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住宅メーカーとは
住宅メーカーという業種は、おおまかにいってしまえば「家を作って売る」仕事ですが、同じようなイメージの業種として、工務店を思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、実は住宅メーカーと工務店との違いには、明確な定義分けはありません。一般的には、事業展開規模の大きい会社を住宅メーカーととらえて、それ以外の主に地場産業として活動している会社を工務店と呼ぶことが多いようです。
ただ、住宅メーカーの中にも「~工務店」と屋号を掲げている会社もいくつかみられるのでやや混乱しますが、おおよそこのような認識でとらえておいて問題ありません。それよりも就活で重要なのは、住宅メーカーと呼ばれる企業の仕事がどのようなものなのかを知ることと言えるでしょう。
就職先として知っておきたい住宅メーカー3選
住宅メーカーと工務店との違いは事業展開規模の大きさといえますが、そのために住宅メーカーの多くは宣伝活動に多額の予算を費やしています。そうしたことから、広告やTVCMなどで大手住宅メーカーの社名はよく見聞きしますが、具体的にはどのような仕事をしているのでしょうか。
ここからは知っておきたい大手住宅メーカー3社について解説します。住宅メーカーに就職を希望するのであれば、それら有名住宅メーカーの特色やそれぞれの違いを詳しく見ていきましょう。
大和ハウス工業株式会社
戸建て住宅から賃貸住宅、商業・事業施設など幅広く手がけ、数ある住宅メーカーの中でもトップクラスの存在感をみせているのが、大和ハウス工業株式会社です。3兆5129億円という平成29年3月期の大和ハウス工業の連結売上高からも、その事業規模の大きさをうかがい知ることができるでしょう。一方、約879万円という大和ハウス工業の平均年収は、事業規模からみればやや低く感じるかもしれません。
しかし約421万円といわれる全国平均年収からみれば倍以上であり、かなり安定した収入が見込めます。また平成28年度時点での平均勤続年数は14.1年で、やや低い数字です。ただ、一級建築士の資格などを持つ人は独立しての事業運営をする人も多いので、大和ハウス工業の職場環境に起因するものとは一概には言えません。
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積水ハウス株式会社
積水ハウス株式会社は国内でも有数の住宅メーカーで、関連グループの連携を活かした業務の効率化とコストダウンを強みにして成長を続けています。約2兆269億円という平成29年1月期の連結売上高のうち、469,1億円を占めているのが不動産フィーと呼ばれる事業です。不動産フィー事業とは、積水ハウスの賃貸住宅を所有するオーナー向けのサポート事業をいいます。
積水ハウスの平均年収は約814万円で、全国平均年収と比べればおよそ倍額であり、比較的高い収入を得ることができる会社と言えるでしょう。また平均勤続年数は16年と少々低めの数字ではありますが、これもまた独立して事業を営む従業員がいるという可能性を考慮に入れるべきと言えます。
住友林業株式会社
住友林業株式会社は林業という言葉が社名に含まれているように、木材建材の販売をする会社です。また木材に関する高いノウハウを活かした住宅事業も経営の柱として同社を支えており、住宅メーカーとしても有力な企業として高い認識を得ています。平成29年3月期における住友林業の連結売上高は、約1兆1133億円です。このうち住宅事業の約4,662億円の売上が、もっとも多くを占めています。
また平均年収は851万円で、先述したトップ住宅メーカー2社の年収と比べても遜色のない、高い収入といえるでしょう。一方、平均勤続年数は14.8年と先述の2社と同様に低い数字を示していますが、これはあくまでも平均ですので参考までにとどめておきたいものです。
住宅メーカーに就職してできる仕事
大学や専門学校などで建築について学んでいる就活生であれば、住宅メーカーを希望する就職先として挙げる方は多いでしょう。しかし住宅メーカーの事業を支えているのは、技術者ばかりではもちろんありません。「建築についてはあまり知識はないけれど、住宅の販売に関わりたい」など、興味があるという方がやる気次第で活躍できる職場もあります。ここではそうした住宅メーカーにおける職種について詳しく解説しますので、自分にあったものを探す参考にしてください。
