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留年が決まったらまずは落ち着いて行動することが大切
志望していた企業から内定をもらって一安心だと思っていたのに、留年が決まってしまったら誰でも慌ててしまうでしょう。長い就職活動の中、努力して選考を勝ち抜き、あとは入社を待つばかりという矢先の出来事で、冷静になれないかもしれません。しかし、このようなケースは、意外にも多くの先輩方が経験しています。
留年が決まった時には、まずは落ち着いて行動することが重要です。留年になったからとすぐに内定を辞退する前に、できることがあります。企業によっては入社の時期を遅らせてもらえることもありますし、次の就活に不利になることもありません。まずは、今の状況と今後のために何ができるのかを確認して、最善の対策を考えていきましょう。
留年決定時に内定辞退する前に試すべき2つの方法
では留年が決定した際、すぐに企業に連絡をおこない、内定辞退の旨を伝えるべきなのでしょうか。これまで述べてきたように、留年になると内定取り消しとなる可能性が高いです。しかしすべての企業でこのような対応をとるとは限りません。
ここでは留年決定時に内定辞退を申し出る前に試すべき2つの方法を解説していきます。せっかく苦労して獲得した内定なのです。留年が決まったからといってすぐに諦めるのでなく、まず試せることを試してみるようにしましょう。
①大学側にどうにかならないか掛け合ってみる
留年決定時に内定辞退する前に試すべきこととして、大学側にどうにかならないか掛け合ってみることが挙げられます。もちろん可能性としては高くありません。計画的に学業に取り組んでいれば卒業に必要な単位は自ずと取得することが出来るので、そのようなことをおこなってこなかった学生に対して、救済措置を特例でおこなう可能性は低いです。
しかし、自身が所属している学部、ゼミ、研究室の教授に相談してみることで何らかの方法で不足分の単位を取得させてもらえることもあります。行動を起こすことで卒業できる可能性があるのであれば、行動を起こすべきです。
留年することが判明したらまず、学事センターに相談することはもちろん、教授などさまざまな人達にも相談してみるようにしましょう。
資格などが単位になることもある
学校で留年に対する救済措置をおこなっている場合、取得している資格などが単位になることがあります。英語試験のひとつであるTOEICの点数や、簿記資格、検定試験の結果、学部・学科に関係する資格の取得によって、足りない単位を補えるかもしれません。資格を単位として認めているのは、国公立・私立・通信制大学などになりますので、教務課や事務局に直接問い合わせてみましょう。
大学によっては、WEBサイトにどのような資格が単位となるか記載されていることもあります。在学している学校が対応しているかどうか確認してみてください。持っている資格によって留年が取り消しとなり、予定通り卒業できる可能性も十分に考えられますので、まずは調べてみましょう。中には、入学前に取得した資格でも単位として認められるケースがあります。
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②内定先へ留年になった事実を報告して今後の相談を
留年が判明した場合、まずは内定先へ留年になった事実を報告して今後の相談をするのも大切なことです。内定が決まった段階ですぐに内定辞退してしまうことも可能です。しかしすべての企業で留年による内定取り消しをおこなうわけではありません。企業によっては卒業まで待ってくれる可能性もあるのです。
留年が判明した後も、教授に掛け合う、学事センターにお願いする、など最善を尽くしたことが伝われば、「待ってあげようか」と考えてくれる可能性もあります。また留年に何か特別な事情があったのであれば、それを話すことで特例措置をとってくれることもあるでしょう。留年が判明したからといって諦めてすぐに内定辞退を申し出るのではなく、企業に相談してみるのも手なのです。
内定取り消しにならなかった場合の企業の対応
