面接対策

趣味を音楽鑑賞と回答するときのコツ|質問する真意も解説

趣味の質問ひとつにも意図がある

就活では自身の趣味について問われる質問もありますが、その際に「音楽鑑賞」と答えるのはアリなのでしょうか?面接は面接官が質問をし、学生がそれに回答するという形式で進みます。面接官は優秀な学生を探し、採用するために面接を行っていますので、その質問の1つひとつには必ず意図があります。

一見就活とは関係ないように思える質問であっても、その質問を行うことには必ず意味がありますので、どんな質問にも慎重に答えなければなりません。面接では答えるのが難しい質問もあり、その一つとして趣味に関する質問が挙げられます。

趣味を問う質問であっても、面接で問われている以上明確な意図があります。音楽鑑賞と仕事は全く関係がないものですが、趣味の質問に音楽鑑賞と答えても良いのでしょうか。

企業に趣味を聞かれる3つの理由

就活では自身のことを伝えられるか、知ってもらえるかが重要であり、企業も同じように考えています。面接の時間や回数は限られていますので、企業も短時間で就活生のことを知ろうと必死になってします。

そのため質問は非常に大切であり、一つとして無駄な質問はありません。就活とは無関係に思える趣味の質問についても、大切な意味があります。企業に趣味を聞かれる理由は大きく分けて3つありますので、まずはなぜその質問がされるのかを理解しましょう。

①趣味から人間性を見ている

新卒の就活は能力重視の即戦力採用ではなく、人柄やポテンシャルを重視して採用が決定します。企業にとっては就活生の人柄や人間性を知ることが最優先事項であり、全ての質問はそれらを知るために行われます。企業が就活生に趣味を聞くのは、そこから人間性を知ろうと考えているからです。

どのような趣味を持っているかということから、物事への興味の持ち方や、危険な思考を持っていないかなどの人間性を見ていると言えます。どのような趣味を持つかは個人の自由ですが、人間性を疑われるような趣味やギャンブルなどの信用に関わるような趣味であれば悪い印象を与えてしまう可能性があります。趣味はその人の素の部分を表したものであり、より本質が出ますので、企業に伝える趣味には充分気をつけなければなりません。

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②仕事での再現性を見ている

趣味の質問とは言え、就活の面接で行われている質問ですので、企業は実際に仕事で活かせる要素があるかどうかを見ていると言えます。たとえ趣味であっても仕事に活かせるものはたくさんありますし、そこで能力を示すことができれば面接を有利に進めることができます。

もちろん趣味自体が、必ずしも仕事に直接再現性がある必要はありません。趣味を音楽鑑賞と答えた場合でも音楽鑑賞そのものだけではなく、趣味に対する考え方なども仕事にリンクするので、それが間接的にでも仕事への再現性があれば高評価です。音楽鑑賞が趣味であっても、考え方次第では充分なアピールの要素となります。趣味を問う質問では趣味そのものもというよりは、それに対する考え方が重要視されています。

③回答から思考力を分析している

面接で趣味は何か問われれば、自身の趣味を単語だけで答えるわけではありません。趣味を答えるとともにそれはどのような趣味なのか、なぜ始めたのか、どのような点が素晴らしいのかなども答える必要があります。趣味を答える場合には、自身の趣味に関してさまざまなことを相手に伝えていきますので、それらの発言からどんな考えを持って趣味に取り組んでいるのか、また目的意識はあるのかという思考力を見られていると言えます。

ただ漠然と自分の趣味を答えるだけでは、取り組んでいる趣味から人間性を読み取ってもらうことはできても、プラスの評価につなげることはできません。趣味を答えてプラスの評価を得たいのであれば、目的意識を持って趣味に取り組んでいることをアピールし、そこで何を得たのかなども併せて伝えていきましょう。

面接で趣味を音楽鑑賞と答えるなら

趣味を問う質問からでもさまざまな情報を読み取ることができ、たとえ趣味であってもそれが仕事に役立つものであれば高評価を得ることができます。しかしそれが音楽鑑賞の場合はどうでしょうか。音楽鑑賞はスキルではありませんし、それを直接仕事に再現するというのは非常に難しいです。

音楽鑑賞ではプラスの評価を得ることができないと思われがちですが、それも伝え方次第で変わります。面接で趣味を音楽鑑賞と答えるのであればいくつかのポイントに注意して伝えることで、プラスの評価を得ることができるのです。

音楽鑑賞から得た事を明確にする

面接で趣味を音楽鑑賞と答えるのであれば、音楽鑑賞を通して何を得られるかを明確にすることが大切です。音楽鑑賞以外の趣味を答える場合でも面接でアピールするのであれば、目的意識を持って趣味に取り組んでいるということが重要です。

目的意識があるということはその先には得られるものがあるということですので、それを明確にしましょう。得られるものの大小は特に問われません。目的意識を持つと言ってもあくまで趣味の範囲でのことなので、必ずしも大きなものが得られる必要はありません。

たとえ小さなものでも何かを得ることができるというのは大切なことです。無目的に漠然と行動していないということをアピールするためにも、小さくてもそこから得られるものを伝えていきましょう。

