筆記試験

勝てる小論文の書き方|就活生が知っておきたい構成の流れとポイント

小論文が苦手な就活生は多い

就職活動で「小論文」が求められることがありますが、そもそも小論文とは何でしょうか。小論文は、作文との違いで説明できます。作文は自分の体験、あるテーマに対する感想や感情をまとめたもの」です。それに対し小論文は、「あるテーマに対し、自分の考え(私は〜と考える)とその根拠(なぜなら〜だからだ)が論理的に書かれたもの」です。

作文の場合には、感性の豊かさや文章の流れ、表現技巧などが評価されますが、小論文の場合にはこれらは評価されません。小論文で評価されるのは「論理性を持って自分の主張がまとめられているか」「説得力があるか」という点です。小論文の苦手な就活生は多いので、この記事で書き方をマスターしましょう。

就活で課題となる小論文の概要

就職試験で出される小論文のテーマには、多くの企業で共通したものがあります。それは「社会人としての目標」、「これまでの体験」、「時事問題や最近のニュース」、「志望企業・職種」の4つです。

もちろん具体的なテーマとして示される場合、会社によって細かい表現は違います。しかし、大きくはこの4区分にくくられますので、前もって予行練習することが可能です。ただ、大学などで課される論文と就活のそれとでは異なる点があり、就活の小論には暗黙の決まり事や独特の傾向がありますので、それを押さえて対策する必要があります。

文字数は800文字程度が目安

小論文を課す場合、多くの企業が800字程度というのが通例です。時間は60分というケースが多いです。ただ、指定された字数にきちんと収めるのは難しいものです。では、仮に800字と指定されたとき、実際は何文字書けばいいのでしょうか?

もちろんオーバーしてはいけませんが、少なすぎるのもダメです。最低でも8割は書かなければなりません。これを下回るようだと、論理が十分に展開されていないとみなされ、減点される可能性があります。充実した内容になっていると思ってもらうには9割以上は書きたいところです。

できれば、最終行まで埋めるのがいいでしょう。ただ、行末に句読点がくる場合、いわゆる「ぶら下がり」のルールで書き進めてしまうと、最終的に行数オーバーと判定される可能性もありますので、気を付けなければなりません。

ですます調で統一する

文体にも注意が必要です。特に、文末の表現には、いわゆる「ですます調」と「である調」があります。これは、どちらがいいという答えはありません。論文なので「〇〇である」と言い切った方が論調が強くなり自信を感じるという意見もありますし、「〇〇です」の方が優しい感じを与え、なおかつ話し言葉に近いので印象がいいという考え方もあります。

ただ、最近では、どちらかというと「ですます調」の方が好んで用いられるようです。ここで一番大事なのは、「どちらがいい」ということではなく、「どちらかに統一する」ということです。「ですます調」なら「ですます調」、「である調」なら「である調」で、最後まで通しましょう。混在していると、たとえ文章に筋道が通っていたとしても、読み手に違和感を与えてしまいます。

一貫性のある内容だと評価が高い

小論文で相手を納得させるためには、一貫性のある組み立てにする必要があります。述べていることが途中で変わったり、矛盾があったりしたら、説得力がなくなってしまうでしょう。特に他の就活生と差別化を図るため、少し変わっていたり本来の自分の考えとは違う結論を用意して小論文を書き始めると、一貫性のない構成になりがちです。

論文の場合、Aという主張があり、それを補完するために論拠Bや補足Cを並べるのですが、この論拠Bを補強するために別の論拠Dと補足Eを展開するということがあります。これを何セットか準備すれば説得力抜群の内容になるのですが、各セット単位では論理的でも、それぞれのセットのつながりを見ると矛盾しているということもあります。全体として一貫性のある組み立てを心掛けてください。

小論文の構成

小論文の構成(序論、本論、結論)

まず最初に、小論文の全体像を把握しておく必要があります。小論文は作文と違い、論理的に自分の主張を相手に伝える文章です。自分の感性で書く作文と違い、説得力のある論理には「型」があります。この型に基づく全体像を押さえ、自分の主張をわかりやすく伝えることが重要です。小論文は、大きく分けて3つのパートから構成されます。「序論」「本論」「結論」です。それでは各パートの役割や重要ポイントを見ていきましょう。

