業界研究

食品業界の仕事内容を職種別に公開【企業情報・売上高ランキング付】

食品業界とは

食品業界は人々の生活には欠かせない業界であり、その安定性の高さから就活生にも人気の業界です。食品業界は給料や雇用が安定しているなどのイメージが強いですが、業界内での動きがないわけではありません。

業界は常に変動しているものですし、業績もさまざまな推移を見せています。食品業界を志望するのであれば、業界の動向などを知ることも大切です。業界についての基本的な知識を身に付け、食品業界のことを知っていきましょう。

食品業界

食費業界は堅調な業績を見せている業界であり、業績は若干の成長傾向のまま順調に推移しています。業績は堅調であるものの、伸び率に悩むことも多く、またさまざまな問題も抱えています。

食品業界に大きな影響を与えているのは円安と少子高齢化など市場の変化です。円安が固定化されたことによって、原材料の輸入にかかるコストが上がり、商品の値上げや内容量を減らすなどの工夫を余儀なくされている企業は多いです。

また少子高齢化によって市場規模は縮小しつつあり、国内市場は長期的に見えても縮小傾向にあります。国内市場の縮小に伴う業績悪化を防ぐためにも、海外市場に目を向け、海外への事業展開を急いでいる企業も多いです。国内外での事業展開が今後の食品業界では必要になるでしょう。

食品業界の業績推移について

  • 業界規模19兆2,940億円
  • 平均年収585万円
  • 平均継続年数19年

食品業界の業界規模は19兆2,940億円と大きく、国内の他業界と比べても大きい産業だと言えます。食品業界は堅調に推移しているものの、国内市場では業績の行き止まりを感じている企業も多く、いかにして海外展開を進めていけるかが、業界規模拡大のカギになっています。

平均年収は585万円であり、他の業界と比べても平均的な金額です。国内トップの企業であれば1,000万円近い年収を獲得することもできますが、基本的には600万円前後であることが多いでしょう。

平均継続年数は19年であり、これは他の業界と比較しても長い傾向にあります。人が生活していくためには食品は欠かすことができませんし、業界としても安定した企業が多いのが、平均継続年数が高い理由だと言えます。

食品業界の課題と現状

食品業界の課題と現状について解説していきます。食品業界は人類が生きていくために必要な食を支えてきた業界です。昔から地域に根付いていた産業でもあり、歴史ある業界です。そのため、市場規模は大きく、労働者人口も多いのが特徴です。しかし、そのような食品業界にも大きな課題があります。今回は3つの課題についてご説明します。

・食の安全性
日本は特に食の衛生レベルが高く、衛生問題には敏感な国といわれています。食における衛生問題を起こさないように衛生環境を維持する企業努力を続けていくことが求められます。

・コスト
産地偽装や物価高騰などの問題にも直面しています。生産地の管理を徹底していくことで、コストが積み重なり、従来と同じ価格のまま食品を販売することが難しくなっています。

・人口減による売上減
すぐ先に待ち構えているのが人口の減少問題です。人口が減るということは市場が小さくなるということです。消費者が減っていくことになります。そもそもの市場が小さくなっていくことにより、売上も減衰していくことが予測されています。

食品業界の細かい職種分類について

  • 研究開発
  • 生産開発
  • 生産管理
  • 営業・販売促進

食品業界の職種としては、研究開発、生産開発、生産管理、営業・販売促進が挙げられます。この4つの職種について、詳しく見ていきましょう。

研究開発

研究開発職についてご説明します。研究開発職は、技術職や商品開発職とも呼ばれ、実現したい味を作るために研究を重ね、新商品を作る職種です。そして試作や試食を何度も行い、味の改良をしていく仕事です。

新商品はシーズンごとに切り替わっていき、店頭に並ぶ数週間前までには商品の完成まで終わらせます。スピード感をもって業務に取り組み、商品を仕上げていきます。研究職といっても、味の合成や施策が中心なので、研究所内での活動がメインになります。しかし、商品のコンセプトなどの説明やプレゼンテーションをすることもありますので、人と話す機会は多いです。自分が作った味を相手に納得させるための話術が求められる職でもあります。

