就活その他

【小論文の書き方|就職編】知っておきたい構成のポイント

就職試験で小論文が課されることは多い

就活中はつい面接試験やESなどの書類選考に意識が向きがちです。しかし、今までも病院や看護師などの職では特に問われてきており、近年さりげなく重視される傾向にあるのが、小論文や作文試験なのです。小論文は同じ題材で問題を出しても、基本的に十人十色の回答になりますし、絶対的な模範解答は存在しません。それゆえに毎年対策する就活生を苦しめる一つの要因となっていることでしょう。

そこで本記事では、そんな小論文についてどのような対策を積んでいくべきか、具体的な例文とともに紹介していきます。実際、小論文は自由度が高いにように見えても、押さえるべきポイントを押さえれば十分に平均点以上を獲得することができます。本記事のポイントをしっかりと押さえて、周囲の就活生よりも一歩リードした小論文をマスターしましょう。

小論文の文字数は800文字程度

小論文はテーマだけでなく、字数なども全て企業によって異なります。しかし、一般的にはだいたい800文字程度、制限時間は60分程度というケースが多いようです。この字数・制限時間を多いと感じるか少ないと感じるかには個人差があるでしょうが、この条件の中でできる限りポイントを押さえた小論文を完成させなくてはなりません。

字数が制限されているのであれば、その字数の範囲内に収まるように書かなくてはなりません。また、字数オーバーは良くありませんが、字数が少なすぎるのも良くありません。字数が少なく空白が多いと、「やる気が無い」印象になりますし、十分な論理展開ができていないと思われる可能性もあります。指定字数の9割以上は書くようにするとよいでしょう。

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小論文で課されやすい質問

まず、小論文で出やすいテーマを見ていきましょう。小論文を書く上でテーマは最重要事項に近いです。自分の得意なテーマが出れば比較的スムーズに書けますが、不得意なテーマでは時間がかかり、それゆえに文章まで崩れてしまうなどということは珍しくありません。以下に紹介する2テーマは特に頻出ですので、予めある程度の考えをまとめておきましょう。直接は使えなくとも、関連の深いテーマでは考えを応用できることもあります。

未来を問う内容

未来を問うテーマは面接だけでなく、小論文でも頻出です。具体的には「〇年後の自分について」、「将来の夢」などという形で出題されることが多いでしょう。類題として、「自分の理想とする社会人」などのような形式もありますので、頭の片隅に置いておくといいかもしません。企業側としては、学生時代までに積み重ねてきたことも大事ですが、それ以上に就職後の仕事ぶりが何よりも気になるところです。

したがって、学生が果たして就職した後にどのような夢や目標を持って努力してくれるのか、ということを知ることが出題の意図だと考えられます。自分なりに就職後に身に着けたいスキルや、「このような仕事ができる人間になりたい!」というような目標を日々考えておくことで、本番もスムーズに内容が書けるでしょう。

学生時代について

こちらは「学生時代に最も努力してきたこと」、「あなたが最も大事にしたいと思うこと」などという形での出題が多いです。場合によっては、「学外での活動(部活動やボランティアなど)について」という形で聞かれるかもしれません。企業としては学生時代に努力してきたことも非常に気になります。

学生はあくまで学校で勉強や活動をすることが主たる業務であったわけですから、その中でどのような経験をして、どのような能力を身に着けてきたのかは当然知りたいのです。小学校から数えれば、大学までで16年、大学院までで18年もあります。自分では気づかないかもしれませんが、必ずどこかで努力していることはありますし、無意識のうちに意識していることはいくらでもあるでしょう。十分に自己分析をして、必ずまとめておきましょう。

小論文の書き方ポイント3つ

それでは、具体的に小論文の文章を書くにあたって、気を付けるべきポイントを3点に絞って紹介します。小論文はある程度の自由度が保証されている分、採点者も採点が難しい試験方式です。したがって、いくつかのポイントを押さえることで、大きな減点はされないのです。ただし、以下の3点以外にも、名前の書き方など作文用紙の使い方にも気を付けるべき基本的な事項はあります。必ずインターネットで検索するなどし、調べておきましょう。

①自分の意見を言い切りの形で書く

小論文では、言い切るような文末で文章を書くように意識をしましょう。小論文では自分の考えや、経験などを基にした意見を述べることが多くあります。学生の中には、自分の意見があっている自信がないために「~と思います。」などのようなぼかした表現を用いる方もいます。しかし、これは自信のない印象ややや稚拙な印象を与える可能性があるのです。

ただ、もちろん謙虚な姿勢は重要なことであり、傲慢な表現は避けるべきです。原則的には言い切りの形で、「~と思う」という表現をどうしてもしたい場合は、「~と考える」と書き直すことを意識するだけでもだいぶ印象は変わるでしょう。

