就活の悩み

「やっぱり有名企業がいい」「大企業しかイヤ」と大手病をこじらせそうな就活生の方へ

先輩から学ぶ「就活でしくじらないために」ー大手病と闘った理系&体育会女子ー

「えー! あの○○(誰もが知る大企業)から内定もらったんだー!すごーい!さすがー!」
そんなことを言われる自分を時々妄想しながら就活をしていた時期もありました。せっかく関関同立レベルの大学入ったわけですしね。学部やゼミの仲間の多くが「誰もが知る○○」に内定もらっていましたからね。見栄と劣等感ですね。

ということで、今回は「大手病」がテーマです。
就活において「有名な大企業しか受けない」という状況に陥ることを指す大手病。その背景は様々ですが、例えば

・大手の方が安定していそう
・とりあえず知っている企業を片っ端からエントリーしたら有名な大企業ばかりに
・周りに「すごい」と思われたい
・親や身近な人から「大企業の方がいい」「大企業に行け」と言われている

といった動機を思いつきます。私の場合はぶっちぎりで3番目の項目でした。

今回お話を伺ったのは、部活と研究の話を武器に就活を乗り切ったものの、内定確定後に本格的な「大手病」をこじらせたという、理系学部の大学4年生、Nさんです。

体育会という環境で、周りの部員で「有名な大企業」に行く人が多い中、自分が内定をもらったのは「あまり有名でない企業」。本当にここでいいのか、という葛藤。そしてその末に出した結論は?

大手志向の方には特に、一度読んでいただきたい内容です。

大手病を患う前。体育会系&理系で自己PRは無敵、内定をもらうのは早かった

Nさんは格闘技系の部活に所属していて、全日本学生選手権大会で入賞した経験もあるんですよね。私の中にある勝手なイメージなのですが「就活において体育会系の市場価値はめちゃくちゃ高い」と思っています。その辺りは就活をしていて感じることはありましたか?

そう思われることは多いのですが、実は意外と苦しんでいる人もいますよ。面接でよく聞かれるのが「で、他にはなにか頑張ったことある?」「勉強はどうだった?」という「体育会での経験以外のエピソード」で、私もよく聞かれました。部活一筋で他に話せることがないという人もいて、そういう人は結構苦労していましたね。

Nさん:

なるほど、体育会系なら楽勝ってわけではないのですね。初耳でした。Nさんは部活のエピソードをESや面接の自己PRで使うことはありましたか?

そうですね。私は部内で「企画局」という部署にいたんです。部活はどうしても環境が厳しくなってしまい、中には辞めていってしまう人もいるんですね。企画局では「部内の環境や雰囲気を良くする」という目的で、率先して練習を盛り上げたりイベントを企画したりしていました。自己PRでは主にその企画局での取り組みを話しましたね。「部活を辞めたがっていた後輩がいたけど、「その後輩を辞めさせない」という目的のもとこんな取り組みをして、結果的にその後輩の気持ちを奮い立たせることができた」という流れで。

Nさん:

目的から筋が通っていて、行動力や協調性、部員への思いやりなども伝わる素敵なエピソードですね。面接官の反応も良さそうな気がします。でも、その後「で、他になにか頑張ったことは?」と聞かれることが多かったんですよね。Nさんは他にどんな話をされたんですか?

研究室の話ですね。理系なので研究室に所属していて、そこで「野菜の研究」をしていました。

Nさん:

野菜!

「野菜の研究」と言うと、面接官の方もそんな感じで食いついてくれます(笑)。いい野菜が育つかどうかは、いかに地道に毎日水をやってしっかり観察して面倒を見てあげるかにかかっているので「地道な作業を毎日コツコツ積み重ねて成果を出した」というエピソードに繋がるんです。体育会系で雰囲気的にも大雑把に見られることもあるのですが、そのエピソードを話すことで「実はマメなところもあるんですよ」というアピールができました。

Nさん:

「自己PR最強女子」という印象を受けました。その2つのエピソードがあれば自己PRで苦労することはなさそうですね。

その自己PRをつくるために、4月はキャリアセンターに通いつめたり、部員や研究員の人に他己分析してもらったりして、頑張ってまとめました!

Nさん:

「理系の就活」については、こちらの記事で詳しく解説しています。

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内定後にやってきた本格的な「大手病」

どのような会社から内定が出たのですか?

はい、BtoBのメーカー企業です。

Nさん:

最初からそういうメーカー業界を見ていたのですか?

いえ、最初に見ていたのは、食品業界などを見ていました。漠然と「自分が勉強したことが活かせる会社がいい」と思っていたので。ただいきなり研究開発職は難しい道だと思って、まずは「自分の会社がどんな商品を売っているのか・どんな強みを持っているのか」を知って、お客さんからの反応を見てから研究開発の道に行こうと思ったので、文系の学生に交じって営業職を見ていました。あとは、「ジョブローテーション制度がある会社」が良かったですね。入社してから40年間ずっと営業をやるのは厳しいなと思って、定期的に職種が変わるところがいいなと思っていました。

Nさん:

なるほど。ちなみに、他になにか「軸」と言えるものはありました?

んー、安定志向なところがあったので、やっぱり「安定した会社がいいな」「上場している会社がいいな」という思いはありました。はっきり言えば「ネームバリュー」はかなり気にしていたと思います。

Nさん:

内定をもらっている会社は、いわゆる「誰もが知っているネームバリュー高めの会社」ではないですよね。

そうなんです。実は、5月末に内定をもらった後、その点ですごくもやもやしていました。内定後に本格的な「大手病」にかかってしまったんです(笑)。

Nさん:

出た!大手病!

BtoBの会社なので仕方のない部分はあるのですが、周りの人に会社の名前を言っても「どこ?」と言われるし、「本当にこの会社でいいのか」「周りの人にこんなに名前が知られていない会社でいいのか」という思いが出てきたんですよね。

Nさん:

「有名な企業に行かなきゃ」みたいな葛藤はNさんのいた環境だと余計に大きそうですよね。

そうですね。やっぱり「体育会」で「インカレ優勝」の経験もあるような部活に所属していたので、他の部員はわりと有名な大企業に決まったりしていて。私も「名前が有名なところじゃなきゃ」という思いが強くなったりしました。だから、内定をもらってからしばらく経った7月頃には正直「もうちょっと大手企業を受けておいたらよかった…」と後悔したこともありましたし「今からでも受けた方がいいかな」とも思いました。

Nさん:

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「内定後に大手病をこじらせた学生」Nさんに学ぶ教訓

個人的には「大手病」を100%否定する必要はないと思っています。出だしの動機はなんであれ「有名な大企業」の中でご縁のある企業と出会える可能性もあるかもしれません。

ただ、「大手病」はその人の視野を狭くするリスクもあると思っています。もしかしたら、今はまだ知らない優良企業の中に「その人にとても合った会社」があるかもしれないのに、ネームバリューで選別してしまうのは、なんだかとても勿体ない気がします。

一時期は「大手病」をこじらせたNさんが「一般的にあまり知られていない会社」に決めたのは、実は結構勇気がいることだと思います。でも、それができたのは「ネームバリュー」よりも大切な軸に気付けたからです。

そういう意味ではぜひ、先入観を持たず、世の中にたくさん存在する「隠れた素敵な企業」も見てみてほしいなと、元ぷち大手病の筆者は思っております。

「大手病」の対処法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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