目次
医療事務の仕事内容とは
医療事務の仕事は、一般企業の総合職に比べると、専門性が高いのが特徴です。仕事内容は基本的に病院もしくはクリニックでの受付、レセプトの作成、カルテの取り扱い、医者とのやり取りとなります。病院の中でも、国家資格を取らずに働ける数少ない職種の1つであり、人気が高いといえるでしょう。一度就職すると長く働ける傾向にあるので、数少ない求人に多人数が応募するケースも珍しくありません。
医療事務の対応1つが病院の評判に繋がる
医療事務は、来院された患者と最初に顔を合わす役割を担っています。そして、最後に帰られる患者と顔を合わす役割も担っている存在です。「医療事務の対応1つで病院の評判が左右される」といっても、過言ではありません。例え名医がいる病院であっても、受付でのイメージが悪いと、患者の満足度が低くなってしまうでしょう。そのため、病院で医療事務の採用面接をおこなう際には、選考に力を入れているのです。
長く働ける仕事
医療事務の仕事内容は、病院やクリニックなどにおける会計や窓口業務、問診、診察補助、カルテなどのデータ入力、診療報酬請求業務(レセプト)などが中心です。勤務先が病院やクリニックになることから、景気の影響を受けにくいのが特徴です。そのため、長期的に働ける職場が多く、それが人気の理由にもなっています。
地方などであっても比較的報酬が良いのも魅力の一つと言えるでしょう。勤務時間や休日がある程度固定されているため、とくにしっかりと休みを取ることができるのも働きやすさの理由になっています。一般的な企業であると、繁忙期などは休日出勤もありますが、そもそも病院やクリニックに繁忙期はありません。おかげで休日出勤も少ないと言えます。
高齢化の影響もあり需要は高い
医療事務は、需要の面でも将来性が見込めるのがポイントです。厚生労働省によると、日本の医療費に占める65歳以上の人の利用割合は59.3%と高くなっており、その次に45歳~64歳が続いています。このことから分かるのは、今後も医療分野の需要が高くなるということです。
つまり、医療機関で縁の下の力持ちとして働く医療事務は、今後も需要が減りにくいと言えるでしょう。むしろ、より仕事の幅が広がる可能性もあります。医療事務は医療のスペシャリストとして働くわけではありませんが、日本の医療を支えるバックオフィス業務に違いありません。医療費の高騰が大きな問題として取り上げる中、今後医療費を削減するための鍵として活躍できるようになる可能性もゼロではないでしょう。
医療事務で求められる人材とは
医療事務の求人では、仕事内容にマッチした以下のような人材が求められています。
明るく親しみやすい性格・雰囲気を持つ
来院した患者は、何かしらの病気や怪我を患っています。そんな患者を受付で安心させる役割が、医療事務には求められるでしょう。話しにくい雰囲気を出していたり、ぶっきらぼうな態度をとっていたりするのはNGです。患者を不安にさせたり、落ち込ませてしまったりしかねません。自己PRでは、明るい性格を伝えられるエピソードを含ませてください。アピールするのが面接の場合は、明るくハキハキと話しましょう。
ミスの許されない仕事をおこなう責任感がある
医療事務のレセプトに関する業務は、病院の収入に直結する部分のため、ミスが許されません。そのため、ミスの許されない仕事をおこなうという責任感が大切となります。自己PRでは、計算力の高さや責任感の強さを伝えると、高評価が得やすいです。大らかさや度の強いポジティブアピールがプラスになるとは限りませんので、気を付けてください。
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医療事務の面接での注意点とは
医療事務の採用面接では、自己PR以外にも気をつけることがあります。ここでは、自己PR以外の注意点2つについてご紹介します。
身だしなみ
病院は、清潔感の有無が重視される職場です。そのため、医療事務として就職したいのなら、清潔感のある身だしなみで面接に望んでください。とくに、女性の方が注意する点として、ネイルや爪の長さ、メイクの濃さや髪の色が挙げられます。個性も大切にするべきかもしれませんが、爪や髪に清潔感が無い場合は、高確立で面接に落ちてしまうでしょう。病院内で医療事務が担う役割を意識して、面接での身だしなみを考えてください。
