職種研究

【アナリストになるには】仕事内容や将来性について徹底解説

アナリストになるにはどうしたら良いのか

近年「アナリスト」という職種を、よく耳にするようになりました。テレビなどでよく聞くアナリストという仕事ですが、詳しい仕事内容や、どのようにしたらアナリストになれるのか、必要な資格にはどのようなものがあるか、などは意外に知られていません。

一口にアナリストといっても、業界や企業によって仕事内容は大きく異なります。アナリストを目指すには、まず、どの業界で仕事をしたいかを明確にする必要があります。ここでは、アナリストと呼ばれる人が、どのような仕事をおこなっているか、業務内容について詳しく解説していきます。

また、アナリストを目指す際に必要な資格や、どのような人が向いているかなども合わせて紹介していきます。

アナリストの仕事内容

アナリストは本来、「分析する人」「解剖学者」などを表す「アナリシス」から生まれた言葉です。分析家・評論家、職務で必要なものに関する分析をおこうなう人、情報処理技術資格者などを、アナリストと呼ぶこともあります。職業としてのアナリストは、一般的に専門分野に詳しく、様々な情報を元にデータを分析し、必要な人へアドバイスなどをおこないます。

よく知られているアナリストの種類には、証券アナリスト、データアナリスト、システムアナリスト、webアナリストなどがあります。他にも、スポーツアナリストやマーケットアナリストなど、情報を調査分析する人全般をアナリストと呼びます。

職業として「アナリスト」という言葉を使う時は、証券アナリストのことを意味する場合が多くなっています。

アナリストの種類

職業としてのアナリストの中には、業界や企業によって様々な種類があり、その仕事内容は大きく異なります。ここでは、証券アナリスト、データアナリスト、システムアナリスト、webアナリストについて、それぞれに分けて解説していきます。

それぞれの主な仕事内容や、アナリストになるために必要な資格などもご紹介します。希望する業界や企業でアナリストが活躍している、将来アナリストになりたい、などがあれば、ぜひ参考にしてみてください。

あなたが受けないほうがいい職業をスマホで確認してください

就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます

そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

診断スタート【無料】

あわせて活用したい!

AIを活用して自己PRを完成させよう!

証券アナリスト・金融アナリスト

証券アナリスト・金融アナリストは、市場の分析調査をおこなう専門家です。ほかにも、財務分析家、リサーチアナリスト、株式アナリスト、投資アナリストなどとも呼ばれています。証券会社・銀行などの金融機関や、投資顧問会社などに所属していることがほとんどです。

企業の増資や新製品開発の動向、企業の収益・経営状態、国内外の経済政治情勢など、幅広いデータを調査・分析して、株価の評価や金融の将来を予測することが主な仕事になります。証券会社では、アナリストの分析をもとにして、株価の動きを予測します。

そして、そこから株式売買の戦略を立てることになります。証券アナリストの平均年収は、600~700万円といわれています。外資系では平均800~1,500万円と、日本企業より高い傾向になっています。

証券業界研究については、こちらの記事で詳しく解説しています。

証券アナリスト・金融アナリストに必要な資格

証券アナリストになるには、必ずしも資格が必要なわけではありません。証券会社や銀行、保険会社、投資顧問会社などに勤務して、経験を積み、アナリストになるケースが多くなっています。

しかし、アナリストの試験に合格し、実務経験を積んで検定会員になっておくと、今後の仕事に有利です。大学では、経済学・経営学・商学などを学んでおくと、資格試験に役立ちます。

アナリスト試験には、第1次レベルと、第2次レベルがあります。第1次レベル試験を受験するには、アナリスト協会の通信教育講座を受講することが条件となります。 また、第2次レベル試験を受けるためには、第1次レベル試験3科目に合格する必要があり、第2次レベルの講座を受講する必要があります。証券アナリスト第2次レベル試験の合格率は、例年45~50%前後となっています。

金融業界研究については、こちらの記事で詳しく解説しています。

データアナリスト

データアナリストとは、企業が集めた大量のデータから、ビジネスに使用できそうなパターンやルール、傾向などを見つけ出し、企業のマーケティング活動に役立てる仕事を主におこないます。

データの分析をおこなう専門家として、企業の売上に貢献していきます。データアナリストは、経営判断をサポートする「コンサルティングタイプ」と、すでにあるサービス・商品の質を高めるためにデータを分析する「エンジニアタイプ」に分かれます。

データアナリストの年収は、300~700万円前後となっています。コンサルティングタイプのアナリストには、分析力・統計に関する知識・マーケティングに関する知識などが求められます。一方、エンジニアタイプに求められるスキルは、統計解析・時系列解析・機械学習・自然言語処理などがあります。

