業界研究

【ガラスメーカー現状と課題】企業や業界シェアをご紹介

ガラスメーカーとは

ガラスメーカーは珪砂・ソーダ灰・石灰石などの天然の原料を加工してガラスを製造し、建築・自動車をはじめとする各産業に販売しています。基本的なガラスだけでなく、安全性の高い防犯ガラスや強化ガラス、環境を考慮したエコガラスも製造をしています。

ガラスメーカーで製造されるガラスは住宅や自動車などに使われる「板ガラス」と呼ばれるものと、ディスプレイ用の液晶テレビやスマートフォンで使用されるガラスに大別可できます。また、太陽光パネルのためのガラスの需要も増加傾向です。ガラス業界を志望する就活生は、業界の動向や将来性、今後の展望などを知っておきましょう。

ガラスメーカーに属する企業

日本の主なガラスメーカー

  • AGC(旧:旭硝子)
  • 日本板硝子
  • HOYA
  • 日本電気硝子
  • セントラル硝子石塚硝子
  • 日本山村硝子
  • オハラ
  • 倉元製作所

日本の主なガラスメーカーの上位3社は、それぞれが強みを持っているジャンルがあり、他のメーカーと競争したり協調しながらこれまで発展を続けてきています。以前は事業の中心が板ガラスだったのですが、住宅市場の伸び悩みなどに伴い分野を広げてきました。

特にパソコン、ゲーム機、携帯電話、カーナビなどの薄型ディスプレイの用途が広がり、各メーカーがガラス基板の技術革新に積極的に取り組んできました。その結果、液晶ガラスの分野では日本企業が世界でトップクラスのシェアを誇るまでになっています。また、自動車用ガラスの分野においては耐久性や強度を高めるガラスファイバーの需要が今後も期待されます。

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ガラス業界の売上高&シェアランキングTOP10

ガラス業界の売上高&シェアランキングTOP10

  1. 旭硝子 1兆3,262億円(42.3%)
  2. 日本板硝子 6,291億円(20.1%)
  3. HOYA 5,057億円(16.1%)
  4. 日本電気硝子 2,511億円(8.0%)
  5. セントラル硝子 2,353億円(7.5%)
  6. 石塚硝子 734億円(2.3%)
  7. 日本山村硝子 704億円(2.2%)
  8. オハラ 228億円(0.7%)
  9. 倉元製作所 58億円(0.2%)
  10. テクノクオーツ 54億円(0.2%)

業界動向SEARCH.COMによると、ガラス業界の売上高とシェアは上記のようになりました。ガラス業界の売上高とシェアのトップは、旭硝子です。旭硝子は2018年7月1日にAGC株式会社に社名変更しています。業界で圧倒的な売上高とシェアを誇るAGC株式会社は、フロート板ガラス、自動車ガラス、ステッパレンズ用石英素材、ETFE樹脂(フッ素樹脂)において世界ナンバー1のシェアを誇る企業です。また、30を超える国と地域でグローバルな事業を展開しており、グループ企業は210社にのぼります。

ガラスメーカーの現状

ガラス業界のトップ企業は世界的に見てもシェアが大きいです。スマートフォンやタブレット用のガラスの需要が高まったことにより、ガラス業界の業績は回復傾向が見られています。新興国の経済成長に伴い、ガラスの需要は今後も高まっていくことが考えられるでしょう。そのためガラス業界には、今後もグローバルな展開を視野に入れた経営が期待されています。技術の向上による高機能ガラスなど、これからもガラス業界の成長は続いていくことが予想されます。

上位3社がシェア7割

ガラス業界のシェア率のグラフ

ガラスは住宅や自動車、テレビなど我々が日常生活を送る上で必要不可欠です。上のグラフのガラス業界のシェアを見ると1位がAGC(旧:旭硝子)でシェア率は約40%を占めています。続いてシェア2位が日本板硝子でシェア率は約20%、3位のHOYAのシェア率は約15%と、上位3位までの企業だけでガラス業界の市場の7割を占めています。

また、日本のガラスメーカーは世界的にも高いシェアを誇っている点が重要です。平成27年度の板ガラスの世界シェアを見ると、液晶用ガラスでAGC(旧:旭硝子)が世界2位、日本ガラスが世界3位のシェアを誇っています。さらに、旭硝子は建築・自動車用ガラスで世界のトップクラスのシェアを誇り、世界有数のガラスメーカーとして知られています。

