面接対策

公務員試験の面接で頻出の質問と回答例文5つ|的確に答えるポイント

公務員試験は面接対策をしっかりしておく

公務員試験に臨む前には、面接対策を念入りにおこなうことが大切です。志望動機や自己PRを作成しておくことはもちろん、質問に対する返答を考えておく必要があります。公務員の面接では民間企業とは異なるテイストの質問がされる可能性があるため、幅広く対策しておいてください。また、面接ではマナーや礼儀面も重視されます。

面接の入退室や質疑応答時の態度など、細かくチェックされていると言っても過言ではありません。このように公務員試験の面接では対策が欠かせません。この記事では、質問対策について重点的にご紹介していきます。ぜひ、参考にしてください。

公務員試験の面接を受ける際のポイント

就職活動の中で、公務員試験に臨む就活生も多くいると思われます。公務員試験の面接を受ける際、「民間企業の対策は行っているし、それで乗り切れるだろう」と甘く考えるのはNGです。公務員試験に臨む際には、そのための対策をしっかりと行っておく必要があります。ここでは、公務員試験の面接におけるポイントについて解説していきます。

公務員試験1本に絞って対策を進める就活生もいる中で、対策不足は致命傷になる恐れがあります。公務員試験の面接に臨むのであれば、以下の内容をしっかりと学び、事前準備を入念に行ったうえで、面接に臨みましょう。

求められる人物像を把握しておく

公務員試験の面接を受ける際は、求められる人物像を把握しておく必要があります。自己分析をする中で、自身の強みを複数見つけることが出来るはずです。それらをすべて企業にアピールすることが出来るのであれば、それに越したことはありません。しかし、面接時間は限られています。長くても1時間程度だと考えておいたほうがいいです。

そのため、限られた時間の中で最大限にアピール出来るよう、企業に求められるスキルは何なのかを考えることが、面接に臨む際の事前準備として重要になります。求められる人物像を把握し、それに沿ったアピールを行うことで、効果的なアピールが可能になるのです。

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1つ1つの質問で性格がブレないようにする

公務員試験の面接に臨む際は、1つ1つの質問で性格がブレないようにしてください。就活生の中には事前準備をあまり行わず、その場の勢いに任せて面接を突破しようとする人が一定数います。もちろん、そのようなやり方で上手くいくこともあると思われます。

しかし、何を話すかその場で考え、パッと頭に浮かんだことをそのまま回答するようなことを続けていると、回答の中で矛盾が生じてしまう可能性があるのです。回答の中で矛盾が生じてしまうと、「本心はどこにあるんだ」と面接官に疑われ、信用を一気に失ってしまう恐れがあります。

面接において一度信用を落としてしまうと、面接の時間内にそれを挽回するのは非常に困難なものとなります。最悪の場合、それが原因となり、不採用と判断されてしまうのです。

公務試験の面接で頻出の質問5つ

公務員試験の面接対策をするには、必ず質問をされることや、頻繁に質問される内容をおさえておく必要があります。これらの質問を分析し、面接官が納得する回答を用意することが合格への近道です。

公務員試験で頻繁に質問される内容は、民間企業の面接で質問されることとは違いがあるため注意が必要です。ここでは、公務員試験の面接で頻繁に質問される代表的な5つについて詳しく解説していきます。

①「公務員を選んだ理由」

公務員試験の面接において、必ずといっていいほど聞かれるのが「なぜ民間企業ではなく、公務員なのですか?」といった質問です。多くの受験生の場合「住民の役に立ちたいから」といった、漠然とした返答になる場合が多いようですが、はたしてこれでいいのでしょうか。

「民間は営利を追求するが、公務員は国民や市民のために働けるから」「公務員の仕事は公益性があるから」といった答えも、面接ではよく聞かれるようですが、やはりこうした質問の答えも問題があります。

