志望動機

【公務員管理栄養士の仕事内容】試験の内容や志望動機例文3選をご紹介

公務員の管理栄養士とは?

栄養士というのは、人体に必要不可欠な栄養についての知識を豊富に持った人のことです。その中でも、病床の方の栄養管理や配膳数が多い施設での管理などをする栄養士よりも責任の重い管理栄養士という国家資格が存在します。管理栄養士の主な働き先は食品を扱うところ全般ですが、その中でも公務員として働く管理栄養士の道も存在します。

将来的に安定している公務員は、いつの時代でも人気で倍率も高いです。公務員管理栄養士を希望して進みたいと考えているみなさんのために、公務員に特化した管理栄養士の仕事内容やなり方を解説していきます。情報を多く知っていると選択の幅も広がり、他の就職活動生との差別化もできるため、ぜひ参考にしてください。

各公務員管理栄養士の仕事内容

公務員管理栄養士の主な職場としては学校や病院、保健センターや保健所があり、その他にも少年院や刑務所、自衛隊など様々な職場があります。その中でも比較的募集人数が多い学校や病院、保険センター、保健所に絞って説明していきます。

公務員管理栄養士の仕事内容をしっかりと把握しておけば、就職先を決める時の判断材料としても十分でしょう。面接での志望動機や自己PRなどでプラスに働くので知っておいて損はありません。

学校や病院

まず、公務員管理栄養士として最初に思い浮かぶ学校や病院での仕事です。学校で働く公務員管理栄養士には学校栄養職員という給食管理と、栄養教諭という教員免許を持った上で食育の推進をする2つの選択肢があります。栄養教諭は管理栄養士の資格に加えて教員免許も必要になります。国の政策として、学校栄養職員をなくし、給食の管理も栄養教諭にする流れになってきているのが現状です。

病院は国家公務員として独立行政法人国立病院機構で採用試験をおこなっており、職務内容としては入院患者への栄養指導や衛生管理が主な仕事です。国立の病院や県立の病院で働く管理栄養士はみな公務員になるので、病院で働きたいという人は目指してみてはいかかでしょうか。

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保健センター

保健センターは、市町村で管理運営している地域密着型の保健施設です。そこで働く管理栄養士の仕事内容としては、母子・高齢者の栄養相談を主としています。具体的な内容としては、子供を持つ母親を対象にした母親学級や、未就学児を対象にした集団検診での離乳食指導などがあります。そのほか、離乳食の作り方を指導したり、高齢者の健康状態から献立を考えたり食事の仕方を指導する栄養指導も仕事です。

地域に密着している保険センターならではの個別対応力が求められ、その指導によって母子や高齢者の健康状態を左右する非常にやりがいのある仕事と言えます。保健センター自体は全国に多いのですが、全国的に定員が決まっているために募集が少なく、募集があったとしても倍率は高くなるといえるでしょう。

保健所

保健センターの管理栄養士と同じく、行政栄養士としての採用になります。業務内容としては、地域住民に対しての栄養相談や栄養や食事に関する講演会、集団診察などでの栄養指導や給食センターなどの衛生管理が主です。その他にも栄養士免許の申請受付の手続きをやっていたり、飲食店に必要な飲食業務の許可などもおこなっています。

私たちの多くは、気付かない内に保健所の管理栄養士の方たちのお世話になっていると言えるでしょう。私達が安全に食事ができたり健康でいられるのも、行政栄養士の方々が地域の為に貢献してくれているおかげです。保健センターの管理栄養士よりも、保健所の管理栄養士の方が管理や指導が多いため、事務寄りといえるのも特徴の1つです。

公務員管理栄養士になるには?

ここからは、実際に公務員管理栄養士になる方法について説明していきます。管理栄養士の国家試験に合格して管理栄養士の資格を取得すること、さらに公務員試験に合格するという2つの試験を通らないと公務員管理栄養士になることができません。2つの試験について詳しく知らない方も多いと思われるため、両方の試験について詳しく掘り下げて解説致します。

管理栄養士国家試験の合格

管理栄養士国家試験の概要ですが、管理栄養士の4年制学校卒業か栄養士の養成施設滞在期間と実務年数の合計が5年になると受験することができます。試験は年に1度しかなく、毎年3月の中ごろに行われます。

試験内容は「社会・環境と健康」、「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち」、「食べ物と健康」、「基礎栄養学」、「応用栄養学」、「栄養教育論」、「臨床栄養学」、「公衆栄養学」、「給食経営管理論」の9科目になっており、午前105問、午後95問の計200問編成です。

合格率は平成27年度で約44.7%となっており、その中でも約8割が管理栄養士の4年制養成施設の新卒者です。このことから、仕事をしながら受験する方の合格率は非常に低いことがわかります。

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公務員試験の合格

無事に管理栄養士の国家試験に合格した方は、公務員試験で合格すると晴れて公務員管理栄養士になることができます。しかし、管理栄養士を対象とする公務員試験は募集要項に注意が必要です。地方公務員などの受験資格は年齢制限と管理栄養士資格の有無によって判断するところが多いですが、国家公務員の国立病院や厚生労働省などの募集用件には必ず実務経験の年数が書かれています。

厚生労働省の平成30年採用の管理栄養士(補佐級)などは実務経験が14年以上となっているので、受験する公務員試験の募集要項を確認する必要があります。それに加えて、公務員管理栄養士の募集は数に制限があり募集が極端に少ないです。公務員管理栄養士の試験時は倍率が相当高くなることが予想されるため、しっかりと準備をするようにしましょう。