企業によっては内定を取り消さず、留年したとしても柔軟に対応してくれる場合があります。いくつかのケースがありますが、卒業まで入社を待ってくれたり、大学に籍を置きながらの入社を認めてくれたりします。また、大学を卒業しないまま中退として入社を認めるという企業もあります。
ほかにも、ベンチャー企業などでは、アルバイトやインターンとして働きながら、必要な単位を取れることがあります。その場合は、卒業したら入社することが条件となります。卒業までに必要な時間は個人によって異なるため、企業と相談しながら決めなけれなりません。担当の教授にあらかじめ、どのくらいの期間で卒業できるか目安を聞いておきましょう。
内定取り消しになるものの次年度の選考が優遇されることもある
一般企業では留年が決まると、残念ながら内定が取り消しとなることが多くなっています。しかし、企業の状況や就活生の意欲・能力によっては次年度の選考が優遇される可能性があります。その場合、翌年の選考は本来なら受けるはずの書類選考をパスして、最終面接だけになるなどの優遇を受けられます。
入社したいという熱意があること、次年度にまた選考試験に挑戦したいことなど、企業への思いをアピールすることが大切です。留年が決まった時点ですぐに企業へ連絡を入れて、失礼のないように状況を説明しましょう。自分から「次年度の選考は優遇されますか」などと提案するのはマナー違反になります。どうしても入社したいことや、卒業のために努力したいという姿勢が伝わるようにしましょう。
公務員試験に合格している場合は中退も視野に入れる
留年が判明した後、色々と交渉をしてみたものの、留年の事実が覆らない可能性は高いです。そのような際、基本的には卒業に向け、留年を決意するのがよいといえるでしょう。しかし公務員試験に合格しているのであれば、留年ではなく中退という選択肢もあります。民間企業の新卒採用の場合、その応募条件に年度末の卒業が含まれていることが一般的です。
しかし公務員の場合、大卒であるということは条件には入っていないのです。公務員の場合、公務員試験に合格していれば就職することは可能になります。せっかく入学したのであれば、卒業するのが望ましいとはいえます。しかし大卒にこだわらないのであれば、卒業のために留年して再度就職活動をおこなうのではなく、中退を選択することもひとつの手段ではあるのです。
企業へ留年を伝える方法
留年が決まったら内定が出ている企業へすぐに連絡をしましょう。その際、まずは自分の気持ちを確かめてみてください。特に、入社したいと思っているかどうかを最初に決めるべきです。それによって企業への伝え方が変わってきますし、話す内容も異なります。また、卒業できるなら、どのくらいの時間が必要なのか確認しておく必要があります。
自分の考えを明確にしてから、企業へ連絡を入れましょう。留年が決まったという報告は、予定通りに入社できないことへのお詫びの連絡になります。内定を出してくれた感謝と、約束を破ってしまった謝罪の気持ちを忘れないようにしましょう。なるべく失礼にならないように伝えることが大切です。
電話などで連絡を取り直接会って謝罪する
入社したいという意思を伝えたい場合でも、内定を辞退したい場合でも、なるべく早く企業へ報告する必要があります。メールなどの文面では失礼になりますので、できるなら電話で約束をし、直接合って謝罪した方がよいでしょう。
アポイントメントを取る際には、留年が決まったというのではなく「内定のことでご相談があります」と伝えます。この時、担当者から具体的な相談内容について聞かれた場合は「卒業論文が提出できずに」「期末試験に不合格となってしまい」など、事実だけを伝え、直接会ってから詳細を説明しましょう。電話をかける時間は、午前中なら10~12時頃、午後なら2~4時頃が適切です。
電話で会う約束をする際の会話例文
お世話になっております。先日内定を頂きました〇〇大学の〇〇と申します。お忙しいところ恐縮ですが、内定のことでご相談がありお電話致しました。人事部の〇〇様はご在席でしょうか。
お忙しいところ申し訳ございません。〇〇大学の〇〇ですが、ただいまお時間よろしいでしょうか?