生産開発

次に生産開発職について紹介します。生産開発職は、商品の製法を検討する仕事です。商品の生産に必要な工場ラインの見直しや改善を行い、効率よく生産できる方法を見出します。工場とのやり取りが必要なので、コミュニケーション能力が求められます。そして、上記で紹介した研究開発職の人と協力して、試食や試作を行い、どのような工程で商品を作り上げていくかを検討していくことも重要な役割となっています

。例えば「工場はどれくらいの期間稼働させて納品するべきか」というように納期の調整などをします。時には営業やマーケティング部の人と一緒に話し合い、商品の完成までに必要なスケジュールを決定することもあるので、あらゆる部署から頼られる職種でもあります。

生産管理

生産管理職は、商品を作るために必要な材料を管理します。企業によっては上記の生産開発職と同じポジションの人が兼任していたり、業務内容が一部同じだったりしますが、基本的には原料を調達して管理するのが生産管理職に当たります。どれくらいで原料がなくなり、補完していくべきかを管理し、原料に穴が出ないように調整します。工場内で生産管理を行い、本部に日々の報告を上げる形式の企業が多い傾向にあります。

ときには生産地開拓のために、地方に赴き野菜などの試食をしたり、農家との契約を成立させたりします。生産管理職は、原料の管理から新規開発も行うので、幅広い知識が必要とされますが、多岐に渡る活躍ができるので、やりがいのある職種ともいえます。

営業・販売促進

営業・販売促進は、自社製品をスーパーマーケットやコンビニエンスストアに置いてもらうように交渉する職種です。直接スーパーマーケットなどの担当者に交渉することもあれば、卸業者に商品を卸すこともあります。他にも、スーパーマーケットなどのチラシに自社製品を優位に掲載してもらうための交渉をしたり、売り場での陳列を効果的にしてもらうための販促グッズを届けたりすることも仕事になります。

近年ではオンラインショップの利便性がから、直接店舗に行かない消費者が増えましたが、オンラインショップならではの特典をつけることで、オンラインショップの売上も好調な企業も見受けられます。営業・販売促進は消費者に自社製品を届けるために必要なポジションです。食品業界の求人数でも、営業・販売促進職は一番多い求人数となっています。

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業界の主要トピック3つ

業界についての理解を深めるためには、業界で起こっている出来事やニュースなどに目を通しておくことは大切です。業界では日々、さまざまな問題が起こっていますし、変化も起こっています。

業界に関する基礎知識だけではなく、現在の業界の状態について詳しくなっておくことも大切ですので、就活中はこまめにニュースなどに目を通しておきましょう。食品業界の主要なトピックを知ることで、業界研究をさらに深めていくことができます。

①M&Aで中小食品メーカーは救われる?

東洋経済オンラインによると、ヨシムラ・フード・ホールディングスが中小規模の受け皿として活躍し、事業規模を拡大していることを報じています。ヨシムラ・フード・ホールディングスは2008年に設立された組織であり、グループ全体で成長を図る異色のベンチャー企業です。

中小規模の食品メーカーを買収し、それぞれの課題を解決して、強みを伸ばしていくことで多くの食品メーカーを救ってきました。楽陽食品はチルドシューマイの国内トップメーカーでしたが、10年前までは赤字経営に苦しんでいました。楽陽食品はは2008年にヨシムラ・フード・ホールディングスの傘下に入り、そこからわずか1年で業績を黒字に戻し、現在では売上高の2ケタ成長が続いています。

売上増加の背景には、高性能のシューマイ自動製造装置を導入、そして小売り大手のプライベートブランド商品の製造も開始があります。これらの事業改革によって楽陽食品は大きく経営を回復させ、それを手助けしたのが、ヨシムラ・フード・ホールディングスです。ヨシムラ・フード・ホールディングスでは今後も更なる買収を続けると発表しており、中小規模の食品メーカーの受け皿としての機能が期待されています。

②食品の賞味期間表示変更へ

食品の賞味期限などの表示を現在の「年月日」から日付を省略した「年月」に変更する動きが広がっています。食品メーカや小売業者の中では、まだ食べられる食品の廃棄をしてしまう、食品ロスに長年頭を悩まされていました。