管理栄養士の志望動機例文

管理栄養士免許を取得済みまたは取得見込みで、志望先の応募要件を満たしたら、採用試験です。申込書の多くで、当該職員を志望する理由を書く欄が設けられています。求人には募集施設を定めているケースと配属先が未決のケースがあるため、「なぜその施設や自治体なのか」「何をしたいのか」「どのように役に立っていきたいか」を適した内容で記述しましょう。志望先の特性と要求を十分に研究し、それにマッチする人物像を描き出すことが大切です。

例文①

食文化に特色のある○○市にて豊かな産物の食育を進め、子どもたちの心身の土台に「食のふるさと」を形成したいという思いから志望いたしました。食育を通して美しい伝統の継承と豊かな地域人の育成を目指し、各地のモデルとなり得る地消体制を築きたいと考えております。10年間続けているバレーボールで培ったチームプレー精神を発揮し、エリア産業との連携をもって、「食で育む」と「食を育む」の両方を実現できるよう努めてまいります。

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こちらは、特定のこども園に絞って求人が出ている自治体を想定した例文です。管理栄養士という職種についてだけではなく、志望先に対する動機に比重を置いてください。管理栄養士として何をしたいか・何ができるかを中心に伝えましょう。

例文②

校外実習にて○○市の診療所を訪れた際、医療介護施設不足が及ぼす実態を目の当たりにし、地域医療の課題を得ました。そして、管理栄養士の立場からこの解決に取り組みたいと考えたことがきっかけです。国が提唱する「地域包括ケア」を特に意識すべき段階にある今、訪問診療に力を入れている○○市では効果の高い実践が可能だと感じています。持ち前の素直さで個々人の暮らしを見つめ、医療を生活の問題として支える推進力になれるよう、精一杯尽力いたします。

※この例文は志望動機作成ツールで作成しました。
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この例文では、市の診療所勤務の求人を想定しています。直接関わった体験から動機を打ち立てる構成は、強くアピールする手法のひとつです。活躍への期待感を高め、熱意や人柄をアピールする内容になっています。

例文③

○○町では、公共施設の利用活性化施策が功を奏して住民の健康満足度が向上したと伺い、栄養相談や食生活指導の面からさらなる発展に寄与したく志望いたしました。一人一人の個性に合わせた対応で気持ちに寄り添い、気軽に立ち寄れる身近な窓口として機能できるよう励んでまいります。食の知識を活かしたアプローチで健康意識の改善と普及を図り、地域振興および社会における総合的な健康増進の一助になれれば幸いです。

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この例文は、他部署への異動がある募集で、初任は保健福祉総合センターへの配属が前提となっているパターンです。志望先の特徴と自分の希望やスキルを関連づけ、どこに異動となっても応用が利く、汎用性の高い適任感を浮かび上がらせています。

公務員試験の内容と対策

公務員管理栄養士を目指す上で最大の壁になるのが、公務員試験です。公務員試験の概要をしっかり知っていないと試験に向けての対策ができなく不利になってしまうでしょう。

ここからは、公務員試験の具体的な問題の例を紹介したり、効率のいい勉強方法なども紹介していきます。少ない採用枠に希望者が殺到するので、真剣に目指す人でないと勝ち取れない難関ということだけはしっかり頭にいれておきましょう。

公務員試験の過去問

問1
給食施設におけるウェルシュ菌による食中毒の原因食品と予防策について400字程度で説明しなさい
問2
平成19年に策定された「授乳・離乳の支援ガイド」における、「離乳の開始」
及び「離乳の完了」について、それぞれの時期と食べ方の目安を交えて、400字程度で説明しなさい
問3
脂質の消化吸収、代謝について、400字程度で説明しなさい
問4
「第3次食育推進基本計画」について概要を説明したうえで、目標達成に
向けた取組として地方公共団体に勤務する管理栄養士が果たすべき役割につ
いて、あなたの保健所や保健センターなどは地方ごとに試験内容が変わりますが、ここでは具体的に例を出して過去問を一つ紹介していきます。1次試験では下記のような内容です。考えを800字程度で述べなさい

上記にが実際に過去に出された問題です。全体的に記述式が多いですが管理栄養士で実務経験を積んでいる方ほど優遇される内容が多い傾向があります。基本的な栄養士の知識に加えて最近の法令や地方自治体に関する法整備などで変更された点なども出題されるので、自治問題にも注意が必要です。その後の流れですが、1次試験合格者は2次試験の面接試験を行い、その後合格者は採用するのが全国的に一般的です。

公務員試験の効率のいい勉強の仕方

公務員管理栄養士の公務員試験の勉強は、専門的な栄養士の勉強を徹底的にやることにかかっています。受験する地域によって一般知識などの項目も入っているところもありますが、受験する地域や省庁のHPに問題の範囲なども書かれていることが多いです。過去問がPDFファイルで掲載されているものもあるので、受験する場合は必ず確認しておきましょう。

2次試験で面談と小論文などがありますが、1次試験の合格が一番難しく、どれだけ優秀な人材であっても基準になる点数に満たしていないと1次試験で落ちてしまいます。公務員試験なので点数基準を満たすことが必須です。まずは、1次試験の栄養学などの専門分野をしっかり勉強することをおすすめします。

公務員管理栄養士を目指すなら概要を知っておこう

公務員管理栄養士は試験が非常に難関なのと募集人数が非常に少なく、倍率が高くなるのが一番注目する点です。国立の病院や省庁などは定期的に募集をしていますし、HPに詳細が書いてあるのでしっかり確認して、しっかりとした準備が必須になります。

市区町村の管理栄養士に関してもほとんど募集がないのが現状ですが、募集が始まったら迅速に対応できるよう、公務員管理栄養士の採用情報においてアンテナを常に張っておくことが大切です。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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