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中食業界とは
中食とは、外食と内食との中間、つまり総菜やテイクアウト・配達の食事のことです。外部で調理された物を自宅に持ち帰り食べること、またはその調理されたものを中食と呼びます。
1980年代から急激に発展をしたこの業界は、年々規模を拡大しています。事業・業界としては新しい部類に入りますが、現代では欠かせないものになっているのです。新しい業界ということは、ビジネスチャンスが転がっているとも言えます。この業界への就職を考えるのであれば、まずは業界を知り、動向に目を向けて企業研究をしましょう。
中食業界の概要
中食業界が勢いを見せ始める前までは、食事と言えば家庭料理と外食に分かれていました。しかし、女性の社会進出・核家族化という社会情勢に伴い、スーパーやデパートの総菜の需要が高まり始めました。コンビニが全国で急激に店舗を拡大し、宅配ピザや持ち帰り弁当業界が発展し始めたのもこの頃です。
以降現在に至るまで、高齢化や個食といった、家庭の食事のあり方の変化とともに、中食業界も変化と発展をし続けてきました。近年では健康志向ということもあり、素材にこだわったものや、低カロリー・低糖質・無添加がヒットのキーワードになっています。また、有名人や各メディアとのコラボ商品が話題を呼ぶこともあります。
宅配や持ち帰りの形式・食事内容にも個性があり、一つのアイデアで事業が大きく拡大できる可能性をまだ数多く秘めた業界です。
あなたが中食業界に向いているか、確認してください
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中食業界の業績推移について
- 業界規模 10兆6361億円
- 平均年収 487万円
- 平均勤続年数 9.3年
中食業界は「中食」という言葉ができる前から「出前寿司」「仕出し弁当」という形でずっと存在していました。しかしそれは、外食産業の内のサービスの一つであり、宅配や持ち帰りを専門として事業が成り立つようになり始めたのは、先述のような社会情勢の変化によるものです。
平成9年をピークに、外食産業は緩やかに低下をしています。その代わり、内食と同じくらいの価格帯で時短・個食に対応ができる中食業界は、順調に推移してきました。今後の中食業界は、価格の二極化が進むと言われています。300円未満の持ち帰り弁当も珍しくなくなった一方、材料・品質を前面に押し出したり、有名店が監修をした高級志向の弁当も出てきています。
中食業界は、変化に対応をしながら業績を伸ばしてきました。今後は外食産業からの参入やM&Aも予想ができます。
中食業界の細かい職種分類について
- 商品開発
- 生産管理・生産・エンジニア
- 品質管理・研究
- 営業
商品開発は、市場の動向や現在の売れ行きから需要をリサーチし、新たな商品を開発する事業部です。その案は生産管理に回され、コストや工程、栄養などが検証され商品化が決定となるのです。生産は主に、工場でされます。エンジニアは、より効率よく安全に生産ができる機械を開発し、メンテナンスなどをする仕事です。できあがった商品は厳しい検査がされ、流通経路に回されます。
営業は、商品を小売業者や大手スーパー、コンビニチェーンなどに売り込み、PRをするのが仕事です。また、クライアントの要望に応えたり、企画段階から生産に至るまでその商品に関わることもあり、幅広く業務を行うこともあります。
他にも、工場の管理や材料の調達、総務など、業務内容は幅広くあります。自社で販売を行っている会社は、店舗の運営も業務の内です。
主要企業5選紹介
中食業界は、企業としての売り上げだけを見れば大手コンビニチェーンや大手スーパーが上位に来ます。これは、各企業が中食産業に力を入れている結果です。しかし、自社内で生産をしているだけではなく、もちろん中食を専門としている企業もあります。それらに注目をして5社紹介をします。どのような企業が中食産業を支え、リードしているのかということを知り、中食業界の企業研究に役立てましょう。
わらべや日洋ホールディングス株式会社
- 企業名 わらべや日洋ホールディングス株式会社
- 代表取締役社長 大友 啓行
- 従業員数 1,040名
- 設立年月日 1964年(昭和39年)6月18日
わらべや日洋ホールディングス株式会社は、コンビニ弁当・総菜の製造販売会社です。主要取引先はセブン-イレブンで、19,400店舗ほどの内16,000店舗以上に商品を納めています。生産拠点は27工場、1日あたり600万食を生産し、商品の製造から開発・提供まで行っている企業です。
コンビニ最大手であるセブン-イレブンとの結びつきで業績は安定していますが、同社が自社生産に大きく切り替えたときなどのための対策が課題です。工場勤務は残業もありますが、残業代はきちんと出るなどしっかりしています。24時間365日体制で稼働しているため、シフト業務になることもあります。男性の多い職場で、女性の管理職はまだ少ないです。
株式会社プレナス
- 企業名 株式会社プレナス
- 代表取締役社長 塩井 辰男
- 従業員数 単体1,383名(連結1,619名)
- 設立年月日 1976年(昭和51年)11月10日
株式会社プレナスは、テイクアウト弁当の「ほっともっと」の会社です。ほっともっとは全世界で2,700店舗以上、その他外食産業も行っています。時代のニーズを先取りする商品開発、全世界から食材・商材を調達し、自社内で生産、そして各店舗での販売に至ります。「いつもできたて、もっと身近に」をコンセプトに、海外に対しても日本の食文化である「お弁当」を提供している会社です。
店舗スタッフと、営業や企画管理などの社員では業務内容がかなり異なりますが、入社時には総合職であっても全員店舗業務研修が行われます。その後、店舗マネジメントや物件開発などのさまざまな職種に配置されます。営業や管理職という面では、女性の進出はまだ厳しいようです。
