業界研究
【業界とは何なのか】業種や職種など就活でよく聞く言葉の意味を解説
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目次
業界と業種の違いを正確に理解している人は少ない
就活をスムーズに進めるには、ビジネスの世界でよく使われている言葉について、正しく理解しておくことが大切です。就活では業界や業種という言葉を耳にする機会が多く、これは社会人になってからも同じです。
ビジネスの世界ではこれらの言葉が出てくることが多いため、それぞれの意味を正しく把握しておかなければなりません。漠然としか言葉の意味がわかっていないという人は多いですが、実は業界と業種では意味が異なります。
業界とはなにか、業種とはどのようなものか、また、職業分けなどの際に使われる似た言葉についても、理解を深めておくことが大切です。就活を失敗なく進めるためにも、業界とはどのような意味なのか、基本的な知識から身につけていきましょう。
業界とは「企業を産業や商業で分類したもの」
まずは業界とはどのような意味の言葉なのか、この部分から把握しておきましょう。業界とは「企業を産業や商業で分類したもの」であり、簡単にいえば世の中にある仕事をざっくりと区分分けしたものです。
社会にはさまざまな仕事がありますが、そのひとつひとつが何らかの業界に属していると考えましょう。つまり、どの業界にも当てはまらない企業や産業、仕事などはありません。もちろん、特殊な仕事はその他と分類されることもありますが、基本的にはどこかの業界に分けられていると考えましょう。
業界は主に8つに分けられる
・小売
・商社
・広告・出版・マスコミ
・金融
・メーカー
・ソフトウエア・通信
・サービス
・官公庁・団体
企業や産業を大きく分類する言葉が業界ですが、これには8つの種類があります。実際の仕事は詳細に分類されており、似た仕事でも分野が異なることは少なくありません。しかし、業界というくくりでみると、8つに大別されることは覚えておきましょう。
8つそれぞれがどのような特徴を持っているのかを知っておくことで、企業での仕事についての理解が深められます。また、自分はどのような企業、仕事に興味を持つかを把握するためにも、業界ごとの特徴を知っておくことは大切です。それぞれの特徴の詳細違いについて理解を深め、業界とはどのようなものなのか、詳しく知っていきましょう。
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小売
主にモノを販売する仕事が、小売業界です。小売業界の分野は多岐にわたり、例えば身近にあるものなら、スーパーやコンビニなどがあげられます。また、さらに大規模なものなら百貨店やデパートなどがあり、企業によって販売の規模は大きく異なります。小売業界には小規模な事業者もおり、駅構内に出店している企業なども、小売業界の仕事に該当すると考えましょう。
また、ドラッグストアやアパレルショップ、家電量販店なども小売業界の仕事であり、日常で買い物をしているところは、小売業界の企業が経営しているといえます。普段から接する機会が多いため、イメージがつきやすい業界であり、就活生でも馴染みは深いでしょう。モノという有形物を売ることが、小売業界の大きな特徴です。
商社
卸売りの仕事を担い、企業間取引をスムーズにおこなっている存在が商社業界の企業です。商社業界の仕事はBtoB、つまり企業同士での取引となっているため、日常生活で直接関与することはあまりありません。しかし、小売業界の企業が販売している商品は、商社業界の企業が卸売りをすることで社会に流通しているということも多く、間接的なかかわりはあります。
商社業界で扱う商材は多岐にわたり、その分野は幅広いです。そのまま小売業界で販売できるものを扱うこともあれば、部品など加工が必要なものの流通を担うこともあります。企業同士の取引を円滑におこなうことが商社の役割であり、企業間取引の仲介役を担うことで、その手数料を利益として経営しています。
広告・出版・マスコミ
広告や出版、マスコミなどの業界では、メディアを運営することが主な仕事です。例えば広告でいえばネット広告の売り出しやチラシの作成など、身近に目にする宣伝物が該当します。
