履歴書

得意分野の書き方|回答例文5つやNG例文~得意分野の見つけ方~

「得意」と「好き」は違う

就活では度々登場する自己PR。その中のひとつとして、自分の得意分野や得意科目を伝えるということがあります。学業にもしっかりと取り組んでいて成績がよかったり、自慢できる得意分野がある場合には問題はありませんが、誇れることがないという就活生も多いです。

得意分野がないために、とりあえず自分が好きな分野や科目を書いてしまう人がいますがこれはNGになります。得意分野などを問われている理由は、その人の能力や強みを知りたいからです。そのため、アピールできる内容は必ず「得意」である必要があり、「好き」とは違うということを覚えておきましょう。

もちろん「得意」=「好き」である場合には問題ありませんが、「好き」が必ずしも「得意」を指すわけではないので、履歴書に書くときには注意が必要です。

履歴書の「得意科目・分野」の書き方

就活で得意科目・分野についてアピールする場面は数多くありますが、その中でも最も多いのが履歴書です。履歴書には必ず得意科目・分野の項目があるため、それを避けて通ることはできません。自分の強みは分かっていても得意科目・分野については自信がないという人も多いですが、これは大きなチャンスでもあります。

自分の持っている能力の中で何が最も優れているのかをピンポイントでアピールすることができるので、上手くいけば大きなプラスのポイントにもなります。履歴書の得意科目・分野の書き方には注意点やポイントがあるので、それらを守ってより自分をアピールできる文章を作成していきましょう。

実際の業務に繋がる題材にする

得意科目・分野に限らず自己PR全体にいえることですが、自分の能力や強みをアピールするためには実際の業務に直接関係する、あるいは何らかの再現性があるということが大切になります。得意分野は自分の中で得意なことをアピールする場なので、選択する題材は自由です。

しかし「泳ぐのが得意」「絵画が得意」といった、実際の業務で役立てることが難しそうな題材は避けるようにしましょう。水泳選手や画家になるのであれば得意分野としてアピールしても構いませんが、一般企業で働く上では優先順位が低いでしょう。

個人の能力としてはすごいことでも、それが仕事に活かせないのであれば、ただの自慢大会になってしまい就活のアピールにはなりません。業務に関係する、役立てることができるという点を意識して、自身のアピールポイントを考えていきましょう。

得意になった背景を述べる

得意科目・分野を伝えるときには、ただ「得意分野は〇〇」と書くだけではなく、それに付随してなぜ得意になったのか、なぜ得意といえるのかという背景と根拠を述べるようにしましょう。得意分野の基準は人によって様々であり、基本的には自己判断や自己申告になります。

得意分野を告げるだけではそれが本当に得意なのか嘘なのかが分からず、説得力を持たせるためにも根拠を述べるということが大切になります。また、得意と言える根拠だけではなく、背景を伝えることで自分の内面も知ってもらうことができます。

就活では、自分の内面や人間性を知ってもらうということが大切です。人事はそのエピソードから人間性を見ているので、必ず得意になった背景も伝えて、能力だけではなく人間性も併せてアピールできるようにしましょう。

科目や分野の概要を述べるだけはNG

得意科目・分野は人によっては専門的な内容になってしまい、それがどのようなものなのか、科目や分野の名前を聞いただけでは理解ができないということもあります。相手に理解されていないままアピールを続けても意味がないので、自分の得意なことはどのようなものなのかを説明をして相手に正しく理解してもらうことが大切です。

しかし、どういったことが得意なのかを説明しようとするあまり、概要の説明だけになってしまいがちなので注意しましょう。自分が得意なことを正しく理解してもらうために概要を知ってもらうことは大切ですが、それだけになってしまうと何のアピールもできずに本末転倒です。概要の説明は簡単に触れる程度に抑え、得意になった背景や根拠などのエピソードを重点的に伝えましょう。

項目立てて骨子を作成する

実際に履歴書の得意科目・分野の文章を作成していくには、前述した注意点だけではなく、上記のように自分が話したい事を項目立てて、どのような文章構成で作成するのかを決めます。文章構成によっては同じ内容であっても伝わり方が全く違ってくるため、結論、概要の説明、得意となった背景や根拠、業務での再現性の順番で文章を作成していくことが大切です。