②論理的に表現する

これは3つ目のポイントとも関連することですが、文章は常に論理的に整合性のある文章を書くように意識しましょう。小論文は基本的に手書き、かつマス目のある作文用紙を用いたものになります。したがって、PCで入力する場合のように途中で間違いに気づいて修正をしたり、構成を入れ替えたりというようなことはできません。

ありがちなことは、時間に追われて勢いよく書いているうちに白熱して、話が前後で矛盾したり脱線してしまったりということです。これは、読み手からすると文章の要点が理解できず、印象的にも評価的にも悪くならざるを得ません。予めある程度の文章の構成を考えた上で、一文一文、前の文章との整合性を確認しながら書く習慣をつけましょう。

③構成を頭の中で意識しながら書く

前項の内容でもお話した通り、小論文を書く前と書いている途中は、文章の全体的な構成を頭の中で想像しながら書くようにしましょう。最初に考えることで、前後で意見が変わったり、矛盾しているなどということも少なくなります。一般的な小論文の構成は「序論・本論・結論」です。序論で問題提起と解答をするか自分の意見の要点を述べ、本論では解答の根拠や自分の意見を補強するエピソードなどを述べます。

最後に結論で、問題への解答をまとめたり、自分の意見を再度強調して終えましょう。ポイントは、序論でしっかりと問題への解答や、自分の意見の軸となる部分を述べることです。つい解答や意見の要点は結論に持っていきたくなりますが、推理小説ではありませんので、最初に結論の要点がわかる方が読み手にとっては読みやすいのです。

序論

小論文でまず最初に書くのは序論です。序論とは、その小論文で主張したい内容をまとめたものです。「私は、社会人として生きていく上で最も大切なことは○○だと考えます」「これからの△△業界に求められているのは××です」など、主張のポイントをコンパクトにまとめましょう。

序論の内容は、小論文全体の結論と一致していなくてはなりません。明確な主張があることと、それを冒頭で明示するということが、作文との大きな違いです。小論文の課題には何らかの問題提起があるでしょう。それに対して自分の答えを述べ、その根拠等をまとめていくのが小論文の基本的な書き方です。

もちろん、中には明確な問題提起がされていない課題もあるでしょう。「社会人について書きなさい」というような場合です。この場合は、例えば「これからの社会人にとって大切な資質とは何か」「社会人としてこれから生きていく上での大切な心構えとは何か」といった問題提起を自分でした上で、結論を述べるとよいでしょう。

本論

序論を書いたら次に本論を書いていきますが、本論は小論文全体の中でも特に大切な部分です。本論の役割は、「序論で述べた自分の主張の根拠を伝え、説得力を生む」ことです。根拠のない主張、根拠の弱い主張は、ただ単に自分の思っていることを話しているだけで、説得力がありません。

本論を書く際には、序論で述べた主張に対し、「なぜそう言えるのか?」と自分自身で突っ込んでみるのがよいでしょう。この突っ込みに対して答えていくのが本論になります。

この本論にはなるべく具体的な例を入れるのがおすすめです。自分の実体験であったりすればより強い説得力が生まれます。「私は学生時代に○○という経験をしました。その経験を通し、△△が大切だということを学びました」という流れです。本論は読み手がイメージできるように具体的に書き、説得力を生み出しましょう。

結論

小論文の最後は結論でしめます。結論の役割は、本論の内容を受け、最終的に自分が主張したいことをわかりやすく伝えるということです。本論で書いた根拠と、序論で示した主張をつなげれば結論が出来上がります。

逆に言うと、結論でいろいろなことを盛り込もうとするのは失敗のもとです。結論は本論と序論の内容をまとめさえすれば完成します。逆に、それ以外のものを加えてしまうと論点が散らばってしまい、「最終的に何が言いたいのかわからない」という状況になってしまうでしょう。

序論、本論とまとまった内容を書いてきたのに、結論部分で主張が曖昧になってしまうというのは最悪です。テーマによっては「もっといろいろ書きたい」という衝動が起こることもあるかも知れません。しかし、小論文では序論・本論を受けた内容をまとめることに徹した方が良いでしょう。

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小論文の書き方【例文】

それでは実際に文章を書いてみましょう。小論文は400字前後にまとめる指定が多いです。1つの文章を書くのに時間も取るため、少し面倒な印象を受けますが、慣れれば思ったよりも400字は少ないものです。文章は十人十色ですので、例文をそのまま引用できることは非常に少ないです。しかし、ポイントを具体的に理解するには有効ですし、いいと感じた表現や構成は積極的に盗んでいくと良いでしょう。

