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【公務員試験での論文の書き方】構成の作り方と頻出テーマを紹介
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目次
公務員試験での論文の書き方に悩む就活生は多い
安定した職として根強い人気のある公務員ですが、公務員を目指すうえで避けては通れないのが「公務員試験」です。その中でもとくに論文は、苦手と考える人も多いでしょう。たいていは、60~90分の時間で800~1,000文字前後の論文を作成することになります。
限られた時間内で課題に見合った論文を書き上げるのは、その場しのぎでできることではありません。そのために必要なのは十分な事前準備と対策です。論文を書く上で必要とされるのは単純な文法や文章力、知識だけでなく、課題に対する分析力や対応力、思考力なども問われます。
まずは実際に論文を書いてみて、論文を作成する上で自分に足りないものが何かを把握し、公務員試験に向けた対策をしていきましょう。
公務員試験で論文を書く際にはまず構成を作る
論文を書く際に、課題やテーマを見ていきなり文章を書き始めるのはおすすめしません。その場その場で行き当たりばったりで文章を書いていくと、内容が論理的でなくなったり、全体のバランスが悪くなったりしてしまいがちです。
まずは全体の構成を作り、それに沿って文章を作成していくようにしましょう。構成は大まかに「定義」「背景」「問題提起」「解決策」「結論」の5つの要素に分けられます。それぞれの役割や書くべき内容について詳しくみていきましょう。
定義:テーマについて把握する
公務員試験で、論文の書き始めに迷う人は多いでしょう。しかし、実は試験での論文の書き始めは決まっています。それは「定義」です。テーマに対してどのような認識を持っているか、どう捉えているかを明らかにすることで、より論理的な論文になります。
例えば「少子化とは」「温暖化とは」「格差社会とは」など、その言葉が指す事態はどのような状態か、世界や日本の、あるいは地方の現状がどうなっているかを客観的に分析して述べます。ここでは、主に時事問題に関する知識や理解が必要となるでしょう。
普段からニュースで耳にする言葉に対して、ふわっとしたイメージや概念だけで捉えるのではなく、自分の言葉で意味などを明確に伝えられるようにしておく必要があります。
背景:なぜそれが起こったのかを述べる
テーマの定義ができたら、次にすべきは「背景を述べること」です。「少子化」や「温暖化」「格差社会」などが問題となった要因、なぜそれが起きたのかを分析して説明しましょう。原因がわからないことには、解決に向けた対策のしようがありません。
逆に考えると、原因がわかれば対策の糸口がみえるということです。どんな問題にも、複数の要因が存在するものです。それらを見極める多角的な観点や純粋な知識、客観的な分析力などが必要になるといえます。
論文としては、「○○が原因で温暖化が深刻化している。〈中略〉そのため、これを解決するには○○すべきである。」といった流れになります。こうすることで、より論理的な運びになるといえるでしょう。
問題提起:今後何が起こり得るかを述べる
テーマの定義と背景が明らかになったら、そのままの流れで解決策を書きたくなりますが、もう少し待ちましょう。論文に必要な「問題提起」をしなくては、解決すべき問題がない状態で話を進めることになってしまいます。「少子化」や「温暖化」「格差社会」など、これらを放っておくことで今後起こり得る問題点を洗い出しておきましょう。
テーマによっては、「今後生じる問題」ではなく、「既に問題となっているもの」もあります。そういった場合には、定義に問題提起を織り交ぜて述べるようにしても構いません。
ここまでの「定義」「背景」「問題提起」が論文の「序論」となります。文章量としては、論文全体の3割程度になる配分が望ましいです。
解決策:課題をどうやって解決するかを述べる
「解決策」は論文の構成で最も重要な要素です。出題された、あるいは自分で提起した問題の「答え」にあたるもので、文章量としては論文全体の5~6割程度が目安です。
解決策を論じる場合、多くの人が最初に提案を羅列し、後から根拠などを補足する書き方をしがちです。しかし、これは論文の書き方としては、おすすめできません。結論や提案をドンと出して目立たせる手法は、プレゼンテーションなどでは有効ですが、論文には不向きです。
それよりも、アプローチの方向性や、方向性の根拠などを述べた後で、具体的な解決策を述べる方が、論理的で説得力のある論文になります。アプローチの方向性というのは、例えば「温暖化」であれば、原因となる温室効果ガスを「増やさない(排出量の削減)」か「減らす(分解や吸収)」かの大きな2択があります。そのどちらを選ぶのかが「アプローチの方向性」、なぜそちらを選んだのかが「方向性の根拠」となり、そこから具体的な解決策に繋げていきます。
