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公務員と民間企業は併願可能! 両立を成功させるための4つのコツ
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目次
公務員と民間企業の併願ができれば広い選択肢で就活が進められる
公務員を志望する就活生の多くは、民間企業との選考との併願について考えてみたことがあるでしょう。それと同時に、「併願は難しい」「併願は大変」と聞いたこともあるのではないでしょうか。
実際に、公務員と民間企業を併願して内定を得るのはどのぐらいの難易度なのでしょうか。どちらか一方でも内定がもらえれば問題ありませんが、どちらも落ちてしまう結果になってしまっては元も子もありません。
しかし、効率よく対策を進めてそれぞれの選考に臨むことができれば、幅広い選択肢を残しつつ最後まで就活を進めることができます。併願するのとどちらか一本に絞るのではどういった違いがあるのか、この記事で詳しくみていきます。
公務員と民間企業を併願することは可能
併願することは、二種類の対策をとる必要があり、一本に絞った場合よりも対策すべき範囲が広くなるのは明らかで、両立は簡単ではありません。しかし、現実的に併願という選択肢をとる就活生も少なからずおり、挑戦することは可能です。
ただ、早い段階からの準備や、効率的な対策が不可欠であるため、現状や自身の状況を鑑みて併願をするのか判断する必要があります。
就活生に聞いた! 公務員試験との併願
公務員試験と民間企業の選考の併願について、スケジュールの現状や、併願のメリットを見ていく前に、実際にどれだけの就活生が、併願で就活を進めているのか、その実情を紹介します。就活生の皆さんの併願の状況がこちらです。
併願をしたと回答した就活生が全体の6.5%と決して多くない割合であることがわかり、併願の難しさを物語っているといえるかもしれません。
しかし、しっかりポイントをおさえ、効率的に対策を進めれば、併願したからこそ得られるメリットを感じながら就活を進めることもできます。就職活動の一つの選択肢として併願を現実的なものとするためにも、まずは現状の把握から進めていきましょう。
公務員試験と就活の現状
公務員になるためには長い試験期間が必要になるため、民間企業との併願は難しいと言われています。しかし、公務員一本に絞り込めばリスクも高くなるものです。安全のために併願を視野に入れるのも十分有効な手段です。
公務員と民間の企業での併願が難しいと言われる理由の一つに、それぞれのハードルの高さがあげられます。特に大企業ではエントリーや就職試験のハードルが高く、面接や試験対策での時間が大きくとられてしまいます。
公務員と民間の試験・就活スケジュール
公務員と民間の併願を考えている人は、それぞれの志望先のスケジュールを把握しておく必要があります。試験や面接などのスケジュールは、年度により変わる場合があるので、受験を考えている人は、具体的なスケジュールをしっかり把握するようにしましょう。
公務員の場合
選考日程は志望する職種によってばらつきがあるものの、国家公務員も地方公務員も3月~4月に願書受付が始まって、1次試験が4~7月、2次試験が5~8月にごろにおこなわれ、8月ごろには合否が出始めます。
公務員になるためには、願書提出後に一次試験、二次試験を通過して初めて合格発表となります。どんな公務員を目指すかにもよりますが、試験時期は結果が出るまで3ヵ月程度かかる場合も多くあります。
そのため、公務員の合否結果が出るころには、採用選考が終了している企業も多く、公務員試験が終わってから民間企業に切り替えることは難しいといえます。
民間企業の場合
一般的には3月から採用情報が解禁され、6月から選考が解禁されています。ただし、最近では「通年採用」をおこなう企業や、早期選考を採用活動に取り入れている企業も増えており、業界ごと・企業ごとに独自のスケジュールが組まれています。
そのため、公務員試験に比べて、選考に参加しやすく、併願するうえで、いかに公務員試験が忙しくなる前に、民間企業の選考に参加できるかが大事になります。
公務員と民間の試験内容
公務員試験と民間企業の筆記試験の内容の特徴は、公務員試験の方が出題範囲が広く、民間企業の試験は、公務員試験の試験範囲の一部と重なる、比較的狭い範囲であることです。
そのため、公務員試験を受ける場合は、民間企業のみを受ける就活生よりも早くから試験対策をする必要があり、併願の場合はさらに多くの問題に触れておく必要があるのです。
公務員試験の内容
公務員の試験は、「教養択一試験」「専門択一試験」「論文(記述)試験」といった筆記試験と「人物試験」とよばれる面接で構成されます。民間企業の試験に比べて、広範囲で専門的な内容になります。
