就活その他

【社員寮のメリット・デメリット】形態の種類などを詳しくご紹介

社員寮とは

就職活動をするにあたって、地元を出て働こう考えている就活生も多いことでしょう。そう思う方々が内定を得た後に考えなければならないことの1つが、「住まい」です。ただ家賃というのは、生活に結構重くのしかかってくるものであり、なるべく安くしたいと思う方も多いでしょう。

そんな時に便利なのが、「社員寮」です。社員寮とは、企業が社員の福利厚生の一環として用意する居住施設のことを言います。とは言っても「どういうものかわからない」という人も多いでしょう。実は住んでみるといろいろ良いことがあるかもしれません。

この記事では「社員寮」に焦点を当て、社員寮と呼ばれるもののカテゴリ分けから、そのメリット・デメリットまでをまとめてご紹介していきます。

社員寮の種類は大きく2つ

冒頭で、「社員寮」は企業が提供している居住施設のことであると説明しました。ただ、ひとくちに「社員寮」と言ってもその形態はさまざまであり、「独身寮」や「単身赴任寮」、「社有社宅」、「借り上げ社宅」などが挙げられます。

詳しくは後ほど解説していきますが、とくに「借り上げ社宅」は4つの中でも性質が異なるので、すべて「社員寮」とひっくるめて考えているというのもあまりよくありません。

ここでは社員寮の種類を「独身寮・単身赴任寮・社有社宅」と「借り上げ社宅」の2つの分類に分けてご紹介していきます。

独身寮・単身赴任寮・社有社宅

独身寮・単身赴任寮・社有社宅の共通点は、「場所が決まっている」というところです。雑多な手続きは会社がしてくれるので、本人としては指定された住居に向かうだけというのが良いところでもあります。

「独身寮」は、一定年齢以下の未婚の社員が住むことのできる住居施設のことを言います。「単身赴任寮」は、その名の通り単身赴任の際に利用できる居住施設です。

「社有社宅」はよくあるアパートやマンション・団地のようなもので、1棟丸ごと企業が持っている(または借りている)居住施設のことを言います。独身寮とは違って、家族と一緒に生活することができます。

借り上げ社宅

借り上げ社宅というのは、厳密にいうと「寮」ではありません。決められた場所に住むのではなく、場所は個人が好きなところを選ぶことができます(条件が付いている場合もあります)。そのため、人によっては一軒家タイプの借り上げ社宅に住んでいる方もいることでしょう。ただ、家賃に関しては数割~全額会社が負担してくれるというところから、寮のような役割を果たしているのです。

現在では、ほとんどの企業がこのタイプを採用しています。どちらかというと「手厚い住宅手当」と考えた方がしっくりくるという方も多いかもしれません。また、部屋のインテリアなどの自由度が高いのもこちらです。

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社員寮のメリット7つ

ここまで社員寮がどういうものなのかを紹介しましたが、まだ住むと決めるまでには至っていない方も多いことでしょう。

入社してからしばらくの拠点を決める選択を迫られているのですから、慎重になるというのも当然のことです。住んでから何かあっては困りますから、社員寮に関してのメリット・デメリットも必ず熟知しておかなくてはなりません。

ここからは、社員寮に住むメリット・デメリットのうちの「メリット」をまずご紹介していきます。7つの良い点を紹介していくので、今後の生活の拠点を決める際の参考にしてください。

①家賃が格安

1つ目のメリットが、「家賃が格安」だという点です。社員寮は社員の福利厚生の一環として建てられているものなので、住むために必要な家賃を企業が数割~全額負担してくれます。自由に使えるお金の少ない新入社員にとっては、ありがたい制度だと言えるでしょう。

社員寮に住む場合、社員が実際に負担する家賃の相場としては、無料~3万円くらいのところが多いようです。居住地の周辺相場よりもはるかに安い価格に抑えることができるのでお得に住むことができます。

家賃を低価格に抑えることができれば、浮いたコストをほかのことに回すことが可能です。趣味に回すもよし、将来の生活に向けての貯金に回すもよし。それだけでも仕事へのモチベーション向上につながるのではないでしょうか。

②水道代・光熱費などの経費を負担してくれる企業もある

2つ目のメリットが、「水道代・交通費などの経費負担」がある点です。

このメリットが受けられるかどうかは企業によるのですが、住むための費用を負担してくれるだけでなく、生活に欠かせない水道費や光熱費などの経費まで会社がもってくれるところもあるようです。これらは現代の生活には欠かすことはできないため、毎月必ず出費する項目です。

この恩恵を受けられる場合には、家賃補助と合わせてこれらの最低限必要なコストをかなりカットできることになりますので、プライベートやQOL(生活の質)の充実や将来に向けての貯金など、自身の目標やインセンティブ向上のために仕事にもさらに身が入るのではないでしょうか。