データアナリストに必要な資格

データアナリストになるために必要な資格は、特にありません。しかし、データアナリストとして働くために、持っていると有利になるものが、いくつかあります。まずは、情報処理技術者資格です。システムエンジニアや、プログラマーとしての知識・技術を認定する国家資格ですが、IT技術が必須となるデータアナリストにとっても、取得しておくと有利な資格といえるでしょう。

また、統計検定も、データアナリストに必要な知識が身に付きます。こちらは、財務省が後援する検定試験で、4級から1級までのレベルに分かれています。試験自体は、現在の自分自身の統計学の知識を確かめるための検定になりますが、大学で統計学を学ばなかった人でも、効率よく勉強ができるのでおすすめです。

データアナリストになるには、基本的なパソコンスキルや、論理的な思考力に加え、数学的な基礎知識など幅広いスキルが必要となります。

システムアナリスト

システムアナリストは、システム開発の最終的な工程をを担当する専門家です。顧客となる企業の経営者や、システム統括責任者、各部署の責任者から、普段の業務内容・導入されているシステム、課題、要望、現在の状況などを詳しくヒアリングします。

そして、課題を洗い出し、解決方法の提案などをおこなうことが、主な仕事内容です。時には、顧客自身も気付いていない潜在的な課題を見つけることもあります。また、顧客に対して提案をする時には、分かりやすく説得力のあるプレゼンテーションが必要になります。

コンサルタントだけでなく、エンジニアや営業を合わせた役割を持つ、総合的で高度な職種といえます。システムアナリストの年収は、600~1,000万円前後が一般的です。

システムアナリストに必要な資格

特別な資格は必要ありませんが、システムエンジニアとして、10年以上の実務経験が条件となります。一般的に、システムエンジニアからプロジェクトマネージャー、さらにシステムアナリストとスキルアップしていくケースが多くなっています。

また、顧客への提案や、問題課題のヒアリングをおこなうことから、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力、論理的思考力が必須となります。さらに、最適な課題解決のために、顧客となる企業の業務内容や商品についての知識理解も必要です。

IT技術に関する深い知識と、豊富な経験は不可欠といえるでしょう。「ITストラテジスト試験」や「情報処理技術者試験」、「アプリケーションエンジニア」などのエンジニア資格を持っていると、有利になることもあります。

SEの志望動機の書き方について、知りたい人はこちらの記事もチェックしてみてください。

webアナリスト

データ分析や、統計解析などの専門家の中でも、特にweb解析・アクセス解析・ユーザー分析など、デジタル領域の分析をメインにおこなう職種が、webアナリストです。webアナリストの役割は、様々なデータをもとに、ウェブサイトのデザイン改善・収益向上につながるように分析することです。

アクセスログや、購入履歴、会員情報などのデータを集め、売上を上げるための改善点を、計画・提案していきます。また、企業が企画したプランや、webサービスの利用状況について収集したデータを、読み取りやすいレポートにまとめ、報告するといった業務もあります。

webアナリストの年収は、400~500万円といわれています。これは、web系職種の中でも、高めの給与額です。未経験や新卒者では、収入が低いこともありますが、実務経験を積んでいくうちに、年収が増える可能性が高くなっています。

webアナリストに必要な資格

webアナリストになるには、分析経験が必須条件となることが多くなっています。新卒でwebアナリストになることは難しいといわれていますが、広告代理店やコンサル企業、制作会社などでwebディレクター・webマーケターとして経験を積み、webアナリストへステップアップすることが一般的です。

webアナリストに有利な資格として、「ウェブ解析士認定講座」と「webアナリスト検定」があります。ウェブ解析士認定講座は、一般社団法人ウェブ解析士協会が主催する、実務面を重視した認定資格です。アクセス分析やwebマーケティングについても学ぶことができます。3つのレベルがあり、それぞれ取得方法が異なります。

webアナリスト検定は、日本web協会が主催するGoogleアナリティクスの分析を中心とした検定です。5時間の講義と試験で取得できます。

かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断

就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます

そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。

適職診断で自分の適性を把握しておき、就活を効率的に進めましょう。

診断スタート【無料】

あわせて活用したい!

AIを活用して自己PRを完成させよう!