公務員試験の内容
-
筆記試験
教養択一試験
専門択一試験
論文(記述)試験 -
人物試験
個別面接
集団面接
集団討論
地方自治体も人材を確保しなければならないためSPI試験の導入する動きが出てきています。近年は「売り手市場」と呼ばれるほど、企業の採用意欲は高まっており、それに伴って公務員を志望する学生の数は減る傾向にあるからです。
就活生の中には、「公務員試験は難しいからあきらめよう」と考えている方が毎年一定数はいます。少しでも志望者を増やすための策として公務員試験の代わりにSPI試験を採用しているのです。
一方、「人物試験」は個別面接のほかに、集団面接や集団討論が実施される場合もあります。基本的には筆記試験のあとに実施され、民間企業と同様の仕組みになっています。
さらに挙げられる特徴として、公務員試験では試験によって「配点比率」というものが定められ、どの種目をどの程度重視するかという割合を示す指標が公務員の種類によって変わっています。
国家一般職では「専門択一」の配点が高く、地方公務員試験では「面接」の配点が高くなるといった仕組みです。
民間企業の内容
民間選考の試験勉強は、公務員試験の「教養択一試験」内の「数的処理・文章理解」に近い問題に絞られており、狭い範囲での基礎固め・応用問題への慣れが重要になります。
試験に用いられるテストはさまざまあり、代表的なものに「SPI」「玉手箱」「C-GAB」などが挙げられます。いずれも近い出題内容であるため、なるべく多くの問題に触れて、時間をかけずに解くことが高得点のために重要になってきます。
併願のメリット
併願は簡単な道のりではありませんが、選ぶことによって得られるメリットがあるのも事実で、就活生の一定数が併願するだけの理由があるといえます。
ここで、併願のメリットをいくつか紹介していくので、ぜひ自分の就活のプランを考えるうえでの参考にしてみてください。
選択の幅が広がる
併願のメリットとしてはなんといっても、公務員の道も民間企業で勤める道も残したうえで、自分が最も納得いく場所で働ける可能性を残せることです。
公務員試験で合格し、民間企業で内定を得ることができれば、互いのメリットやデメリットをじっくり見比べて、本当に自分がなりたいキャリアプランを見定めることができるのです。
分野によってはそれぞれの対策に応用できる
SPI試験の2つを受験する必要があるのであれば、SPI試験対策は公務員試験対策でカバーできる部分が多くあります。
先述したように、公務員試験は出題される範囲が広く、一朝一夕の勉強ではとてもではないですがカバーしきれません。
一方で、SPI試験の出題範囲も狭いものではありませんが、専門的な知識が問われないぶん公務員試験よりも対策しやすいと言ってもよいでしょう。
そのため、民間企業・公務員どちらも希望する場合には、まず公務員試験の対策を急いだほうが良いといえますが、もとより公務員試験でしっかり対策をおこなっていれば、民間の試験は余裕をもって取り組むことができるでしょう。
SPIと公務員試験の共通点についてはこちらの記事で確認しておきましょう。
就職できないリスクを回避できる
試験の失敗や面接の不出来による就職できないリスクを分散させ回避できるというもの併願のメリットでしょう。
公務員試験は、倍率が高く、試験日が重なることも多いため、民間企業のように複数の試験を受けることができず、就職浪人となってしまうリスクが高いものです。
そのため、公務員試験期間中だけでなく、その前後の時期で民間企業の選考も視野に入れておくことで、就職への道を確保しやすくなるのです。
併願のデメリット
併願にはいくつもメリットが挙げられるものの、デメリットがあることも確かです。デメリットを踏まえずに、それぞれの対策を進めていると結果はついてこないでしょう。
しっかり併願のデメリットを確認したうえで、そもそも併願を選択すべきなのか、どんなことを意識しながら対策を進めていくべきなのかを確認しましょう。
どちらも片手間になり対策が不十分になりやすい
公務員試験の対策すべきは広範囲で専門的だと述べましたが、民間企業の選考が加わるとなれば、企業研究や履歴書やエントリーシートの提出などが必要になり、なかなかひとつの対策に集中できなくなってしまうでしょう。
特に民間企業によっては、面接の回数が多かったり、グループワークがあったりと、必要な対策もさまざまです。それらを十分に対策するには公務員試験の勉強が邪魔になり、公務員試験の勉強のためには民間企業の対策が邪魔に感じてしまうかもしれません。
どちらかに絞っているライバルに比べて、対策が不十分になりやすく、より工夫した進め方をしなければいけないことがデメリットといえます。