③食堂が付属しているところもある

3つ目のメリットが、「食事補助」です。企業によっては社員寮の中に食堂を設けているところもあり、そこでは安い金額で栄養バランスのとれた食事を摂取することが可能です。

一人暮らしをしていると、仕事の忙しさに追われ、食生活はついつい偏ってしまいがちです。大学生までに一人暮らしを経験したことがある方の中にも、同じような状況になったことのある方は多いのではないでしょうか。

栄養バランスが偏ってしまうと、良いパフォーマンスにもつながりません。会社としてもそのような人がたくさんいるというのはまずいので、食事のサポートを福利厚生の中に入れているのです。

④社員間での交流が活発になる

4つ目のメリットが、「社員間交流」ができる点です。

入社と同時に地元を離れる必要がある場合、見知らぬ環境での暮らしに不安を感じる方もいることでしょう。そのような場合でも、とくに独身寮であれば、比較的年の近い社員と同じ屋根の下で暮らすことになります。そのため、社員寮内でもほかの社員と交流を重ねることで、孤立せずに社内環境になじみやすくなります。

また、社員同士仲良くなることでチームワークや絆が生まれるので、仕事の効率を上げられることにもつながります。きっとそのことは、仕事を楽しいものだと思わせてくれることでしょう。同じ「働く」であるのであれば、楽しいほうが良いと思っている方は多いはずです。

⑤会社から近いまたは利便性の良い場所にある

最後にご紹介する5つ目のメリットが、「利便性の良さ」です。これも「独身寮・単身赴任寮・社有社宅」に住む場合に受けられる事の多い恩恵の一つです。

社員寮がどこにあるのかというのは企業によるのですが、比較的会社に近い、もしくは通勤しやすい場所にあることが多いです。勤務地が近くにあるということは、さまざまな良い点をもたらしてくれるはずです。

例えば、会社の最寄駅と社員寮のそれが同じである場合には、毎日満員電車に揺られることもなくなるので、憂鬱な気分になる要因を一つ取り除いてくれます。

なお、「借り上げ社宅」に住む場合には、最終的にどこに住むかは自分で決めることになるので、この恩恵を受けられるかどうかはその判断次第です。

⑥駐車場が無料のケースが多い

社員寮のメリットのひとつとして、駐車場が無料で利用できるケースがあります。自分の車を保有するようになると、駐車代が思いのほか重い負担になることを実感するようになります。「余計な負担を背負いたくないし、車はいらないかな」と思う人もいることでしょう。

しかしそうは言っても立地上の問題から、車を持っていなければ繁華街へ出るのが難しい場合もあります。そのため社会人になると自分の車を購入する人は多いのです。社員寮の駐車スペースにはもちろん限りがあります。

必ず利用できるとは限りませんが、空いているのであれば、無料で利用できることが多いのです。駐車場を無料で利用できることで、お金の負担を軽くすることが出来、他のところへ浮いたお金を回すことが出来るようになるのです。

⑦1人暮らしが不安な女性には心強い

社員寮のメリットとして、一人暮らしが不安な女性が安心できる点も挙げられます。近年、一人暮らしの女性を狙ったストーカー被害などが相次いで発生しています。「社会人になり、一人暮らしをしたいけど、周りに知り合いがいないのは不安だな」と感じる人は多いことでしょう。

社員寮であれば、すぐ隣に同僚が住んでいるので安心して生活することが出来ます。また管理人も常駐していることが多く、その点も心強いです。同じ支社の先輩、同僚が同じ社員寮にいるのであれば、会社の帰り、暗い夜道を歩くことになっても、1人でなく複数人で帰ることが出来、安心して帰宅することが出来ます。

一人暮らしに不安を感じる女性は多いです。その不安を取り除くものとして、社員寮は活用できるものなのです。

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社員寮のデメリット6つ

メリットを知って「決めた!」となるのはまだ早いです。「住む場所」という重要な選択を迫られているのですから、良い面だけではなく悪い面も必ず見ておかなくてはなりません。

とくに、先ほどカテゴリ分けした中での「独身寮・単身赴任寮・社有社宅」の場合には、メリットを取る一方で我慢しなければならないポイントも多くありそうです。

ここからは、社員寮に住むことの「デメリット」をご紹介していきます。メリットと同じく6つ挙げますので、良い点と比較して自分にとって合うのか合わないかを考える材料としてお役立てください。

①仕事とプライベートの境目が曖昧になる

デメリットの1つ目が、「仕事とプライベートの境目が曖昧になる」という点です。「社員が住むための施設」という性質から、仕事・家の周りには同じ会社で働いている人が常にいることになります。そのため、生活のすべてを会社から切り離すことが難しくなってしまいます。人によっては、切り替えが難しくなると感じることもあるようです。