ガラスメーカーの需要は回復傾向

ガラス業界は海外での自動車向けガラスや薄型テレビ用ガラスの需要が伸び続け、平成19年頃までは拡大してきました。しかし、平成21年の金融危機で世界的な経済不況の影響を受け、自動車の販売台数も建築用ガラスも需要が急速に減少してしまったのです。さらに薄型テレビの売れ行きも悪化し、ガラスメーカーの業績も一気に悪化に転じてしまいました。

その後、平成25年以降になって世界経済が回復の兆しを見せ、自動車・建築用ガラスの需要で伸びを見せるなど、再び増加傾向に転じてきています。さらにスマートフォン向けの液晶用ガラスの需要が増えたのに伴い、日本のガラスメーカーの業績は回復傾向にあります。

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ガラスメーカーにおける今後の課題

ガラス業界は世界の経済状況などの影響を受けつつ、刻々と変化をしてきています。現在は世界全体でのガラスの需要は拡大傾向にあり成長産業と言えます。しかし、近年は液晶用ガラスの分野では中国企業による低価格化が進み、日本のガラスメーカーは厳しい価格競争にさらされているのが現状です。

一方、国内での需要は伸び悩みが続いており、さらには海外メーカーが勢いを増す状況で、技術に優れた日本のガラスメーカーでは付加価値をつけた新商品の開発が望まれています。ガラスメーカーを巡る国内外の状況は、目が離せない状況です。

海外進出

日本のガラスメーカーは、これまでにも他の業界に比べて早い段階で海外へと市場を拡げてきています。日本国内でガラスの需要が伸び悩んでいる現状を受け、ガラスメーカーは海外進出を加速させることが予想されるでしょう。特に、確実に需要を伸ばしているのが自動車向けのガラスやデジタル家電向けのガラスです。

デジタル家電の分野ではスマートフォンやタブレット、パソコンなどの超薄型板ガラスの需要が増え、各メーカーが研究開発を続けてきた結果、液晶ガラスの生産は日本のメーカーが世界的に高いシェアを占めるまでになりました。しかし、最近では中国メーカーの進出が目立ってきています。中国のメーカーは技術面では劣ると言われてきましたが、技術水準が向上し、日本のガラスメーカーにも影響を及ぼす勢いがあるのです。

海外企業の国内進出

今日まで日本のガラスメーカーは海外でも高いシェアを誇ってきました。特に液晶テレビなどに使われる液晶ディスプレイは日本独特の技術で、日本のガラスメーカーにとっては大きな収益でした。ところが、最近になって中国をはじめ韓国や台湾などの海外メーカーの進出が目立ち始めてきています。

少し前まで、中国のメーカーは技術力が劣る分安価な製品を供給してきていましたが、最近では板ガラスの供給能力だけでなく、高い技術が求められる自動車用のガラスにおいても先進国のメーカーに追いつきつつあります。日本のガラスメーカーにとっては、大きな脅威となってきていると言えるでしょう。また、韓国や台湾のメーカーが液晶事業に参入してきたことで、国内での液晶用ディスプレイガラスの需要環境も変わりつつあります。

新商品の開発

ガラスは自動車や住宅、スマートフォンやテレビを製造していく上で必要不可欠なものですが、単にガラスを製造・販売をするだけでは業界の規模は縮小していく一方です。技術が進歩するにつれ、関連するさまざまな業界や消費者のニーズも変化をしていきます。例えば、日本をベースとしたガラスメーカーのHARIOがアメリカのカフェで高く支持され、ハンドドリップ用の器具としてHARIOブランドは世界に羽ばたいています。

また、日本板硝子が手がけるエコガラスも注目を浴びています。エコガラスは断熱・遮熱効果が高く、冷暖房の効率の良さで新たな付加価値を持つ商品です。このように、日本のガラスメーカーは高性能で高付加価値を持つガラス商品の開発に各メーカーが取り組んでいます。

ガラスメーカーの現状や動向を知っておこう!

日本のガラスメーカーは世界でも大きなシェアを持っている有力企業が名を連ね、上位三社で売り上げの7割を占めています。中でもAGC(旧:旭硝子)はシェアNo1で、国内はもとより世界28カ国にも進出し、世界でもトップクラスのメーカーです。日本のガラスメーカーは世界的な経済不況により低迷していた時期もありましたが、スマホガラスの需要が増えてくるなどにより、回復傾向にあります。

国内の需要が伸び悩んでいる一方で海外での需要が伸びてきていることから、今後は海外への進出がますます期待されるでしょう。しかし、中国や台湾、韓国との競争も激化しつつあり、日本のガラスメーカーが発展していくためにはガラスに付加価値をつけた新商品の開発が望まれています。ガラスメーカーへの就職を目指す場合、業界の現状や今後の展望、そして個々の企業についてよく研究し、十分な準備をした上で就活を進めていってください。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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