就活のマナー

「ご助言」の正しい使い方|知っておきた言い換えや注意点付き

「ご助言」という言葉を正しく理解しよう

社会人になるとさまざまな人とコミュニケーションを図りながら仕事を進めていきます。その際に必要になってくるのが「敬語」です。敬語とは相手の気持ちを思いやる言い方で、敬語を使えない社会人は信頼されません。社会人になると言葉遣いについても全てが自己責任になり、知らなかったでは済まされないのです。「敬語は苦手だからとりあえず語尾だけ丁寧にしておこう」といった考えでは、いつまでたっても敬語を使いこなせる社会人にはなれません。

社会人が使い方をよく間違える敬語の一つが「ご助言」です。「ご助言」の意味や使い方は簡単なようで正しく理解せずに使っている社会人が多いようです。それでは、就職してからも失敗しない「ご助言」の使い方や注意点について解説します。

ご助言とは

職場の会話の中で「ご助言ありがとうございました」という表現はよく耳にします。この「ご助言」という言葉自体には敬語の意味があるので問題はないのですが、実は敬語として受け取られないケースをご存じでしょうか。この言葉を使ったことにより、相手に失礼にあたる場合があるのです。

では、「ご助言」はなぜ失礼にあたるのでしょうか。「ご助言」を使うときにはどんなことに気をつければよいのか見ていきましょう。

「ご助言」は敬語

「ご助言」とは「助言」に丁寧な「ご」をつけた敬語です。「助言」とはその人にとって助けになるような意見を教えることで、何かの決定や行動を起こすときに指示やアドバイス、提案をすることです。英語のアドバイス(advice)にあたります。

似たような言葉に「指示」「忠告」があります。「指示」とは指し示すことで、「こうしなさい」といった命令の意味が強くなるのに対して「助言」は「こうした方がいいよ」という相手の好意がより強く表れた言葉です。一方、「忠告」は指示よりもさらに強い言葉で、「真心を込めて相手の欠点や過ちを教え諭すこと」で、それぞれの言葉の持つニュアンスが違ってきます。

「助言」は目上の人がする行為

このように「ご助言」という言葉は提案やアドバイスといった意味を持つ「助言」に「ご」がついた敬語ですが、あくまでも目上の人からアドバイスを貰いたいときや何かを教えて欲しいときに使う言葉です。

「助言」は「教示(教え示すこと)」「訓示(どうすべきか、心得を説くこと)」と同じように、目上の人が目下の人に教え示す言葉であり、目上の人がする行為そのものです。「助言」はよく「指導助言」というセットの言葉で使われます。この「指導助言」とはある事柄について指導や助言を与え、援助することです。より専門的な知識や経験のある上司が部下に対して援助をする場合に使われる言葉が「助言」です。

「ご助言」の使い方と注意点

このように「ご助言」はあくまで目上である上司からアドバイスを貰いたいときや何かを教えて欲しいときに使う言葉です。しかし、上司からアドバイスをもらったときのお礼の言葉として「ご助言ありがとうございました」という表現を使うのはふさわしくはありません。それどころか、使い方によってはあなたの感謝の気持ちが誤って上司に伝わる可能性もあるの。

基本的に助言が欲しい時に使う

ビジネスの場では職場の上司からアドバイスが欲しい時や逆に上司からの親切心でアドバイスを貰うケースがあります。どちらの場合でもすぐに感謝やお礼の気持ちを伝えることが大切です。アドバイスをした後に部下からお礼の言葉を言われれば悪い気はしませんし、次にアドバイスを受けたいときにも繋がります。

このように目上の人から助言が欲しい時に使う言葉が「ご助言をお願いいたします」や「ご助言をください」です。ただし、せっかく上司から助言を貰っても行動に移さなければ何の意味もありません。助言に従った上で「ご指導をいただいた結果、○○のように解決いたしました。ありがとうございました」と報告すれば、上司からの印象もさらに良くなることでしょう。

お礼の時には使わない

上司のアドバイスにお礼の気持ちを伝える際、失礼な印象を与える可能性のある言葉は避けた方が良いでしょう。ですから、もし上司に「ご助言ありがとうございました」と伝えてしまうと失礼な印象を与えてしまいます。それは「ご助言」の言葉だけでは役に立ったのかどうかがわからないからです。上司によっては単なるアドバイス程度にすぎなかったのかという誤ったメッセージを伝えてしまう危険性があります。

このように上司から何かを教えて貰ったときのお礼の言葉として「ご助言ありがとうございました」を使うのは上司への敬意の表れではなく、失礼な対応だととられてしまう場合があります。ですから、「ご助言」という言葉は敬語として使用する時には注意が必要な言葉です。なるべく使用しない方がよいでしょう。

社外では使わない

今後あなたが社会人として働いていく中で、社外の人にアドバイスを求めなければならないケースが何度もでてきます。そのようなときにはしっかりと感謝の気持ちを伝えるだけではなく、敬意のある適切な言葉を使わないと大問題に発展する可能もあります。

ましてや、アドバイスを求めるのはあなたよりも目上の人や経験豊かな人がほとんどです。社外の人に安易に「助言」を求めてしまうと自分では何も考えようとせずに解決方法を社外の人に委ねてきたと受け取られてしまう可能性だってあります。