食品ロスは企業間だけではなく、社会問題にもなりつつあり、それを改善するために、食品メーカーや小売業者の間で、賞味期間の表示変更の動きが高まっています。賞味期間を年月日から年月に変更するのは、単に商品を長持ちさせるだけではなく、賞味期間の幅を広くすることで無理な安売りを防ぐことも考えられています。小売業者では賞味期間が近くなった商品に関しては値下げを行うことも多くありましたが、これが収益の悪化の原因です。

またメーカーからの商品に対しても、賞味期間が近づいたものは受け付けない慣習もあり、食品メーカーにとっても収益悪化になっていました。賞味期間の幅を持たせることで、お互いの損益を回復し、かつ適性価格で商品が提供できると考えられ、今回の動きは広まっています。現在ではすてにいくつかのメーカーが賞味期間が長い商品に対して表示の変更を導入しており、今後もさらに表示の変更が進むでしょう。

③味の素・冷凍ギョーザを世界発信

東洋経済オンラインによると、冷凍食品メーカー大手の味の素は東京に赤坂に焼きギョーザをメインとしたレストラン「GYOZA IT.」を開業することを発表しています。「GYOZA IT.」開業の目的は日本式の焼きギョーザを世界に発信することと味の素の吉峯社長は語ります。ギョーザ発祥の地は中国ですが、中国の餃子は日本でいうところの、水ギョーザや蒸しギョーザが主流です。

ギョーザと言えば焼きギョーザをイメージするのは、日本独自のことであり、世界進出に向けては本場中国の壁を突破する必要があります。中国では焼きギョーザはほとんど展開されておらず、今後の日本からの広がりに注目が集まるでしょう。また焼きギョーザの展開は中国だけではなく、全世界への発信が目論まれています。

世界各国ではギョーザの文化がない国も多いですが、ギョーザのように小麦粉で作った皮で具を包む料理はさまざま存在しています。実際に北米ではギョーザは人気が出ており、ギョーザは世界でも活躍の見込みがある商品です。

味の素はフランスの冷凍食品メーカー、ラベリ・テレトル・スージェレ社を買収するなど世界発信の準備を着々と進めています。焼きギョーザの世界展開がなるかは今後も注目が必要ですが、第一の関門として「GYOZA IT.」の成否が問われるでしょう。

売上高ランキングTOP10

上場企業の売上高ランキングを毎日更新しているUllet(ユーレット)のデータを参考に、食品業界の売上高ランキングTOP10をご紹介します。皆さんが日常生活をするうえで、テレビCMやスーパーマーケットなどで必ず目にしたことがある企業がランクインしています。

第1位 日本たばこ産業 売上高2.1兆円
第2位 アサヒグループホールディングス 売上高2兆円
第3位 キリンホールディングス 売上高1.8兆円
第4位 明治ホールディングス 売上高1.2兆円
第5位 サントリー食品インターナショナル 売上高1.2兆円
第6位 日本ハム 売上高1.2兆円
第7位 味の素 売上高1兆円
第8位 山崎製パン 売上高1兆円
第9位 コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス 売上高8,726億円
第10位 伊藤ハム米久ホールディングス 売上高7,925億円

主要企業5選紹介

就活では業界についての理解を深めることも大切ですが、それと併せて企業への理解を進めることも大切です。企業研究がしっかりとできていなければ、効果的な志望動機や自己PRを作成することはできませんし、企業に対して意欲を伝えることができません。

企業に対して意欲を伝えるためには、しっかりと企業研究ができていることをアピールする必要があります。業界だけではなく、企業についても深い知識を身に付け、食品業界への理解をさらに深めていきましょう。

①日本ハム株式会社

  • 企業名:日本ハム株式会社
  • 代表者名:末澤 壽一
  • 従業員数:2,372人
  • 設立年月日:1949年5月30日

日本ハム株式会社は、肉製品製造業や食肉卸売業を行っている企業です。企業名にもあるようにハムやソーセージなどの食肉食品に強みがあり、粗挽きのウィンナーソーセージの「シャウエッセン」などが有名です。食肉商品を始めとして、乳製品天然系調味料、健康食品などさまざまな分野で事業を展開しています。

