目次
塾講師について
塾講師とは、塾で生徒相手に授業を行う職業です。授業以外にもテストの作成や採点、成績が振るわない生徒の保護者面談など、様々な仕事をこなす必要があります。授業だけではなく、見えないところでの業務も多いのが特徴です。
ここでは、塾講師の仕事を理解した上で、より採用されやすい志望動機を記述することができるように解説していきます。
塾講師の主な業務内容
塾講師の主な業務内容は、授業と生徒指導です。数学の先生、英語の先生というように各科目ごとに講師が固定で決まっている塾もあれば、複数の科目を指導することが要求される塾もあります。特定の科目を受け持ちたいということであれば、事前にそれが可能かどうか確認しておく必要があるでしょう。
態度の悪い生徒に対して注意をするといった生徒指導も塾講師の仕事の1つです。また、授業や生徒指導以外に、テストの作成、授業プリントの作成、テストの採点など、各種事務作業を行う必要があります。
志望動機を書く際の注意ポイント
志望動機を書く際のポイントは、なぜその会社を希望したのかということを具体的に述べることです。たくさんの塾がある中、「なぜその会社がいいのか」「他の会社と比較してなぜその会社に惹かれたのか」ということを分かりやすく簡潔に述べる必要があります。
また、入社後自分がどのように活躍できるかといったアピールポイントも、できる限り具体的に述べるとよいでしょう。
中学受験の経験がある場合はアピールする
志望動機を書く中で、中学受験の経験がある場合は、そのことを盛り込むのも有効なアピール方法です。もし自分が中学受験を経験している場合、そのことを志望動機もしくはそれ以外の箇所でアピールすると良いでしょう。なぜなら、自分自身が中学受験を経験していることで指導できる幅が広がるからです。
小学生など年齢の低い子供になればなるほど、教科内容以外にやる気のコントロールなどが課題となってくるでしょう。その際、塾講師側に中学受験の経験があり、相手の子供の気持ちがわかっていることは指導する上で有効に働くのです。ただ、誰もが中学受験を経験しているわけではありませんので、中学受験の指導ができる講師を探している塾側にとって貴重な存在になるでしょう。
同じように、エスカレーター式で大学まで上がったという人も、その経験を伝えると良いでしょう。自分自身の経験が、思いも寄らぬチャンスを引き寄せる可能性があるのです。
塾講師や家庭教師の経験をアピールする
もし、学生時代に塾講師や家庭教師をした経験があれば、それもアピールしていきましょう。学生時代の塾講師・家庭教師経験は、自分の人柄や実績、教育への熱意などをアピールする大きなチャンスです。アピールする際には具体的に経験したことを盛り込めば説得力が増すでしょう。
企業が採用したいのは、入社後に成長・活躍できる人材です。しかし、それをテストするために実際に入社後の仕事をしてもらうわけではありません。書類選考や面接など、限られた機会でそれを把握します。実際に教育の仕事に携わった経験があれば、そこから入社後の活躍ぶりを把握しやすいでしょう。塾によって方針が違う可能性があるので、そこに注意した上で、「うちでも活躍してくれそうだ」と思ってもらえる経験を盛り込んでいくようにしてください。
塾講師になりたいと思ったきっかけを述べる
塾講師や家庭教師の経験があり実績を出していたとしても、それだけで即採用になるかというと、必ずしもそうではありません。どれだけ能力的に塾講師に適していたとしても、本人がやりがいを持って働けなければ、長く続けることは難しいからです。そこで、塾講師として長く働きたいという熱意を伝えるため、なりたいと思ったきっかけをしっかりと述べることが大切です。
そのためには、「なぜ塾講師になりたいのか?」という質問を自分に投げかけ、十分に自己分析をしておく必要があります。ここをきちんと掘り下げ、具体的なエピソードとともに伝え切ることがとても重要です。例え現状は未経験だったとしても、入社後の成長の可能性を強くアピールすることは十分にできるでしょう。
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塾講師の正しい志望動機例5選
次に、塾講師の志望動機として採用に結びつきやすい志望理由の例文を紹介します。
志望動機の例文①
私は中学生の時に教えてもらっていた先生の授業が非常に分かりやすく、さらには面白かったため、その先生を今でも尊敬しています。あの先生のように子供達が楽しく勉強できるような授業をすることで、今後の将来を担う子供達を育成したいと思い志望しました。
貴社に入社後は、楽しく、かつ分かりやすい授業を展開すべく日々精進していきます。また、授業のみならず、授業に付随する業務も丁寧かつ迅速にこなしていきたいと考えております。
まず、尊敬している先生について具体的に述べられている点が良いです。このようにできる限り具体的かつ端的に表現するようにしましょう。
また、入社後にどのように取り組んでいくかについても、長すぎない程度に述べることができています。塾講師は授業だけではなく様々な業務があるため、授業以外の業務があることを知っているということもアピールできています。
志望動機の例文②
私が貴社を志望したのは、貴社が少人数授業を展開しているからです。私は大人数の授業ではなく、少人数の授業で1人1人丁寧にかかわっていきたいと考えています。そのためそのような授業スタイルをとっている貴社を志望しました。
