志望動機

志望動機で社風を中心に考える方法とポイント|例文3つ

志望動機に社風を挙げる就活生は多い

就活で履歴書やエントリーシートを書くとき、志望動機を書かない人はほぼいないでしょう。また、面接の際に志望動機を重視する面接官も少なくありません。志望動機は、就活生と企業側の両方にとって、それほど重要な項目といえます。

志望動機と言っても、その内容は人それぞれです。「小さい頃から憧れていた」「大学の専攻を活かしたい」「地元の活性化に貢献したい」など、それこそ人の数ほどあるといっても過言ではないでしょう。

その志望動機を書く際に「社風」という言葉を使う就活生は多くいます。しかし「社風」を志望動機にするには、いくつかのポイントと注意事項とを頭に入れておく必要があるのです。どういうことなのか、詳しくみていきましょう。

志望動機に社風を盛り込むメリットとデメリット

一般的に社風とは、その企業がもつ独特の価値観や雰囲気などを指します。保守的な企業か、革新的な企業か、人間関係はドライかなど、様々な要素が重なり合って社風が構成されます。

企業によって異なっている社風ですが、それが自分に合わなければ長く働いていくことは難しいでしょう。そのため、社風を軸に就職活動をしていくことは、間違いではないといえます。しかし、志望動機に社風を盛り込むのが、必ずしもいいこととは限りません。メリットとデメリットの両面から見ていきましょう。

同じ業界の他社との差別化ができる

志望動機に社風を盛り込むことで、同じ業界の他社と差別化ができるのは大きなメリットです。仕事の内容だけでは差別化が難しい業種では、社風を挙げるのもひとつの手でしょう。業務内容がほぼ同じでも、社風まで同じという企業はそうそう無いといえます。

例えば、シェア率が業界2位のメーカー(A社)に応募したとして、志望動機に「貴社でよりよい製品を作りたい」と書いたならば、面接官は「なぜ弊社を選んだのか?その志望動機なら1位のB社の方がいいのでは?」と考えるでしょう。

そこに「使用者に寄り添うA社の姿勢に共感し~」といった志望動機が追加されると、志望度の強さが面接官に伝わります。社風を志望動機に盛り込むことで、「なぜその企業でないといけないのか」「なぜ他の企業ではだめなのか」をより明確に面接官に伝えることができるでしょう。

面接官は「社風に共感した」を見飽きている

志望動機に社風を挙げるデメリットは、他の就活生に埋もれやすいことです。なぜなら、志望動機において社風はよく使われる言葉だからです。

面接官は何十人もの就活生の志望動機を聞いてきています。その中で「社風に共感した」というフレーズはすでに使い古されており、面接官は「またか」「この就活生もか」と思ってしまう場合もあります。

そのため、「社風に共感した」の一言だけでは志望動機にはなり得ませんし、「それだけ?他にはないの?」と面接官に呆れられる可能性が高いです。社風を志望動機にすること自体が間違っているわけではありませんが、伝え方に工夫が必要だということを覚えておきましょう。

志望動機に社風を盛り込む際のポイント

前述した通り、志望動機に社風を盛り込むには何かしらの工夫が必要です。「貴社の社風に共感しました」といった定型文では、面接官の心に残りません。

「社風に共感した」というスタート地点は決して悪いものではないため、そこから一歩進んだ具体性やオリジナリティが、より心に残る志望動機をつくるポイントになってきます。では、具体性やオリジナリティのある志望動機をつくるにはどうすればよいのか、詳しく解説していきましょう。

社風のどの点にどう共感したのかを具体的に述べる

ただ一言で「貴社の社風に共感しました」では、具体性がありません。社風を自分なりにどう解釈したか、その結果どの点・どの言葉に、どう共感したのかを具体的に挙げましょう。

「共感」ということは、何かしら自分の経験や感情のなかで、社風と重なった点があるはずです。思いつかない、あるいは言葉にできないという人は、自己分析のことを思い出してみるとよいかも知れません。

自己分析では、自分の経験したことや感じたことなどを書き出します。そのときに出てきた言葉と、志望する企業の社風とを照らし合わせてみると、何か共通するものが見えてくる場合があります。それを掘り下げて、社風に共感した点やその理由、自身の個性などを関連付けてまとめてみましょう。

社風と事業内容などを関連付ける

社風や社是は、その企業の根幹であり、全ての事業の根本になるものです。それらの社風は、必ず事業の内容と何かしら関連性があるはずです。この関連性に目をつけましょう。

例えば「地域貢献」が社是ならば、何か地域への寄付をしていたり、振興事業に携わっていたりする可能性が高いですし、社長が地域の○○会の会長を務めていたり、地産品を使った商品を販売していたりするかも知れません。