医療事務としてのプロ意識
患者の体を治すのが医者であれば、患者の気持ちを前向きにするのが医療事務です。患者の気持ちを元気にする性格・雰囲気・態度の面接でのアピールが、採用への近道となります。医療事務としてのプロ意識を持ち、魅力的な自己PRを作成して、面接に臨みましょう。
医療事務の自己PRの書き方
医療事務の自己PRでは、「自分の持つ強み」「強みを発揮したエピソード」「仕事への活かし方」の3つを盛り込むのがルールとなります。最初に自分の強みを伝えずにエピソードを話せば、何が強みなのかが伝わりにくくなってしまうのです。エピソードが思いつかない場合は、自分の過去を振り返って自己分析をおこなうと良いでしょう。
また、「仕事への活かし方」という部分は、採用担当者がとくに確認している部分です。「その強みは医療機関にとって役立つものなのか」「本人はその強みについてきちんと分析できているか」という部分をチェックしています。医療事務の自己PRを作成する場合は、そういった部分を意識して、文章を作成してください。
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医療事務の自己PRを書くときのポイント
医療事務に採用されるための自己PRは中々難しいものです。一般的な事務とも異なり、仕事の幅が広く、それでいて専門性もあるため、どう自己PRして良いものか悩む人は多いといえるでしょう。業務は病院などで行われるため、外から分かりにくいので、PRを作りにくいという面もあります。
そこで、ここからは医療事務に応募する上で、自己PRを作成する場合に重要となるポイントを紹介します。とくに医療事務を志望したものの、自己PRに何を書いて良いか分からないという人にとって役立ちますので、ぜひ参考にしてください。
具体的に書く
医療事務を志望した際に作成する自己PRの場合、重要なのは具体性です。一般的な事務を志望する場合だと、人柄や過去の事務経験などをPRすることが多いでしょう。しかし、医療事務は他の事務と比較して業務が多岐に渡り、いくらか専門性があるためそれでは厳しいです。
なぜならば、漠然と人柄や過去の事務経験をアピールしたところで、医療事務の仕事が分かっていないと思われかねないからです。実際のところ、普通の事務を志望する感覚で自己PRを書いたがために、業務への理解が足りないと不採用になった例は少なくありません。
よって、まずは医療事務という仕事について具体的に知り、その仕事をする上で自分がどう活躍できるかを具体的に書くことを念頭におきましょう。漠然とした内容では、不適格だと思われてしまいます。
コミュニケーション能力の高さをアピールする
医療事務の仕事が特殊なのは、接客業や介護職のような側面を持っているためです。つまり、机に座り、1日中パソコンで作業をしているわけではないのです。一般的な事務職も一日中パソコンの前で仕事をするわけではありませんが、医療事務はその比ではありません。
病院やクリニックの規模によっては、パソコンでの作業が主となる場合もありますが、多くの事業所ではそうなっていないのが実情です。そのため、医療事務は事務スキル以上にコミュニケーション能力が重要とされます。
そもそも医療事務の仕事で対面する人のほとんどは病人です。つまり、いたわる必要がある人々と言えます。介護職のような側面を持つというのは、まさにそのためです。よって、自己PRでは、コミュニケーション能力を伝えられるエピソードや経験が重要になります。
パソコンスキルをアピールする
医療事務の仕事が、いかにコミュニケーション能力を求められる仕事といってもパソコンを使えるに越したことはありません。医療事務の仕事でウェイトが重いレセプト作業は、パソコンで行う作業になりますし、昨今はカルテも電子化の流れがあります。
病院内のスタッフは、医療面で優れた知識や技術を持っていてもパソコンには弱いという人も少なくありません。そのため、パソコンに関して医療事務が頼られる機会は非常に多いのが現実です。