また同じ理由から、必然的にほかの社員の方とも生活圏が被ることになります。そのため、プライベートでも社内の人に遭遇する確率は高く、「常に監視されている」とストレスを感じてしまう可能性があります。プライベートは会社のことを忘れ、のびのびと過ごしたいと考える人には向いてないといえるかもしれません。

②会社の上下関係が妻や子供の関係にも影響を及ぼす

デメリット2つ目が、「会社の上下関係の影響を受けやすい」ことです。これは主に「社有社宅」に家族で住んでいるケースに起こりやすい光景です。

将来子どもを持ったとして、コミュニティーの中に子持ちの世帯が複数存在しているならば、パパ・ママの集まりに参加することになるかもしれません。そんなとき、会社での上下関係がその集団の中でのヒエラルキーにそのままスライドされてしまうということが多くあるようです。

また、それが子ども同士の上下関係にも影響を及ぼす可能性もありますので、将来子どもを持ちたいのであれば懸念しておくべきでしょう。

③部屋の中を好きにいじれない

デメリットの3つ目は、「部屋の中を好きにいじれない」という点です。これは、「独身寮・単身赴任寮・社有社宅」の場合に起こりがちな問題となっています。

社員寮はあくまで「賃貸物件」、借りものです。部屋の雰囲気を変えたいと思ったとしても、壁紙の張替えなどの大掛かりな模様替えはできないと思っておいたほうが良いでしょう。さらに、家電・家具備え付けのところであれば、さらに自由度は下がってしまいます。

それは、家電などをそろえるためにかかるコストを抑えたい方にとってはうれしいメリットとなりますが、家の中を自分だけのこだわり空間にしたいと思っているような方にとっては不向きだといえるでしょう。

④古い・汚い場合はストレスになる

デメリット4つ目は、「建物自体が古い、汚い」可能性があるという点です。これも「独身寮・単身赴任寮・社有社宅」にありがちな問題点です。

今残っている社員寮は、バブル期に建てられたものが多く、それを前にして年季を感じることもあることでしょう。古いだけならまだしも、予算の都合からあまりメンテナンスにお金をかけてもらえないので、施設内が汚いと感じられるようなケースも多数存在します。

これも企業がどのような施設を持っているのかによるのですが、これによって社員寮に住むことがストレスをため込んでしまういち要因となってしまうかもしれません。外観・内装などに清潔感を求めるのであれば、事前のチェックを怠らないようにしましょう。

⑤独自のルール・規則がある

最後にご紹介する5つ目のデメリットが、「独自のルール・規則」があるという点です。これはどの独身寮にも何かしらの定めがあることでしょう。

具体的な例としては、清掃活動などの「奉仕活動」や共有スペースの利用時間、外出時の「門限」などが挙げられます。そのほかにもその会社独自の厳しいルールがある場合もあり、守らないと会社内でも白い目で見られることになるかもしれません。

しかし、これは防犯上の理由や社員寮の美観を守ることなどのメリットにつながっている部分もあります。わずらわしく感じることもあるでしょうが必ずしも悪だとは言えません。

⑥風呂やトイレが共同の社員寮もある

社員寮のデメリットとして、風呂やトイレなどが共同になっているところもあることが挙げられます。場所によっては風呂やトイレだけでなく、洗面所など水回りすべてが共同になっているところもあります。このような場合、共同であるため掃除などのメンテナンスも全て管理会社が行ってくれます。

そのため「掃除をしなくてもいつもトイレが綺麗な状態で使える」「お風呂にいつもお湯が沸いている」など、共同であることをメリットと捉える人もいます。しかし一方で「お風呂ぐらい1人でゆっくりしたい」「トイレに行くたびにわざわざ部屋から出ないといけない」など、このことを煩わしく感じてしまう人も多くいます。

あくまでも社員寮である以上は、他の社員と関りながら共同で生活をしていかなければならない部分は少なからずあるのです。「家にいる時ぐらい1人でゆっくり過ごしたい」という人にとって、そのような点がデメリットに思えてしまうのです。

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社員寮にはメリットもデメリットもある!

この記事では「社員寮」に焦点を当て、それがどういうものかというところから、住むうえでのメリット・デメリットまでの基礎的な情報をまとめてご紹介してきました。とくにメリット・デメリットについては、二律背反にあるようなものもいくつかありますので、それらをどちらにとらえるかは人それぞれでしょう。

先述しましたが、この決定は入社してからしばらくの生活の拠点を決める重要なものです。もちろん決めるまでには期限を設けられているでしょうが、それまでの間を有効に使って担当者に質問したり内覧に行ったりするなど、会社の社員寮の良い面・悪い面をすべて明らかにするようにしましょう。それらの情報を吟味し納得したうえで最終的な判断を下すようにしてください。

監修者プロフィール

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吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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