文章作成のポイントは、相手に絶対に伝えたい要点のみを列挙します。文章は簡潔にまとめ、詳細については面接の場で口頭で話すということが鉄則です。文章が長くなるとそれだけ読みづらくなり、伝えたいことが何か分かりづらくもなります。文章はスッキリさせて、読みやすさや伝わりやすさを意識して作成していきましょう。

質問に答えるだけで自己PRを作成しよう

得意分野を書く場合、自分の強みを伝える自己PRを軸にするのもひとつの方法です。しかし、自己PRを考えるのが苦手という就活生も多いでしょう。言いたいことはまとまったけれど、実際に文章にするのが苦手という就活生は、ぜひ自己PRジェネレーターを活用しましょう。

自己PRジェネレーターを使えば、用意された質問に答えるだけで自然な流れの自己PRが完成します。文章の繋ぎ方や言葉遣いに自信がないという就活生にもおすすめです。無料でダウンロードして、得意分野を書く際に役立てましょう。

履歴書の「得意科目・分野」の回答例5つ

ここからは、5つの例文をご紹介していきます。

例文①

私の得意分野は心理学です。大学では心理学科を専攻し、行動心理について学びました。行動心理とは、人がなぜそのような行動をするのかその根拠を知る学問です。高校のときに、似たような環境で過ごしている同級生と自分との行動の違いが気になり、そこから人の行動の心理について興味を持つようになりました。
心理学科では様々な心理について学びましたが、私は行動心理に最も力を入れ、3年生の行動心理概論という試験では前期後期ともにS評価を取得しました。私は大学で学んだ行動心理を活かすことで消費者の動向や気持ちを読み取り、貴社のマーケティングの仕事に役立てると考えています。

文章構成としては結論ファーストで書かれており、心理学が得意だということ、その中でも行動心理が得意ということが書かれています。心理学という大枠でアピールするのではなく、行動心理に限定することでより自分の得意なものを明確にアピールすることができています。

また、心理学を学ぼうと思った高校時代の思い出でしっかり根拠づけができています。好奇心が旺盛であるということもアピールできており、ただ得意というだけではなくそれを裏付けるテストの成績を、評価の段階で具体的に示しているのもポイントです。

結果は数字などでアピールすることでより具体性が増し、アピール力も高まります。最後に得意分野をどのような方法で業務に活かしていくのかが具体的に書かれているのも評価の対象となるでしょう。

例文②

私の得意科目は英語です。特に、会話力には自信があります。昔から英語は好きだったのですが、大学でアメリカに留学した際、最初はなかなか聞き取りができず、このままではせっかくの留学経験を有意義にすることができないと考えました。そこで私は、現地の友人や語学の授業の先生などに、事あるごとに積極的に話しかけていき、留学が終わるころには会話力に自信が持てるようになりました。
帰国後にTOEICにも挑戦し、目標の800点を取得することができました。貴社では、海外との取引を積極的にされていますので、営業職として私の英語力を活かし海外のお客様とコミュニケーションを深めて、貴社の製品を全世界に広めていきたいと思います。

学校で勉強したことを、即戦力として活かせることはなかなか出来るものではありません。しかしながら英語力が必要な営業職ということであれば、単に英語力があるという事を示すだけでなく、それに至るエピソードをうまく絡めることが出来れば、自身の積極性やコミュニケーション力で営業職の適正もアピールできるでしょう。

例文③

私の得意分野は会計学や簿記論です。元々数字に関することは得意だったのですが、科学や物理は苦手で経済学部に進みました。そこで会計学や簿記論を学び、企業を数字から分析する事に興味を覚えました。先生の勧めもあり、日商簿記の2級にチャレンジして2回目の受験で取得できました。
しかし私は、経理職ではなく営業職を希望しています。営業職としても簿記や会計の知識を活かし、財務諸表で新規に営業する会社を研究したり、しっかりと数字で根拠を示したりしながら、お客様のニーズをつかみ提案できるようになりたいと思います。

自己啓発の一環として、在学中に資格を取得することも多いと思います。もちろんどんな資格でもしっかりと勉強をして取得することは素晴らしいのですが、自分の就活にどう活かせるかを確認して資格を選んだり、取得した資格の自己PRへの活用法はあらかじめ準備しておきましょう。

例文④

私の得意科目は文学です。元々本を読むことが好きで、毎日の通学時間も読書に充て、大学時代に300冊の本を読むことを目標にしました。早い授業の時やクラブ活動の後などは電車で眠りそうになることもありましたが、頑張って3年生の秋には目標を達成することが出来ました。
これにより、忍耐力や継続力とともに、論理的な思考を養うことが出来るようになったと思います。販売職として貴社に入社しても、それらの力は必ず活かすことが出来ると思いますし、これからは経済誌などにもチャレンジし、社会人としての教養を身に付けたいと思います。