自分が志望する自治体の仕事を調べ何ができるのか理解する

そもそも営利を追求するから経済が回っており、それによって国民全体が利潤を享受できるので、民間の営利目的を否定してはいけません。これを前提に、自分が志望する自治体の仕事をきちんと調べ、何ができるのかを理解してください。それが民間ではなく、本当に公務員でないとできないかをチェックしながら答えをまとめる必要があります。

民間企業と公務員の違いを詳細に明確にする

民間企業は収益を優先していますが、公務員は公的利益が第一です。民間企業では利益を上げるために仕事をしますが、公務員は日本国民の生活を守るために仕事をしています。公務員の給料は税金で賄われるというのも、民間企業と大きく異なるところです。

そのため、公務員には仕事に対する強い責任感や真面目な姿勢が求められます。公務員はすべての国民に対して平等である必要があるため、ある個人や団体だけを優遇することはできません。この他にも、公務員には多くの決め事があります。規則に従い国民のために奉仕できる人物が、公務員に向いていると言えます。

回答例文

私が公務員を目指す理由は、福祉を通して人の役に立ちたいという思いと、福祉について勉強してきた知識を活かしたいからです。私は、高校時代に福祉に関する実習を通して福祉に強く興味を抱くようになりました。現在は、福祉学部で福祉に関する勉強をしています。
御所の試験を受けた理由は、御所の福祉に対する考え方や政策に共感したからです。特に、高齢者や子供、障がいをお持ちの方、妊娠中の方など、この町に住むすべての人のことを考えてまちづくりを推進しているところに共感しています。公共施設や公園などを安全に使えるための政策も素晴らしいと考えています。入職しましたら、御所の福祉の政策に貢献したいです。

②「自己PRをしてください」

この質問も、公務員試験の面接では定番です。公務員の面接試験でも、「責任感がある」「コミュニケーション能力がある」「粘り強い」などといった漠然とした答えは面接官には響きません。こうした自己PRは民間企業の面接での質問回答と同じように、これまでの経験からどのような苦労があり、そこから何を得て、公務員として働く上でその経験をどのように活かせるかについてを触れることが大切です。

先に強みを述べる

自己PRのポイントとしては、まず強みを最初に述べることです。強みを述べたうえで、その理由や具体例、それを公務員でどう活かすか、という流れで回答できると良いでしょう。また、面接の自己PRでは漠然とした話やダラダラとした話、自慢話はふさわしくありません。その点にも注意しましょう。

自己PRを裏付ける経験やエピソードも忘れずに

自己PRをする際は、具体的なエピソードを交えることが大切です。上記のように「責任感がある」とだけ言われても、就活生に初めて会う面接官にはそれがなぜか伝わりません。学生時代に責任感を発揮したエピソードを交えることで、納得してもらう必要があります。

部活動やアルバイト、学校のイベントなど、題材となるエピソードは何でも構いません。大切なのは、どのような場面で責任感を発揮して何を得たのかということです。エピソードを伝える際はそのときの環境や状況を盛り込むと、面接官に想像してもらいやすくなります。また、自分がどう感じたのかという感情を盛り込むことで、より人間性が伝わります。

回答例文

私は、小学生から約15年間剣道を続けています。剣道から忍耐力の強さや、常に冷静でいる心や、継続して頑張る心を学びました。剣道は、礼に始まり礼に終わるというほど、礼儀に厳しいスポーツです。もちろん強いに越したことはありませんが、強いだけでは駄目なのです。
相手を敬い、常に冷静でいることを求められます。例えば、試合中にガッツポーズをすることが禁止されています。仮に有効打を打った時でも、ガッツポーズをすると有効打が取り消されるのです。いつでも相手を敬わなければならないため、ガッツポーズは失礼な行為に当たります。これらの経験から、冷静な心で何事も対応できるようになりました。

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③「該当地域を希望する理由」

地方公務員であれば、この質問も公務員試験の面接で聞かれやすいといえます。地方自治体を志望している人は、「自分の生まれ育った地域だから」という理由で受験している人も少なくないでしょう。しかし、「生まれ故郷なのでその地域をよりよくしたい」のような内容だけでは回答としては弱すぎます。自治体の方向性と自分自身の将来、そして自分の故郷に対する想いを織り交ぜながら面接の質問に答えることがポイントです。

