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【学生時代頑張ったことがない】題材の探し方と正しい文章構成
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目次
「学生時代頑張ったことがない」と悩む就活生は多い
企業の選考を受けていく中で、ほとんどの場合、エントリーシートの提出を求められることでしょう。エントリーシートの項目は企業によって異なりますが、多くの企業で共通している項目もあります。
その1つが「学生時代に頑張ったこと」です。実はこの項目は、多くの企業で求められるにも関わらず、「上手く書けない」「書くことがない」と悩む学生が多い箇所でもあります。学生時代に頑張ったことが思いつかない場合、どのようにしたらよいのでしょうか。
この記事では、「自分は頑張ったことがない」という誤解を解き、頑張ったことを見つけ、エントリーシートにまとめるまでをガイドしていきます。ぜひ参考にし、自信を持って「学生時代に頑張ったこと」をまとめていきましょう。
就活の「学生時代頑張ったこと」でよくある誤解
就活のエントリーシートで「学生時代に頑張ったことがないから書けない」と落ち込む学生がいますが、本当に頑張ったことはないのでしょうか。実は、「学生時代頑張ったこと」という項目自体を誤解してしまい、それで書く内容が見つからないと思い込んでしまっているケースがあるのです。
ここからは、どのような誤解に陥りやすいのかを見ていきます。誤解していたことがわかれば、スムーズに思考を切り替えていくことができるでしょう。それでは、「学生時代頑張ったこと」についてよくある誤解を見ていきましょう。
①特別なエピソードが必要と考えている
「学生時代に頑張ったこと」では、特別なエピソードが必要だと考えているケースがあります。学生が学生時代に取り組むことは様々あるでしょう。学業、部活動やサークル活動、アルバイトなどです。
しかし、これらとは異なった経験をアピールする学生も中にはいます。例えば海外に留学した経験がある、インターハイで優勝した、企業を立ち上げた、インターンで海外勤務を経験した、などです。
しかし、企業が求めているのは「珍しい経験」ではありません。ただ、学生時代にどのようなことを頑張ったのか知りたいだけなのです。ですから、「他の人にない珍しい経験を書かないと」と焦る必要はありません。学業でもアルバイトでも、自分の頑張りが伝わるまとめ方ができれば大丈夫です。
②苦労した経験でなければならないと思い込んでいる
2つ目の誤解は、「苦労した経験でなくてはならない」という思い込みです。「頑張る」というと、「嫌なことを耐えておこなう」「苦労や困難を乗り越える」というイメージが強く、つい苦労話に限定して探しがちです。
しかし、自分が好きなことに夢中で取り組んだ経験なども、十分に「頑張った経験」として通用します。ところが、「苦労や困難を乗り越えた経験でないといけない」という思い込みがフィルターになってしまい、夢中で取り組んだ経験などが書けなくなってしまうケースもあるのです。
もちろん、苦労したり困難を乗り越えることで成長するというのはあります。しかし、そうでなくても成長できるケースはありますし、自分の能力を発揮したり、何かを学ぶことはあるのです。「苦労したかどうか」という視点を外し、広い視野で自分の経験を振り返ってみましょう。
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企業は「学生時代頑張ったこと」から社員としての資質をみている
2つの誤解が解けたら、続いて「学生時代頑張ったこと」をなぜ企業が知りたがるのかを考えましょう。企業の採用活動は、入社後に活躍できる学生を確保することです。そのためには、学生の人柄や考え方・能力を知らなくてはなりません。
これらを知るために設けられた項目が「学生時代頑張ったこと」です。つまり、過去の経験を通して「活躍できそうな学生だ」ということが伝わればそれで十分であり、頑張った内容が特異なものである必要はありません。
中にはどうしても、頑張った内容で評価が決まると思い、特別な内容をアピールしようとしたり、特別な経験がなくて手が止まってしまう学生もいます。しかし、学業やアルバイトなど、他の学生と同じような経験であったとしても、その経験を通して自分の資質がアピールできればよいのです。逆に、どれだけ珍しい経験をしたとしても、自分の資質が伝えられなければ無意味といえるでしょう。
