就活のマナー
「なので」の言い換えや正しい使い方|書き言葉と話し言葉の違い
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目次
正しい言葉遣いを身に付けよう
面接官が所作や言葉遣い、メールや電話の対応などで人となりを判断していることは少なくありません。特に、一朝一夕に身につけることが難しいのが、言葉の使い方です。就職試験ほど丁寧な言葉遣いで人と接することは、日常的にはあまりありません。
丁寧に対応しているつもりでも、尊敬語と謙譲語が曖昧になってしまうことがあるように、使い慣れていない言葉を使いこなすのは簡単なことではありません。正しい言葉遣いを身につけましょう
「なので」が文頭に来るのは間違い
前述の理由を続けて述べる際に「なので」という表現を使う方は多いでしょう。一見丁寧な表現だと思いがちで、あえて使用している人も多いのが文頭で使用する「なので」という言葉です。
「私は慎重な性格です。なので、仕事においても丁寧に取り組むことができます。」という文章を見たときに、特に違和感を感じないという人も多いのではないでしょうか。しかし、就活やビジネスにおいて「なので」という表現はふさわしくありません。
「なので」は接続詞ではない
「なので」が文頭に来るのが間違いである理由として、独立した接続詞ではないというのが挙げられます。「なので」の「な」は断定の助動詞「だ」の連体形であり、理由や原因を示す接続詞である「ので」と合わせて使われています。そのため、「なので」は文の途中で理由を説明するときに使うのが正しい使い方といえるでしょう。
「私は慎重な性格です。なので、仕事においても丁寧に取り組むことができます。」は間違いですが、「ので」を接続詞として使って「私は慎重な性格ですので、仕事においても丁寧に取り組むことができます。」や「私は慎重な性格です。ですので、仕事においても丁寧に取り組むことができます。」という使い方なら問題ありません。
正しい「なので」の使い方
正しく「なので」を使うには、どうすればいいのでしょうか。「なので」を文頭に使うのは間違いであり、会話の相手が目上の人だった場合にはやや失礼な言葉遣いといえます。つまり、親しい間柄または目上でない相手と会話をする場合に、文頭以外の場所で「なので」という言葉を使うのが正しい使い方であるといえるでしょう。
就活の面接などで使うのは失礼にあたりますが、友人や知り合いと会話する際に使うのであれば問題なありません。ビジネスシーンの場合は、上司や先輩に使わないように特に気をつける必要がありますが、後輩や親しい同僚などとの会話で「なので」を使うのであれば大丈夫です。
「なので」を他の言葉に言い換えよう
「い」抜き言葉や「ら」抜き言葉が、話し言葉にあたるということを初めて知る方も少なくありません。話し言葉と書き言葉で最も注意をしなければならないことは、このように知らず知らずのうちに使用していることが多い点です。
一見丁寧な表現だと思いがちで、あえて使用している人も多いのが、文頭で使用する「なので」です。では、「なので」という表現を使用しないためには、どのような言葉に変えたら良いのでしょうか?
