就活のマナー
「都合が悪い」の敬語表現とは?知っておきたい正しい言葉遣い
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目次
都合が悪い場合の敬語での伝え方とは
社会人になると新人の内は、上司や同僚からの指示や誘いなどなかなか断りにくいことが多くあります。しかし、いくら新人とはいえイエスマンとしては生きていくことはできず、時としてしっかりと断るべき状況もあるでしょう。しかし、断るという意思表示は上手く行わないと相手に少なからず不快な思いをさせてしまうことがあります。
会社の多くは閉鎖的な環境で、周囲の人の入れ替わりは少ないものです。そんな環境下で、いかに人間関係を円満に保ちながら自分の意見を伝えるかは重要なテクニックとなるでしょう。今回は、そんな断る行為の中でも「都合が悪い」という場合の意思表示の仕方を紹介します。都合が悪いことを伝えるときの正しい敬語や伝える際の注意点など、新人の方が悩みがちと思われる要素を具体的に考えていきましょう。
「都合が悪い」の意味
ビジネスシーンでの敬語の使い方はすごく難しいものです。自分ではうまく使っているつもりでも、実際は意味を取り違えて表現していたりすることがしばしばあります。敬語の使い方をうまくマスターしていないと、社会人として常識がないと誤解されかねません。今日は「都合が悪い」という言葉の意味を通じて、敬語の使い方をお伝えいたします。
そもそも、都合が悪いという言葉の意味はなんでしょうか。Weblio辞書では、「条件が合わない、または支障があること。物事を実施することが困難な事情があること。」と書かれています。ビジネスシーンでの意味合いを考えると、双方の提案や意思表示に対してお互いの条件や予定が合わないことをいいます。
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「都合が悪い」を敬語で伝える場合の言い換え
断る際に頻繁に使うのが「都合が悪い」という理由です。これは、予定が合わない場合や理由を伝えにくいときなど、汎用性が高いために断り文句としてよく耳にする言葉です。しかし、単に「都合が悪いので」では、相手にぶっきらぼうな印象を与えますし、上司など目上の方の場合は失礼な言葉遣いにあたります。まずは、悪い印象与えないように、最低限正しい敬語表現を身につけましょう。それでは、正しい敬語表現と使う上でよく間違えやすいパターンを紹介します。
「都合をつけられない」が正しい
申し訳ありません。○日はどうしても都合をつけることが難しいのですが、他の日程等は厳しい状況でしょうか。
よくある状況での例文を示しました。基本的には「都合が悪いです」とは言いません。上述の通り、こちらの表現は少しぶっきらぼうですし、多少失礼な感じがします。また、都合が良い悪いではなく、つけられないと表現することで、自分としてはつけたいけど付けられないというニュアンスを伝えることができます。
例文のように「都合をつけられない」「都合をつけることが難しい」という表現を使うのが一般的だと言えるでしょう。
自分の都合が悪い場合は「ご都合」とは言わない
良くある間違いとしては、自分の都合について話しているときの「ご都合がつけられないです」などという表現です。これはあまり気にせずに用いてしまう方も多いかと思いますが、致命的な間違いですので注意しましょう。「お」や「ご」という接頭語は基本的には相手に関する言葉に付けて、敬意を示す言葉です。
したがって、自分に関する言葉に付けると敬語の意味がなく、聞き手にも大きな違和感を与えてしまうでしょう。よくある「ご確認致します。」や「ご報告申し上げます。」という言葉遣いは、「ご〜致します」「ご〜申し上げます」という謙譲表現の一部としての言葉遣いですので、混同しないように注意してください。
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都合を聞かれたときの敬語での伝え方
上でも少しだけ紹介しましたが、実際に都合について聞かれた際の受け答えについて、都合がよいときと悪いときの双方で具体例を紹介していきます。都合が良い悪いを伝えるときは、必ずしも都合という単語を使う必要はありませんし、似たような意味合いの表現は多くあります。状況や相手との関係性に合わせて、上手く使い分けることで相手により良い印象を与えることが可能です。