序論

これからの技術者に求められることは何でしょうか。私は、「世の中のニーズをキャッチする力」が最も必要だと考えます。

小論文は「序論」から始まります。序論は、小論文全体が何を主張しようとしているのかをまとめたものです。問題提起をおこない、それに対する自分の主張を明示します。自分の主張は、小論文全体の結論と同じです。作文や小説と違い、小論文では結論を最初に明示します。「これからの技術者に求められることは何か」というテーマで小論文を書く場合の上記の例文を見てみましょう。

この例文では、「これからの技術者に求められることは何か」という問題提起が行われ、それに対して「世の中のニーズをキャッチする力である」という自分の主張が書かれています。この序論を読めば、小論文全体で何が主張したいのかはっきりとわかります。

本論

「世の中のニーズをキャッチする力」が必要だと考える理由は、「すべての製品は世の中のニーズを満たすことで存在している」からです。例えば、私が技術者として掃除機の製造に携わっているとします。掃除機は、「簡単に掃除がしたい」という消費者のニーズを満たすことで購入され、使われています。もし世の中から「簡単に掃除がしたい」というニーズが消えてしまったら、掃除機を求める人はいなくなってしまいます。

ところで最近、消費者のニーズの移り変わりがとても速いです。「簡単に掃除がしたい」というニーズが「自分で掃除をしたくない」というニーズに変わり、実際に自分に変わって掃除をしてくれる掃除ロボットが開発されました。

もし、今後ますますたくさんの掃除ロボットが生産され、普及して低価格になれば、「簡単に掃除がしたい」というニーズは消え、従来の掃除機は必要とされなくなってしまいます。もし私が「良い掃除機を作ること」だけを考えて仕事をしていたら、私の仕事は消費者を満足させることはできず、私は仕事を続けられなくなってしまいます。

本論は小論文の中で最も大切なパートです。本論で書くべきことは、自分が序論で述べた「主張」の説得力ある根拠です。説得力のある根拠を書くコツは、その内容が自分の主観ではなく「客観的事実」であること、誰が見ても納得するよう「論理的」に書かれていることです。

例文では、主張の根拠として「すべての製品は世の中のニーズを満たすことで存在しているからだ」ということが冒頭に書かれています。確かに、すべての製品が世の中のニーズを満たすために存在しているのであれば、製品を作る技術者は当然、そのニーズを知る必要があると言えるでしょう。

そして具体例として、掃除機の例が挙げられています。根拠を書く際には、このように具体的な例を出すことでより理解しやすく、説得力のある小論文になります。さらに、掃除機のニーズに関する昨今の状況の変化が述べられています。

掃除ロボットの開発は実際に行われている客観的事実なので、「ニーズが変化している」という指摘にも「確かに」とうなづけます。そして最後に、ニーズの変化に対応できなかった場合、「私は仕事を続けられなくなってしまう」という具体的な問題点を指摘しています。この後の結論では、この解決策として、序論で述べた主張が再び取り上げられることになります。

結論

このような状況に陥らないためには、技術者は常に世の中のニーズに敏感でなくてはなりません。ニーズの変化をキャッチできれば、消費者により貢献し、企業に多くの利益をもたらすような商品開発ができます。また、その商品開発に必要な技術を磨くこともできます。以上のことから私は、これからの技術者には「世の中のニーズをキャッチする力」が最も必要であると考えます。

結論では、本論の内容を受けて、自分の意見をまとめます。新しいことを書く必要は無く、本論で書いた「根拠」と、序論で書いた「主張」をつなげて整理すれば立派な結論になります。

それでは先ほどまでと同じテーマで例文を見てみましょう。本論を受け、問題解決には「世の中のニーズに敏感である」ことが大事だと主張し、その後自分の主張である「世の中のニーズをキャッチする力が必要」で結んでいます。

 就活の小論文で評価されるポイント

なぜ企業は就活生に小論文を書かせることがあるのでしょうか?論理的な思考力や相手を納得させる力を見るには、面接だけでも十分な気もします。ただ人によっては、面と向かってしゃべったり、話し言葉で自分の考えを伝えることが苦手な一方、文章にすると豊かな表現ができる人もいるでしょう。

そのため、面接だけで判断したのでは、そういう有為な人材を取りこぼす可能性があるのです。また、いわゆる「口下手」な就活生にとっては、小論文という形で自分の能力を発揮できることにもなります。小論文は、面接が不得意な学生の助け舟とも言えるのです。

相手を納得させることが重要

大学での小論文では、取り扱う対象や内容の独創性が大きな評価のポイントになりますが、就職試験で書くべきテーマは企業側から与えられることがほとんどです。それは、大づかみに言うと、時事問題と当該企業や業界を対象にしたものに分けることができます。