CMなどもこれに該当し、宣伝物というメディアを通じて消費行動を促すことなどが、主な役割です。出版はコミックや雑誌、単行本などの発行、出版を担っており、いわば本にかかわる仕事です。
マスコミはテレビや新聞、ラジオなどにかかわる仕事で、普段目にしているとテレビ番組や新聞などの情報メディアは、マスコミ業界が作成しています。これらは娯楽としての位置づけもあれば、生活情報としての役割もあり、同じ業界でもどのような情報を発信しているかは企業によって異なります。
金融
お金の発行や管理、運用や流通の役割を担うことが、金融業界の特徴です。金融業界としてイメージされやすいのは銀行ですが、これは業界の一部に過ぎません。他にも証券会社やクレジットカード会社、リース業者などの種類があり、ひとくちに金融といってもその種類は多いことは理解しておきましょう。
基本的にはお金を動かすことで利益を得ているため、社会の経済が円滑に回るほど、金融業界の利益は大きくなります。例えば銀行に預金する人が増えると、銀行はその資金を運用して経済活動をおこない、さらに利益を増幅させるといったイメージです。また、証券会社のように個人や法人から資金を預かり、それを運用することで利益を出す仕事もあります。この際に発生する手数料からも、金融業界の企業は利益を得ています。
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メーカー
モノを作る仕事をしている企業は、メーカー業界に該当します。モノづくりをおこなうことはもちろん、それを流通、販売させることで自社の利益を獲得している業界と考えましょう。そのため、メーカー業界に属する企業でも、自社で販売チャンネルを持っていることもあり、一部小売業界の分野でも活躍しているということがあります。
ひとくちにモノといってもその範囲は広く、例えば普段使っている家具や家電から、企業で使用している機材までさまざまです。つまり、普段使っているものを作ることだけが、メーカーの仕事ではありません。BtoCの商品を製造することはもちろん、BtoBで企業を対象にした商品を作ることもあります。また、食品の加工などもメーカーに含まれるため、これも覚えておきましょう。
ソフトウエア・通信
情報を扱い、それに付加価値をつけることで利益を得ている業界がソフトウエアや通信業界です。ソフトウエア業界では、スマホで使用しているアプリがイメージしやすく、それらの開発をおこなっていると考えましょう。
また、他にもパソコンで使えるアプリやソフトなど、既存のハードウエアをより便利に使うためのツールを開発することが、ソフトウエア業界の仕事です。通信はネットに接続できるサービスをイメージするとわかりやすく、スマホの通信事業者やパソコンの回線業者、プロバイダなどが該当します。
ネットに接続するには、通信事業者と契約する必要があり、ネット接続サービスを提供することで、利益を得ています。また、ネットの管理や運営、保守なども、ソフトウエアや通信業界の仕事です。
サービス
小売業界と混同しやすいものとして、サービス業界があげられます。それぞれ消費者に対して何らかのサービスを提供するという点は共通していますが、提供するものが有形か無形かによって、業界は異なります。
例えば小売業界では目に見えるものの販売、提供をおこないますが、サービス業界では目に見えない無形のサービスを提供することが特徴です。例えば接客サービスは目に見えるものではありませんが、お店を利用した人はこれに対してお金を支払います。
顧客へのサービスの提供によって対価を受け取り、それを利益としているものがサービス業界と考えましょう。身近なものでいえば、カフェやレストランなどの飲食店や、学習塾などのスクールやホテルなどが、サービス業界に該当します。
官公庁・団体
国や地方自治体などが提供している各種サービスは、官公庁や団体といった業界に分類されます。簡単にいえば民間企業が提供するサービスではなく、国や自治体が提供する公的なサービス、仕事がこの業界に該当すると考えましょう。
