業界研究
【業界研究のやり方完全版】手順とゴール、使うべきツールを解説
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目次
業界研究のやり方が分からない人は多い
就活を進めて行くうえで、多くの学生が悩むのが業界研究だと言われています。業界研究のやり方がわからず「どのように進めていいかわからない」「どうすれば終わりなのか」など、就活をスムーズに進められていない人も多いのではないでしょうか。
しかし業界研究は、就活を進めるために、必ず行わなければいけません。業界研究をせず就活を進めてしまった場合、自分のやりたい事できる企業に就職できません。
自分のやりたい事ができる企業でなければ、仕事に対してストレスを感じやすくなってしまいます。そのような入社後のミスマッチから、1年未満で退職してしまうリスクもあります。
そのため、自分に合った業界をしっかり定め、内定を得るためにも業界研究は必要です。
本記事では、業界研究を行う方法やポイントを解説しています。正しいやり方を知ることで、自分に合った企業をみつけ、内定を目指しましょう。
業界とは
まずは業界研究のやり方を知る前に、まずは「業界」とはどのようなものなのかについて理解を深めていきましょう。
「業種」「業界」「職種」の違い
業界と似ている単語として、「業種」「職種」があります。区分の大きさとしては、「業種」→「業界」→「職種」の順に分けられています。
「業種」とは、サービス業や金融など、事業や産業と同じ使われ方をされ、仕事を分けるうえでの大分類になります。また「業界」とは、自動車業界や鉄道業界など、業種を取り扱う事業やサービスによって細かく分けられた中分類になります。そして「職種」とは、営業職や販売職など、企業内の役割を指す小分類になります。
志望先を決める上では、まずは業種を見つけ、その上で業界を選ぶことが大切です。さらに詳細な志望先を考えるなら、職種まで見て、希望する条件を満たす企業を探して、選択肢を広げていきます。
就職活動は、このようにして企業選びを進めていくため、まずはざっくりとした業界別で、仕事を理解することが重要です。
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業界研究の考え方と目的
「業界研究」という言葉には、2種類の考え方が存在します。考え方は以下の2つです。
2種類の考え方
①「やりたい事を見つけるために業界研究をする」
②「やりたい事を実現するために業界研究をする」
業界研究の考え方がわかっていないと、「何を業界研究のゴールにしていいのか」わからなくなってしまう可能性が高いです。
また無目的に業界研究をしてしまうと、何のために業界研究をしているのかわからなくなってしまい、効率的な情報収集ができません。
業界研究を行う目的を理解し、明確なゴールを設定しましょう。
①「やりたい事を見つけるために業界研究をする」という考え方
①の「やりたい事を見つけるために業界研究をする」という考え方のゴールは「志望業界を決めること」になります。業界のサービスや製品について知り、志望業界を決めることが業界研究の目的になるでしょう。
多くの人は業界研究について、①のような考え方をしています。やりたい事を見つけるために業界研究をするのは、間違いではありません。就活生はまだ社会人経験がないので、世の中にどんな企業や業界があるのを知ってから、やりたい事を見つけようとするのは当然の思考になります。
一方で、やりたい事を見つけるために業界研究をしてしまうと、時間がかかってしまうデメリットがあります。やりたい事が見つかるまで、業界を見続けなければいけないからです。
また入りたい企業がベースとなってしまうケースが多いです。もし入社後にやりたい事ができなかった場合に、「こんなはずじゃなかった」と、ミスマッチを感じる原因となってしまいます。
業界への理解は、就活を進める上での第一歩となり、就活の軸の作成や志望動機、自己PRの作成などにも影響します。①の考え方を基にした業界研究のやり方は、下記で解説します。
②「やりたい事を実現するために業界研究をする」という考え方
②の考え方は①と違い、ほとんどの人が業界研究について、このような考えをしていません。①との違いは先に自己分析をしていて、「自分のやりたい事が明確になっているかどうか」です。
やりたい事が業界研究をする前に明確になっている場合、そのやりたい事が実現できる業界を探すだけなので、明確なゴールがあります。
一方で②の考え方で業界研究をする場合、自分と向き合う時間が長くなります。選考まで時間がない人にとっては、デメリットと言えるでしょう。
①と②、どちらの考え方が正しいというわけではありません。しかし、業界研究にこのような2つの考え方があるとを知っておけば、「業界研究の方法」や「業界研究のゴール」を見出しやすくなります。