また貴社へ入社した際には、生徒たちの成績が上がり、さらには楽しく勉強できるような授業を展開すべく日々精進してきたいと考えております。
授業スタイルについて言及している点から、各塾の特徴までしっかりと調べることができていることが伺い知れます。また、丁寧に関わりたいと述べている点から、誠実さもアピールすることができています。
塾は成績を上げることが大前提ではありますが、楽しく勉強できなければなかなか生徒の成績は上がりません。そのため、成績を上げることと、生徒を楽しませることの両方に言及するとよいでしょう。
志望動機の例文③
私が貴社を志望したのは、貴社がセンター試験廃止など今後を見据えた教育に力を入れているからです。数ある塾の中でも、今後の社会の変化に合わせた教育に力を最も入れているのは貴社であり、教育は社会の流れに合わせて行うものであるという私の考えに最も合っていると考え志望しました。
貴社に入社した際には、社会の流れに気を配り、社会に出ても役に立つようなことを指導できるようにしていくとともに、学校の成績も上がるような指導をしたいと考えています。
教育業界では、センター試験廃止やアクティブラーニングの導入など、国が方向性を転換しているため、塾もそれに合わせて変化することが求められています。しかしながら、そうした時代の流れに合わせることができていない塾があるのも事実です。
そういった社会背景まで言及できれば、採用担当者に「この業界のことを良く調べている」と判断してもらえるでしょう。
志望動機の例文④
私が貴社を志望しますのは、貴社が生徒の「自律して学ぶ力」を重視している点に共感したためです。私は学生時代、家庭教師のアルバイトを経験しました。その中で、勉強が苦手な子のほとんどが、「勉強の仕方を知らない」「イヤイヤやっている」という状況にあることを感じました。
そこで、効率的な学習法やモチベーションアップの声がけを積極的におこない、自分から学んで結果を出せるように働きかけると、明らかに成績が向上するようになったのです。この経験を貴社でも活かし、勉強に苦手意識を持つ子の自律力を育て、貢献したいと考えます。
この例文では、冒頭に塾の理念に共感したという志望動機が書かれており、「貴社でなくてはならない理由」が明確に伝わる内容になっています。自分自身のアルバイトの経験を「自律して学ぶ力」という視点から伝えられており、自分の取り組みで成果が出たこともアピールできています。入社後にどのように取り組みたいのかも明確に打ち出されており、理念にもマッチしていますので好印象を与えることができるでしょう。
志望動機の例文⑤
私が貴社を志望するのは、貴社が中学受験に特に力を入れ、大きな成果を出している塾だからです。私も中学受験を経験しましたが、受検前のギリギリに塾へ通うことになり、とても苦労しました。集中力も無く、勉強の習慣もありませんでしたが、そのときお世話になった先生がうまくやる気を出させ的確な指導をしてくれたため、短期集中で合格を手にすることができました。
その先生との出会いがなければ、私は当時のまま勉強が苦手・嫌いなままだったかも知れません。私もお世話になった先生のように、貴社で中学に進む子の可能性を広げるお手伝いを精一杯していきたいと考えます。
この例文では、「中学受験に特に力を入れている」という志望先の特徴を押さえ、それに合致する形で志望動機がまとめられています。自分自身が中学受験で苦労し、短期で結果を出していますから、勉強方法ややる気の出し方など小学生の指導に役立つ経験としてアピールできるでしょう。自分の経験から塾講師を志望したことが伝わり、熱意の強さも十分にアピールできている志望動機です。
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塾講師の志望動機NG例
ここでは、志望動機として説得力がないために採用に結びつきにくい表現を紹介します。
NG例
人に教えることが好きなので、塾講師という仕事に興味があります。また、中学生の時に教えてもらっていた塾の先生を尊敬していたため、自分もその先生を目指して頑張ってみようと思ったからです。今度は自分が教える側になって恩返しがしたいと考え志望しました。
また貴社は、大手の塾であり収入も高く安定していると思い志望しました。
上の例文はやや具体性に欠けます。例えば、教える仕事になぜ興味があるのか、教えてもらっていた先生のどんなところを尊敬していたのか、などが分かりません。こういった志望動機はある程度誰でも書けるため、なかなか採用には結びつきません。
また、自分がどのように頑張っていくのかわかりにくい志望動機です。例えば、「分かりやすく、楽しく教えることで、勉強に興味を持ってもらえるような授業を目指して頑張りたいです」などと書くとより良いでしょう。
さらに、志望理由において会社の規模や収入について触れるのはあまりおすすめできません。
まとめ
ここまで、塾講師の業務内容と、NGな志望理由、OKな志望理由について紹介してきました。採用される志望動機を作るには、塾講師の業務内容、各塾の特徴、塾業界が抱える問題などを踏まえた上で作成する必要があります。
まずは、塾講師の業務内容を塾アルバイト経験者に聞いたり、ネットで調べたりするとよいでしょう。また各塾の特徴については、ホームページやチラシ、フェイスブックなどいろいろな情報源から、その塾ならではのアピールポイントをつかむことができれば、志望動機を考える際に役立ちます。
できる限り綿密な情報収集を行い、できる限り分かりやすくまとめるのがコツです。