職種研究

【介護職の志望動機の書き方】作成のポイントと例文5つ

介護職の志望動機の書き方とは

これまで、あまりフォーカスされてこなかった介護職ですが、高齢化により急激に需要が増加し、注目度も高くなっています。国も介護職の給与アップを打ち出していることから、今後もさらに注目されていくでしょう。この記事では、そんな注目度の高い介護職の志望動機の書き方について紹介していきます。

介護職の主な業務内容

介護職といっても持っている資格や、勤務先によって役割が異なり、それに応じて業務内容も異なります。例えば、利用者の家に訪問してお風呂の介助やご飯の用意をするホームヘルパーも介護職です。老人ホームで入居者のトイレ介助や歩行訓練などをするのも介護職のひとつです。また、病院勤務の介護職もあり、介護が必要な人の排泄や食事の補助を看護師とおこなうケースもあります。

老人ホーム、利用者の自宅、病院、このように介護職の働く場所はたくさんあるのです。そのため、介護職として働く人は、夜勤の有無や給与、待遇、資格取得の補助などから企業を選ぶのが一般的です。

介護職の志望動機を書く際のポイント

介護職の志望動機を書く際のポイントを紹介していきます。介護職は人と関わることが主な仕事なため、選考では応募者の志や向上心など精神面を重視する傾向が強くなっています。

一般的に重労働で大変な仕事であるといわれている介護職ですが、そのようなイメージでも働きたいと思った理由を明確に表すことが大切です。あいまいな言葉ではなく、自分の考えをしっかりと伝えられるようにしましょう。事前にポイントをおさえることで、効果的な志望動機を作成することができます。

介護職を目指そうと思ったきっかけを具体的に述べる

志望動機では、なぜ介護職を目指そうと思ったのかというきっかけを具体的に述べましょう。過去の経験からエピソードを紹介すると分かりやすくなります。例えば、「身近な人の介護をきっかけに介護職に興味を持つようになった」「家族が介護職をしていた」などの出来事があると説得力が増します。

実際に介護にまつわる経験がなくても、何か介護に関わる仕事をしたいと思ったきっかけがあるはずです。これまでのことを思い出し、何をきっかけに介護職を志望したのかを説明しましょう。介護職は高齢化社会において需要が高い職種ですが「安定していると思ったから」などの理由は、志望動機としてはふさわしくありませんので注意してください。

なぜその施設を志望するのか明確にする

介護職全体についての志望動機を述べるだけでなく、なぜその施設で働きたいと思うのかを明確にしましょう。なぜこの介護業者を選んだのか、施設のどこに魅力を感じたのかを具体的に伝えます。効果的なアピールをするためには、事前に施設や介護業者について調べておくことが重要です。

ほかの施設にはない、その施設だけの特徴や強みがどんな点か考えてみます。施設のホームページやパンフレット、会社説明会などから確認してみましょう。実際に働いているOB・OGに話を聞くのもおすすめです。給与や福利厚生などは志望先を選ぶ大切なポイントですが、志望動機で労働条件や給与などについて書くのは好ましくありません。

将来のビジョンを伝える

志望動機では将来のビジョンも合わせて伝えましょう。入社後にどのような仕事がしたいか、どのような活躍がしたいかなど、具体的な目標があるとイメージしやすくなります。介護に関する資格を取得したいなど、スキルアップについて述べてもよいでしょう。介護職が未経験の場合でも、自分の長所や強みが活かせる場面があれば志望動機でアピールできます。

「人と話すのが好きなので、コミュニケーションを大切にしたい」「掃除が得意なので施設の清掃に力を入れたい」など、持っている力を発揮できるような目標を立ててみてください。介護職を通してやってみたいこと、施設で挑戦したいこと、など前向きな姿勢が伝わるようにアピールしましょう。

介護職の志望動機を書く際の注意ポイント

介護職の志望動機を作成する際に気を付けたいポイントを紹介します。まず、給与や待遇を志望の理由とするのはNGです。また、例文をそのまま使い志望動機を作成するのは避けましょう。それぞれ詳しく解説していきます。

採用担当者にマイナスの印象を与えないためにも、注意するべき点を事前に確認しておきます。書き終えたらもう1度読み直し、正しい言葉遣いになっているか、誤字・脱字がないかもチェックしましょう。

給与や待遇が理由の志望動機はNG

志望先を選ぶ時の重要なポイントのひとつに、給与や福利厚生などの待遇面があります。仕事内容に見合った賃金を得ることは、生活していくうえでとても大切です。しかし、志望動機を書く時に、待遇面を理由とするのは避けた方がよいでしょう。待遇面だけでその施設を選んだと思われてしまいますし、「待遇がよければほかの施設でもいいのでは」と感じる担当者もいます。

企業は、応募者に長く働き続けて欲しいと考えるのが一般的です。「待遇面を志望動機にする人はすぐに辞めてしまう」と考えている場合も多く、マイナスの印象を与えてしまう可能性が高いでしょう。実際に施設を選んだ理由が待遇面であったとしても、あえて志望動機として伝える必要はありません。

例文をそのまま使うのは避ける

例文をそのまま使い、志望動機として選考書類に書くのは避けましょう。採用担当者は、これまで多くの書類を見てきた選考のプロです。ありきたりな志望動機を見れば、すぐに例文をそのまま使っていると分かるでしょう。

仮に書類選考の時点で例文の使用が分からなかったとしても、その先の面接で志望動機についての質問があれば、答えられずに戸惑ってしまったり、話が噛み合わなかったりする場面が出てくるはずです。例文はあくまで参考程度にして、必ずオリジナルの文章で志望動機を作成しましょう。