「なので」の言い換え
- 私は風邪をひいています。「ですので」説明会を欠席します
- 御社の選考を受けたいと思っています。「そのため」選考書類を提出させていただきます
「なので」という言葉の他に、どのような言葉に言い換えられるのでしょうか。「なので」というのは、前の文章に対して、順接で文章を続けていく場面で使用されます。
他の表現で言い換えるのであれば、上記の例のように「ですので」「従って」などが使用できます。前の文章が後に続く文章の「理由」などを説明している場合には、「そのため」という言葉で言い換えることが可能です。
同じような意味を持つ「だから」もNG
順接で使用する接頭語には、「なので」だけでなく「だから」という言葉があります。この「だから」という言葉は、「なので」よりもさらにカジュアルな印象がある話し言葉です。よりくだけたイメージになり、目上の人との会話の中では失礼にあたるので注意してください。
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話し言葉と書き言葉の違い
話し言葉と書き言葉というのは、正式にはそれぞれ「口語」と「文語」と呼ばれます。大学生になる以前から繰り返し国語の授業にも出てくるので、聞き覚えがある人もいるのではないでしょうか。まずは、それぞれの違いから確認してみましょう。
書き言葉とは
書き言葉は、手紙を始めとして、書類など会話以外の書き物の上で使用する言葉です。単語や文章を正式な形式で使用することが多いため、どちらかというと話し言葉よりも堅く、丁寧な印象を与えます。普段はなかなか気がつかないかもしれませんが、話し言葉と書き言葉で表現が異なる言葉というのは、日常のあらゆる場面にあふれています。
たとえば「い」抜き言葉や「ら」抜き言葉というのは、ついつい使用してしまう話し言葉です。「い」抜き言葉は「~と言っていた」「~のために努力していた」という表現が正式なところを、「言ってた」「~のために努力してた」と「い」を省略した形です。丁寧な会話をしようと思うと、多くの人が語尾には注意を払うようになります。
「ら」抜き言葉も同様に、必要な箇所から「ら」が抜けている表現のことを表します。たとえば「食べられる」を「食べれる」と表現することです。緊張したり気持ちが急いていたりすると、ついつい普段使用している言葉が出てきてしまいがちなので、日頃から「い」抜き言葉、「ら」抜き言葉には気をつけて会話をする癖をつけておきましょう。
話し言葉とは
話し言葉は、文字通り、人と話す会話の際に使用する言葉です。話し言葉でも尊敬語や丁寧語というのは存在するため、話し言葉の方が書き言葉よりカジュアルなものとは限りません。しかし、話し言葉では音の流れが大切なので、書き言葉に比べると、言葉が崩れたり省略されたりしていることがあります。
日常的なシーンでは、目上の人と話すときでも丁寧な言葉遣いや姿勢に気をつければ、話し言葉を中心に会話を進めてもマナー違反とまではなりません。ただし、就活はもっともフォーマルなシーンです。正しい言葉遣いができているか、より慎重になる必要があります。
敬語も種類ごとに使い分ける
会話の中で間違った表現を使用しないためには、敬語を深く理解して使い分けることが大切です。ひとくちに敬語といっても、敬語には「尊敬語」「丁寧語」「謙譲語」の3つの種類があります。
この3種類にわけられること自体は一般的にも広く知られているのですが、しっかり使い分けられる人はあまり多くはありません。敬語をしっかり使い分けて会話をすることで、それだけでも相手に丁寧で誠実な印象を与えることができます。
尊敬語は相手を上に見る
尊敬語は、相手を上に見て敬意を持っていることを表す言葉です。尊敬語、謙譲語、丁寧語、いずれの場合もあまり形が変わらない言葉もあるので、形が変わって分かりやすい「言う」という言葉を例にしてみましょう。「言う」という言葉の尊敬語を考える場合は、主語は自分ではなくて、相手です。「言われる」という言葉を使う人はいますが、これは正しくありません。「言う」の尊敬語は、「おっしゃる」という表現です。
謙譲語は自分を下げる
謙譲語というのは、自分を下に見る表現です。そのため、主語は自分自身です。「言う」という言葉の謙譲語は「申しあげる」です。たとえば、「先ほど言ったように」という文章であれば、謙譲語を使用すると「先ほど申しあげたように」というのが正しい言葉です。間違って「言わせていただいた」と表現されることが多いようです。
丁寧語はそのまま丁寧にする
丁寧語は、言葉をそのまま丁寧にする形です。基本的には「です」「ます」を使用すると考えて問題ありません。従って、「言う」の丁寧語は「言います」と表現します。
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言葉使いには人間性が現れる
言葉の使い方はとても難しいものです。特に、時系列だけでなく、丁寧語など相手に合わせて語尾や言葉そのものが変化するというのは、日本語特有のものです。だからこそ、世界的にも日本語は複雑で難しい言葉だと考えられている一方、それこそが日本語の美しさのひとつでもあります。
この複雑な特徴を押さえてしっかり使いなしていると、会話をしている相手はとても気持ちが良いものです。今日の明日ですぐに使いこなせるものではないため、言葉使いには人間性そのものが現れます。就活試験のときだけ注意するのではなく、友達や家族と話すときなど、日常での言葉使いにも気をつけるようにして、自然な形で正しい言葉を使用できるように身につけておきましょう。