職種研究

鍼灸師の平均年収・ボーナス事情|比較シミュレーションで比べてみよう

鍼灸師とは

鍼灸師とは、鍼や灸を使って経穴と呼ばれるツボを刺激することで、病気の治療や予防をおこなう人のことです。鍼灸師と聞くと、鍼灸院で働いているイメージが浮かびますが、医療施設で働く、スポーツトレーナーや美容関係の職につくなど、活躍できるチャンスが幅広くある仕事です。

そんな鍼灸師の仕事について、業務内容や平均年収を見ていきましょう。

鍼灸師の業務内容

鍼灸師の業務内容は、患者から症状をヒアリングして、鍼や灸を使って病気の治療や予防をおこなうことです。

施術をするためには、まず患者からどんな症状があるのかをヒアリングしなければなりません。ヒアリングした内容をもとに、実際に患部や他の部位を見たり触れることで施術内容を判断します。ツボは全身にあるので、患部だけを見るのではなく、症状に関連する部位を見て、適切な施術をおこなうことが必要です。

患者の症状を確認できたら、鍼や灸を使ってツボを刺激することで治療をおこないます。一言に鍼や灸を使うといっても、鍼の太さや長さ、鍼を刺す位置や深さ、灸の量や種類、どのツボを刺激するのかといったふうに、適切な判断をする必要があります。患者によって施術の方法は違ってきますので、患者の様子を見ながら適切に施術を進めていくことが重要です。

鍼灸師の職場は鍼灸院だけに留まりません。スポーツ選手の専属トレーナーとして選手をケアする鍼灸師や、美容に効果のあるツボを施術する美容系サロンで働いたり、リハビリの一環として鍼灸をおこなう鍼灸師もいます。鍼灸師が活躍できる場所はたくさんあるといえるでしょう。

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鍼灸師に求められる能力について

  • 体のツボや鍼灸に関する深い知識
  • 集中力
  • 洞察力
  • コミュニケーション能力

鍼灸師は患者のツボを刺激することで治療をおこなうので、ツボに関する知識はもちろんのこと、鍼や灸の扱いに関しても深い知識を持たなければなりません。患者の症状に合わせて、どのツボをどのように刺激するのかという知識は必要不可欠です。

ツボの位置は人によって微妙に違っています。鍼灸師はツボの位置を探り当て、ツボに対して正確に鍼や灸をすることが求められるので、集中力がなければやっていけません。

患者は、自分の症状をすべて把握しているとは限りません。患者の症状を把握しなければ、適切な施術をおこなうことはできないため、鍼灸師は患者の様子や施術に対する変化から、患者の症状を見抜く洞察力が求められます。

患者の症状を把握したり、施術内容を判断するためには、患者がどのような症状に悩んでいて、どう治療してもらいたいのか、ということをコミュニケーションを通して理解する必要があります。患者が安心して施術を受けるためにも、コミュニケーション能力が必要です。

鍼灸師の平均年収と他職種との比較

鍼灸師の平均年収について

転職会議によると、鍼灸師の平均年収は262万円です。一般的な水準と比べると、決して高いわけではありません。

他の職種・平均との比較

  • 日本の平均収入:422万円
  • その他ビューティー系関連職:272万円
  • その他サービス関連職:320万円

上記の通り鍼灸師の平均年収は262万円となっており、日本の平均年収422万円と比較すると160万円少ない金額です。他の類似職と比較すると、その他ビューティー系関連職は272万円、その他サービス関連職は320万円です。

鍼灸師のボーナス・昇給事情

ボーナスについて

勤務先によって異なります。また、雇用形態によっても異なります。多くの会社では年2回の賞与がある場合が多いですが、会社によっては賞与がない場合もあるなど、ボーナス事情には差があります。

昇給について

ボーナス同様、勤務先、あるいは雇用形態によって異なります。同じ勤務先に長く勤務して実績を積んでいけば、昇給の可能性も高くなります。しかし、会社によっては昇給がほとんどない場合もあるので、一概に昇給の有無や額を断定できません。また、鍼灸師として独立開業した場合には、収入が大きく増減します。

