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航海士とは
航海士とは、各種船舶に乗船して船の運航を担う職業です。経験の度合いや資格によって1等航海士から3等航海士に分かれており、それぞれ仕事の内容と年収に違いがあります。原則として国家資格である「海技士(航海)」の免許が必要であり、さらに船舶の大きさによって級が分かれています。
この記事では、航海士のなかでも3等航海士に焦点を当てて、その業務内容や必要な能力、年収についてみていきましょう。
航海士の業務内容
航海士は、船舶を運用するために各部署に割り当てられ、そこでの仕事を担当します。部署には、船のエンジンを担当する機関部、通信全般を担当する通信所、甲板で積み荷の監督をする甲板作業員など、多数の種類があります。
航海士に求められる能力について
- 責任感
- 統制力
- 体力があること
航海士に求められる能力は、まず体力があることです。航海士は、ひとたび出航すると数週間から数か月単位で船に乗船し続けることになります。基本的な能力として、体力錬成を積極的に取り組むことによって強靭な肉体を作り体力を鍛えることが求められます。
次に責任感があることが求められます。たとえば、油を輸送するタンカーでの勤務では、ミスがあれば環境汚染や乗員の命に関わることもあります。重要な任務をになうことも多いため、任された仕事をきっちりこなす責任感が強く求められるのです。
最後に、良好な人間関係を構築する能力も必要になるでしょう。船上では、最大で数か月単位で共同生活をすることも珍しくないために、誰とでもすぐ仲良くなり協力していくことが求められます。
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航海士の平均年収と他職種との比較
航海士の平均年収について
厚労省の賃金構造基本統計調査によると、航海士の平均年収は478万円です。階級や所有している資格、経験によっても異なりますが、おおよそこの程度と考えてよいでしょう。
他の職種・平均との比較
- 日本の平均年収:422万円
- 甲板員:421万円
航海士の平均年収を、日本の平均年収である422万円と比較すると、航海士の年収のほうがやや高いことがわかります。人事院の職種別民間給与実態調査によると、似ている業種である甲板員は422万円です。
航海士のボーナス・昇給事情
ボーナスについて
航海士のボーナスは、世界中を周る遠洋航海なのか、日本国内のみを周る航海なのか、といったポイントで変わることが多いようです。
昇給について
航海士は、資格を修得し階級が上がるにつれて、昇給していく可能性が高いです。経験年数と所有資格によって昇格し、それにともなって昇給していくというスタイルです。
航海士の年齢別平均年収推移シミュレーション
年齢 | 年収 | 月給 | ボーナス |
20~24歳 | 298.5万円 | 20.5万円 | 52.7万円 |
25~29歳 | 388.8万円 | 26.7万円 | 68.7万円 |
30~34歳 | 448.0万円 | 30.7万円 | 79.1万円 |
35~39歳 | 490.9万円 | 33.7万円 | 86.7万円 |
40~44歳 | 529.1万円 | 36.3万円 | 93.5万円 |
45~49歳 | 559.3万円 | 38.4万円 | 98.8万円 |
50~54歳 | 582.7万円 | 40.0万円 | 102.9万円 |
55~59歳 | 574.3万円 | 39.4万円 | 101.5万円 |
60~64歳 | 430.5万円 | 29.5万円 | 76.1万円 |
航海士の年齢別の平均年収を5歳刻みで算出をしました。年齢別の月給と年収の推定値はどのようになっているでしょうか。
年齢別の平均年収を5歳刻みで算出すると、30~34歳での平均年収は448万円、うちボーナスは79万円になると予測されます。40~44歳では平均年収が529万円、うちボーナスは93万円になると予測されます。
航海士と日本の平均年収との年齢別比較シミュレーション
年齢 | 航海士の平均年収 | 日本の平均年収 |
20~24歳 | 298.5万円 | 263.5万円 |
25~29歳 | 388.8万円 | 343.3万円 |
30~34歳 | 448.0万円 | 395.5万円 |
35~39歳 | 490.9万円 | 433.4万円 |
40~44歳 | 529.1万円 | 467.1万円 |
45~49歳 | 559.3万円 | 493.8万円 |
50~54歳 | 582.7万円 | 514.4万円 |
55~59歳 | 574.3万円 | 507.0万円 |
60~64歳 | 430.5万円 | 380.1万円 |
航海士の平均年収は、日本の企業全体の平均年収と比較すると高いと言えるでしょう。30~34歳の平均年収は448万円で、日本の平均と比較すると26万円ほど高くなると推測されます。40~44歳では529万円の予測です。
航海士の生涯賃金シミュレーション
航海士の平均年収 | 日本の平均年収 | |
生涯賃金 | 2.15億円 | 1.90億円 |
日本の平均的な生涯賃金と航海士の生涯賃金を比較してみましょう。航海士の平均年収は478万円であることがわかりました。一方、日本の平均年収は422万円です。20~65歳まで勤めたと仮定した場合、生涯で得られる賃金はどれくらいになるのでしょうか。その結果が、上記の表です。
航海士の生涯賃金は、2.15億円と予想されます。日本の平均生涯賃金と比較すると0.25億円ほど高いと推測されます。
まとめ
船に関係している職業は、長期間ひとつの場所に固定されることが多いです。遠洋航海や世界を周る客船では特にこの傾向が強いために、ひとたび航海を始めると、数か月間家族や友人と会えないといったことは珍しくありません。また、資格修得に必要な勉強も並大抵のものではないので、一般的には高校から商船学校などに通って資格を取得するという道がセオリーとなっているようです。
※最後に、本記事につきましては、公開されている情報を活用し、当社が独自の基準によってシミュレーションした結果を開示しているものとなります。読者の皆様に企業選択の一助になればという趣旨で情報を作成しておりますため、なるべく実態に近い状態のシミュレーションとなる様に最善を尽くしているものの、実際の報酬額とは異なります。 あくまでも参考情報の一つとしてご活用くださいませ。