都合がいい場合は「問題ありません」など
○日で問題ありません。ご連絡ありがとうございます。
都合がよいときは、基本的に「問題ありません」を使うことが多いです。「都合が良いです」という表現はあまり使用しませんし、相手に良い印象も与えない可能性が高いです。「都合がいい」とは、結局自分自信の感情的な問題で良し悪しを決めるという印象を強く相手に与えます。
仕事上の日程調整や目上の方に対して、気分の乗る乗らないといった理由で返事をするというのは、あまりに自分本位な受け答えだと言わざるを得ません。自分にその気がなくても、表現方法には注意を払いましょう。
都合が悪い場合は「都合がつかないため別日でお願いします」
その日はどうしても都合が付けられず、申し訳ありません。○日などはいかがですか。
都合を聞かれた際に、都合が悪い旨を伝える分には「都合が付けられない」という言葉を使えば問題ありません。しかし、ただ都合が悪いという旨を伝えるだけでは、そこで会話が終了するだけでなく、相手にはこちらが行きたくないと考えている印象を与えます。
自分が友人に予定を聞いた際に「無理」とだけ言われたような場合を想像して頂ければわかりやすいでしょう。敬語表現のいかんにかかわらず、都合が悪い場合は代わりとなる日程を提示することであくまでも都合をつけたいのだという意思を伝えることができます。
ご都合が「よろしい・よろしくない・よろしければ」を使いわける
①「ご都合がよろしい」
明日の打ち合わせの件ですが、午後3時から4階会議室でご都合はよろしいでしょうか。
②「ご都合がよろしくない」
本日のランチミーティングですが、ご都合がよろしくないと伺いました。もしも、参加が可能な日時があれば教えていただけませんか。
③「ご都合がよろしければ」
今月20日に当社の年に1回のビックイベントがあります。ご都合がよろしければぜひ参加いただきたいのですがいかがでしょうか。
都合が良い・悪いということを敬語で表現するためには、次の3つの言葉をうまく使い分けることが好ましいです。それぞれの言葉を必要なシーンで適切に利用すれば、ビジネスマンとしてのマナーが良いと高い評価を得られます。それぞれの簡単な使い分けの例をあげますので参考にしてください。
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その他の「都合が悪い」ときに使える表現
もしも、「都合が悪い」という表現をそのまま使うことがふさわしくないと考えられる場面があったとします。そういった場合、代わりにどのような表現を用いればいいのでしょうか?日本語は数多くの表現方法があります。場面場面に応じて言葉の使い分けができれば、ビジネスマンとして自己表現も含めて意思表示がうまいと評価を受けることができます。以下の二つの言葉を例としてあげますので、実際にそういう場面に遭遇した際、表現を使い分けしてうまく活用してください。
「取り込んでいる」
〇〇様、本日は大変お忙しい中、私を御社のセミナーにお誘いくださり誠にありがとうございます。せっかくのお誘いですが、今回は参加を見送らせていただきます。どうしても現在折衝中の案件が契約に向けて大詰めのため、終日取り込んでおります。大変申し訳ありません。
〇〇様、いつもお電話ありがとうございます。本来であればゆっくりとお話ししたいのですが、あいにく今来年度の採用試験に関する打ち合わせ中で取り込んでおります。恐れ入りますが、折り返しこちらからお電話いたします。
都合が悪い、または忙しくしているという表現を使いづらいとき、代わりに使える言葉として「取り込んでいる」「立て込んでいる」という表現を使うことができます。この表現を使えば、自分が非常に忙しい状況を端的にわかりやすく相手に理解してもらう効果が得られます。
「ご都合のほど」
〇〇様、今日は弊社で定期的に開催している新商品の展示会および販売促進に向けた決起大会のご案内をさせていただきました。〇〇様は部長職という大変忙しい立場でいらっしゃるのは重々承知しております。しかし、この展示会で是非〇〇様にお見せしたい最新の商品がございます。また、決起大会で〇〇様の会社への特別価格の提示も検討しております。ご都合のほどはいかがでしょうか。