自分の得意科目が希望する職種に直接つながらないことで、得意科目のアピールに困るという人もいると思います。そのような場合、直接的に得意科目を述べるのではなく、その職種に必要な素養を先に分析し、得意科目をつなげるエピソードを考えるようにすると、アピールに困ることもなくなるのではないでしょうか。

例文⑤

私の得意分野は、様々な課題に対してきちんとリサーチして分析する事です。現在、地域活性論のゼミに所属しています。そこでは、地元〇〇市の活性化のための企画をテーマに、〇〇市の商工会議所の方と一緒に活動しています。単にアイデアを出すだけではなく、実際に商店街で多くの買い物客の方にアンケートをとり、その内容を分析する事で、より効果のある企画を出すようにしました。
そこで出たアイデアで、商店街でのスタンプラリーと割引券のイベントでは沢山のお客さんを呼び込むことが出来て、商工会議所と商店街の方に、とても喜んでいただくことが出来ました。このような実践的な経験と論理的な思考力は、貴社でも必ず活かすことが出来ると考えます。

得意科目は必ずしも講義科目だけには限りません。ゼミでの積極的な活動などは、様々な形で示すことが出来ますし、よりビジネスシーンに沿った形でアピールすることも可能になります。

内定者のESを参考にする

得意分野などの質問に対する答え方は、内定者のESを参考にしましょう。内定者の回答を見ることで、どのような考え方、アピールをしているのかを把握できます。そこでおすすめなのが「内定者ES100社まとめ」です。

JAL、トヨタ、三菱東京UFJ銀行、伊藤忠商事、サントリー、IBMなど、就活でも人気が高い企業のESを無料でダウンロードできるため、内定者の回答だけでなく設問の確認がしたいという就活生にもおすすめです。

「得意科目・分野」のNG回答例

先に挙げた例文で、おおよその回答イメージがつかめたでしょう。しかし、選択する題材や、ちょっとした表現の違いで印象はガラリと変わります。限られた枠の短い回答の中で、望まれる能力や好ましい人柄を伝え有効にアピールしていくには、書き方の基本ポイントを外さず、ミスマッチを避けることが大切です。ここからは、NG回答例を3つご紹介していきます。

NG例文①

私の得意な分野は、料理です。物心がついた頃には母と台所に立っていました。手伝うことで流れを把握し注意点を覚え、いつの間にか多くの料理を自分で作るようになっていました。実践をもって基礎が叩き込まれているので応用も利きます。効率的な手順を組み、手早く作業し、食べる人を思った栄養や彩りを考えるのは難しいながらも楽しいもので、美しく仕上がると達成感があります。何より、「美味しい」の声が励みになります。

テーマに料理を採用したことは、見当違いとはいえません。業務とは無関係そうで、実は仕事に有用な要素が含まれています。問題は見せ方です。例文では、能力アピールに使えるポイントがちらほらと顔を覗かせているものの、漫然と流れてしまっています。構成次第で好転させられる例文といえるでしょう。

NG例文②

私は、短時間で要領よく成果を挙げることを得意としております。飲み込みの早さや記憶力には自信があり、人とのコミュニケーションがうまくとれるタイプなので、何事にも自分の能力や人脈をフル活用して取り組んでいます。
好奇心が旺盛で、サークルやアルバイトのほか、さまざまな趣味を並行しながら、学業もこなしてきました。この素質を貴社でも活かして、同時多発的な任務に手際よく対応し、多忙な業務を乗り切ってまいります。

いろいろなことをアピールしたいのでしょう。ところが、これでは中身がありません。表面的な言葉を連ねているだけで裏づけがなく、題材を盛り込みすぎです。テーマを絞り、根拠となるエピソードに字数を回しましょう。

NG例文③

政治学科に「社会統計学」という科目があり、特にいい成績を収めました。これは、統計学を社会科学の領域に応用したもので、社会現象を分析するために数々の調査法がある中、最もベーシックな理論となる学問です。
ゼミナールでも当科目の研究を専攻し、卒業論文では「変数分布と取得データにおける多変量解析」をテーマに、サンプルの偏りと推定される総体との因果関係について検証したところ、学内で優秀賞をいただくことができました。