設計
住宅や施設などの設計から管理をおこなうのが、住宅メーカーにおける設計の仕事です。しかし仕事内容を詳しくみていくと、ただ建物の設計図を作成するだけではありません。まず設計の仕事は、営業担当と顧客の元へ出向くところから始まります。そこでヒアリングしたお客様のご要望を元に完成予想図などを作成し、あらためて顧客にプレゼンテーションするのも設計者の重要な仕事の1つです。
また設計に際しては、顧客の要望に応えながらも建築にかかるコストや工期など、さまざまな要件を考慮して進めていく必要があります。求められる保有資格は一級建築士免許ですが、それだけにとどまらないコミュニケーション能力や管理能力が問われる仕事と言えるでしょう。
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営業
住宅メーカーの花形業務といわれるほど、営業の仕事は住宅メーカーにとって重要な役割を担っています。営業担当の仕事は、住宅展示会などで住宅購入を希望する顧客との相談から始まります。展示会の他に訪問営業などをおこなう場合もありますが、いずれにせよ顧客との面談からその要望をくみ取り、予算に合わせた最適な計画を提案することが重要な仕事です。
そのために、設計者や現場監督など他のスタッフとの連携も合わせてする必要があります。営業の仕事が住宅メーカーの花形といわれるゆえんは、このように顧客の住宅購入計画を前線でサポートする仕事であるからと言えるでしょう。なお取得がよく求められる資格として、宅地建物取引主任者やファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザーなどが挙げられます。
事務
当然ですが住宅メーカーであっても事務職は必要とされる職種です。事務職以外の社員は日中外出していることが多いので、社内で彼らの業務をサポートするのが住宅メーカーにおける事務の主な仕事と言えるでしょう。仕事内容としては工事や検査に関するデータ入力の業務、資料の作成や図面のコピー・ファイリングなどを行います。もちろん書類発送、備品管理、電話応対などの一般的な事務業務を担当することも多いです。
顧客と直接関わるのは営業や設計の仕事ですが、彼らを支えることで業務を円滑にすすめる役割を担うのが住宅メーカーにおける事務の仕事と言えます。なお持っておいたほうが良い資格としては、ワードやエクセルのスキルを証明するMOSが挙げられます。経理事務を担当するのであれば、簿記検定の資格が有利に働くでしょう。
住宅メーカーで感じられるやりがいとは
多くの人にとって住宅を購入することは、一生に一度あるかないかの大きな買い物です。また法人顧客についても、最適な事務所や施設を持つことは今後の事業を発展させる上で最初の重要なスタートと言えます。こうした顧客の大きな希望を具体的な実現に導くのが住宅メーカーの仕事です。そのためには、さまざまな住宅に関する知識などのスキルが求められます。
そうしたスキルの取得は困難ではありますが、その蓄積は必ずよい結果につながるのでやりがいを感じられるでしょう。ともかく自分の能力を活かし、顧客の大きな希望の達成に貢献できるという点が、住宅メーカーの仕事の大きなやりがいと言えます。仕事に大きな達成感を求めるのであれば、おすすめの職場といえるでしょう。
住宅メーカーの職種ややりがいを知っておこう!
主に地場産業である工務店と違い、住宅メーカーは事業規模の大きい企業が中心と言われています。しかし両者に共通する点は、顧客と密接に関わり合い、その希望の実現に向けて具体的に行動する仕事であることです。大手メーカーでもそうした活動に力を注いでおり、その積み重ねが大きな売上となって反映されています。
そのためには営業職から設計職、事務職にいたるまで、徹底した顧客目線の仕事の徹底が必要です。こうした顧客目線の仕事で得られるのは売上だけではありません。結果に満足する顧客を見ることも大きな達成感につながるでしょう。住宅メーカーを志すのであれば、こうした住宅メーカーでの仕事の理解から始めてみましょう。
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