ホームセンター業界は、大手家具店による社会的な問題が起きるなど、業界自体の伸び率は鈍っている状況があります。とはいえ、消費者ニーズを捉えた戦略により、ニトリのような成長企業もあるのも事実です。ホームセンター業界に興味のある方は、ぜひ十分な業界・企業研究を行い、就活に臨んでください。