実は誠に申し訳ないのですが、私の力不足により単位不足になり4月の入社が難しくなってしまいました。これまでお時間を割いていただき内定を頂いたのにも関わらず、ご迷惑をおかけし、大変申し訳ございません。もし、可能であればお詫びに伺いたいのですがお時間を取らせて頂くことはできますでしょうか。
まずは謝罪の言葉を述べて、入社できないことへのお詫びを伝えます。そして可能なら、直接謝罪して事情を説明するために時間を取ってもらえるか相談してみましょう。電話だけで報告するのは失礼になりますので、直接会って話をしてみてください。
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入社したい場合は働きたい意志を伝える
留年が決まって予定通り4月に入社できないという報告と合わせて、自分の考えを担当者に伝えましょう。企業で働きたい意思があれば、内定の保留や入社時期の変更、在学のまま勤務できるかどうかを相談します。その際には、働きたいという考えを伝えるだけでなく、卒業できる見込みはあるのか、どのくらいの時間があれば卒業できるのかも明確にしておきます。
いつ卒業できるかはっきりしていなければ、企業も入社を待つことはできません。もし半期分の単位が足りないというのであれば、秋に卒業して入社させてくれるケースもあります。企業へ入りたいという熱意と、卒業までの具体的なスケジュールを提示して「入社する機会を頂けませんでしょうか」と相談してみましょう。
内定辞退をする場合は留年の理由を伝える
留年が決まり、内定を辞退したいと思った場合は、留年の具体的な理由を担当者へ伝えましょう。電話で留年が決まった旨を伝え、直接会った時に詳しい事情を説明します。「必修科目の単位が足りなかった」「卒業に必要な試験に合格できなかった」など、なぜ留年になってしまったのかを述べて「私の努力不足により、ご迷惑をおかけして大変申し訳ございません」と謝罪しましょう。
それから「大変申し上げにくいのですが、内定辞退を決意しました」と辞退したいことを伝えます。留年が決まったことが主な原因のため、担当者が理由について色々と質問をすることはないでしょう。内定を出してくれたことへのお礼と、入社できないお詫びをしっかりと伝えるようにしてください。
留年して就活再挑戦する際の注意点3つ
留年が決定し、覆すことが出来なかった場合、多くの学生は留年してもう一度就職活動に挑戦することになるでしょう。「留年したことを話すと、どこの企業もマイナスに捉えてくるのではないか」と不安に思う学生も多くいることでしょう。
ここでは留年して就活再挑戦する際の注意点を3つ挙げ、解説していきます。留年は就職活動において必ずしもマイナスに作用するものではありません。気持ちを切り替えて就職活動に取り組むようにしましょう。
①取り消しを悔やむより内定をもらえた事実に自信持つ
就職活動に再挑戦する際、内定を取り消された事実を悔やみ、引きずらないようにしましょう。このような事実を引きずっていると、「留年するような人材を欲しがる企業などどこにもないんだ」とネガティブな考えに捉われてしまいます。考え方がネガティブなると、それは話す内容や態度にも表れてしまいます。
自分に自信がなく、クヨクヨしている印象のある就活生を採用したいと思う企業などどこにもないのです。取り消されてしまってはいるものの、一度は内定を勝ち取っています。そのことは、内定に値する魅力を自分が持っているということの何よりの証拠なのです。内定をもらえたという事実に自信を持ち、堂々と就職活動に再度臨むようにしましょう。
②就活経験者であることをプラスに捉える
就職活動に再挑戦する際、就活経験者であることをプラスに捉えるようにしましょう。たしかに新卒時とは異なり、「なんで留年したの?」という質問への回答の準備もおこなわなければならなくなります。何か事情があるのならともかく、単位取得に対する計画性に問題があったのであれば、マイナスの評価は避けられません。
しかし留年にはマイナス面ばかりでなく、プラスに働く一面もあります。新卒で初めて就職活動に臨む際、初めのうちは右も左も分からず、手探りで就職活動を進めていたことでしょう。そのような中で「もっと効率よく対策を進めれば良かった」と後悔することもあるはずです。前回の反省を活かし、より効率よく、効果的に就職活動を進めていくことを可能にするという点で、留年経験は就職活動においてプラスに作用するのです。
③元内定先への再挑戦も可能
就職活動に再挑戦する際、「一度内定を取り消されているし、元内定先は受けても無理だろうな」と諦めてしまう学生も多くいます。しかし元内定先への挑戦も可能なのです。何も言わずに再度受けることももちろんできます。しかし、事前に昨年のお詫びとどうしても働きたいという気持ちを伝えることで、「本当に自社を志望しているのだな」と入社に向けた熱意を伝えることが可能になるのです。
一度内定を取り消されている企業に再度挑戦するというのはたしかに勇気のいることです。面接官も知っている方である可能性が高く、気まずく感じることも多々あるでしょう。しかしそのようなことを覚悟の上で再挑戦するのであれば、企業もそのような姿勢を評価してくれる可能性があるのです。
留年で内定取り消しになっても前を向いて行動しよう
ここまで留年による内定取り消しについて、辞退する前に試す価値のある方法について、そして再挑戦時の注意点について述べてきました。内定取り消しになってしまうと、当然気分は落ち込むでしょう。「もう一度就活をしても、留年している自分なんかを雇ってくれる企業は無い」とネガティブに考えてしまう可能性もあります。しかし留年した事実を変えられないのであれば、気持ちを切り替えてポジティブに行動するようにしましょう。
留年という経験は、就職活動においてプラスに働く一面もあるのです。またもともと内定をもらっていた企業が自身にとってベストな選択だったとは限りません。留年し、再度就活をおこなうことでより自分に適した企業を見つけられる可能性もあるのです。留年した事実を受け入れ、前を向いて行動するようにしましょう。