職種研究

保健師の志望動機の書き方|5つの例文と3つのNG例文

保健師について

医師や看護師が病気を治療する仕事であるのに対し、保健師の仕事は病気を予防することです。保健師には、『行政保健師』『産業保健師』『学校保健師』があり、それぞれの場所で保健指導をおこなっています。

女性の多い職業ですが、近年では男性の保健師も増加しています。保健師になるには看護師の資格を取得した上で、保健師の国家試験に合格する必要があります。

保健師の主な業務内容

保健師の業務内容は、年齢や健康状態に関わらず、すべての人々に対して保健指導をおこなうことです。具体的には、健康診断による病気の早期発見や食事指導、生活指導、感染症予防、うつ病対策、児童虐待の防止など、幅広い分野で活動しています。

保健師には大きく3つの種類があり、行政保健師は公務員として市町村の役場や保健所で勤務します。産業保健師は、企業の労働者の健康管理をおこないます。学校保健師は、学校の生徒と教師の健康管理をおこないます。

また、近年では介護施設での仕事も増えているようです。

志望動機を書く際の注意ポイント

まず前提として、健康管理の仕事をする保健師を目指す以上、自分の健康管理ができていなければ話になりません。その上で、「多くの人たちの健康維持に貢献したい」という気持ちを伝えることが大事です。

伝える際には、ただ「貢献したい」というのではなく、「なぜ貢献したいのか」「保健師になって具体的に何がしたいのか」を明確にアピールしなければなりません。

保健師になって何がしたいのか伝える

現代の我が国が抱える非常に困難な課題として「少子高齢化」ということがあります。若い世代の人が出生率の低下などから少なくなり、一方で「団塊の世代」と呼ばれる人がどんどん高齢化しています。

社会保障の面で考えると医療費や介護保険等の費用の増大から、現役世代への負担が増えるばかりです。健康でイキイキとした暮らしを送ることが、これからの我が国ではとても大切です。

保健師はその健康でイキイキとした暮らしを送るための、予防における重要な役割を果たす仕事です。就活においては、この仕事に就くことによって何がしたいのかを明確に伝えることが大切になります。

そこで、志望動機を次に挙げる3つの内容で具体的に伝えることをおすすめします。

保健師として貢献したい理由を述べる

保健師とは主に健康管理に携わる仕事です。特に予防という面で考えますと、健康診断等における対象者の受診内容を精査し、結果を分析した上で事後指導等をおこなうという役割も持っています。

そもそも保健師の資格を取得するには、看護師の資格を有していないと資格取得条件を満たしません。看護師とはいうまでもありませんが、医療に精通していて、看護が必要な患者に対するケアをおこなう仕事です。そういった側面を踏まえた上で、保健師としてどう貢献したいのかを具体的に伝えていく必要があります。

一番何に貢献したいのかは、同じ保健師の仕事でも色々あります。例えば産業保健師であれば、いわゆる生活習慣病に関して、予備軍とすでになってしまった人たちに対するアプローチをどうおこなって、いかに罹患率を下げていくかなど根拠に基づく理由を述べるべきです。

その企業でなければならない理由を説明する

ここでは企業を意識した内容ですので、産業保健師をイメージした内容でお話しします。どうしてその企業でなければいけなかったのかは、企業側からするとすごく理由を知りたいところです。自分の会社が世間からみてどんなイメージなのか、また保健師として就職したい人からみた会社の健康管理に対する意識等の評価にかなり興味を持っています。
そこで、あなたがその企業を選んだ理由をきちんと理路整然と説明することができれば、相手先企業からの評価も必ず高くなります。

例えば、企業が社員に対する健康意識の醸成をおこなうために導入しているシステムがあるとします。そのシステムをうまく機能させるために、保健師の役割が重要だと位置付けられていたとします。そこをその企業を選んだ理由として伝えると、わかりやすくて好印象です。

将来の目標・ビジョンを加える

採用する企業側から人材育成を考えたときに、将来に向けたビジョンや目標を知りたいと思うのは当然のことだといえます。

また、あなた自身も入社してからの自分に対する明確な目標やビジョンを掲げることが大切です。共存共栄という言葉もあるように、せっかくのご縁でつながったのであれば共に成長していくことがなにより大事なことではないでしょうか?

