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SPIの漢字問題で出題されるのは一般常識レベル
新卒採用の場で多くの企業が取り入れているSPIでは、言語分野と非言語分野の問題が出題されます。言語分野の問題とは、平たくいうと日本語の問題のことです。漢字の読みや意味、熟語の意味や成り立ち、長文読解や文章構成の問題などが出題されます。
SPIで出題される言語分野の難易度は、大抵「一般常識レベル」といわれていますが、この言葉を信用しすぎてはいけません。なぜなら、一般常識の範囲は人それぞれだからです。例えば「傀儡」という言葉の読み方を知っている人、知らない人、そして意味を知っている人、そうでない人など、知識の範囲は人によって異なります。「傀儡」という言葉は日常会話ではあまり使われませんが、「本をよく読む人」や「ある程度の教養がある人」なら、目にしたことのある言葉です。
SPIで出題される「一般常識レベル」では、こういったレベルの語彙力が求められると思っておきましょう。
SPIで出題される漢字問題の例題と解説
SPIの言語分野の中でも、特に漢字問題に関しては事前の対策が重要です。漢字の問題は、読み方や意味を覚えていれば解ける問題であり、「知っていれば解ける」問題なのです。そのため、事前に練習問題や過去問などから出題傾向に応じた対策をして知識を蓄えれば、漢字問題には対応できるといえます。
そこで、まずはSPIで出題される漢字問題について知ることからはじめます。出題される漢字問題の種類や傾向について、それぞれ例題も交えながら詳しくみていきましょう。
語句の意味
〈例題〉
「勢い盛んに活躍すること」を意味する熟語は次のうちどれか
①誇示 ②雌伏 ③新鋭 ④奔流 ⑤雄飛
「語句の意味」は、その名の通り、出題された熟語や語句の意味を答える問題、あるいは出題された意味に合う熟語を答える問題です。
この問題の答えは、「⑤雄飛(ゆうひ)」です。ちなみに、他の選択肢の読みと意味は以下の通りです。
①誇示(こじ):自慢して見せること
②雌伏(しふく):力を養い、自分の活躍する機会を待つこと
③新鋭(しんえい):新しく現れ、勢いが強いこと
④奔流(ほんりゅう):勢いの激しい流れ
この問題に関しては、単純に語彙力が必要です。知っている言葉であればすぐに答えられますが、知らない言葉であれば文字のもつ意味から想像する必要があり、それでは時間がかかる上に確実性が低いです。対策として、本を読んだり、過去問や練習問題などを解いたりして、語彙力を養っておきましょう。
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熟語の成り立ち
〈例題〉
「縮小」の成り立ちとして当てはまるのは次のうちどれか
①似た意味を持つ漢字を重ねる
②反対の意味を持つ漢字を重ねる
③主語と述語の関係にある
④上記のどれにも当てはまらない
「熟語の成り立ち」といわれると、どんな事柄から派生した言葉なのか、といったイメージをもつ人もいるかもしれませんが、出題される問題はそうではありません。二字熟語が提示され、1文字目と2文字目の関係性を答えるといった問題です。
この場合、「縮む」と「小さくなる」という似た意味の漢字を重ねた熟語なので、答えは「①」といえます。
熟語の成り立ちとしては上記の①~③の3つの他に「動詞の後に目的語をおく」「前の漢字が後の漢字を修飾する」の2つがあります。この問題では、比較的馴染みのある熟語が出題されることが多いため、落ち着いて考えれば解ける問題といえるでしょう。
同意語
〈例題〉
次のうち「献身」の同意語はどれか
①高尚 ②回顧 ③尽力 ④安泰 ⑤啓蒙
「同意語」とは、その名の通り「同じ意味の言葉」を答える問題で、一般的には同義語、類義語ともいわれています。日本語には、同じ意味を表すのにも、複数の言葉で言い換えることができるものが多々あります。それらの言葉を正しく把握しておくことは、SPI対策だけでなく、履歴書やエントリーシートの作成にも役立つでしょう。
答えは③尽力(じんりょく)で、意味はどちらも「ある物事や人の為に力を尽くすこと」です。ちなみに、他の選択肢の読みと意味は以下の通りです。
①高尚(こうしょう):言動や外見などの品格が高いこと、上品なこと
②回顧(かいこ):過去を振り返ること