公務員と民間の併願で就活を成功させる4つのポイント
ここまで公務員と民間のメリットやデメリットを解説してきました。もちろん併願は難しいですが、しっかりとポイントを押さえて準備することで、併願し、就職活動を成功させることは十分可能になります。
ここでは公務員と民間を併願する際のポイントについて4つ挙げ、解説していきます。公務員と民間それぞれに魅力を感じており、絞り切れないのであれば、後悔しないためにも併願を検討すべきです。以下を参考に併願を成功させる準備をおこないましょう。
①公務員試験の勉強の邪魔にならない程度に就活を進めること
公務員試験に向けて、どれだけ勉強できるかが大切になりますが、同時期に必要なこととして、どれだけ民間企業の選考を進め、内定を獲得できるのかということが挙げられます。
仮に、特に民間企業の選考に参加せず公務員試験の面接まで残ってから落ちてしまった場合、就活期間の半分以上が終わってからの就職先を探すことになり非常にリスクが高くなることが考えられます。
そのため、公務員試験の勉強の邪魔にならない程度にあらかじめ就職活動を進めておくことが併願を成功進めるためには重要です。
②両方ともハードルが高いため前もって準備すること
併願をする場合は、どちらかが中途半端にならないように前もって準備をすることが重要です。就活の解禁前から計画的に備えるのが重要で、難しいと思った場合はどちらかを諦めて専念する潔さも必要だといえるでしょう。
民間との併願にこだわるあまりにどちらも逃すことが無いように、柔軟な思考を持つのも大切なのです。
③SPIや時事問題の対策を念入りにしておく
公務員と民間の併願を成功させるポイントとして、筆記試験対策を念入りにおこなっておくことも挙げられます。公務員試験では、面接への入り口として筆記試験が行われます。この筆記試験は出題範囲が非常に幅広く、一朝一夕の勉強ではとても太刀打ちできないものです。
一方、民間においてもSPIや時事問題が選考過程で取り入れられていることが多いですが、公務員試験における筆記試験と、民間におけるSPIや時事問題に共通または似た問題が出題されるケースがあります。
どちらかのテスト対策が、自ずともう一方のテスト対策にもなるのです。特に公務員試験はより広範囲で専門的な内容が出題されることがほとんどです。民間におけるSPI、時事問題対策も兼ねて、筆記試験対策を入念におこなっておきましょう。
④公務員の職種に共通する企業や業界を志望する
公務員の職種と共通する民間の企業や業界にエントリーするということも併願を考えるうえでは大切です。
公務員で志望する職種と、民間で志望する企業が全く関係のないものであった場合、それぞれ別々に一から志望動機の作成や自己PRの練り上げをおこなわなければならなくなります。
ただでさえ就職活動ではやらなければならないことが多い中、このような進め方をしてしまうと、準備が間に合わない可能性があります。志望先を共通化させ、志望動機や自己PRの整理を効率よくおこないましょう。
就活生に聞いた! 併願で就活を進めるコツ
併願で就活を成功させるためのポイントをいくつか紹介してきましたが、ここでは併願を選んだ就活生の皆さんが実際に取り組む中で意識したことも紹介していきます。就活生の生の声もぜひ参考にして対策を進めてみてください。
民間企業で早期に内定が取れるように対策したという回答が大多数
公務員試験が本格的に始まる前に、インターンの早期選考などにも参加し先に内定を獲得しておけるようにしたという回答が大多数を占めました。
公務員試験に安心して集中的に取り組めるように、先に民間企業での内定獲得を目指したという就活生が多くいました。併願するうえで、時期が確定している公務員試験に対し、早期選考など融通が利く民間企業の選考で調整する必要がありそうです。
どちらの対策にも余裕がなくなる前に、内定を獲得しておけると心の余裕も大きく異なり、試験に対する取り組み方にも影響してくるでしょう。いずれにせよ早めからの対策をしておくことが併願の成功を掴むために重要だといえます。
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公務員と民間のどちらか1つに絞り込むときの考え方
公務員と民間企業は併願可能ですが、中にはどちらか1つに絞り込んだ方がいいと考える人もいるでしょう。公務員と民間企業の選考はそれぞれ違った特徴があるので、併願して内定を得るにはどちらか片方の内定を目指すより倍の労力がかかります。
仕事に対して、働き方などはっきりとした理想を持っている人は、どちらかに絞った方が内定する確率が上がるといえます。では、併願せずにどちらかに絞るためには何を基準にどのように考えれば良いのでしょうか。以下で確認していきましょう。