結果的に、パソコンスキルの高い人は採用率が向上するため、可能な限りパソコンがどれだけ使えるかはアピールした方が良いでしょう。このとき重要なのは、相手がパソコンに精通していない可能性を考えることです。「○○ができる」よりは「○○を作れる」といった伝え方の方が好まれます。
医療事務の自己PR例文3選
医療事務の自己PRが作成できず、悩んでいる学生もいるでしょう。そこで以下では、医療事務の自己PRの例文3つをご紹介します。どう書けば良いか分からないまま自己PRを作成しても、採用担当者に好印象は与えられません。むしろ、雑に自己PRを作成したことがばれてしまえば、印象が下がり、落ちる原因となってしまう可能性があるでしょう。
各例文の下でそれぞれの文章のポイントもご紹介しますので、ぜひ参考にして、医療事務の自己PRを作成してください。
例文①
私の強みは、老若男女問わず仲良くなれることです。幼い頃、祖母が町内会の会長だったこともあり、地域ボランティアに参加する機会が多くありました。そこで、お子さん連れの主婦の方や高齢の方と話をする機会がありました。最初は共通の話題がなく困っていたのですが、いろいろなことを教えてもらうなかで、幅広い話題を身につけられました。
そこからコミュニケーションが得意となり、現在では初対面の人とも、共通の話題を活かして早めに仲良くなることができます。この強みを活かして、御院に訪れる患者さんたちと、円滑な人間関係を築いていきたいです。
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老若男女問わず仲良くなれる強みの自己PR例文をご紹介しました。この例文のポイントは、強みとなった背景を明確にしてから、採用担当者に伝えている点です。納得のいく背景を伝えれば、老若男女問わず仲良くなれる強みが本当であるという根拠になります。自己PRで、嘘をつく学生は少ないでしょう。
しかし、採用担当者からすると初対面の人間であるため、学生を信用しているかどうかというと、微妙なところなのです。そこで大切なのが、自分は本当にそれが強みであるという根拠の提示となります。自分を知らない採用担当者でも分かりやすい文章を、作成してください。
例文②
私は、責任感が強いです。高校時代、ワープロ部の部長として部員をまとめあげていました。ワープロの大会では、タイピングの速さと正確さで順位を競います。しかし、私が部長のときは、新入部員のタイピング速度がなかなか上がらず、大会で良い成績をおさめるのが難しい状況でした。
そこで、私は新入部員向けの練習メニューを新しく考案し、ビーズを箸で掴む練習で集中力を養ったり、指の上げ下げ練習で指の可動域を広げたりしました。その結果、全国大会に出場しました。この責任感は、医療費を算定する医療事務の仕事に役立てると思います。また、部長という点もありタイピングには自信がありますので、業務を迅速におこなえるよう励む所存です。
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責任感が強い学生の自己PR例文をご紹介しました。この例文のポイントは、課題と改善策をしっかり提示していることです。どんな壁にぶつかり、改善するためにどんな行動をとったのかを、具体的に示しています。このように具体的なエピソードを述べれば、採用担当者はその場面を想像しやすくなるでしょう。
最後に、タイピングという強みをさりげなくアピールしているのも、この例文のポイントです。タイピングが得意というだけでは自己PRの内容として弱いので、こういった場面でさりげなく伝えると良いでしょう。
例文③
私は、努力家です。医療事務の専門学校で資格取得のために勉強をしていた際に気付いたのが、この強みです。専門学校で、取得したい資格の模擬試験を受けていたのですが、応用問題などが分からず、解けないことが多々ありました。その際に、自分で勉強して気を固めたり、先生に聞いて教えてもらったりという努力をしました。その結果、合格率30~40%の診療報酬請求事務能力認定試験に合格できました。御院は規模が大きく、難しい手術を積極的におこなっているのが特徴です。そんな御院だからこそ、私の医療事務の知識を活かしつつ、努力する強みを活かせると思いました。採用してもらえた際は、分からないことがあったら努力して理解することで、御院に貢献したいと考えております。