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仕事でどう活かすかを伝える

面接で自身の趣味を伝える場合には、仕事への再現性があるということが重要です。就活の質問として趣味を聞かれている以上、仕事から全く離れたものをアピールしても意味がありません。音楽鑑賞であっても、趣味そのものや取り組み方などを仕事にどう活かすかを、伝えるようにしましょう。

音楽鑑賞が仕事にどう活かすことができるかを考えるためには、なぜ音楽鑑賞を趣味としているのか、どんな時に音楽鑑賞をするのか、どのように取り組んでいるのかを考える必要があります。趣味に取り組む基本的な原動力はその趣味が好きだからですが、自身がそれに取り組むシチュエーションなどを考えればヒントは必ずあるはずです。音楽鑑賞が趣味となったきっかけまで遡り、どのような点が仕事に活かせるかを考えましょう。

ジャンルは何でも良い

音楽鑑賞と言っても人によって好きな音楽のジャンルはさまざまですが、好きなジャンルによって評価が変わるということはありません。ポップスは良くて、ロックは駄目などのような決まりがあるわけではありません。

ジャンルが重視されるわけではなく、あくまでも過程を重視されているので何でも良いと言えます。もちろん自身が好きなジャンルを答えて、面接官もたまたま同様のジャンルが好きだった場合には話が弾むということもあります。

しかしだからと言って、評価が大きく変わるわけではありません。音楽鑑賞は趣味そのものの内容ではなく、取り組み方などが評価されますので、どんなジャンルが好きでも関係なくアピールすることができます。

音楽鑑賞を題材とした趣味の回答作成のコツ

面接で趣味を聞かれた場合に音楽鑑賞と答えることに何の問題もありません。音楽鑑賞と答えたからと言ってマイナスの評価になることはありませんので、それが趣味なのであれば臆せず自身の趣味を伝えていきましょう。

しかしそれが面接である以上、マイナスの評価にならなければいいというものではありません。面接で合格するためにはどんな質問でもプラスの評価を狙う必要があります。音楽鑑賞を趣味として答えるにはコツがありますので、それを踏まえて回答を作成していきましょう。

冒頭で目的を伝える

趣味の回答に限らず、面接で質問に答える際には結論ファーストで答えることが大切ですが、これは今から何をアピールするのかを明確にするためになります。結論から答え、アピールする内容を明確にすることで、面接官に結論を印象付けてアピールを行うことができるので、趣味を音楽鑑賞と答える場合は特にこれが重要になるでしょう。

音楽鑑賞は一見すると就活や仕事とは全く関係のない趣味です。そこから仕事と関連付けるためにはアピールする内容を明確に伝える必要がありますので、面接官に何を伝えたいのかという目的を冒頭で述べるようにしなければなりません。冒頭でアピール内容を明確にした上で、自身の趣味について語っていきましょう。

具体的に作成する

就活でどの趣味について回答する際に言えることですが、しっかりと具体的に語ることが重要です。好きなジャンルやアーティストがあればキーワードを出しておくだけで具体性が増します。もしこれといって特に好きなこだわりがなければ興味を持ったきっかけや、音楽鑑賞を趣味としている理由などを述べるといいでしょう。

具体性があれば相手も話題の取っ掛かりを見つけることができるので、面接がスムーズに進みやすくなります。逆に具体性にかけると相手はどう話題を進めていけばいいのか困るので、面接の印象に影響を及ぼす可能性があります。自分が述べた音楽鑑賞から話題が広がりやすいように、ジャンルや興味を持ったきっかけなどを具体的に述べるようにしましょう。

面接で気をつけたい答え方

趣味について聞かれた際に、気をつけて答えを返しておくことが面接においての評価に繋がります。趣味を話すだけで相手にマイナスの印象を与えてしまっては大きな損失です。企業によっては趣味の話題を面接の息抜きや、コミュニケーションが取れるかどうかの判断要素として利用することがありますが、趣味であっても答え方を細かく気にしている場合があります。音楽鑑賞を趣味として答える場合において、気をつけるべき点は多くないので覚えておくといいでしょう。

「ライブに行く」はOK

人によってはライブに行くことが好きな人もいるでしょう。ライブに行くことが趣味である場合は、就活において音楽鑑賞と表現することができます。ライブというとマイナスなイメージを抱く人がいるかもしれませんが、答える表現方法に気をつけておけば自分の印象に影響はありません。ライブに行くことを話す場合は、ストレス発散ができてスッキリするなどといった前向きなことも添えるようにしましょう。

音楽のライブに抱くイメージは相手によって様々ですが、多くの場合はライブについての知識がありません。場合によっては偏った知識を前提にして面接を進めていく可能性があります。ライブのことについて知らなくても相手がすんなりと受け入れてくれるような内容を答えるようにしましょう。

ウソや大げさな答えはNG

音楽鑑賞と趣味に応える場合はウソや大げさな答えを織り交ぜないように気をつけましょう。特に音楽鑑賞が趣味ではないのに面接の場で音楽鑑賞と答える人が、ウソや大げさなことを話すことが多いです。ウソや大げさな表現が全てNGというわけではありませんが、面接官に質問されたときにボロが出てしまうと面接官に不信感を抱かせるうえに、面接の印象が悪くなってしまいます。