②の「やりたい事を実現するために業界研究をする」という考え方のゴールは「志望業界を理解すること」になります。業界の課題や将来性について知ることが、業界研究を行う目的になるでしょう。
「自分のやりたい事が本当にできる業界なのか」「業界全体として傾いておらず10年後もやりたい事ができるのか」など、自分のやりたい事と照らし合わせながら業界研究をおこないます。②の考え方を基にした業界研究のやり方は、下記で解説します。
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業界研究のやり方とゴール(選考に余裕がある場合)
次に、選考に余裕がある場合の業界研究のやり方とゴールを解説します。やり方とゴールとしては、「自己分析で自分のやりたい事を決める」「自分のやりたい事を分解する」「実現できる業界を明確にする」の3STEPです。
業界研究のやり方とゴールがあることで、具体的にどのように進めていけばよいかわかります。選考に余裕がある場合の業界研究のやり方とゴールを知り、実際に業界研究を進めていきましょう。
1.自己分析で「自分のやりたい事」を決める
まずは自己分析をしましょう。自己分析によって「自分のやりたいこと」、あるいは「やりたくないこと」を知ることで、自分が会社に求めている内容がわかり、自分に合った業種選びができます。
例えば「自分はホスピタリティ精神が強い傾向にあるからサービス業界に向いている」や「真面目で勤勉な性格のためインフラ業界や公務員が向いている」などです。
世の中にはたくさんの業界や企業があります。その中から自分に合ったものを選ぼうと思っても、方向性が決まっていなければ選択しきれません。
選択肢が多い中、手探りで選考を進めても、「自分のやりたいことがわからなくなったり」、面接においても「他の企業でも同じことができませんか?」と聞かれた際に、何も回答できなくなるでしょう。
自分のやりたい事を見つけ、自分に合った業種選びをするためにも、まずは自己分析を行い、「自分のやりたい事」を決めましょう。
自己分析の具体的な方法としては、以下の通りです。
自己分析の方法
1.自分史を作成する
2.モチベーショングラフを作成する
3.マインドマップを作成する
自己分析の詳しい解説については、下記の記事を参考にしてください。
2.自分のやりたい事を「誰に」「何を」「どのように」「成果」に分解する
自己分析をし「自分のやりたいこと」がわかれば、次はそれを分解していきましょう。分解する項目としては「誰に」「何を」「どのように」「成果」です。
4つの要素
「誰に」→業界
「何を」→業界
「どのように」→職種
「成果」→企業が採用するメリット
例えば自分のやりたい事が「営業」であれば、これを上記の4つに分解していきましょう。「営業」がやりたいのであれば、「誰に=大企業に」「何を=会計ソフト」「どのように=営業職を通じて」「成果=売上」というように分解できます。
「誰に」と「何を」は後述する「実現できる業界」を明確にする材料になります。「どのように」は職種、「成果」は企業が採用するメリットに該当するため、志望動機として書くことができます。
これら4つの要素に分解できなければ、自己分析からやり直しましょう。また要素の部分で分からないところがあれば、業界地図で調べたり、企業説明会やOBOG訪問のようなイベントで質問するようにしましょう。
3. 「誰に」「何を」が実現できる業界を明確にする
自分のやりたい事を4つに分解できれば、その中で「誰に」と「何を」にフォーカスしましょう。この「誰に」と「何を」を明確にすることで、自分のやりたい事ができる業界がわかります。
先ほどの例では、「営業」を、「誰に=大企業に」「何を=会計ソフト」「どのように=営業職を通じて」「成果=売上」というように分解しました。この中で「誰に=大企業に」「何を=会計ソフト」にフォーカスすると、「大企業向けに会計ソフトを販売している企業や業界」といった形に絞ることができます。
あとは「大企業向けに会計ソフトを販売している企業や業界」を探し、企業を見つけることで業界研究は終了します。企業を見つけた後は、企業研究になります。
また「どのように」と「成果」に関しては、志望動機として書けます。例えば「大企業向けに会計ソフトを販売している御社を志望しました。営業職を通じて御社の売上に貢献したいと思います。」というように書くことができるでしょう。
このように、志望業界を明確にすることが業界研究のゴールであると言えます。やみくもに業界研究をするのではなく、まずはしっかりと自分のやりたい事を理解しましょう。
業界研究のやり方とゴール(選考に余裕がない場合)
次に、選考に余裕がない場合の業界研究のやり方とゴールを解説します。やり方とゴールとしては、「幅広い業界を視野に入れる」「気になる企業が属する業界を軸にする」「業界の特徴とやりたい事を整理する」の3STEPになります。