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努力家の自己PR例文をご紹介しました。この例文のポイントは、「具体的な試験名を出している」「その病院だからこそ活かせると伝えている」の2つです。
合格率と試験名を伝えれば、どのくらい難しく努力が必要なのかを明確にできるでしょう。「その病院だからこそ活かせる」というのは、実はとても大切な部分です。例文①と②の場合、もし採用担当者が少し意地悪だとしたら、「他の病院でもいいんじゃない?」といわれかねません。そういわれないためには、その病院で活かせると思う理由を伝えることが、大切となるのです。
医療事務で有利になる資格
医療事務で採用されるためには、所有資格が大きな鍵になります。とくに医療事務の仕事でできなければ困る、レセプト作業ができることを示す資格などは優遇されます。レセプト作業については、採用後にゼロから教えるというのも事業所にとって負担が大きいため、知っているかどうかで採用率は大きく変わるといえるでしょう。しかし、口頭で「できる」といってもどれだけできるのか分からないため、ある程度の基準を満たしていることを示す資格がアピールになりやすいのです。
医療事務認定実務者
医療事務関連の資格として初心者におすすめなのが、「医療事務認定実務者」です。この資格は、年に一度在宅受験によって手に入れられる資格です。学科試験と実技試験の2種類の試験をパスすると手に入れられます。医療事務の実務の流れや診療報酬にまつわる知識を持っているかを学科試験で問われ、診療報酬明細書の作成ができるか実技試験で測られます。
とくに医療事務がどういう仕事か分からないという人におすすめと言えるでしょう。この試験の勉強により、実際の仕事の流れを確認できるのがポイントです。自分が将来働く姿を想像しやすくなるため、自己PRを作る際にも役立ちます。自己PRは具体的に自分が働く姿がイメージできていることを伝えるだけで、採用担当者の評価が大きく変わるため、ぜひ取得を考えて欲しい資格といえるでしょう。
医療事務管理士
医療事務関連の資格として広く知られているのが医療事務管理士です。一番のポイントは、1年の内に試験が6回ある点です。そのおかげで、何度でも挑戦できますし、急いで欲しいというときでも取得を目指せます。
この資格の試験では、実際の医療事務の現場で必要となる、医療保険制度や診療報酬の仕組みについての知識が身に付いているかどうかが測られます。また、実技科目としてレセプト点検および作成が求められるため、より実戦的な内容になっているのもポイントと言えるでしょう。
この資格さえあれば、すぐに業務に対応できるというわけではありませんが、ある程度理解しているとみなされ、業務を任されやすくなります。そのため、採用においても評価が上がる傾向があると言えるでしょう。
診療報酬請求事務能力認定試験
医療事務関連の仕事の中でも信頼性が高いとされているのが診療報酬請求事務能力認定試験です。学科試験と実技試験に分かれており、医療事務関連の試験の中では非常に実戦的な内容になっています。診療報酬点数表などの資料持ち込みが自由というのが特徴です。
それらからも分かる通り、知識を問う内容というよりは、仕事に対する理解を問うような内容が多いです。実際に医療事務として働いている人が、自身のスキルアップなどのために受けることも多いと言えるでしょう。
そのため、自己PRの材料としては価値が高く、医療事務の業務に対応する力を持っていることのアピールにつなげられます。知識ベースでのPRになりがちな他の医療事務関連の資格よりも、技術面でのアピールができるのが強みの資格といえるでしょう。
医療事務を目指す人は仕事内容や求められる人材を理解しておこう
世の中には、さまざまな仕事があります。その中でも医療事務は専門性が高く、選考が厳しくおこなわれる職種です。それを理解して自己PRを作成すれば、効率よく自身をアピールできるでしょう。医療事務として実務経験を積み、一人前になれれば、全国どこの病院でも戦力として働けます。自分の笑顔で多くの人を励ませるのは、医療事務ならではのやりがいだといえるでしょう。