業界研究

【時計業界の特徴や動向】現状から今後の課題まで徹底チェック

時計業界は伝統や格式高いイメージ

時計業界は伝統や格式高いイメージであり、高級感のある雰囲気に憧れる人も多いでしょう。伝統性が重要視される業界ではありますが、革新的な取り組みをする企業も増えており、完全にクラシカルなわけではありません。

時計業界は成熟した業界であり、ある程度完成されているからこそ、そこから抜け出るために新たな取り組みを実施する企業も多いです。就職を目指すなら、どのような業界なのか細部まで理解を深め、今後の動向についても把握しておく必要があります。

時計は身の回りにあり、生活の必需品でもありますが、いざビジネスとなるとどのような業界なのか知らないという人も少なくありません。伝統や格式高さも含めて、時計業界とはどのような業界なのか、詳しく知っていきましょう。

時計業界の特徴とは

時計業界を理解するには、まずは業界全体の特徴を知ることが大切です。業界ごとに扱うものが違う以上、当然特徴は異なります。業界ならではの特徴を知り、理解を深めることが、就活をスムーズに進めるための第一歩です。

業界の特徴を漠然としか知らないと、選考で上手くアピールできなかったり、仮に就職できてもイメージと違い、困ったりすることも多いです。時計業界ならではの特徴を知り、まずは基礎的な知識から身につけていきましょう。

時間厳守が基本

時計を扱う業界のため、時間には厳しく、遅刻は絶対に許されません。これはどの業界でも同じですが、時計業界の場合は特に時間厳守が絶対であることは覚えておきましょう。時間を守れないのは社会人として基本ができていないと思われるだけではなく、時間そのものに対する感覚が鈍いと思われます。

時計を見て行動していない=その人にとって時計はそれほど重要なものではないと判断される可能性もあるため、注意しなければなりません。また、時間厳守が必須だからといって、必ずしも腕時計が必要なわけではないことも覚えておくとよいでしょう。

志望先の時計を購入する必要はなく、ノーブランドの時計をしていても問題ありません。ただし、志望先の時計をつけているほうが、企業への興味は伝わりやすいです。

カシオ・シチズン・セイコーが三大シェア

時計メーカーと聞いてイメージされるのは、カシオやシチズン、セイコーなどでしょう。これは時計業界を志望しない人でも知っているメーカーであり、国内ではこの3社がトップシェアとなっています。

それぞれシェア率は30%程度で、その他の企業は数パーセントずつのシェア率と、一部企業によるほぼ独占状態となっています。トップシェアの3社にはそれぞれの特徴があり、志望するなら企業研究を念入りにおこない、違いを明確に把握しておくことが大切です。

単にシェアが高いと思うだけでは、理解としては不足しています。トップシェアの企業でそれぞれどのような違いがあるか、なぜトップシェアに上り詰めることができたかなど、細部まで理解を深めることが大切です。

職種は大きく営業と製造

時計業界には幅広い仕事がありますが、大きく分けると営業と製造の2つが特徴です。営業は時計を販売する仕事であり、これはその他の業界と変わりません。ただし、営業といっても小売店に販売する法人営業から、個人に対する営業まで幅広いです。自社で店舗を持っている企業なら、店舗での販売スタッフも営業職の一部といえるでしょう。

製造は時計を作る仕事であり、企業によってこの位置づけは変わります。工場で大量に生産している企業から、ひとつずつ技師の手によって手作りしているものまであります。企業ごとの違いは大きいですが、時計を作るという点は同じです。いわゆる大衆向けの時計の製造か、こだわった一点物の製造かによる違いといえるでしょう。

あなたが時計業界に向いているか、確認してください

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時計業界の現状とは

時計業界についてさらに理解を深めるには、現状を知ることが大切です。時計業界では現在どのような動きがあるか、何が課題になっているか知ることで、理解はさらに深まります。

現状を知らずに就職してしまうと、やりたいことができなかったり、予期しない業務を任されたりすることもあります。現状を知り、業界についての正しい認識を持つことで、本当に理想とする就職先を見つけやすくなるでしょう。

伸び悩む企業は多い

時計業界は三大企業がほぼ同一のシェアを誇っており、均衡している状態です。大手による独占は続いているものの、大手同士でもお互い均衡しているため、全体的に停滞しているといえます。これはシェア率がほぼ同じというだけではなく、時計の購入者が減っている点も関係しています。

腕時計はステータスであり、ブランドとしての位置づけは変わりませんが、そもそもこれを重要視しなくなった人も多いです。若者の○○離れといわれるように、時計離れも進行していることが現状です。

これはスマホの普及による影響も大きく、ただ時間を確認するだけなら腕時計は特別必要ないという点も関係しているでしょう。均衡状態が続き、かつ時計を必要としない人が増えているため、伸び悩む企業は少なくありません。

こちらの記事では、業界研究のやり方について詳しく解説しています。

ネット通販が活発化

時計業界に対して伝統的、格式高いというイメージを持つ人が多いのは、販売している店舗の高級感が関係しているでしょう。時計店といえば豪華な内装や静かなイメージを持つ人が多く、これが業界全体のイメージとして固定化しています。

しかし、伸び悩みの現状を受けて、店舗での販売も伸び悩み、新たな販路を求める企業は少なくありません。新しい販路として見出されたのがネット通販であり、業界全体として活発化しています。