「学生時代頑張ったこと」の探し方
「学生時代に頑張ったこと」のエピソードは、題材の探し方ひとつで、いくらでも見つけることが可能です。これまでの人生でやってきたことを振り返ってみるのはもちろんですが、視点を変えることも大切です。あるいは第三者に聞いてみることで、思いもよらない答えを出してもらえることもあるでしょう。
語れるほどの華やかな結果を残した人よりも、そうでない人の方が多いということは、まぎれもない事実です。しかし頑張ったことがないという人はいない、というのも事実であります。そんな中でも多くの人が頑張ったエピソードを話し、就職活動を終えているということは、探し方ひとつなのです。「なにか頑張ったことあったかな」と悩み続けるよりも、探し方を変えてみてはいかがでしょうか。
今までやってきた事を振り返る
わかりやすく「頑張ったこと」が見つからない人は、これまでやってきた事を振り返ると良いでしょう。2年間で3,000人の就活生を支援したエージェントによると、学生の90%がゼミ・アルバイト・部活のいずれかを経験しているそうです。ゼミ・アルバイト・部活のどれをとっても、なにも頑張らずにできることではありません。その中で自分がやってきた事を丁寧に振り返って考えてみれば、「頑張ったこと」として話せるエピソードがあるはずです。
大学時代だけにこだわらず、小学生のときや中学生のときから頑張ってきたことも有効といえます。伝え方さえ工夫できれば、プライベートで頑張っていたことでも十分に使える題材になるでしょう。丁寧に振り返ることが重要なので、必要であれば時系列順に紙に書きだしてみることもおすすめです。
企業が求める能力を洗い出す
学生時代に頑張ったことを探す際、企業が求める能力を洗い出しておくことも大切です。これまでの自分の経験の中から、いくつか頑張ったことが見つかるかも知れません。しかしそれらは、企業が求める能力に合致してこそ意味を持ちます。なぜなら、企業は入社後に活躍できる資質を持った人を求めているからです。
しかし、そのようなことをいうと、書ける内容が一気に狭まってしまうと感じる方もいるでしょう。実は、自分の経験を書くときには、書き方を工夫することで企業の求める能力に合致させることができます。
経験のまとめでは、その経験を企業でどう活かしたいのか書きますが、その際に企業が求める能力に一致させるのです。単に「努力家」ではなく「責任感を持って結果が出るまで粘り強く解決策を考えながら取り組みます」、「たくさんの友人から頼りにされた」ではなく「様々な立場を理解し、それぞれの立場に配慮したコミュニケーションでチームをまとめることができる」などです。具体的な仕事の場面を想像できるような言葉で伝えましょう。
視点を変えてみる
学生時代頑張った事の探し方がわからなければ、視点を変えてみると良いでしょう。「一番結果を残せたこと」や「諦めなかったこと」という風に、自分への問いかけ方や視点を変えることがおすすめです。最初に一番結果を残せたことを自分に問いかけることで、「残せた結果」から「頑張ったこと」を逆算できます。例えば勉学で好成績を修めることができたという人であれば、勉強を頑張っていたはずです。
もしも残せた結果が思いつかない場合は、「諦めなかったこと」に視点を変えてみてください。学生時代の数年間、一切諦めることなく何かを続けられていた人は、企業にとって魅力的な人材に映るでしょう。
第三者に聞いてみる
どうしても自分で思いつかない場合は、第三者に聞いてみるというのも良い手段でしょう。例えば家族や友人はもちろんですが、お世話になった恩人に聞いてみても何かヒントが得られるかもしれません。またエージェントやコンシェルジュなど無料で利用できるサービスを利用して、エピソードを引き出してもらうのも有効です。
自分1人で考えていると同じ思考を繰り返してしまうため、「エピソードが思いつかない」ループに陥ることがあります。そんなとき自分以外の人に聞いてみることで、思いもよらない「頑張ったエピソード」が出てくるかもしれません。あるいは頑張ったと思っていなかったことでも、第三者は頑張ったと評価してくれているエピソードが出てくる場合もあります。
内容は結果よりもプロセスを具体的に