面接官によっては細かく尋ねてくる人もいます。その場合ウソなどをつくと面接の段階によっては今後のリカバリーが難しくなってくることがあります。どうしてもウソなどを織り交ぜる場合は面接官から質問などをされた際に、冷静に対応できる範囲にとどめておくのがベターです。

趣味が音楽鑑賞と伝える例文3選

人それぞれ音楽に対する思いや感覚は異なりますが、ここはあくまでもアピールポイントとなる文章を書きます。「仕事において音楽鑑賞という趣味がどのように影響するのか」「どこに活かされるのか」などを具体的な経験、取得したスキルなどと合わせてアピールしましょう。

ただ音楽が好きな内容であったり、好きなジャンルを答えるだけでは意味がありません。その趣味によって自分にもたらされた知恵、思考などを文章にしていきましょう。それが後の面接時への対応を容易にする準備段階、つまり自己分析と言えるでしょう。具体的に職務にどのように影響するのか書いていくことが大切です。

例文①

私の趣味は音楽鑑賞です。私はさまざまな音楽に触れることで気持ちの切り替えができるようになりました。私は中学生の頃に音楽を聴き始め、そこからさまざまなジャンルの音楽を聴くようになりました。
音楽には細かいジャンルがあり、アーティストや曲によっても世界観は全く異なっています。アップテンポの曲を聴けば気持ちも上がりますし、バラードを聴けば気持ちを落ち着けることができます。私は音楽鑑賞を通して気持ちを切り替える術を学びました。
私は趣味の音楽鑑賞で培った力を活かして、御社でもオンとオフを切り替えてテキパキと仕事をし、たとえミスをしてもすぐに気持ちを切り替えて挽回したいと考えています。

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例文では最初に音楽鑑賞は趣味であること、音楽鑑賞を通して気持ちの切り替えができるようになったことが語られています。冒頭でアピールしたい内容を明確にすることで、具体的な能力についてのアピールができています。また結論の次にそれを裏付けるエピソードが語られていることで、アピールした内容の信頼性も上がりより良いアピールができているでしょう。

エピソードを通して音楽に気持ちを切り替える力があること、それを趣味として続けることで、気持ちを切り替える能力が身に付いたことが証明されています。また締めの文章では趣味で培った力を活かして働くということ、そしてミスをしても気持ちを切り替えて挽回するなど具体例を挙げることで仕事への再現性もアピールできています。

例文②

私の趣味は、クラシック音楽を鑑賞することです。クラシック音楽には起承転結がしっかりとあり、人と話をするときや、文章を作成するうえで非常に役立っています。中でもベートーヴェンの第九章が好きでよく聞いています。
序盤は静かに始まりますが、後半は大合唱を迎え完結していきます。序盤のイメージでは想像できない程の終わり方に感動します。私は、会話や文章においてしっかりと起承転結を意識して作成することを大切にしています。職務の中でも始まりから終わりまでしっかりと計画し、そのプロセスにそって仕事をこなし、メリハリを付け貢献していきたいと思います。

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例文ではクラシック音楽の構成を述べ、仕事にメリハリを持たせることや計画性の重要性が語られています。ここでの起承転結とは、計画することを意味してます。大合唱を、職務完了成功に例えているのです。仕事において計画性、計画の実行、完了は非常に大事な要素であり、与えられた職務に向かう姿勢、具体的な方法が盛り込まれています。アピールポイントは計画・メリハリ・完結です。

例文③

私はジャズを良く聞いています。不規則なリズム、コード進行の中にさまざまな楽器のソロが入ってきてアドリブでひとつの作品が作られます。私はジャズのように、臨機応変に対応することを日々心掛けています。
会話の中で話が変動したときなども、冷静に内容を整理して自分の意見を述べるようにしています。仕事において急な頼まれごとをされた時など、持ち前の対応力を発揮していきたいです。

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仕事は毎日同じことをするとは限りません。時に急な職務を頼まれることがあります。例文ではそのような突然の仕事を頼まれた時、それに対しても対応することが出来ることをアピールしています。また、様々な楽器で作品を作ることは協調性を意味します。社内においても、社員と共同作業に励むアピールともなるでしょう。対応力・協調性をアピールしてください。

就活で音楽鑑賞を趣味にするなら仕事と絡めよう!

就活では自身の人柄や人間性を知ってもらうことが大切であり、それらを知るための手がかりとなる趣味を問う質問は実は重要なものです。たかが趣味の質問と軽視されることも多いですが、趣味の質問であっても上手にアピールができれば評価を上げることができます。

就活は小さなことの積み重ねで合否が決定しますので、1つひとつの質問は大事にしなければなりません。趣味をアピールするのであれば仕事と絡めてアピールするということが大切です。アピール次第では音楽鑑賞であっても仕事と絡めることはできます。趣味そのものも大切ですが、その取り組み方などから仕事への関係性を考えて、趣味を上手にアピールしていきましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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