このように、社風や社是と事業内容との関連性を調べていくことで、企業そのものだけでなく、企業や社長のおこなっている事業や取り組みについてもより深く知ることができます。その結果、より充実した密度のある志望動機になるでしょう。

他の企業と比較し差別化を図る

社風を志望動機にする際は、前述したように他の企業との差別化ができるというメリットがあります。特に同じ業界、同じ業種で比較検討をおこなう際には、業務内容や福利厚生といった企業としての面だけでなく、社風や社是といった組織としての面なども比較の材料にしてみましょう。

ただし、社風だけを志望動機の軸にすると「同じような社風の他社でもいいのでは?」と面接官に思われてしまいます。そのため、志望動機を作成する際には、社風の他にもうひとつの軸が必要です。

例えば、業界や業種、事業内容、勤務地など、他の要素と「社風への共感」とを合わせてアピールし、「この企業でなくてはならない」という自身の主張を裏付けられるような志望動機に仕上げましょう。

社風を盛り込んだ志望動機の例文

社風を志望動機に盛り込むと、自分がどれだけその企業に合った人材であるかがアピールできます。決してマイナスの要素にはならないはずです。しかし、アピールの方向性がおかしかったり、社風の解釈を間違えていたりすると、マイナス評価に繋がりかねません。

そうならないためにも、前述したポイントを踏まえながら例文を読んで、効果的なアピール法をマスターしましょう。いくつか例文をご紹介しますので、参考にしてみてください。

例文①

私は貴社のインターンシップに参加した際、社員の○○さんの人柄と貴社の社風に強く惹かれました。明るく、チャレンジ精神旺盛で、常に前向きな○○さんをはじめとした社員の皆さんの根底にあるのは、貴社の「人生をより楽しく」という理念だと感じ、貴社に入社したい思いがより一層強くなりました。
インターンシップで模擬体験した「運営側も楽しめるイベント作り」は、まさにその体現ともいえる企画で、常識に囚われない発想力と企画力に感動しました。この「人生をより楽しく」という社風に共感したことが、貴社を志望した決め手になりました。

ただ「社風に共感した」というだけでなく、その社風を体現した社員との交流やインターンシップの内容、自分の価値観などに触れ、より説得力のある志望動機になっています。

例文②

私が貴社を志望したのは「100年先の未来のために」という社是に惹かれたためです。食糧・エネルギー・環境問題など、未来に向けて多くの課題を抱える今、貴社の掲げる社是は何よりも重要な要素だと感じました。貴社は再生可能エネルギーを取り入れた大規模野菜工場を建設し、エネルギー問題と食糧問題の両方にアプローチしています。
それだけでなく、私も参加していた○○や△△、他多数の環境保護活動の協賛企業に貴社は何度も名を連ね、形だけではない確かな実績を積み上げていると感じています。そんな貴社でこそ、再生可能エネルギーの研究に携わりたいと考え、貴社を志望しました。

その企業がおこなっている事業や、出資している活動まで調べ上げ、入念な企業研究が土台となった志望動機です。自分のしたいことや考えていることが、企業の社風とマッチしていることを、しっかりとアピールできています。

例文③

私が貴社を志望したのは、貴社の先進的で挑戦心溢れる社風に惹かれたためです。貴社のホームページで拝見した、○○社長の「前例がなければ作る」という言葉がとても印象的でした。業界ではまだまだ歴史が浅いと説明会で伺いましたが、だからこその柔軟性が貴社の武器であると考えています。
これから先、グローバル化やAIの普及に伴って時代も働き方が変わっていく中で、この業界で生き残っていくには、貴社のもつ挑戦心や柔軟さが必要不可欠だと考え志望しました。

同じ業界の他社と比べて「歴史が浅いが柔軟性がある」という面を取り上げ、その比較から「他の会社でもいいのでは」と感じさせない主張になっています。さらに「自分が何をしたいか」なども合わせて述べると、より説得力のある志望動機になるでしょう。

「社風に共感した」だけでは志望動機として不十分

「社風が合っているかどうか」は、企業側から見ても意外と重要なポイントなのです。なぜなら、どんなに能力のある人でも、社風に馴染めないと仕事がやりづらくなりますし、考え方の根本が違えば上司やクライアントと衝突することもあり得るためです。例えば、体育会系特有の厳しい上下関係や情熱的な雰囲気についていくのが得意な人もいれば、苦手な人もいます。

しかし一方で、「社風に共感した」だけでは志望動機としては弱いという側面もあります。社風のどこに共感したのか、なぜそう感じたのか、自分の個性とどう合っているのかなど、具体性を示すことが重要なのです。そのためには自己分析と企業研究をしっかりとおこない、それらを志望動機に落とし込むようにしましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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