「頑張ったこと」の伝え方として、結果よりもプロセスを具体的に伝えた方が効果的ということが挙げられます。企業はあなたの実績ではなく、どんな思考を持って、どう頑張ったのかを知りたいわけです。くわえてもう1つ重要な情報として、「仕事での再現性」を知りたがっています。単純に努力したことを伝えられるよりも、なぜそのように頑張ったのかをアピールできれば、あなたの思考パターンを知ってもらえるでしょう。またそうすることで「理論的な思考で、効果的に頑張れる人材」だということもアピールできます。
仕事での再現性についてですが、「それが仕事でどのように役に立つのか」が伝わらなければいけません。「諦めずに続けた」エピソードであれば、粘り強く仕事に取り組めるというアピールにもなります。
「学生時代頑張ったこと」の構成
「学生時代頑張ったこと」を書く際には、構成がとても重要です。採用側が欲しい情報が漏れなく盛り込まれ、読みやすい書き方をしなくてはなりません。ここから紹介する構成に従えば、必要な内容の盛り込まれた読みやすい形にまとめることができるでしょう。
同じ内容を書くにしても、構成によって印象や伝わり方が全く異なってきます。構成が崩れていれば、せっかくよい経験をしていても魅力が十分に伝わらなくなってしまいます。少しでもよい印象で読み手に伝わるよう、以下の構成を参考にまとめてみてください。
結論から述べる
エントリーシートに書くからには、読みやすく社会人として質の高い文章になってなければいけません。理想は結論からはじまり、それを裏付けるエピソードを述べた後に、仕事にどう活かし貢献できるかがまとまっているものです。社会人の文章や話し方は、基本的に結論ファーストであればあるほど良くなります。その後に結論に至った根拠や経緯を述べることで、説得力を増すことができるのです。最終的には、それがどのように役に立つのか伝えてあげることで、相手に対するアピールになります。
今のうちにこのような書き方に慣れておけば、社会人として働きだしてからも報告・連絡・相談などがスムーズになるはずです。ちなみにエントリーシートや面接のハウツー本を持っている人は、1度その文章に気をつけて読んでみてください。結論ファーストのわかりやすいものになっているはずです。
課題を乗り越えるために起こした行動を説明する
続いて、課題を乗り越えるために起こした行動を説明するようにしましょう。どのような状況でどのような課題が発生し、そこで自分はどう考え、どう行動したのかをまとめます。実際にそのとき考えたことをリアルに思い出してみましょう。
そのときに考えたことを自分の言葉で入れれば、説得力・臨場感が増します。採用側は、課題を前にどのような考え方をするのかを知ろうとしています。漠然と解決策を書くのではなく、自分自身の考え方も明らかにしていきましょう。
次に、実際に起こした行動を説明しましょう。第三者にもわかるよう、5W1Hを盛り込み、わかりやすく端的にまとめるようにしてください。わかりやすく書けているかどうか、一晩おいて読み直してみる・他の人に読んでもらうなどしましょう。
その経験から学んだことと企業での活かし方を伝える
課題を乗り越えるために起こした行動を書いたら、次にその結果と、そこから学んだことをまとめていきます。ここで重要なのは、「結果がどうだったか」ではなく、「何を学んだのか」が大切だということです。
逆に言えば、いくら課題を解決することができたとしても、そこから何も学べなければ、その経験はあまり役に立たないでしょう。そこから学んだことを書き、さらにそれを「企業でどう活かすか」につなげなくてはなりません。
例えば「メンバー全員で協力し合うことで、一人ずつでは成し得ない成果が生まれることを学びました」で終わるのではなく、「貴社に入社後はメンバーが一丸となって仕事に打ち込めるよう、コミュニケーション力を活かして貢献したいです」などとまとめましょう。
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「学生時代頑張ったこと」の例文
ここまでは「学生時代頑張ったこと」の書き方のポイントを見てきました。しかし、ポイントを知っただけでは具体的な書き方がわからないという人がほとんどでしょう。そこでここからは、「学生時代頑張ったこと」の書き方の例文を紹介していきます。
複数の異なった例で紹介していきますので、ぜひ参考にし、自分の経験を書くヒントにしてください。例は異なっていても、基本的な書き方は変わりません。これらの例文に目を通し、「学生時代頑張ったこと」の書き方に慣れていきましょう。
例文①