④安泰(あんたい):やすらかで穏やかなこと
⑤啓蒙(けいもう):人々に正しい知識を与え、教え導くこと
反意語
〈例題〉
次のうち「勤勉」の反対語はどれか
①姑息 ②斡旋 ③達観 ④顧慮 ⑤怠惰
反意語は同意語の反対で、逆の意味を指す言葉を答える問題です。同意語の勉強と合わせて、セットで覚えるようにすると記憶に定着しやすくなるでしょう。こういった言葉の引き出しが豊富だと、商品の宣伝文やキャッチコピーなどを考えるときにも役立ちます。
答えは⑤怠惰(たいだ)で、意味は「すべきことを怠けて、だらしない様子」です。ちなみに、他の選択肢の読みと意味は以下の通りです。
①姑息(こそく):一時の間に合わせにする様子
②斡旋(あっせん):両者の間が上手くいくように取り持つこと
③達観(たっかん):物事の本質を見通すこと
④顧慮(こりょ):あることを考えに入れて気を配ること
語句の意味
〈例題〉
「その場の状況に応じて」を意味する言葉として最も適するものはどれか
①漸次 ②暫時 ③逐次 ④即時 ⑤適宜
「語句の意味」は問題文の意味と合致する熟語を選択肢から選ぶ問題です。この問題では、特に区別の難しい言葉が出題されることが多いため、熟語に対する正しい理解が必要とされます。安易に「それらしい答え」に飛びつかず、選択肢にある熟語の意味をそれぞれ思い出しながら、消去法で選択肢を削っていくようにしましょう。
答えは⑤適宜(てきぎ)です。ちなみに、他の選択肢の読みと意味は以下の通りです。
①漸次(ぜんじ):しだいに
②暫時(ざんじ):しばらくの間
③逐次(ちくじ):順を追って、次々に
④即時(そくじ):間をおかずにすぐに
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四字熟語
×危機一発→○危機一髪
×短刀直入→○単刀直入
×玉石混合→○玉石混交
×異句同音→○異口同音
×五里夢中→○五里霧中
×意心伝心→○以心伝心
×温古知新→○温故知新
×画竜点晴→○画竜点睛
×興味本意→○興味本位
×才色兼美→○才色兼備
ここでは例題ではなく、特に間違えやすい四字熟語を紹介しておきます。SPIの四字熟語に関する問題では、4文字のうち1~2文字を隠して空欄に入る漢字を選んだり、間違った漢字が使われているものを選んだりする問題が出題されるようです。そのため、四字熟語を覚える際には読み方や意味だけでなく、どんな漢字が使われているかも覚えておく必要があります。
国語辞典などを読めば熟語の成り立ちなども書かれており、成り立ちや意味を正しく理解しておけば自ずと漢字も覚えられるでしょう。
SPIの頻出漢字一覧
逓減(ていげん):しだいに減ること。だんだんに減らすこと。
老練(ろうれん):多く経験を積んで、物事に慣れ、巧みであること。
督励(とくれい):監督し、励ますこと。
跳梁(ちょうりょう):跳ね回ること。転じて、好ましくないものがのさばってはびこること。
耽読(たんどく):本などを読みふける
暁通(ぎょうつう):すみずみまで知り尽くしていること
猜疑(さいぎ):ねたみ疑うこと。「猜疑心」
英断(えいだん)すぐれた決断。思い切ってきっぱり決めること。
公算(こうさん):偶然に支配される事柄の、生起の確実性の度合。
看破(かんぱ):見やぶること。
至言(しげん):あることがらを非常にうまく、適切に言い表したことば。
卑近(ひきん):身近でありふれていること。高尚でなくわかりやすいこと。
趨勢(すうせい):物事が進んでいく勢い。「時代の趨勢」
漸進(ぜんしん):順を追ってだんだんに進むこと。少しずつ進歩すること。
佳境(かきょう):興味深い場面。おもしろい所。「物語が佳境に入る」
殊勝(しゅしょう):心がけがしっかりしていること。健気な様子。
瓦解(がかい):組織的な物事の一部分が壊れて、それによって全体がこわれること。
進取(しんしゅ):進んでことをなすこと。進んで物事にとりくんで行くこと。
鳥瞰(ちょうかん):高い所から見下ろすこと。また全体を見渡すこと
斯界(しかい):この社会。その道その道の専門の社会。この道。この方面。
獰悪(どうあく):性質が乱暴で荒っぽいこと。凶悪。
励行(れいこう):決めたこと、決められたことをその通りに実行すること。「早寝早起きを励行する」
敷延(ふえん):意味や趣旨をおし広げて説明すること。