結論:課題と解決法とを手短にまとめる
論文の最後には、まとめの部分が必要です。論文全体が長いため、最後にまとめの文章があることで、改めて「問題とそれに対する解決策」というテーマを浮き彫りにすることができます。あまり詳しく書いてしまうと文字数稼ぎと感じられるため、簡単に「○○による問題は今後~~なる。~~のためには○○が必要である。」といった端的なまとめにするよう、心がけましょう。
また、こういった課題を解決することは、市政や国政を担う公務員の最たる業務ともいえます。そのため、「今後、行政職員としてどのように地域や社会に貢献していくか」を書き添えて終わるとよりよいです。このような締め方にすることで、最後がきれいにまとまりますし、公務員を目指す意欲や当事者意識を示すことができるでしょう。
公務員試験対策で悩んだら「公務員マニュアル」を活用してください
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公務員試験で論文を書く際に気を付けるべきポイント
論文を作成する際に気をつけることは、構成だけではありません。当然ですが、書く内容や方向性が見当違いだったり、公務員として不適当であったりすると、合格は難しいでしょう。
公務員試験で書く論文は、単なる作文とはもちろん違いますし、大学で書くレポートや学術論文とも違います。通常の論文で求められる基本的な文章力や日本語能力はもちろん、公務員試験の論文ならではの注意点もあります。ここでは、とくに意識すべきポイントを3つ紹介します。
公務員の立場で考える
公務員試験で論文を書く際には、「自分が公務員なら」を意識して書きましょう。例えば、問題に対する対策として「国連で取り決めをする」「個人の意識を変えていく」などといった施策では、公務員の仕事を理解した上での発案とは感じられません。公務員として、行政を担う職員としての目線から書くようにしましょう。
そのためには、自分の志望する自治体、あるいはそれ以外の自治体について調べるのが有効です。行政がどのような施策をおこなっているのかをしっかりと調べ、公務員の仕事に対する理解を深めましょう。解決策は、なにも完全オリジナルのものである必要はありません。むしろ、「○○市でおこなわれている施策を参考に~」のように書けば、行政について調べるなどの努力をしていることが伝わるでしょう。
知識ではなく自分の主張を伝える
公務員試験で論文を書く際には、単なる知識の羅列にならないように、注意が必要です。もちろん、課題の定義づけや背景、問題提起、解決策を述べるには、どれもある程度の知識は要します。しかし、公務員試験の論文で評価されるのは知識量だけではなく、思考の仕方や主張の内容も重要視されます。
論文で必要なのは、知識を披露することではなく、その知識をもとに自分がどう考えたのかを伝えることです。自分が何を知っているかよりも、何を考えたか、どうしたいのかを主張する文章を心がけましょう。
知識が不要だとはいいませんが、大切なのは自分の主張です。自分がその課題をどう捉え、分析し、解決策を導き出したのかを分かりやすく伝えられるようにしましょう。
一文一文を短く区切る
読み手が苦痛に感じる文章の特徴のひとつが、一文が長いことです。一文が極端に長いと論点が分かりづらくなってしまい、二度三度と読み返さなければいけなくなります。
例えば、「今日は昼食を食べ損ねてしまったのだが、それというのも、外出するつもりだったが雨が降っていたので諦め、部屋の掃除をしていたら昔読んでいた漫画が出てきたため、懐かしくてついつい読みふけってしまったためだ。」という文章では、読みにくい上に、言いたいことがあまり伝わりません。
これをいくつかの短い文章で書き直すと、「今日は外出するつもりだったが、雨が降っていたので諦めた。代わりに部屋の掃除をしていたら、古い漫画が出てきた。懐かしくてつい読みふけっていたため、昼食を食べ損ねてしまった。」となり、読みづらさやわかりにくさが軽減されます。文章を書く際は、リズムよく、一文は短く、を心がけましょう。
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公務員試験の論文で頻出のテーマ
公務員試験の論文では、頻出のテーマがあります。とくに、今現在の社会や行政の抱える問題が、論文の課題として出題されることが多いです。今の社会問題や環境問題などに関しては、決して他人事ではありませんし、公務員になる上で避けては通れない課題でもあります。
今の内からそれぞれのテーマについて調べたり考えたりして、準備をしておいて損はありません。時間がある人は、実際に論文を書いてみるといい練習になるでしょう。
社会問題
・少子化、人口減少
・超高齢社会
・働き方改革
・女性の社会進出
・格差社会、貧困問題
・個人情報保護