自治体の施策やどんな街に住んでいるのかきちんと調べる

そのためには、自治体がどのような施策に取り組み、どのような未来を作ろうとしているのかをきちんと調べることが必要となります。自分のいままでの経験や、なぜその自治体を志望したのかを具体的に述べ、この街を良くしたいといった回答にもっていくのも一つの手でしょう。

他の自治体の施策との比較で説得力が増す

面接官の中には、「隣の○○市でもよかったのではないか」と少し意地悪な質問をする人もいると思われます。このような質問に答えるには、志望する自治体と他の自治体の施策を比較しておくことが大切です。比較する際は、同じテーマを用いる必要があります。

例えば、2つの市の高齢者問題を取り上げ、志望する自治体と他の自治体が取り組んでいる施策について意見を述べます。「志望する自治体では健康増進活動が盛んにおこなわれているが、隣の市では新たな施策が展開されていない」などの意見を述べることで、地域住民を第一に考える自治体で働きたいという風に意欲を伝えられるのです。

回答例文

御所は生まれ育った場所であるため、愛着があることが志望理由のひとつですが、これから発展していく地域であることに大きな魅力を感じています。私は、大学で地方自治体のあり方について学んでおり、御所で学生時代に培った知識を活かしたいと考えております。
御所の施策として、今後10年間で住民を倍増させる計画があると伺いました。そのための方針として、企業や学校、大型ショッピングモールの誘致などが計画されていますが、ぜひそれらを担う部署において地域活性化に貢献したいです。

④「学生時代頑張ったこと」

この質問も、公務員試験の面接でよく聞かれる質問だといえるでしょう。面接官は、頑張ったことを聞いて、受験者がどのような学生時代を過ごしたか知ろうとしています。「スマホゲームや遊びを頑張りました」のような内容ではなく、勉強や部活動、ボランティア、アルバイトなどの内容がふさわしいといえるでしょう。

そこから得た経験を具体的に伝える

学生時代に頑張ったことを伝える際は、【それで何を得たのか】【それをどう仕事に活かすか】などの内容を具体的に伝えると良いです。公務員の面接で聞かれたとき、回答につまることがないように、事前に自己分析をしたり、今までの経験を思い出してしっかり考えておきましょう。

どんな課題をどう乗り越えたかなど話を組み立てる

学生時代に頑張ったことを伝えるときは、困難な状況を乗り越えたエピソードを盛り込むのがおすすめです。追い込まれたときに取った行動は、嘘のない人柄をあらわします。面接官は就活生の人柄を知りたいと思っているため、このようなエピソードがあるとアピールに効果的です。

学生時代に頑張ったことがあれば、その過程で誰しも困難な状況に陥ったことがあると思われます。どのような環境や状況で問題が生じたのか、そしてそれをどのように乗り越えたのかを伝えてください。たとえそれが失敗談であったとしても、そこから学び得たことを伝えれば問題ありません。

回答例文

私は、中学生から約10年間陸上をしていて、現在も陸上競技部に所属しています。昔から走ることが大好きで、陸上競技部に入ったのは必然だと思っています。中学生時代は4種競技、高校生では8種競技、そして今は10種競技をやっています。中高生の頃、走る競技や跳ぶ競技では良い成績を残せましたが、砲丸投げだけは苦手でした。
そのため、総合成績では振るわず、砲丸投げが原因で全国大会を逃がしたこともあります。悔しい思いを二度としないために、食事管理を徹底し厳しい筋肉トレーニングを日課にした結果、全国大会出場を果たしました。この苦しさを乗り越えて頑張った経験は、必ず御所で活かせると考えております。