またプロ野球チームの「北海道日本ハムファイターズ」やサッカーJリーグの「セレッソ大阪」なども関連企業です。食品の業界を越えて、さまざまな人に指示され、長年愛され続けている企業です。

日本ハムではチャレンジ精神を持って仕事を進めることが大切にされています。企業として挑戦できる社風にあり、向上心が高く、積極的な人におすすめです。

②明治ホールディングス株式会社

  • 企業名:明治ホールディングス株式会社
  • 代表者名:松尾 正彦
  • 従業員数:16,726人
  • 設立年月日:2009年4月1日

明治ホールディングス株式会社は、食品、薬品などの製造や販売などを行う企業です。2009年に「明治製菓」と「明治乳業」の経営統合を行って設立された企業であり、それぞれの企業の特性を併せた強みを持っています。

また2011年には食品会社の「明治」や薬品会社の「Meiji Seika ファルマ」とも経営統合を行うなど、事業規模を拡大し、さまざまな分野へと事業を展開しています。お菓子や牛乳、乳製品などに強みを持ち、国内外で活躍するグローバルな企業です。

明治では個性豊かな人材、チャレンジ精神が旺盛な人材が求められています。社風としてもさまざまなことに挑戦できる環境であり、好奇心旺盛、かつ向上心の高い人に向いている企業だと言えます。

③味の素株式会社

  • 企業名:味の素株式会社
  • 代表者名:西井 孝明
  • 従業員数:3,459名 (連結32,734名)
  • 設立年月日:1925年12月17日

味の素株式会社は、東京に本社をおく食品会社です。調味料や加工食品、冷凍食品などに強みを持ち、食品業界内でも高い地位を獲得しています。また国外にも広く事業を展開するグローバルな企業であり、現地に合わせた製品開発を行う、「現地主義」が特徴でもあります。

現地の食文化や嗜好などに合わせて商品開発を進めることで、海外でも高い評価を獲得している企業です。独自の商品開発に強みを持ち、国内外で広く食品業界を支えている存在でもあります。

味の素では強い意志を持って挑戦し続けられる人材が求められています。企業としても挑戦を後押しする社風であり、高い向上心と粘り強さを持って働いている人が多い企業です。最後まで諦めない強い気持ちと責任感が求められます。

④山崎製パン株式会社

  • 企業名:山崎製パン株式会社
  • 代表者名:飯島 延浩
  • 従業員数:18,628人
  • 設立年月日:昭和23年6月21日

山崎製パン株式会社は、パン、和洋菓子、調理パン、米飯類の製造販売などの事業を手がける企業です。また食品の製造販売だけではなく、ベーカリーの経営やコンビニエンスストア事業など、幅広く事業を展開しています。山崎製パンはパンの製造、販売に強みがあり、全国でも高いシェア率を誇っています。

またパンに関連したジャムや加工食品などにも強みがあり、関連商品でも高い売上を獲得している企業です。日本国内だけではなく、東南アジアやアメリカなどにも事業展開を行い、グローバル企業へと成長している企業でもあります。

山崎製パンの求める人材像としては「共感」、「実行」、「挑戦」が挙げられています。社風として挑戦を実行に移しやすい企業であり、周りのサポートも充実しているため働きやすい企業です。

⑤伊藤ハム株式会社

  • 企業名:伊藤ハム株式会社
  • 代表者名:柴山 育朗
  • 従業員数:1,747名
  • 設立年月日:1928年(昭和3年)4月

伊藤ハム株式会社は、食肉加工食品の製造・販売、食肉の加工・販売、調理加工食品・惣菜類の製造・販売の事業を手がける企業です。ハムやベーコン、ソーセージなどの商品が主力であり、高い売上を誇っています。また乳製品などの人気も高く、幅広い年代の消費者に支持されている商品も多いです。