具体的には、「あなたが最近気になるニュースとその理由」や「営業職で大事なこととは」、「〇〇(特定の商品)の売り上げを伸ばす工夫は」などです。ここで大事なのは、独創性より説得力です。つまり、いかに相手を納得させることができるかが重要視されます。

そのため、論理的に文章を展開する必要あります。「それは〇〇である」、「その理由は〇〇だ」というように、結論にたどり着くまでの思考プロセスを具体的に記し、さらに相手が首肯する理由付けが必要となるのです。

説明は理解しやすく具体的に

自分の頭の中で結論とそこに至る理由がはっきりしていても、どう表現するかで小論文の出来はずいぶんと違うものになります。論文というと誰でも難しく考えがちで、つい普段使わない熟語や横文字(英語)などを入れてしまいそうになりますが、就活の小論文は学術的なレポートではありません。

いかに平易な文章で、分かりやすく相手に伝えることができるかどうかが大事です。実際に自分がビジネスの世界で働く場合、相手に納得してもらい商談をまとめるためには、なるべく分かりやすい言葉で話すことが必要でしょう。

企業側は、小論文を通じて就活生のそういう力を見るわけですので、いたずらに難語・難文を使うのではなく、理解しやすさを第一に考えましょう。その際、具体的な事例を入れるなどすると、なおよいと言えます。

納得できる主張の仕方をしているか意識する

結論に至る道筋がはっきりし、平易で分かりやすい文章を心掛けたとしても、最終的に読む相手が納得してくれるどうかが問題です。もちろん、自分と担当者が同じ意見とは限りませんし、ひとつのテーマでも100人いれば100通りの考え方あるでしょうから、必ずしも結論に賛同してもらう必要はありません。

そこに至るプロセス、つまり主張の仕方に無理がないことが大事なのです。そのためのひとつの例として、ディベートの手法が役に立ちます。自分なりの結論を提示した上で、それ以外の考え方または反対意見を挙げ、それに反論する形で論理を展開するやり方です。これですと、最終的な結論の説得力が高まるのに加え、ひとつのテーマについて複数の考え方を提示することになり、自身の思考の幅の広さをアピールすることにもつながります。

反対意見に理解を示して最善の方法を書く

小論文に説得力をつけるには「自分の意見とは反対の意見について言及し、比較することで自分の意見の説得力をあげる」という方法があります。「一般的には〇〇という考え方が主流です。しかし、私は~という理由からそれとは反対の立場をとります」というように、あえて反対意見を書くことでそれを利用し、自分の意見を際立たせるのです。

1つの物事に対して2つの意見がある場合、それを対立させることで「両方を踏まえている」という説得力が生まれます。ここで気をつけるべきなのは、反対意見を否定する際に、必ず根拠を明確に記すことです。この手法を使う際、最も説得力が出るのは反対意見の根拠であるため、この部分をおろそかにしてはいけません。

多角度的に考えた上で結論を出す

小論文は、テーマに沿って自分なりの結論を設定し、そこに至る思考のプロセスをわかりやすく文章で説明したものです。ただ、それをそのままストレートに書いただけでは何の工夫も説得力も感じられません。社会人になれば、さまざまな課題に直面します。

その時、自分よがりの主張だけ押し付けては何の解決にもならないでしょう。物事にはさまざまな考え方があり、さまざまな立場の人がいるということを前提に、多角的に分析し解決策を提案する力が求められます。小論文を課す企業側にも、学生のそうした能力を見極めたいという希望があります。

先にディベート活用の例を挙げましたが、同じように、賛成・反対のいろいろな意見を挙げるとともに、一つの物事をさまざまな方向から分析した上で、堂々と自分なりの結論に到達できるよう組み立てましょう。

小論文のテーマ一覧

1.自分の将来に関するもの(3年後の自分へ、入社してやりたいこと等)

2.自分の過去の経験に関するもの(学生時代に打ち込んだこと、これまでに打ち勝った困難等)

3.時事問題や一般論に関するもの(最近のニュースに感じること、あなたにとって幸福とは等)

4.志望職種や志望企業に関するもの(あなたの考える営業職とは、〇〇社の将来等)

ここで就活で提示されることが多い小論文のテーマの例を挙げておきます。どのようなテーマが出されても「序論」「本論」「結論」の構成に具体例となる体験や理由を加えるという基本を押さえるようにしましょう。