科目の説明と研究紹介で終わってしまっています。また、一般には聞き慣れない単語をほぐさず、伝わりにくい部分も残る例文です。相手が内容をわかっている前提で進めてもいけませんが、採用担当者はその科目を知りたいわけではありません。必要なら調べれば済むことです。適切な情報量を見極めましょう。

得意分野がない場合の対処法

どれだけ探しても自分には分野がないと悩む就活生は多いです。遊びやバイトに費やしてしまっている場合は、学業が疎かになってしまうこともあり、単位は取得していても、常にギリギリでとても得意分野と誇れるレベルではないということもあります。

しかし、得意分野は誰かの基準ではなく、あくまで自分の中で手慣れていることや自信がある分野になるので、レベルについてはそれほど気にする必要はありません。「強いて言えばこの科目が得意」という程度でも構わないので、何かひとつでも得意分野を探し出すこと、その努力をすることが大切です。

家族や友人に聞いてみる

自分で得意分野を見つけることが出来なかった人は、身近な人に聞いてみると意外と新しい発見があるかもしれません。自分以上に周囲の人間が自分自身の性格を分かっているということはよくある話ですが、これは得意分野でも同じです。個人の性格によって向き不向きもあるほか、普段の行動や会話からも、その人の特徴や得意分野が垣間見えてくることもあります。

全ての分野が苦手、何もできないと思っている人もいるかもしれませんが、気付いていないだけかもしれません。得意分野は特にないと思っている人は、ぜひ、家族や友人に聞いてみるといいでしょう。

自信がなくても書く

自信を持って得意分野を言えないという人も多いかもしれません。物事は全て自分より上を見上げればきりがなく、欲が出てしまうことや、時に自信をなくしてしまうことも少なくありません。よくありがちなのが、自信がないからといって得意分野を空欄にしてしまうことや「特になし」などと記載してしまうということですが、これは避けるべきです。

空欄や質問に対して「特になし」と記載していると、自信のない人に見えてしまうこともあるのでやめましょう。上を見て得意と言い張れる自信をなくしていってしまうのではなく、得意分野は自分が得意と思っていれば、自信を持って書くようにしましょう。

シラバスを参考にする

自分の得意科目・分野が分からなかったり、かろうじて得意分野と呼べるものを見つけたとしても、人にそれを説明できるほど自分がしっかりと理解できていないという場合もあります。自分のことを相手に知ってもらうためには、まずは自分がそのことについて理解を深めている必要があります。

理解を深めるときに便利なのが、大学が展開している講義内容や学習計画であるシラバスです。シラバスの講義内容の説明で科目・分野の分析をすることができるので、参考にするといいでしょう。もちろんシラバスの内容の丸写しはNGです。あくまで参考にするにとどめ、自分なりに解釈して自分の言葉で書き換えるようにしましょう。

授業で使用したノートは保管しておく

得意科目・分野は大学で学んだことを中心にアピールされることが多く、得意と誇れるからにはそれだけの勉強量があったということでもあります。勉強量はその人の能力や知識にも表れますが、それを習得するまでに使用した勉強道具からも読みとることができるので、得意科目・分野をアピールするには具体性を出すことが大切です。

実際に授業で使用していたノートや参考書は、破棄せずに就活が終わるまで保存しておきましょう。得意科目・分野は履歴書で書けばそれで終わりではなく、面接でもさらに深堀りされることも多いです。履歴書の内容は口頭でさらに詳細を説明し、膨らませる必要があるため、試験前にはノートや参考書を読み返し、内容をおさらいしておくとより具体的な説明ができます。

企業は得意分野で学生の特性を知りたい

履歴書で得意科目・分野を聞かれるのは、何もその内容をそのまま業務で活かせるかどうかを判断するためだけではありません。もちろん業務に活かせる内容であれば大きなアピールポイントになり、選考でも有利に働きますが、得意科目・分野を通して本当に企業が知りたがっているのは学生の特性です。

新卒の採用試験では能力ではなく、人柄や人間性を重視して採用が決定します。それらを知るためにはひとつでも多くの情報が必要であり、得意科目・分野もその人の特性を知るための大切な情報です。得意科目・分野を通じて能力の高さ、仕事での再現性を伝えるのは大切ですが、それは評価のプラスアルファとなるものです。最も大切な部分は人間性などが伝わることなので、自分の本質を伝えるということを意識して文章を作成していきましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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