業界研究のやり方とゴールがあることで、具体的にどのように進めていけばよいかわかります。選考に余裕がない場合の業界研究のやり方とゴールを知り、実際に業界研究を進めていきましょう。
1.幅広い業界を視野に入れる
まずは、幅広く業界を見ておきましょう。最初から業界を絞り込むのではなく、どんな業界の企業であってもすぐエントリーできるような心構えをしておきましょう。
幅広く業界を見ていなければ、仮に本選考で選考が進んでいる企業がなくなってしまった際に、一から業界研究をしなければいけなくなります。
このように持ち駒がなくなり、再度業界研究をするリスクを避けるためにも、まずは幅広い業界を視野に入れることを覚えておきましょう。
2.気になる企業が属する業界を軸にする
幅広い業界を視野に入れる心構えができれば、次は気になる企業が属する業界を軸に、業界研究と選考を進めていきましょう。
気になる企業が属する業界であれば、直感で企業を選ぶことになります。その結果、手当り次第エントリーすることを防げるでしょう。
また自分が気になる企業が、大手で有名な企業である場合も多いでしょう。大企業の選考の場合、採用人数も多い可能性が高いです。やりたい事がなく業界研究をする時間がなかったとしても、入社できるケースもあるでしょう。
このように選考に余裕がない場合は、自分が気になる企業が属する業界を軸に、業界研究と選考を進めていきましょう。
3.業界の特徴とその業界でやりたいことを整理する※最低限内定するために
幅広い業界を見る心構えと、選考する軸が理解できれば、最後に業界の特徴とその業界でやりたいことを整理しましょう。どれだけ選考に余裕がないとはいえ、これらを明確にしておかなければ内定を得られません。
整理する内容
「その業界が何をしているのか」
「その業界で何がしたいか」
「なぜそれをしたいと思ったのか」
上記の3つだけでも整理しておくことで、選考に余裕がなくても、最低限の業界研究から志望動機がかけます。このように選考に余裕がない場合の業界研究は、広い視野をもつ心構えと選考する軸、最低限の整理を行いましょう。
業界研究で使う3つのツール
次に業界研究で使うツールについて、解説します。ツールとしては「業界地図」「新聞」「企業説明会やOBOG訪問」になります。
「業界研究といえば業界地図」と思い浮かべる人も多いでしょう。もちろん業界地図は様々な業界の情報を一覧として見ることでできるので、業界研究をするのにうってつけの商品です。
一方で、最近の動向や市況感を把握するのには新聞が有用ですし、実際に働いている人の意見を知るためには企業説明会やOBOG訪問が有効的です。様々な角度から業界研究をするメリット理解して、効果的に進めていきましょう。
1.「業界地図」で全体感を理解する
業界地図とは、東洋経済新報社や日本経済新聞社のような、経済関連の情報を扱う出版社や新聞社が年に一度発行している書籍です。
例えば2020年版の「会社四季報 業界地図」では、172業界、4,030社の情報が掲載されています。各業界内における企業の業績や順位、企業間の関係性など業界について広く知ることができます。
また、業界地図ではコラムがとても充実しており、有益な情報が詰め込まれています。例えば「40歳の平均モデル年収」「5年間に増えた仕事・減った仕事」「業界編成の系譜」などです。
このように業界地図は「世の中にどんな業界があるのか」を理解するために、有効的な書籍です。「やりたい事を見つけたい人」や「志望業界について詳しく知りたい人」はぜひ参考にしてみましょう。
2.「新聞」を購読し市況感を掴む
就活生は社会人経験が少なく、あったとしてもアルバイトやインターンシップ程度の経験になるでしょう。多くの人は、世の中の企業や業界に対する解像度は低いです。
また転職グッドの「大企業・中小企業の定義と企業数、従業者数」によれば、日本の企業数は「大企業が1万1,000社」「中小企業が380万9,000社」と言われています。このようにたくさんの企業があり、且つ世の中の企業に対する解像度が低い状態では、「自分に合った企業」を見つけることは難しいでしょう。
そのため、まずは世の中の経済状況を知っておく必要があります。経済の流れを見ていくうちに、「世の中にはどのような企業があり」「どんなことをしているのか」が理解できます。
ニュースを見て「どのような企業があり」「どんなことをしているのか」を理解し、自己分析で「自分は何をしたいのか」が明確になれば、「自分に合った仕事を見つける」ことができるます。そのため、まずは「世の中にどのような企業があるのか」を知るために、就活生はニュースをチェックしておく必要があります。
「ニュース」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「ニュース」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。
3.「企業説明会」や「OBOG訪問」を利用し理解を深める