カネ美食品株式会社
- 企業名 カネ美食品株式会社
- 代表取締役社長 三輪 幸太郎
- 従業員数 1,286名
- 設立年月日 1971年(昭和46年)3月29日
カネ美食品株式会社は、ファミリーマートの関連会社です。ファミリーマート、サークルKサンクス各店へ弁当・総菜を製造販売しています。また、スーパー・百貨店・駅ナカなどの商業施設にも総菜店舗を出店しています。納入と自社販売、両方を行っている企業です。弁当類の他は、寿司専門店も経営するなど多方面での事業を展開している会社です。
若いころから店舗の責任を任されるなど、大きな仕事を担当する機会もあります。店舗の場合はサービス業にあたるため、残業も多いです。店舗を運営する場合には、自分のやり方で創意工夫が試されます。女性の社員は少なく、体力が試される職場です。
株式会社ロック・フィールド
- 企業名 株式会社ロック・フィールド
- 代表取締役社長 岩田 弘三
- 従業員数 単体1,497名(連結1,524名)
- 設立年月日 1972年(昭和47年)6月8日
ロック・フィールドは、駅ビルをメインとして総菜の製造、販売を行っている会社です。こだわったサラダ・テイクアウトのおかずのRF1(アールエフワン)で知られています。健康・安心・安全にこだわり、季節ごとや月ごとに新メニューを開発、提供しています。その他も和風総菜、アジアンテイストなどさまざまなブランドで総菜事業を展開しています。食育にも意欲的で、キッザニアに出店をしています。企画開発から販売までが一体で、若いころから大きな仕事を任されることもあります。
女性でも店長や責任ある仕事に就くことができます。そのため、産休・育休制度を取得する人も増えてきました。業界の中では、比較的女性が活躍できる会社です。
オリジン東秀株式会社
- 企業名 オリジン東秀株式会社
- 代表取締役社長 前原正憲
- 従業員数 565名
- 設立年月日 1966年(昭和41年)9月
オリジン東秀株式会社は、その名のとおり「オリジン弁当」で知られています。イオンのグループでもあり、オリジンとしての店舗販売の他、イオンの総菜コーナーに出店をしたり、デリカ専門店を展開したりとめまぐるしく事業を発展させています。また、外食と中食を融合させたレストラン型の「フリースタイルレストラン」事業も始めました。
採用は、店舗運営や経営幹部としての募集です。育成プログラムには、ジョブローテーションを導入しています。これは、さまざまな事業を経験させるという仕組みです。その中で適性が見極められ、評価がされます。イオン系列のため、福利厚生はイオンのものが使えます。近年では産休・育休を利用する女性も増えてきましたが、浸透にはまだ少し時間がかかるようです。
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あなたと中食業界の適性を確認してください
就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます。
そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。
適職診断で自分の適性を把握しておき、就活を効率的に進めましょう。
中食業界研究のおすすめ書籍紹介
中食業界は、比較的新しい業界です。そのため、どのように発展してきたかなどは書籍の他インターネットなどで情報を集めやすいと言えます。しかし、一冊にまとまった書籍をじっくりと読むことで得られる情報も多いです。業界にまつわる書物のを読んでおけば、面接のときに話題を振られても返すことができ、勉強をしているという好印象を与えられます。
中食業界に関して学ぶのであれば、周りの外食産業や、内食にまつわる書物も手に取り読んでおくのも良いでしょう。
すぐ分かるスーパーマーケット惣菜の仕事ハンドブック
『すぐ分かるスーパーマーケット惣菜の仕事ハンドブック』という本は、スーパーにおける惣菜について書かれた本です。消費者への調査・マーチャンダイジングに基づいた需要の傾向、商品管理についてなど、丁寧にまとめられています。これを一冊読むことで惣菜業界について基本的なことは身に付くようになっています。
社員として、惣菜をどのように業務展開していけばいいのかと悩んだ時の基本の一冊として、また、商品開発のヒントとしても使えるようにもなっています。発売が2017年6月と、ビジネス書にしてはかなり直近に発行されたことから、この業界の新しさがうかがえます。これからのマーケットの変化予想や、それにどのように対応していったら良いかも考えることができる本です。
よく分かる中食業界(業界の最新常識)
『よく分かる中食業界(業界の最新常識)』という本は、中食業界の動向がわかりやすく書かれた本です。具体的に、企業に入ってから役立つ情報が事細かに書かれています。横ばい状況にある食品業界、その中にあって15年で3倍のマーケットに急成長しているこの中食業界がどのようにして発展してきたのかがよく分かります。
この業界で働いていくための心得や、どのようにすればより魅力的な商品を開発することができるのかなど、仕事に就いてからも知りたくなるような情報がまとめられた指南書です。事前に読んでおくだけでなく、将来的にも役に立つ一冊です。業界の今までと現在を知ることができれば、これからのことも見えてきます。業界のことを知るためにも読んでおきたい本です。
中食業界を深く知って就活を有利に進めよう!
急激に発展してきた中食業界は、これからも生活スタイルや市場の動向によって大きく変化していく業界です。その時に、どのような商品を展開していくのか、消費者のニーズにあった商品や業務形態を展開していくことができるのか、考えておく必要があります。変化に対応できるよう、業界への知識を深めて中食業界への就職に役立てましょう。