至言(しげん):あることがらを非常にうまく、適切に言い表したことば。
迎合(げいごう):自分の考えを相手や世の風潮に合わせること。「日本人は迎合しやすい」
闊達(かったつ):度量が大きく物事にこだわらないさま。「自由闊達」
垂涎(すいぜん):よだれが垂れるほどの欲。ある物を手に入れたいと強く思うこと。
僭越(せんえつ):自分の身分や資格を越えて、出過ぎたことをすること。「僭越ながら…」
言質(げんち):あとで証拠となる約束の言葉。「言質を取る」
老成(ろうせい):経験を積んで熟達すること。おとなびること。
これらの漢字や熟語は、SPIのどの問題でも出題されうるものです。読みを問われても、意味を問われても、あるいは同意語や反意語を問われても、答えられるように関連付けて勉強をしておきましょう。
SPIの漢字問題への対策
SPIの言語問題の中で、長文読解や文章の問題に関しては、これまでに培ってきた国語能力が試されます。これに関しては、中学・高校時代の勉強量や普段からの読書量に左右されるため、直前の勉強ではあまり効果は得られないでしょう。
一方で、漢字問題を解くのに必要とされるのは主に語彙力、つまり知識量です。そのため、SPIの漢字問題に対しては今からでも対策ができるということです。では、どうやって対策していくのかを、みていきましょう。
SPI対策におすすめの参考書について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。
過去問や問題集を解いて反復練習をする
漢字の読みや意味を覚えるためには、とにかく反復練習あるのみです。人の記憶力はあいまいなもので、あまり興味のない事柄や、義務感による勉強の内容などは、特に定着しにくいのです。そのため、1度や2度、問題集を解いた程度では、なかなか知識として定着はしません。1度や2度の勉強で足りないのであれば、3度、4度、と反復して問題を解いてみましょう。
過去問や対策用の問題集などの問題を繰り返し解くことで記憶が定着し、思い出すのにかかる時間も短くなっていくでしょう。移動で電車やバスを利用する機会が多い人は、過去問や問題集などから抜き出して独自の単語カードなどを作成すると、スキマ時間にも勉強ができ、時間を有効に使えます。
SPIの勉強法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
漢字の読みだけを覚えるのでなく意味を理解する
平仮名やカタカナは音をあらわす文字、すなわち「表音文字」と呼ばれ、それに対して漢字は意味をあらわす文字、すなわち「表意文字」と呼ばれています。漢字は平仮名やカタカナとは異なり、一文字だけでも意味を持ち、他の文字と組み合わせて熟語にすることで更に別の意味を持つこともあります。
このことから、熟語そのものの意味が分からなくても、熟語を構成する漢字から意味を推測することもできますし、その逆、つまり言葉の意味から文字を推測することもできます。
例えば、「髪」と「発」の漢字を間違えやすい「危機一髪」ですが、正しい意味は「髪の毛一本ほどのわずかな違いで危険に陥りそうな瀬戸際」という意味です。
意味を知っていれば、「髪」と「発」を間違えようがないのですが、音だけで熟語を覚えていると、こういった誤字に引っかかってしまいます。漢字や熟語を覚える際には、意味や成り立ちにも目を向けながら覚えるようにしましょう。
SPIの漢字問題はきちんと対策していれば解ける
SPIの言語分野では、日本語能力が広く問われます。そんな中でも、長文読解や文章構成の問題などは、ベースとなる国語力や、読書などによって培われた文学的な感覚やセンスが発揮される問題であり、付け焼刃の勉強ではなかなか点数には繋がりません。それに比べて、漢字分野は語彙力や知識量で勝負ができるので、こちらの対策に時間を割いた方が得策といえます。
また、漢字分野の問題への対策を十分におこなっておけば、それだけそちらに割く試験時間を減らし、文章問題に割ける試験時間を多くできます。知識だけでさっさと答えられる漢字問題よりも、しっかりと読み込む必要のある文章問題に試験時間を割くことができれば、結果として、より良い点数に繋がるでしょう。
SPIの対策方法について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。