アナリストに向いている人

アナリストは、様々な情報を大量に集め、的確に分析し、自分の言葉で発信する必要があります。経済や世の中のニーズなど、幅広い事柄に関して興味を持ち、積極的に情報収集をおこなう好奇心や、効率よく必要な情報を拾い上げる能力、誰にでも分かりやすくプレゼンテーションできる情報発信力が求められます。金融行政の担当者や企業の経営者などに直接インタビューすることもあるため、コミュニケーションスキルも重要です。

また、世界の動向や株価のチェックをすることもあり、早朝や深夜に仕事をする日も珍しくありません。体力があり精力的に動けること、長時間作業を続ける集中力や根気があることも不可欠でしょう。さらに、最新情報をすぐにキャッチして、データとして活用するために、素早く判断できるスピードも重要です。

新卒でアナリストの募集はあまりない

日系企業の新卒で、いきなりアナリストとして働くことは珍しいでしょう。総合職として採用され、アナリストが必要な部門に配属された場合には、経験を積みながら必要な知識を身に付けていくことになります。

入社直後からアナリストを目指したい場合は、一部の大手企業でおこなわれている「コース別採用」での入社を狙うのが、近道でしょう。外資系企業では、新卒の時点で部門別に採用することがあり、リサーチ部門などに配属されると、アナリストとしてトレーニングが始まります。

基本的に、学部・学科は問われませんが、マーケットや政治経済に関する知識や、財務分析能力といった専門性が求められるため、大学院卒が有利となるといわれています。海外とのやりとりや、英語の文献を読む機会が多いため、英語力も必要です。

金融機関に就職した後にアナリストになるケースが多い

アナリストは新卒でいきなり就職するケースは少なく、先に金融機関に就職し、そこから転職や引き抜きという形で採用されることが多いです。アナリストは専門的な金融知識が必要な仕事であり、特に実践的な能力が求められます。

経済や金融について勉強しておくことも大切ですが、机上で得られる知識だけでは実際の仕事には活かせないことも少なくありません。アナリストとして活躍するには高い専門知識に加えて、金融業界で得た情報や知識、仕事のノウハウなども必要です。

業界への理解が深い分、アナリストという仕事についても理解していると判断されやすいため、金融業界での就労経験があるほうが、就職はしやすいといわれています。

高学歴の方がアナリストに選ばれやすい

金融についての幅広い専門知識や高い分析力、洞察力などを求められるアナリストは、高学歴のほうが採用されやすいケースにあります。高い学歴であるほど専門的な勉強をしていたり、基本的な思考能力が高いと判断されやすいことが理由です。

もちろん、学歴だけで就職できるかどうかが決まるわけではありません。どれだけ高学歴でも、金融についての知識や理解がまったくなく、仕事で活躍できるだけの能力がないと判断されると、不採用になるでしょう。

反対に高学歴とはいえないとしても、アナリストとして活躍できるなら、問題なく採用されます。最終的にはアナリストとして活躍できるかどうかが重要ですが、それを見極めるポイントのひとつとして、学歴がみられやすいことは覚えておきましょう。

アナリストの試験を受けておくと有利

アナリストになるには資格は不問とされていますが、特定の資格を持っておくと、選考で有利になることも少なくありません。アナリストは検定試験があるため、これに合格していると就活でのアピール材料になるでしょう。

アナリストの試験は第1次レベルと第2次レベルがあります。第1次レベルを受けるには「日本証券アナリスト協会」の通信教育講座を受けなければなりません。第2次レベルを受けるには、第1次レベルの試験3科目に合格した上で、第2次レベルの講座を受講する必要があります。

それぞれ難易度が高く、第2次レベルは50%程度の合格率です。金融はもちろん、経営や経済、商学など幅広い知識が必要であるため、早いうちから勉強をしておき、スムーズに合格できるようにしておきましょう。

アナリストの将来性

現在の日本では、ほとんどのアナリストが企業に所属し、データ分析などをおこなっています。一方でアメリカでは、アナリストへのニーズが高く、どこへも属さずにフリーで活躍する人が多くなっています。

日本でも今後は、アメリカのように個人のアナリストが活躍する時代になると考えられます。例えば、金融アナリスト・証券アナリストの専門分野である投資についても、賃金がなかなか増えず、銀行預金の金利が低い中で、個人の興味は高まっています。

それにより、市場や株価を予測するアナリストの需要も増えると予測されています。これからは、今まで以上にデータの分析や、情報発信が重要となり、アナリストの重要性も高まります。近い将来日本でも、フリーで仕事をする独立型アナリストが増えていくことが予測されています。

アナリストになるには資格・経験・知識が必要

膨大なデータをもとに、顧客に必要な情報をピックアップして分析をおこない、適切なアドバイスを提案するのがアナリストの主な役割です。アナリストになるためには、実務経験はもちろん、情報収集力、分析力、論理的思考、コミュニケーションスキル、プレゼンテーション能力など総合的な力が必要となります。

簡単なことではありませんが、その分やりがいを感じられる職種といえるでしょう。今後、アナリストの重要性が高まり、ニーズも増えてくると予測されています。アメリカのように、企業に所属せずに独立して個人で活躍する人も増えてくるはずです。

アナリストになるには、仕事をする上で有利となる資格を取得するための勉強や経験、専門的な知識を深めていくなど、人一倍の努力が必要になります。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

記事についてのお問い合わせ