例えば相手の日程等の都合がつくかどうかを聞きたい場合、「ご都合のつく日程はいかがでしょうか?」と聞くのが本来あるべき表現といえます。しかし、選択肢が明瞭である場合、もっと端的にわかりやすい表現を使うことができます。「ご都合のほど」という言葉を使えば短くお願いの意図を伝えることができます。
クッション言葉
〇〇様、いつも大変お世話様になっております。今回お問い合わせいただいた件に関しての打ち合わせですが、大変申し訳ございませんが、私が弊社の組織変更に伴い部署異動となってしまいました。あいにくですが、今後は後任の担当者の××に引き継ぎをいたしますので、後日××とお話しいただけませんでしょうか。
都合が悪いことを表現する敬語についてお話ししてきました。ここで、より丁寧な表現にしていくために「大変申し訳ございませんが、あいにくですが、やむなく」などのクッション言葉を入れることをおすすめします。クッション言葉は文字通り、ストレートにいうと相手にきつく伝わりそうな言葉に対してクッションの役割を果たす言葉ということです。相手に丁寧な印象を与えることもできますので、うまくこの言葉を入れてみてください。
都合が悪い場合の日程変更マナー
都合がつけられない際は、必ず代替の日程を提示するということは上で説明しました。それでは、都合が悪い場合の日程変更の旨を伝える場合の注意点などを紹介します。都合が悪い旨を伝えることは、少なくとも相手に良い印象を与えることはありません。したがって、少しでもその印象を良い方向にもっていくためには言葉遣い以外にもマナーに対する配慮を怠ってはいけないのです。
代替案を具体的に提示する
【NGな表現】
・別日はいかがでしょうか
・来月以降はいかがですか
【OKな表現】
・〇日はいかがでしょうか?
・来月以降であれば〇日を除いて全て調整可能です
代わりの日程を伝える際は、できる限り具体的な日程を伝えるようにしましょう。上記のように、「別日」や「来月」というような不確定な日程の指定は、相手にさらなる日程調整の負担を強いることになるため、失礼な行為です。また、相手が再度日程を指定してきた際に、またこちらが都合をつけられない場合は二度手間になってしまうでしょう。
ただし、ある範囲内で確実に都合がつくならば、上記の適切な表現のように範囲指定をしても構いません。これは範囲指定することで、相手が自分の日程を調整しやすいようにする配慮の一つです。
前日に変更をお願いする場合は必ず電話する
場合によっては予定を調整した後に、急な用件で直前の日程変更を強いられる場合もあるかもしません。そういった場合は必ず電話で連絡を取りましょう。まず、メールでの連絡は相手がすぐに確認できる保証がありません。もしかすると、相手は現在進行形で予定に関する準備を進めている可能性もありますので、迅速かつ確実に連絡を取れる電話を使用することが望ましいと言えます。
また、前日などの直前での日程変更は相手に対しても多大な負担を強います。そのため、そういった連絡をメールで行うのはマナーとして好ましくありません。相手との関係を良好に保つためにも、謝罪の気持ちや誠意をしっかりと伝えられるように電話で連絡することが重要です。
正しい知識と言い換えの工夫で相手に好印象を与える
日本語の表現は、それぞれの単語がそれぞれ異なるニュアンスを持っています。したがって、自分と相手の認識が異なったり、少し言葉が変わったりするだけで伝わる印象が大きく変化するものです。更に厄介なことに、社会人同士の付き合いでは相手に悪い印象を与えたとしても、直接的に反応で示されることは滅多にありません。気づかないうちに相手の中で自分への評価が下がっていくのです。
だからこそ、普段から正しい敬語表現や相手の立場にたった言葉選びを意識することが良好な人間関係を保つ上では肝要と言えます。全ての他者から良い印象を受ける人などいません。しかし、社会人としてできる限りの努力をすることは無駄ではないのです。本記事の内容を良好な人間関係作りに少しでも役立てていってください。