これまでに紹介したポイントを確認し、介護職に興味を持ったきっかけや、魅力に感じる点などを振り返ってみましょう。

介護職の志望動機例文5選

ここからは介護職の志望動機例文を紹介していきます。志望動機を書く時には、まず始めに結論を述べるようにしましょう。一番伝えたい要点が明確になり、読み手に分かりやすくなります。

また、介護職を選んだ理由や、なぜその施設で働きたいと思ったのかを説明する時に、具体的なエピソードを添えるとその時の状況がイメージできます。志望動機を書く際のポイントと合わせて参考にしてみてください。

例文①

ケアマネージャーの資格取得を目指し、介護職を志望します。私の祖母が認知症で訪問介護を受ける際、ケアマネージャーさんは祖母の意思をくみ取り、プランを作成してくださりました。一人ひとりに合わせてプランを作成してくださったため、祖母は快適に過ごすことができていたのだと思います。私もお世話になったケアマネージャーさんのようになるのが最終目標です。
まず現場の状況や介護の知識を十分につけるため、こちらの介護職を志望いたしました。

就職活動は、内定をもらったら終わり、入社したらゴールではありません。内定がスタートであり、自分のキャリアについて考えておくことが大切です。志望動機では、入社後どうなっていきたいのか明確にすることで、他の就活生と差をつけることができます。

例文②

整った体制のもと、充実した介護ができると感じたためです。介護施設は複数ありますが、夜間の人数が少数で入居者の安心を脅かすところや、作業療法士の人数が少なく、その人にあったリハビリができていない施設もあります。しかし、貴社は整った体制のもと、入居者1人1人が安心して介護を受けることのできる施設であることがわかります。
私も、より充実した介護サービスを提供できるよう、貢献していきたいです。

施設の体制や、業界の状況をしっかりと調べていることが分かります。上記の例文のように、介護職の需要の高まりに伴い、法人の施設やサービスが増えています。しかし、職員が足りずに利用者を増やしている現場など、整えられていないところもあるのです。そのため、志望先の運営についてもしっかりと調べて、わかったことは企業の強みとして記載していくのもありでしょう。

例文③

今後、家族のサポートを考え介護の知識をつけたく、志望します。介護職はこれから需要のある業界です。自身の家族も介護を受ける側となる日がきます。私は自分の祖母や両親の介護が必要となった時、知識があるとないとでは、できることが大きくちがってくるとい思っています。
これまでお世話になった祖母や両親に満足した介護をするためにも、貴社の充実した研修制度で、ノウハウやスキルを身に付けていきたいと考えています。

介護は、利用者のために働くと思われがちですが、自分の家族、親族にも必要になってくるものです。就活生の中にも、祖父祖母が介護サービスを利用しているという人もいるでしょう。介護職を身近なものと考え志望動機にするのもおすすめです。

例文④

私は以前から仕事で人の役に立ちたいと考えていました。学生時代にアルバイトをしていたレストランでの接客で、お客様が喜んでくれた時にとてもやりがいを感じたからです。また、母が祖父の介護をしていた姿を見て介護職に興味を持つようになりました。貴社は研修制度が整っていて、働きながらスキルアップできる点に非常に魅力を感じています。
入社後は、仕事を通して多くの人に喜んでもらいたいです。アルバイトで培った忍耐力や細かな気配りで、いち早く即戦力となれるよう努力していきます。

人の役に立ちたい、多くの人を喜ばせたいという理由があり、介護職を目指していることが分かります。また、施設の特徴である研修制度に触れ、ほかの職場ではなくなぜこの施設を志望するのかも明確に述べています。アルバイト経験から身に着けたスキルを活かし即戦力となりたいと伝え、仕事に対する意欲をアピールすることができているでしょう。

例文⑤

私は、幼い頃から友達に世話好きだといわれていました。自分が人の力になれることに喜びを感じます。そのような私の長所を介護職で活かせると考えております。貴施設はスタッフの数も多く、一人ひとりの入居者様ときめ細やかなやり取りができる点が魅力的です。介護士として働く際には、先輩方の知識を吸収しスキルアップに励みたいと思います。
学生時代に運動部で鍛えた体力で、現場での業務にも積極的に取り組んで貢献できるように努力していきたいです。

人の力になりたいという理由で介護職を志望しています。自分の長所を理解し、どのように仕事に活かせるのかを具体的に説明している点も好印象です。また、学生時代の部活の経験を紹介し、介護職に不可欠な体力面もアピールできています。

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介護職の志望動機NG例

私は、人から喜んでもらえる仕事に就きたいと思い、介護職を志望します。仕事に就くのであれば社会的に価値があり、人から「ありがとう」と言われる職に就きたいと考えておりました。また、私は体力もあるため、体を使う介護職に向いているのではないかと考えます。
私は介護職に就き、人のためにやりがいを求めて働きたいです。

上記の志望動機は、伝いたいことが複数あり、定まっていないように感じます。「人に喜んでほしい、社会的に価値のある仕事、体力があるため向いている、やりがいを求める」など、志望動機に題材を詰め込みすぎており、何を軸にして伝えたいのかがわかりにくいです。また、人から喜んでもらえる仕事は他にもありますので、なぜ介護職を志望するのかが明確でないといえるでしょう。

例文を参考に介護職の志望動機を作成しよう

介護職は、これからさらに需要が高まり注目される職種です。需要の高まりとともに、法人も増えているため企業選びで悩む就活生も多くいるでしょう。そのため、就活生は企業の制度や体制までよく研究し、企業の特徴をとらえたうえで志望動機の作成に取り掛かりましょう。

志望動機の題材としては、キャリアアップや身近にとらえたものなど様々あります。現状を述べるだけの作文にならないよう、具体的な行動案や考えをきちんと述べていくことが、ほかの就活生と差をつけるポイントになります。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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