時事問題の対策をしておこう

3であげたように、小論文のテーマとして時事問題や一般論が出題されることがあります。これは、情報収集能力や普段からどれほど社会に興味を持っているのかを推し量るという側面もあります。

小論文では、時事問題を知っているだけでなくそれに関する意見を述べなければなりません。どのようなテーマが出題されても答えに詰まることがないよう、時事問題集無料でダウンロードして予習しておきましょう。

小論文が苦手な人でも書けるようになる4ステップ

小論文の4ステップ

小論文の構成が「序論」、「本論」、「結論」から成り立つことはわかりましたが、実際にそれらの構成を守った小論文を書くにはどうしたらいいのでしょうか。この先の項目では、序論、本論、結論の役割を踏まえ、小論文が苦手な人に向けた対処法をご紹介していきます。

①段落構成メモを作成する

■序論(結論)

・これからの技術者に大切なのは「世の中のニーズをキャッチする力」

■本論(具体例、内容、体験、理由)

・掃除機は「簡単に掃除がしたい」というニーズがあるから存在している。

・「簡単に掃除がしたい」というニーズは「自分で掃除をしたくない」ニーズに変化してきている。

・「掃除機を作る」ことだけを考えていたら、自分の仕事がなくなってしまうかもしれない。

■結論

・これからの技術者に大切なのは「世の中のニーズをキャッチする力」

「序論」、「本論」、「結論」という構成で小論文を完成させるには、「段落構成メモ」を作るのが有効です。自分が書くべき「序論」、「本論」、「結論」の大まかな内容を考えて先にメモを作成することで、話の展開が本題から逸れたり、一貫性がなくなってしまうことを防げます。それではこれまで紹介してきた例の、段落構成メモを紹介します。

まず、与えられたテーマ「これからの技術者に求められること」に対する自分の結論を決めてしまいます。例では結論を「世の中のニーズをキャッチする力」に決めています。この結論は、「序論」と「結論」で一致していなくてはいけません。続いて自分が決めた結論に対し、「なぜそう言えるのか?」と考えましょう。

そう言える理由や具体例、そう思うきっかけになった自分の体験などを短く書き出します。これがそのまま「本論」の内容の素材になります。「結論」は序論で述べる結論と変わらないので、そのまま書き写します。

②段落構成メモに主張したい考え方などを付け足す

具体的な例を挙げると、「子どもが高校生になったらスマホを与えるべきか」というテーマが出され、「必要ない」という結論を導き出すとします。そこに至る論拠を「1、お金がかかる」、「2、勉学の妨げになる」、「3、依存症や健康被害が報告されている」、「4、ITを使った犯罪に巻き込まれかねない」、「5、歩きスマホで他人に被害を及ぼすことも」など理由を列挙します。ここまで出来たら、それを段落ごとに振り分けて、自分の考えを肉付けしていけばいいだけです。これなら全体の構成を把握しやすいですし、文章の分量配分にも役立ちます。

③大まかな流れを捉えて添削する

小論文をひと通り書き終えたら、見直す必要があります。「推敲」あるいは「自己添削」と呼ばれるものです。この場合、誤字・脱字がないように確認したり、「ら抜き言葉」になっている箇所はないかチェックしたりするのは当然ですが、大事なのは全体の大きな流れです。

企業側は小論文によって就活生の論理的思考力、一貫性、説得力のある文章力などを見ています。「結論」、「論拠」、「補足」のセットをいくつか展開してそれぞれが終始一貫しているとしても、全体としてみると矛盾があるのでは台無しです。

まずは大きな流れとして「一本筋が通っている」論文になっているかどうかを確かめましょう。この時、前述の段落構成メモを前もって作り、それに沿って論理展開していると、添削も楽になります。

④段落構成メモを元に原稿用紙へ展開

続いて、段落構成メモの内容を元に原稿用紙に文章を書いていきます。書き出す前に、各パートのおおよその字数をあらかじめ決めておくと、バランスの良い、わかりやすい文章を書くことができます。逆に最初に字数を決めておかないと、序論や本論をダラダラ長く書いてしまい、結論で字数が足りないといったことにもなりかねません。

各パートのおよその字数は全体の字数に基づき、序論1割、本論8割、結論1割とするのが一般的です。構想メモに書かれていることをより具体的に伝えるための例などを加え、肉付けをしていきましょう。