高級感ある店内で、ゆったりとした時間を過ごしながら時計を選ぶだけではなく、ネット通販で手軽に購入するという人は少なくありません。従来のイメージを覆す販路の拡大が進められており、時代の流れに応じて時計業界の在り方も変わりつつあります。

時計業界の動向とは

現状を知ったところで、今後どのような動きが見られるか、動向をチェックすることも大切です。時計業界の動向を知ることで、就職してからどのような働き方が実現できるかがイメージしやすく、志望先の選択にも役立ちます。

動向を知ることで現状の問題点についてもさらに理解を深めることができ、業界に関する知識は深まるでしょう。時計業界の今後の動向で大きいのは、「海外市場展開」と「他社との差別化」の2つです。

海外市場展開が考えられている

国内市場で伸び悩む時計業界は、海外市場への展開が現状を打破するカギです。価値観の変化によって購入者が減っただけではなく、日本は少子高齢化によって人口減少の一途をたどります。

つまり、需要を獲得しようにも、そもそも絶対数が減っている状態のため、どうしても業績は伸び悩んでしまいます。ひとりで複数の時計を持つ人もいますが、コレクションを楽しむ人は一部であるため、基本的には絶対数が多く確実な需要のある市場を目指さなければなりません。

海外に目を向けると市場はまだまだ残されており、高いクオリティの日本製の時計は海外でも受け入れられやすいです。海外展開を見据える企業が多いため、グローバルな人材が求められるようになっています。

インターンで提出する履歴書の書き方について、知りたい人はこちらの記事もチェックしてみてください。

外市場では好調な売れ行き

日本の時計は海外で高く評価されており、海外市場は好調な売れ行きです。日本の時計は安い上に品質もよく、人気です。カシオの「G-SHOCK」やセイコーの「アストロン」、シチズンの「BULOVA」などが海外でよく売れています。

2012年ごろは国内・海外共に時計の需要は低く厳しい状況でしたが、回復傾向にあります。今後は海外での展開も視野に入れて、販売していくことが求められます。今後は中国、インド、東南アジアなどの市場を開拓していくことが求められます。

デザイン性の重視で他社と差別化

均衡した状態から抜け出すためには他社との差別化が必要であり、デザイン性の重視によって打開を狙う企業は多いです。時計製造の技術は繊細なものであり、簡単に身につくわけではありませんが、そのレベルは業界全体で上がっています。

つまり、単に壊れない、正確に時間を刻むのは当たり前と考えられており、デザイン性が他社との違いを示す重要なポイントとなります。デザイン性の重視は社会の価値観の変化も関係しており、ステータスという位置づけから、ファッションの一部に変わったことも原因です。

変わらずステータスとしての時計を求める人もいますが、デザイン性を重視して、ファッションとして楽しむ人も増えているため、デザイン性は今後重要視されるポイントでしょう。

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時計業界の今後の課題

時計業界への就職を考えるには、業界全体が抱える課題についても知ることが大切です。課題を解決しないと前には進めず、伸び悩みを抱えたままになってしまいます。課題解決に向けた動きは各社で進んでいるため、業界の変化に対応するためにも課題を知るのは大切なことです。

課題を知った上で、業界が今後向かう先と、自身が目指すことが一致しているか考えておきましょう。やりたいことが実現できるかどうかは、課題の解決の方向性にかかっているといっても過言ではありません。

スマートウォッチとのすみ分け

腕時計の分野で新たに登場している商品として、スマートウォッチが挙げられます。これはスマホと連動して操作したり、腕につけることで運動時の脈拍を計測したりと、多機能であることが特徴です。

スマホメーカーが時計タイプの機器を売り出してから、時計には多機能という付加価値がつき、従来の時計との違いは広がっています。スマートウォッチの台頭に対して、どのように対抗するか、いかにしてすみ分けを実現するかが、時計業界の今後を占う重要な問題です。

多機能なスマートウォッチに負けないために、従来商品に機能を付けるのか、それともスマートウォッチとは違った価値を提示するかは、企業による差が大きいでしょう。

成熟した市場で抜きんでる差別化

時計業界は成熟しており、ほぼ完成形に近い状態です。各社伸び悩みを見せるのも市場の成熟が関係しており、ここから一歩抜きんでるための差別化は必須です。差別化の方法は企業によって違い、機能の追加からデザイン性の充実、伝統を重視して変わらぬステータスを提示するなどさまざまでしょう。

差別化が求められているからこそ、今後は企業ごとの個性が強くなり、違いがより明白になるともいえます。就職先を決めるなら、業界全体はもちろん、企業がどのような展開を見せるかにも注目しなければなりません。企業選択を間違えると、業界や企業としての成長は見込めても、やりたかったことができなくなる可能性もあるため、念入りな企業研究が必要です。

時計業界は今後の動向に注目すべき業界

伝統を重視する時計業界は、トラディショナルな価値を提示し続ける、格式高い業界です。しかし、すべての企業が変わらぬ価値を提示し続けているわけではなく、成熟した市場から抜け出すために、差別化を図る企業は少なくありません。

伝統を重要視しながらも革新を求める企業も増えており、今後の動向には特に注目すべき業界といえます。変化に注目が必要な業界だからこそ、志望先を選ぶには念入りな情報収集が必要です。どのように変わっていくのか、また変わらない部分は何かに注目しながら、企業選択をすることが重要です。

変化を求められている業界だからこそ、今後の動向に注目しながら情報を集めて、自分に合った就職先を見つけましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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