保健師が関わる内容は実は非常に多岐にわたっています。大きな物の見方をすれば、地域の健康を守りたいというようなこともあります。身近なところで考えると、子供の健康を守りたいとか孤独死を防ぎたいなどもあるかと考えます。

自分が将来にわたってどんな保健師になりたいのか。あなたらしい目標やビジョンを示すことは大切です。採用する側もそれを見て、あなたの保健師という仕事に対する思いを理解することができますし、共に仕事をできる人材だと考えられるかの判断基準にもなります。

保健師の正しい志望動機例3選

次に、保健師の志望動機として正しい例文をみていきます。一例として参考にしてください。

志望動機の例文①

私は、こどもの頃は病気がちだったため、看護師など医療の仕事に興味を持っていました。ですが、病気になってから治療するよりも、病気を予防する方がより良いことに気付き、保健師を志望しました。
保健師になったときには、多くの人々に予防の大切さを伝えたいと思っています。そして、病気を予防することで、医療現場の負担を減らしていきたいです。

例文では、保健師を志望する理由と、保健師になったときの目標が、どちらも明確に書かれています。自分の仕事だけでなく医療現場にも貢献したいという発言は、幅広い視野を持っているとしてアピールポイントになります。

志望動機の例文②

私が保健師を志望したきっかけは、日本では年間720億円分もの薬が廃棄されているのを知って、大変なショックを受けたことでした。そして、この莫大な損失を減らすにはどうすればよいのか考えた結果が、あらかじめ病気を予防することでした。
私の目標は、保健師になって「自分の健康は自分で守るもの」という自己管理意識を広めることです。そのためには、多くの人に健康管理の方法を指導していくことが大事だと思います。

「昔は病気がちだった」など、自分自身の中に健康に関心を持った理由がない場合は、社会問題を参考にしましょう。 例文の他にも、医療・保健関係の問題は数多く存在します。その中で、自分に合った理由を探すのも有効な手段です。

志望動機の例文③

私が産業保健師を志望する理由は、仕事が原因で発生するうつ病から労働者を助けたいからです。きっかけは、私の先輩の知り合いに、長時間労働が原因でうつ病になってしまった人がいたからでした。
私が保健師になったときには、今や社会問題にまで発展しつつあるうつ病の予防に取り組みたいと思っています。そのためにも、健康管理は仕事と同じくらい大事だということを広めていきたいです。

例文には、うつ病の予防に取り組みたいという明確な目標が書かれています。社会全体の問題に目を向けている点もアピールポイントになります。きっかけについては、身近なところになければ、ニュースで知ったことでも構いません。

健康に関する社会問題を何かひとつ取り上げて、それを解決する意欲を示せばアピールになります。

志望動機の例文④

私が行政保健師を志望する理由は、地域で暮らす皆さまが健康でイキイキとした暮らしが送れるよう、健康維持や生活全般におけるサポートができればと思ったからです。私は看護師として、病気の患者さまに接する機会は現場実習など病院で経験をしてきました。
多くの患者さまが病気で苦しむ姿を見るにつけ、普段の生活の中で予防に対する意識を少しでも挙げることができれば、かなりの方が病気にならずに済んだのではないかと考えました。そこで、行政における健康管理施策の予防活動が保健師の立場でおこなえたらと思い志望いたしました。

まず、行政保健師を目指す理由が最初にきちんと書かれています。公務員なので安定的な環境や収入などの部分について、話していないのも悪くないと考えます。身分保障や給与ばかりいうのは決していいイメージではありませんから。また、病院経験で成し得なかった予防に関して、行政の施策に沿って保健師としてしっかり関わって仕事をしていきたい理由も書かれているのもいいですよね。