小論文を上達させる方法

小論文の書き方を理解すれば、どうすれば上達するのかも知っていきましょう。小論文のテストはただ書ければいいわけではなく、きちんと評価される内容で書かなければなりません。

書き方を守って最低限の体裁を整えるのは前提条件であり、それだけでは合格はできないので注意が必要です。合格するためには、面接官から高評価を得なければなりません。少しでも良い評価をされるためにも、小論文の上達の方法を知り、完成度を高めていきましょう。

何度も書いてみる

小論文を上達させるためには、とにかく何度も書いてみることが大切です。文章は何度も書くことで鍛えられますし、繰り返し小論文を作成して慣れておくことが大切です。小論文は文字数が多いですし、書き慣れないうちは大変に感じてしまいます。

しかし何度も練習して慣れておけば、文字数も気になりませんし、作成のスピードも早めることができます。小論文は上手に書けることはもちろん、本番では制限時間内に書かなければなりませんので、作成スピードを高めることも大切です。

文章も筋肉と同じで、鍛えれば鍛えるほどにスムーズに作成できるようになります。小論文は何度も繰り返し作成しておき、本番でスムーズに作成できるように慣れておきましょう。

他の人の論文を読む

他の人の論文を読むことも、小論文を上達させるためには大切なことです。小論文は核だけではなく、読むことでも上達を図ることができますので、さまざまな論文に触れておく必要があります。自分の論文を見直すのももちろんいいですが、それだけではなく他人の論文を読むことが大切です。

他の人の論文を読むことで、どのような書き方をしているのか、どのような考えを持っているのかが分かりますし、視野を広げることができます。小論文を読む際には、ただ漠然と読み進めるのではなく、同じテーマなら自分はどのように書くのかを考えながら読むことが大切です。自分とはどのように違うのかを知り、さまざまな考えに触れながら、細部まで読み込んで書き方のコツなども探っていきましょう。

小論文のテクニック

ここまでは小論文の構成と、その構成を満たす書き方を紹介してきました。実は、小論文にさらなる説得力を持たせるためのテクニックがあります。それでは、それらのテクニックについて見ていきましょう。

譲歩

確かに、原子力発電所を稼働させれば火力発電の場合よりもコストを下げることができ、電気代の家計負担を減らせるというメリットがあります。しかし、安全性が確実でない原子力発電所を稼働させ、事故が起きてしまった場合、家計負担を守ったところで、安全な生活そのものが失われてしまう可能性があります。以上から、私は原子力発電所の稼働に反対します。

小論文に説得力を持たせるテクニックの1つに「譲歩」があります。譲歩とは「自分と反対の考えを示した上で、それに反論する」テクニックです。自分の主張だけを述べるのではなく、異なった主張も視野に入れて結論を出すので、非常に説得力があります。この方法は、意見が2つに分かれやすいテーマに適しています。

譲歩を使うには、「確かに〜という意見(反対意見)にもメリットがあります。しかし、〜という問題点があります(反論)。よって、私は〜と考えます(自分の主張)」という形にまとめます。例えば「原子力発電所の稼働に賛成か反対か」というテーマがあり、自分が再稼働反対の立場であれば、次のように書きます。

対比

東日本大震災では福島の原子力発電所で事故が起こり、広い範囲にわたる放射能汚染が発生しました。そのため、震災そのものによる被害者の他にも、被爆者や放射能汚染による避難民も多く発生しました。それに対し、阪神淡路大震災も大きな地震であり、犠牲者もたくさん出てしまいましたが、原子力発電所が無かったため、被爆者や放射能汚染による避難民は発生していません。以上から、原子力発電所を稼働させることで、自然災害が発生した際、重大な被害がさらに併発することが指摘できます。

もう1つ「対比」というテクニックを紹介します。対比とはあることを主張するために反対の状況を取り上げ、両者を比べることで自分の主張のメリットを述べるテクニックです。先ほど同様、「原子力発電所の稼働に反対」という立場で対比を使った書き方をすると次のようになります。

小論文は明確な結論や主張が大切

ここまで小論文と作文の違いや構成、書き方やテクニックを紹介してきました。最後に、小論文で最も大切なのは、「はっきりとした結論や主張」があり、「結論や主張の根拠」が論理的に書かれていることです。

この条件さえクリアできていれば、斬新な結論などは必要ありません。良い小論文は、ここまで紹介してきた構成とルールを守りさえすれば必ず書けます。作文にならないよう小論文の構成を守り、実際に色々なテーマで書きながら馴れていきましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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