例えば市区町村の役場で働いている人は、官公庁や団体などの業界に属する人です。他にも各省庁での仕事もこれにあたり、公的な機関を運営することで、社会に貢献しています。より身近なものでいえば、学校や病院などがこれに該当し、国立や県立、市立という名前がついているものは、官公庁や団体の業界に属するものです。
ただし、私立の学校などはこの業界には該当せず、サービス業界に属する仕事になるため、この違いも覚えておきましょう。
業界と間違えやすい言葉とその意味
業界とはなにかを知るだけではなく、これに似た言葉との違いを把握しておくことも大切です。業界に似た言葉として、業種や職種、業態などがあげられます。これらを漠然と同じものと考える人は多いですが、実際には意味が異なるため、間違えないように注意しなければなりません。
それぞれの詳細な違いを知っておくことで、企業や仕事についてより理解が深めやすくなります。間違えやすい言葉はその違いを正しく理解しておき、意味を混同しないようにしましょう。
業種
・農業、林業
・漁業
・鉱業、採石業、砂利採取業
・建設業
・製造業
・電気、ガス、熱供給、水道業
・情報通信業
・運輸業、郵便業
・卸売業、小売業
・金融業、保険業
・不動産業、物品賃貸業
・学術研究、専門、技術サービス業
・宿泊業、飲食サービス業
・生活関連サービス業、娯楽業
・教育、学習支援業
・医療、福祉
・複合サービス事業
・サービス業(他に分類されないもの)
・公務(他に分類されるものを除く)
・分類不能の産業
業種とは、その業界の中で取り扱っているサービスを、より細かく分類したものです。業界という大きなくくりの中に、細分化された業種があると考えましょう。例えばサービス業界ではさまざまな業種があり、不動産を扱う企業から、ホテルなどの宿泊サービス、飲食店などのサービスまであります。大きくまとめるとサービス業界ですが、それぞれの仕事の違いをより明確にする際に、業種という言葉が使われます。
職種
職種は企業での仕事をより細分化し、部門ごとにわけたものです。例えばメーカー業界の企業なら、実際に商品を作る仕事から、基礎的な研究開発をする仕事、作った商品を流通するために店舗などに営業活動をする仕事があります。
商品を作るのは製造の職種、商品開発のための研究をするのは研究・開発の職種、店舗などに営業活動をするのは営業の職種のように分類されます。いわばその企業においてどのような仕事をするかを取り決めたものであり、同じ企業でも割り当てられる職種によって、業務内容が異なると考えましょう。
職種には経理や人事、法務やマーケティングなどさまざまな種類があり、それぞれの職種の仕事を総合することで、企業経営が成り立っています。
業態
業態はその企業における事業が、どのような形で成り立っているのかを示す言葉です。例えば身近にある小売業界ひとつみても、コンビニやスーパー、百貨店などさまざまな種類があります。
企業によっては複数の事業を展開することもあり、コンビニの経営をしているならその部門はコンビニ業態、スーパーを経営しているならスーパー業態となります。もちろん、どれかひとつの業態のみを専業としていることもあり、企業によってその在り方はさまざまです。
業界での仕事は細分化されており、詳細にみると経営の形態が異なります。その違いを明確にする言葉が業態であり、どのような事業を専門とするかによって、業態がわけられているとイメージするとよいでしょう。
業界とは何なのか言葉の意味を理解して就活を進めよう
就活を進める上では、普段何気なく使っている言葉の意味を考え直し、正しく理解しておくことが大切です。業界という言葉は就活では頻繁に出てきますが、この意味を正確に把握している人は多くはありません。
よく使われる言葉だからこそ、正確な意味を理解することは大切であり、言葉の意味を知ることで、就活にも役立てやすくなるでしょう。業界とは事業の種類を大きく分類したものであり、そこからさらに細分化したものが業種や職種、業態です。
これらの違いを知っておくことで、その企業が展開している事業や仕事などについて、より理解を深められます。頻繁に出てくる言葉は考えずに聞き流してしまいやすいですが、よく出てくるからこそ意味を見つめ直し、正しい理解を持って就活に臨みましょう。