鍼灸師の年齢別平均年収推移シミュレーション

鍼灸師の年齢別の平均年収を5歳刻みで算出をしました。年齢別の月給と年収の推定値はどのようになっているでしょうか。

年齢 年収 月給 ボーナス
20~24歳 162.4万円 11.1万円 28.7万円
25~29歳 211.5万円 14.5万円 37.4万円
30~34歳 243.7万円 16.7万円 43.0万円
35~39歳 267.0万円 18.3万円 47.2万円
40~44歳 287.8万円 19.7万円 50.8万円
45~49歳 304.2万円 20.9万円 53.7万円
50~54歳 317.0万円 21.7万円 56.0万円
55~59歳 312.4万円 21.4万円 55.2万円
60~64歳 234.2万円 16.1万円 41.4万円

年齢別の平均年収を5歳刻みで算出すると、30~34歳での平均年収は243.7万円、うちボーナスは43万円になると予測されます。40~44歳では平均年収が287.8万円、うちボーナスは50.8万円になると予測されます。

※編集部で規定したアルゴリズムに基づいた算出であるため、あくまでも予測シミュレーション数値です。

鍼灸師と日本の平均年収との年齢別比較シミュレーション

年齢 鍼灸師の平均年収 日本の平均年収
20~24歳 162.4万円 263.5万円
25~29歳 211.5万円 343.3万円
30~34歳 243.7万円 395.5万円
35~39歳 267.0万円 433.4万円
40~44歳 287.8万円 467.1万円
45~49歳 304.2万円 493.8万円
50~54歳 317.0万円 514.4万円
55~59歳 312.4万円 507.0万円
60~64歳 234.2万円 380.1万円

鍼灸師の平均年収は、日本の企業全体の平均年収と比較すると低いといえるでしょう。30~34歳の平均年収は243.7万円で、日本の平均と比較すると151.8万円ほど低くなると推測されます。40~44歳では287.8万円の予測です。

※編集部で規定したアルゴリズムに基づいた算出であるため、あくまでも予測シミュレーション数値です。

鍼灸師の生涯賃金シミュレーション

  鍼灸師の平均年収 日本の平均年収
生涯賃金 1.17億円 1.90億円

日本の平均的な生涯賃金と鍼灸師の生涯賃金を比較してみましょう。鍼灸師の平均年収は262万円であることがわかりました。一方、日本の平均年収は422万円です。20~65歳まで勤めたと仮定した場合、生涯で得られる賃金はどれくらいになるのでしょうか。その結果が、上記の表です。

鍼灸師の生涯賃金は、1.17億円と予想されます。日本の平均生涯賃金と比較すると7,300万円ほど少ないと推測されます。

※編集部で規定したアルゴリズムに基づいた算出であるため、あくまでも予測シミュレーション数値です。

まとめ

鍼灸師の平均年収は262万円で、日本の平均年収と比較すると低いことがわかりました。

鍼灸師は、患者に合わせてツボを探り当て、鍼や灸を使うため、施術の間は常に集中して繊細な作業が求められます。また、人を相手にするので、気配りが必要となる大変な仕事だといえます。

しかし、自分の施術で症状が改善するのを目の当たりにできたり、患者から感謝の言葉をもらえることは、鍼灸師のやりがいだといえるでしょう。鍼灸師は、自分の腕ひとつで独立開業したりスポーツトレーナーや美容関係やリハビリ関係の職に就いたり、さまざまな道を切り開いていけます。人のためになることや、人の役に立ちたいという人には、適した仕事だといえます。

※最後に、本記事につきましては、公開されている情報を活用し、当社が独自の基準によってシミュレーションした結果を開示しているものとなります。読者の皆様に企業選択の一助になればという趣旨で情報を作成しておりますため、なるべく実態に近い状態のシミュレーションとなる様に最善を尽くしているものの、実際の報酬額とは異なります。 あくまでも参考情報の一つとしてご活用くださいませ。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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