社会問題に関しては、時代と共に問題も解決法も移り変わっていきます。数年前までは「就職氷河期」とさえ呼ばれた新卒採用も、いわゆる「団塊の世代」の定年退職により一気に「売り手市場」と呼ばれるほどの人手不足に悩まされています。また、「少子高齢化社会」と呼ばれていた日本はとうに過ぎ去り、もう「超高齢社会」と呼ばれるようになってしまいました。
このように移り変わる社会の中で、現状どうなっているのか、今何をすべきかを客観的に分析できるようになっておく必要があります。中学時代や高校時代に授業で学んだ「現代社会」はもはや「現代」ではなく「過去」であることを自覚し、「今の情報」をしっかりと集めましょう。
環境問題
・地震対策、防災
・温暖化対策
・熱中症対策
・海洋汚染プラスチックごみへの対策
温暖化のような環境問題に関しては、世界規模、地球規模で取り組むものだと考えている人もいますが、必ずしもそうとは限りません。地域によっては、既に深刻な問題になっているところもあります。そうなると、国や国連などの決定を待つよりも先に、地方自治体が自ら取り組まなくてはならないこともあるでしょう。
とくに、地震対策や防災面に関しては、ここ数年内でも全国各地で多くの被害が出ています。被害を抑えるためにできることは何か、有事の際に自分たち(公務員)はどう動くべきか、普段からできることはないかなど、さまざまな角度から対策を考えてみましょう。
地域振興ほか
・観光振興
・地方創生
・農林水産業の活性化
・2020東京オリンピックに向けての取り組み
地域振興に関しては、多くの地方自治体が直面する問題のひとつといえます。都心への人口や企業の集中などにより、都心の過密化、地方の過疎化が急速に進んでいるためです。地方創生や活性化というと、斬新なアイディアを求められていると考える人が多いですが、それは必ずしも正解とはいえません。行政が何かをするには税金がかかるため、奇抜で斬新で成功する確証のない案は、なかなか通らないでしょう。
前述した通り、解決策は必ずしもオリジナリティのある目新しいものである必要はありません。むしろ、どこかの自治体の成功例を挙げ、それを参考にした解決策の方が、現実的で確実性があると判断されるでしょう。そのため、自分の志望する自治体の特色と他の成功例とを組み合わせられるよう、入念に下調べをしておくと役立ちます。
小論文への対策
公務員試験の小論文は、対策なしのその場しのぎで突破できるほど容易なものではありません。これまでに記述してきたポイントをしっかりと理解したうえで、繰り返し小論文を書いてみることが大切です。何度も書いてみることで、小論文の書き方に慣れてくるでしょう。
しかし、小論文への対策で有効なのは、ひたすら書いてみることだけではありません。その他にも、効率よく小論文をマスターできる対策が2つあります。その方法を知り、公務員試験対策に役立ててみてください。
上手な人の小論文を読む
効率的な小論文対策のひとつめは、上手な人の小論文を読むということです。普段から小論文を読む習慣があるという人は、ほとんどいないでしょう。上手な人の小論文は、書き方のコツがしっかりと押さえられているため、読んでみることで自分が書くときの参考になります。
とくに、書き方のポイントをみたけれど実際に書くのはまだハードルが高いと感じている人は、ぜひ上手な人の小論文を読んでみましょう。ただ読んでみるだけでも、話をどのように展開させていけばよいのかが分かってきます。
また、テーマになっていることへの知識も身につくでしょう。書店では、小論文が複数掲載された参考書も販売されています。参考にしてみてください。
時事問題の知識をつける
効率的な小論文対策のふたつめは、時事問題の知識をつけることです。公務員試験の小論文では、国、都道府県、市区町村が直面している問題がテーマとして出題されることが多いです。長年抱えている課題がテーマになることもあれば、タイムリーな話題が出題されることもあるでしょう。
出題されたテーマについての知識がなければ、小論文を書くことはできません。どうにか頑張って書けたとしても、的外れなことを述べてしまう可能性が非常に高いです。ニュースをチェックしておくことはもちろん、自治体のホームページをみて、課題と政策について徹底的に勉強しておきましょう。時事問題の知識をつけることは、公務員試験の面接や筆記試験への対策にもつながります。
論文の書き方をマスターして公務員試験に臨もう
公務員試験で論文を書くにあたって、行き当たりばったりではいけません。しっかりと土台となる下調べや論文を書く練習をした上で、本番に臨む必要があります。
文章力に自信がない人は、まずは過去問や問題集の解答などを参考にしてみましょう。上手な論文を読み込んで実際に書いてみると、いい意味で書き方の癖がつき、自然と似通った書き方や文章構成になっていきます。もちろん、最終的には自分の言葉で論文を書かなくてはいけませんが、知識や語彙のバリエーションを増やしたり、文章力の向上を目指したりするには十分に役立ちます。
論文の上手な書き方や基礎知識を身につけた上で、しっかりと練習や準備をして、公務員試験に臨みましょう。