就活中の電話とメールのマナーを見直そう

就活中は、企業にメールを送ることや電話をかける機会が多くあります。これらは、ビジネスマナーをきちんと守ることが大切です。メールや電話のマナーは社会人として必要なスキルでもあるため、就活中から身に付けておくといいでしょう。

マナーを身に付けるために目を通しておきたいのが「就活マナーマニュアル」です。就活に必要なマナーが網羅されており、メールや電話のマナーについても詳しく掲載されています。日程調整などのメール例も紹介しているため、確認しておくと役立ちます。 無料でダウンロードして、電話やメールでの失敗をなくしましょう。

「ご助言」の類語と言い換え

「ご助言」という言葉自体は敬語として認められている言葉で、決して悪い言葉ではありません。しかし、使い方を間違えてしまうと誤解をされたり大きな問題になることもある言葉です。ですから、誤解されやすい「ご助言」の使用はできれば避けた方が無難です。

それでは、相手からアドバイスを貰ったときには「ご助言ありがとうございました」の代わりにどんな表現で言い換えればより適切な表現になるのでしょうか。

「助言」=「アドバイス・意見・提案・示唆」

「助言」と似たような言葉に「アドバイス・意見・提案・示唆」などがあります。

「アドバイス」とは忠告や助言という意味の言葉で「こうやった方がうまくいくんじゃない」のように使います。「意見」は自分の判断や考えのことで「あなたの案のここが良い、ここは変えた方が良い」のように使います。

「提案」とは自分の考えを出し、「あなたの案では○○の部分が劣っている。その点を△△のように変えるともっと良い案になる」のように使います。「示唆」は「人にそそのかすことを示す」という意味の言葉です。はっきりストレートに言葉で伝えるのではなく、遠回しに知らせるというニュアンスがある言葉です。

「ご助言」の言い換え例文

お手数をおかけしますが、お教えいただけませんでしょうか?

次の会議で使用する資料を作成しましたが、ご指導いただけませんか?

助言が欲しい時の最もシンプルで簡潔な敬語表現が「お教えいただけませんか?」です。口語で敬語を使うときには少し言葉が長くなっても正しい敬語を使うことで相手にていねいさが伝わり、「教えてあげよう。」という気持ちにさせてくれます。

「指導」とはあらかじめ意図された方向になるように導きます。「いただく」は「くれる」の尊敬語にあたります。ですから「ご指導いただき」は、してもらう側の立場での表現になるので正しい使い方になります。

このように、「ご助言」を使ってもいい相手かどうかがわからないときは誤解のない別の言い方にすると良いでしょう。

助言を貰ったときのお礼の言葉

先輩や上司、取引相手から助言を貰ったときには適切な言葉を選んで相手への敬意や感謝の気持ちを伝えるのがビジネスマナーです。あなたが困ったときに周りの人から助けてもらうためには、正しい敬語表現を身につける必要があります。そこで、社内と社外でのふさわしいお礼の言葉を紹介します。

社内でのお礼の言葉

勉強になりました。ありがとうございます。

社内の人から助言を貰ったときのお礼の言葉は「ご助言」は使わず、「勉強になりました。ありがとうございます。」と言い換えた方がよいでしょう。この表現だと一見すると敬語のように思われませんが、立派な敬語表現として使えますし「ご助言」よりふさわしい言葉です。

「参考になりました。」という言い方もありますが「勉強になりました。」という言い方の方がはるかに印象が良くなります。「参考にする」という言葉では上司によっては「自分のアドバイスを参考程度にしか考えなかったのか」と受け取られてしまう可能性があるからです。お礼の言葉を使うときは上司を立てるようなていねいな言葉を選ぶと間違いはありません。

社外でのお礼の言葉

ご教示くださり、大変勉強になりました。ありがとうございました。

ご教示とは知識や方法を教え、示すという意味の言葉です。「教える」よりもはるかにていねいな言い方になります。この「教示」は自分が知らないことを経験のある人や知識のある人にアドバイスをもらうという意味を含んでいます。簡単に言えば「教える」という意味ですが、ビジネスの場ではわからないことがあったときに解決をするための方法などを聞きたいときによく使います。

「ご教示」と似た言葉に「ご教授」がありますが、この場合は教わる内容は学問や芸術、高度な技術といった意味が強くなります。日頃のビジネスの場では「ご教授」よりも「ご教示」の方がふさわしい言葉です。

「ご助言」は使い方によって失礼な言葉にもなる

「ご助言」とは「助言」に、ていねいにする「ご」をつけた敬語です。「助言」とはその人にとって助けになるような意見を教えることで、何かの決定や行動を起こすときの指示やアドバイス、提案にあたります。

この「助言」はあくまでも目上の人が目下の人に向かって助けになるような意見を教えることやその意見そのものを指す言葉です。ですから、目上の人から助言が欲しいときに使う言葉であり、誤解を招く危険があるのでお礼のときには使ってはいけません。また、社外で使って失礼な対応と思われてしまうと大問題に発展する可能性もあります。

助言を貰ったときには社内では「勉強になりました。ありがとうございます」、社外では「ご教示くださり、大変勉強になりました。ありがとうございました」と言い換えた表現を使うと良いでしょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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