⑤「配属先が希望外の場合」

公務員試験の面接では「配属先が希望外の場合どうしますか」という質問も聞かれやすいといえます。面接でNGな答え方として「希望の部署でないなら辞めます」「公務員になれるならどんな配属先でもいいです」などが挙げられるでしょう。このような回答だと公務員の仕事への意欲がないと面接官に思われかねません。

モチベーションを保つことを伝える

公務員には多くの部署があり、異動がつきものだといっても過言ではありません。そのため、希望している部署を伝えたうえで、「希望していない部署に配属されようと精一杯仕事に取り組みたい」「その経験を後で活かしたい」など、どのような部署でもモチベーションを保つことを伝えられると、面接官に良い印象を与えられるでしょう。

組織の一員であることを自覚して謙虚に答える

配属先について質問された場合は、組織の一員であることを自覚して謙虚に答える必要があります。「自分はここでしか働きたくない」という態度を出すと、自己中心的な人と捉えられるのです。公務員は国民の生活を守るために働くため、自己中心的な人は向いていないと判断されます。

「地域住民の力になれるのなら、どこでも精一杯頑張ります」などの謙虚な姿勢が好まれるため、意見を強く主張しすぎるのは控えたほうがいいでしょう。まずは公務員に合格することが先決であるため、部署については寛容な気持ちで考える必要があります。絶対に入りたい部署がある人は、そこで何をしたいのかを具体的に述べると熱意が伝わります。

回答例文

私は、御所で働かせていただけるのであれば、たとえ配属先が希望外の部署になったとしても一生懸命に働きます。もちろん、いつかは希望の部署で働かせていただければと思いますが、まずは経験を積むことが重要だと考えております。どのような仕事であっても、すべての事柄が私を成長させてくれるための糧になると思ってとにかく頑張るだけです。
いろいろな経験ができることでスキルや知識が身に付くので、前向きに捉えたいと思います。私の長所のひとつに、協調性があることが挙げられます。どのような環境であっても、配属先の部署の先輩方とうまくやっていける自信があります。希望の配属先でなかったとしても、先輩方に教えていただきながら、御所に貢献していきたいと考えています。

公務員試験で面接カードを使用する場合

公務員試験では、面接カードを使用するケースがあります。面接カードとはエントリーシートのようなもので、選考の際に使用する重要な書類です。実際の面接を想定して面接カードを作成することで、本番でも伝える内容を統一できます。適当に書くことをせず、面接官に評価されることを念頭に丁寧に作成することが大切です。では、面接カードを作成するコツについて詳しくみていきましょう。

簡潔に分かりやすく記入するのがコツ

面接カードは、簡潔に分かりやすく記入する必要があります。文章量が少ないよりは多い方がアピールできますが、長々と書くと読み手が疲れてしまうのです。最初に結論を書いてから内容を簡潔にまとめるなどして、読みやすさを重視してください。

また、誤字脱字にも注意が必要です。自治体の名称や市長の名前などが間違えていると、マイナスの印象を与えてしまいます。全体的な文章はもちろん、地名や人名には特に注意しましょう。雑に書かれていると読む気が失せるため、1文字1文字丁寧に書くことが大切です。丁寧に書かれている面接カードは好印象を与え、しっかりと中身を読んでもらえます。

添削のサービスやセミナーなどもある

面接カードの作成に不安が残る就活生は、添削のサービスやセミナーを受けるという方法もあります。自分で作成した面接カードの間違いを見つけるのは難しいため、第三者の目で確認してもらうとチェックがスムーズです。誤字脱字はもちろん、各項目の内容についてコメントをもらうことで、効率よく改善することができます。

大学の就職支援室で添削のサービスやセミナーを案内しているケースもあるため、情報をチェックしておくことが大切です。ビジネスマナーなどの講座も開催されているため、面接対策として参加しておきましょう。

公務員試験で想定できる質問の回答は準備しておこう!

公務員試験の面接では、定番の質問がいくつかあります。こうした質問には事前に十分に考え、漠然とした回答にならないようしっかりと準備をしてのぞみましょう。そのためには、自治体と自分自身を知ることが鍵となります。頑張ってください。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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