最後に企業説明会やOBOG訪問を利用することも、業界への理解をするうえで有効的です。企業説明会やOB訪問では、実際に働いている人に業界についての話を伺えるため、より自分がその業界で働くイメージを鮮明にもてます。
例えば、「業界の将来性についてどのようにお考えでしょうか?」「自分と同じような考えや性格の人はいらっしゃいますか?」と質問すると良いでしょう。
業界や企業を深く理解する上でも、企業説明会への参加やOBOG訪問をおこなうことは、業界研究をするうえで有用であると言えるでしょう。企業説明会やOBOG訪問は「志望業界についてもっと知りたい」という人にとっては、有効的な手段となっています。
「企業説明会」「OBOG訪問」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「企業説明会」「OBOG訪問」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。
業界研究をする際の3つの注意点
最後に業界研究をする際の注意点を解説します。注意点としては。「入りたい企業を忘れる」「時間をかける」「目的を忘れない」の3つになります。
注意点を理解しておかなければ、適切な業界研究ができません。その結果、せっかく入社できても自分がやりたい仕事ができない可能性もあるでしょう。
業界研究をする際の注意点を理解して、適切な業界研究をしましょう。
1.入りたい企業を忘れる
業界研究をする際に、「どうしてもいきたい企業」や「周りが良いと言う業界」があると、その企業求める人物像や風土に合わせてしまうことも多いでしょう。しかし、これでは業界研究を行う意味がありません。
いきたい企業が所属する業界ばかり業界研究をしてしまうと、本当に自分がやりたい事がわからないまま就職してしまうからです。このような就活をしてしまうと、入社前の理想と入社後の現実のギャップから、仕事が辛くなってしまいます。
そのため新卒で就活する際には、業界研究は行きたい企業に合わせるのではなく、できる限り自分自身としっかり向き合いながら行いましょう。
2.自己分析と業界研究に時間をかける
業界研究をしたからといって、すぐに志望業界が見つかったり理解が深まるわけではありません。特に自己分析の段階で時間をかけて自分と向き合うことで、「自分はもしかしたらこういう人間なのではないか」「こんな事がしたいのではないか」と仮説が増えていき、それに確信が持てるようになってはじめて業界研究がスタートできる状況である言えます。
もちろん「自分のやりたい事」が明確になっている人にとっては、すぐに業界研究を進めていけるかもしれません。一方で、学生のうちからこれが明確になっている人は少なく、社会人でもわからない人は多いです。
就活生の中には「早く知って業界を定めたい」という人も多いでしょう。しかし先を急ぐあまり、自己分析を蔑ろにしてしまうと、上手く志望動機が書けなかったり、最悪の場合内定が1社ももらえない状況に陥ってしまいます。
運良く内定を得られたとしても、入社前の理想と入社後の現実のギャップに耐えられず辞めてしまう人も多いです。そうならないためにも今のうちに自己分析は時間をとって行いましょう。
また、特定の業界を調べるうちに、「もしかしたらこの業界はやりたい事ではないのかもしれない」と思う場合も多いでしょう。疑問や違和感を感じたら、自己分析からやり直しても問題ありません。
新卒での就活は人生に1回しかないので、時間の許す限りじっくりと自分と向き合って志望業界を決めていきましょう。
3.目的を忘れない
最後に、業界研究をする目的を忘れないようにしましょう。無目的に業界研究をしてしまうと、何のために業界研究をしているのかわからなくなってしまい、効率的な情報収集ができません。
そのため「自分がやりたい事ができる業界を決めるために調べているのか」、それとも「世の中にどんな業界があるのかを理解するために調べているか」を明確にしながら業界研究をしましょう。
例えば、行きたい企業に合わせてしまって、自己分析で自分に嘘をついてしまう人も多いです。しかしこれでは、自分が本当にやりたい事がわかりません。それどころか、自分に嘘をついたまま進めてしまうと、仮に入社したとしても、やりたい仕事ではないため、早期離職に繋がってしまうでしょう。
このように、「何のために業界研究をおこなうか」といった目的を忘れないようにしましょう。
業界研究のやり方を理解し就活を優位に進めましょう
いかがでしたか。一口に業界研究といっても、「やりたい事を見つけるために業界研究」「やりたい事を実現するために業界研究」の2つの考え方があります。
どちらが正しくて、どちらの方が良いという問題はありません。しかしどちらにせよ、業界研究を行う目的を明確に理解しておかなければ、自分にあった企業へ就職することは難しくなります。
業界研究を行う目的や考え方、やり方を理解し自分に合った企業への内定を目指しましょう。