伊藤ハムはさまざまな企業との経営統合により事業規模を拡大し、10を超える巨大な企業グループになっています。2016年には米久と経営統合を行い、グループとしては世界で9番目の規模を誇っています。

伊藤ハムで求められているのは自ら考え、主体的に行動して挑戦できる人材です。さまざまなことに挑戦できる社風であり、新しいことにも挑戦していける環境にあります。

食品業界に求められる人材

食品業界に求められる人材について解説ます。近頃の日本人の食の好みは、健康志向にあるといわれていて、減塩やオーガニックなどが流しています。このように食品にもトレンドがあり、企業はこぞってトレンドに合わせた商品を展開しています。そうすることで、消費者も購入意欲が掻き立てられ、消費につながっていきます。

日常生活に必要な食品を扱うからこそ、食にまつわる旬な情報をキャッチしていかなければ、市場では何が流行っているのかが見えにくくなってしまいます。顧客の声に目線をやり、今何が流行っているのかを積極的に見つけ出し、それを知識として重ねていくことが求められます。

そして、多くの方に満足してもらえる食品を提供するためには、チームを引っ張るリーダー気質の方が適しています。競合他社が多い食品業界は、常にブームが移り変わり、類似品も多く、商品数が多いです。ライバルたちに負けずに、必ず自社の商品をお客様に届けたいという熱い思いがなければいけません。

トレンドに敏感な人

さて、食品業界に求められる人材は「トレンドに敏感な人である」とご説明しました。トレンドに敏感な人というのは、具体的にいうと、消費者が何を求めているか把握しているということです。消費者が欲しいものを読み取り、手元に届けることが重要です。昨今のトレンドは、ネットスーパーや健康食品です。ネットスーパーのようなオンラインショップでは「ポイント10%還元」「5,000円以上で送料無料」というような文言をよく見るでしょう。

実店舗を通さず商品を届けることができて、コストカットも実現し、加えてお得な特典をつけることができました。すぐに注文できる利便性からも消費者の定着が進みました。

一方で、健康食品やサプリメントなども市場が拡大傾向にあり、特にトクホ(特定保健用食品)の商品は大流行したともいえます。このようにブームというのは常に変動していき、消費者が欲しいものはどんどん移り変わっていきます。情報収集する力が強いと、次に消費者が欲しいものをある程度予測することができます。そうすることで売上に直結していくのです。

チームを引っ張るリーダー気質の人

チームを引っ張るリーダー気質の人も食品業界に向いています。食品業界は類似品が多い世界です。スーパーマーケットではハムひとつでも、何十種類ものハムが陳列されており、どのハムを買おうかと迷った人も多いはずです。このように食品業界の特徴というのは、競合他社が多いということが挙げられます。

そのため、1つの商品を作り上げるためには、他社へのライバル意識を持ち、チームのモチベーションを上げて引っ張る人材が必要といわれています。ライバルが多いと「おいしい物を作ってお客様に提供したい」というやる気だけでは、顧客にヒットする商品は生み出しにくいのが現状です。

「どこの企業よりもおいしい食品を作り、さらには理想とする味を作り上げたい」という強い意思を持って、目標のためにチームで頑張り続けることが求められます。そのため、チームを引っ張るリーダー気質の人が向いているのです。

食品企業を希望する人は先輩のESも参考にする

食品業界を目指す人にさらに業界研究でおすすめなのが、食品業界大研究Bookです。この資料には、食品業界のビジネスの成り立ちから、主要企業の決算比較、各企業ごとの求める人材などが記載されています。業界研究に加え、企業研究もはかどる一冊です。

また、企業研究の次は、ESの作成でしょう。この資料には食品業界に内定をもらった先輩の志望動機や自己PRが記載されています。どのように志望動機を書いたらいいのか分からない人は特に、まず手に取って先輩のESを参考にしていきましょう。

業界を深く知り就活を有利に進めよう!

食品業界は堅調な売上を誇っていますが、長期的な視点で見れば国内市場は縮小傾向にあり、他にもさまざまな問題を抱えています。業界の情勢は移り変わるものですので、業界研究を念入りに行い、食品業界の課題や展望を知って、就活に役立てていきましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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