公務員と民間の違いについてはこちらの記事で確認しておくことができます。
競争意識があるなら民間企業
働いて成果を出したい、出世して高い年収を得たいというような競争意識がある人は、民間企業に絞り込んだほうがいいでしょう。公務員は安定していますが、その分自身の頑張り次第で収入が一気に増えるということはありません。
将来は一生懸命働いてお金を稼ぎたい、会社で一番活躍する社員を目指して同僚に勝ちたいというような性格の人は、公務員になるとやや物足りないかもしれません。
自分の能力を発揮してやった分だけ報われないと嫌だという人は、民間企業の方が向いているでしょう。実力主義の民間企業で販売や営業などの仕事をすれば、成果に見合った収入を得られるはずです。こうした部分が、公務員と民間企業の違いだといえるでしょう。
安定した職業に就きたいなら公務員
安定した職業につきたいという人は、公務員向きといえます。公務員になれば、ほぼ確実に週休二日制で安定した収入を得ることができ、プライベートな時間を充実させることができるでしょう。
また、年功序列で年収も徐々に上がるため、将来のライフプランを設計しやすいといえます。社会的な信頼もあるため、ローンなどのお金を借りやすいという面もあります。
公務員は利益を生むことが目的の組織ではないため、潰れて働けなくなってしまうこともまずありません。
逆に、民間企業は将来潰れないという保証はありません。急激な成長を遂げて繁盛したとしても、突然倒産する可能性がなくなることはないのです。そういった点を踏まえて考えてみると、公務員になることは安定しているというのが一番のメリットです。
公務員試験の面接カードの書き方についてはこちらを参考にしてみてください。
就職後にキャリアの転向という選択もできる
新卒での就職のタイミングで、公務員か民間企業かを決めたからといって、そのまま公務員なら公務員、企業勤めならそのまま会社員としてキャリアを歩まなくてはいけないわけではありません。就職後、どちら側にもキャリアを転向することが可能です。
併願には、どちらも片手間になり対策が不十分になりやすいというデメリットもあるため、まず就職してみて、別の方向を目指した方が安全という可能性もあるのです。ここでは、それぞれへのキャリア転向について見ていきましょう。
企業の社員としてのキャリアを積んでから別の方向を目指す
公務員のなかには、人材が不足していることもあり、正社員としてのキャリアを積んでから別な方向を目指す方法もあります。
公務員には、社会人経験者の中途採用枠もあります。そのため、就職後でも自分の実力や併願の難易度を考えながら予定を組むことや、総合的なキャリアを考えて公務員を目指すことができるでしょう。
まずは若い人材を求めている民間企業に就職するといった、こだわり過ぎずに視野を広げることも重要といえるでしょう。
公務員を経験してから一般企業に勤める
まずは公務員を経験して、何年か経ってから一般企業の正社員に転職するというキャリアもあります。民間企業の転職の間口は広く、公務員からの転職も問題なく進められる環境があるといえます。
その逆ももちろん然りで、一般企業の正社員として働いて、数年後に中途採用で公務員になるという道も考えられるでしょう。どちらにせよ、ひとつの会社や団体にずっと腰を据えて定年まで働き続けるという必要はありません。
自分の人生を「どう歩んでいくか」を決めるのは、誰でもない自分自身です。就活生のみなさんがそれぞれ後悔することのないように決断するようにしてください。
公務員にもインターシップがあります。こちらの記事でぜひ確認しておきましょう。
時間がない人におすすめ!
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公務員と民間企業の併願も視野に入れてキャリアプランを組み立てよう
公務員と民間企業の併願は可能ですが、早くから準備をしていないとどちらも中途半端な結果になってしまう可能性があります。しかし、併願することによるメリットや、併願を成功するための方法があるのも事実です。
難しいと思った場合はどちらかに絞り込むこともできるので、自分の余裕や状況にあわせてなるべく柔軟にキャリアプランを考えられるように準備を整えておくことが大切になるでしょう。
最終的に納得のいく道に進むためにも、厳しい道のりだとしても併願を選ぶことも視野に入れて、対策を始めていきましょう。
【公務員試験と民間選考の併願に関する調査】
- 調査方法:ポート株式会社が運営する企業口コミサイト「就活会議」会員へのダイレクトメール
- 調査日:2022年8月10日~15日
- 調査元:「就活の未来」を運営するポート株式会社
- 調査対象者:23卒・24卒の就活会議会員の152人