志望動機の例文⑤

私がこの病院で保健師を志望する理由は、病気で外来や入院する数多くの患者さまが少しでも元気に毎日を過ごせるようになってほしいからです。近年の健康志向ブームで一般の方も健康維持に対する意識はすごく高くなってきたのはよくわかります。ですが、まだまだ病気を抱えて病院に助けを求めてくる方が一向に減らない現状に深く憂慮しています。
この病院では、病気に対する治療はもちろんのこと、予防医学に関しても力をすごく入れてらっしゃいます。インターネットを通じてそのことを知り、ぜひ私の持つ保健師の資格がこちらでお役に立てるのではないかと考え応募いたしました。

この内容は、病院が募集している保健師に志望した場合のケースです。看護師として病気に困った患者さまを見守るだけでなく、せっかく持っている保健師の資格を大いに活かして、病院が取り組む予防医学の分野で活躍したいと言っています。とてもわかりやすい志望動機ではないでしょうか。

保健師の志望動機NG例

まずは、保健師の志望動機として悪い例文をみていきます。

NG例文①

私が保健師を志望した動機は、世代間の健康意識の違いに疑問を感じているからです。私の両親や祖父母は、私がほんの少し体調を崩しただけで「病院へ行け」「薬を飲め」といいます。熱が出ればすぐに冷まそうとします。
そうした誤った知識のせいで病院が混雑し、本当に治療が必要な人が迷惑を被っている現状を変えたいというのが私の目標です。

例文では、間違ったことをいっているわけではないのですが、まるで日頃の不満をぶつけるような内容になっています。誤った現状を変えたいという意欲は大事です。しかし、面接の場で他者を悪く言うような表現は控えた方がよいでしょう。同じ内容の言葉でも、前向きな表現をすることが大切です。

NG例文②

私が保健師を志望した理由は、今の世の中の健康志向ブームに乗っかって仕事をしたいからです。もともと内科の看護師だった私は、患者さまと看護業務の上で生活習慣病と向き合ってきました。加えて健康相談もやっていましたが、単に運動不足が原因だと思った人が多いのにびっくりしました。
食生活の乱れなども当然原因の一つです。このままでは、もっと生活習慣病患者が増える一方だと感じました。ですから、これからは保健師として予防に特化した仕事を通じて、地域の皆さまの健康志向を盛り上げたいと思い志望いたしました。

一見、すごく意欲に満ちあふれた志望意欲を感じる文章ではあります。しかし、言葉遣いが今ひとつ丁寧出ないことが感じられます。フランクな内容に思われるのは、このような文章ではよくないイメージになります。また、全体的に抽象的な表現が多く使われてどこの保健師として仕事したいのかよくわかりません。もっと、明確にかつ見る人がわかりやすい内容にするべきです。

NG例文③

私は3年間慢性期病院の看護師をしていました。そこで、高齢者が少しでも早くから健康に意識を向けて予防していれば、このようなところに入院する必要もないと思うことが数多くありました。そのような気持ちからこの町の保健師を志望することにしました。
公務員ですので、身分保障は安定していますし、給与もこのあたりではかなりいいと知りました。あまりバタバタせずにゆったりと健康維持や病気の予防に向けた取り組みができればと考えております。

NG例ですので、ちょっと極端すぎるかもしれません。このかたは自治体関係の保健師に志望していますね。ところが、志望動機と意欲が非常に自分勝手な内容に感じられてしまいます。公務員で身分と給与がいいことなどは、志望動機には必要ありません。これでは、最初からこの人の目当てはそこかと思われてしまい、イメージが良くありません。もっと、誠心誠意なぜ保健師を志望するのかを文章に示していきましょう。

まとめ

保健師の求人数は、類似職の看護師と比べ30分の1ほどしかないという非常に狭き門です。年収は看護師よりやや少ないものの、夜勤がないことや福利厚生が充実しているため、離職者が少ないことが大きな理由となっています。

そうして狭き門を通り抜けた人材なだけに、保健師には大きな期待が寄せられています。特に、今後は高齢化がいっそう進むと予想されるため、人々の健康管理がますます重要になってきます。

現場の医療に集中しなければならない医師や看護師に代わって、保健師には広い視野を持って社会を変えていこうとする意志が必要といえるのではないでしょうか。

監修者プロフィール

kaoru.aoyama@theport.jpのプロフィール画像
吉川 智也 (よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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