私が学生時代に一番頑張ったのは、飲食店のアルバイトです。入学時から約3年間続けており、3年目からはアルバイトの育成担当を任されています。2年目のある時期、同じアルバイトスタッフの中で接客スキルの差が開き、全体的な顧客満足を下げてしまっていることに気がつきました。店舗にまとまったマニュアルがなく、ほぼ個人任せの接客になっていることに危機感を覚え、自分の経験を振り返りながらマニュアルの原稿を作り、店長や先輩の意見なども盛り込んで仕上げました。育成担当を任されたのはそのタイミングです。
それからは他のスタッフの動きを見て、終業後にフィードバックをするとともに、自分も接客スキルを本で学ぶなどしました。結果、リピーターが徐々に増え、店長からも喜ばれました。店舗全体を視野に入れ、責任感を持って仕事をしたことが、このような結果につながったのだと考えています。貴社でも常にチーム全体を見渡し、自分にできる最大限の努力で貢献したい所存です。
この例文では、アルバイトの経験が書かれています。最初に結論が書かれており、わかりやすい入り方です。どんな問題や課題があり、それに対してどう考えて行動したのか、そして結果がどうだったのかもわかりやすく書かれています。最後が入社後の抱負でしめくくられているのもよいでしょう。
例文②
私が学生時代に頑張ったことは、陸上競技です。私は大学入学後、健康のために陸上競技を始めました。最初は健康のためだけに走っていたのですが、徐々に競技としての面白さに目覚め、記録向上を目指すようになりました。しかし2年目に、足の故障と貧血で練習ができなくなってしまいました。練習ができない期間、原因と予防策を探るため、スポーツ生理学の本や栄養の本などを読み漁り、トレーニング量のコントロールや栄養、休養などがいかに大切かを学びました。
回復して以降は無理のないトレーニングと十分な栄養の摂取、休養を計画的におこない、3年目には駅伝のメンバーとして県の大会に出場し、区間で3位入賞を果たしました。十分な情報・知識に基づく計画の大切さを知りました。貴社でも、貴社製品やマーケティングなどに関する知識を貪欲に吸収し、計画的に仕事に取り組み、成果が出せるように頑張りたい所存です。
この例文の場合は部活動の経験が書かれています。この例文も前回の例文同様、わかりやすい構成で書くことができています。部活動の経験は仕事に結びつかない形で終わってしまうケースもありますが、入社後の具体的な仕事に結びつけてまとめられているので、好印象です。
例文③
私が学生時代に一番頑張ったのは、第二外国語として選択していたドイツ語の授業です。最初は単位のためだけに受講していたのですが、1年の前期にテストで低い点数を取り、単位を落としてしまいました。そこで悔しい思いをし、後期は何としても「秀」の成績を取ることを目標にし、綿密な学習計画を立てました。毎日30分、時間のある日は最大2時間の勉強時間を確保し、予習・復習をおこないました。
結果、成績は「秀」を摂ることができました。そこからドイツの文化、ドイツ文学にも興味が広がり、3年次の前半にはドイツへの短期留学も経験することができました。小さな努力をコツコツ続けていくことで、自分のスキルや視野が広がり、大きなチャンスを手にすることができるのだと知りました。貴社でもコツコツと丁寧に仕事に取り組み、大きく成長して貢献できるよう頑張ります。
この例文では、大学での勉強について書かれています。大学の勉強について書く人は少ないかも知れませんが、学生の本分は勉強ですので、こうしたエピソードを書くのは好印象でしょう。この例文では挫折経験をバネに取りくんで「秀」の成績を取ったこと、さらにそこから興味関心が広がってドイツ留学につながったことが書かれています。仕事でも、地道に努力を重ねていくことで大きなチャンスを手にできる可能性はあります。仕事に結びつけてまとめられている点もよいでしょう。
学生時代頑張ったことがない人は求められる能力について考えよう
頑張った経験なんかない思っていても、ほとんどの人は何かしらのことを頑張っているはずです。採用担当者はそれをどのように伝えてくれるか、どのように役に立つのかに興味があって、内容は問いません。むしろ華やかな努力と経験をしている人こそ、それをどのように仕事に活かすのか厳しい目で見られることもあるでしょう。
ありきたりなエピソードを、会社の役に立つものだと効果的に伝えられれば、採用担当者としてはかえって魅力的です。「学生時代頑張ったこと」を書く様々なノウハウを活かし、採用担当者の心に残るアピールをしましょう。