例文①

【将来の夢について】

私の将来の夢は、高齢者住民が住みやすい町作り、地域作りを促進することです。夢を持ったきっかけは、大学時代に地元の町で行われた企業主催の地域活性化運動に参加したことです。少子高齢化が進む地方の町では、企業との関わりが活性化には不可欠です。また、私自身も高齢者の方とふれあい、優しさに触れることで活力を頂きました。現在、私は高齢者の方々と継続して関わりを持つために、定期的に介護施設等のボランティア活動に参加しています。高齢者の方の話は経験に即した深く心に残るものが多く、地域のことを知る中で自身の行動についても内省する時間となっています。今後は夢を実現するために、私は更に地域住民の方との交流を増やし、御社が行っている高齢者向けのサービスを踏まえ、地域の方のニーズと企業の一員としてできることを消費者の目線に立って考えていきます。将来的には、企業と地域の方が合同して、地域の活性化をしていけるような事業を展開しすることを目標に努力を重ねていきます。

ポイントで述べたように、最初は序論として自分の夢を伝えましょう。そして、次に本論で夢を持ったきっかけや、その夢が妥当だと考えられるような根拠となるエピソードや考えを述べています。最後の結論は、就職後の展望を踏まえて、夢を実現していきたいという旨で締めています。

重要なことは終始、「高齢者が住みやすい街づくりと活性化」という観点を崩さないことです。これを念頭に置くことで、大きく話が脱線したり、意見の矛盾が起こることは少なくなるでしょう。

例文②

【学生時代に努力したこと】

学生時代に私が最も努力したことは、IT企業の長期インターンで担当した業務の売上を、月間で50万円ほど伸ばすことができた経験です。私はITに関する事業に興味があり、勉強ももちろんですが、実際の現場で経験を積みたいという思いから、インターンに参加しました。私は情報系の学部に所属しており、Webサイトの知識もあったことから、主に公式サイトの運営を行いました。担当した事業では、同業他社と比較して品質の高さをウリにPRを行っていましたが、売り上げは低迷していたのです。しかし、原因を探ってみるとサイトの最前面に料金体系があり、それを見てお客様が逃げてしまうのではないかという考えが浮かびました。実際に品質の高さを前面にアピールし、料金体系はそのあとに添えることで一気に売り上げは伸びたのです。私はこの経験から、自分の体験したことのないことにも思い切って挑戦していくことの大切さを知りました。できないだろうという弱い気持ちを捨てて、自信を持って試行錯誤していくことで、何事にも結果はついてくると考えます。

必ずしも、これほど企業の業務に直結したものである必要はありません。部活動のチームワーク、アルバイトのコミュニケーション能力、最も意識してきたことを自信を持って書くことが重要です。

書く際はとにかく具体性を意識しましょう。学生の経験を採点者は全く知らないので、それでもわかるように丁寧かつ具体的な文章でなければ伝わりません。5W1Hを意識して、「誰が、いつ、どこで、何を、なぜ、どのように」という要素をしっかりと盛り込みましょう。

小論文を上達させる方法

小論文の書き方についてはここまでで紹介してきました。しかし小論文は、書き方がわかったからといってすぐに上手に書けるわけではありません。スポーツや楽器演奏などと同じく、実際に自分で手を動かし、慣れていくことが大切なのです。では小論文に慣れ、効果的に上達していくためにはどのような方法を実践すべきなのでしょうか?

ここからは、小論文上達の代表的な方法を紹介します。複雑な方法にいろいろとチャレンジして結局続けられなくなってしまうよりも、これから示すシンプルな方法をコツコツと続けていった方が着実に実力を付けていくことができるはずです。

繰り返し小論文を書いて慣れる

先にも述べた通り、小論文はスポーツや楽器演奏と同様、慣れるのがとても大事です。つまり、繰り返し小論文を書いて慣れていくということです。文章になれていない人は、そもそも自分の考えを文章の形にして書くということがハードルとなってしまうでしょう。

その状態から一気に良い小論文を書くのは困難です。まずは小論文形式の文章を書くことに慣れるようにしましょう。

最初は、小論文形式の文章に戸惑いを覚えるかも知れません。日常生活の中では、序論・本論・結論という形式で話をすることなどないからです。しかし、慣れてしまえば自然に書けるようになるので安心してください。むしろ慣れてしまえば、その形式が自然と身に付いてスムーズに小論文を書くことができるようになります。過去問や頻出手間などを調べ、ぜひ何度も書いてみてください。

他の人の論文を読んでコツを掴む

小論文をたくさん書く以外の上達のコツとしては、他の人の論文を読んでコツを掴むことでしょう。小論文は書くだけでなく、読むことによっても論理展開の仕方を身に付けることができるのです。

逆に、自分で書いているだけだと、自分のクセや誤りに気づけない場合もあります。他の人の論文を読むことで自分の論文の良い点・改善が必要な点が見えてくるということもあるでしょう。

他の人の論文を読む際には、「自分ならどう書くか」を意識することも大切です。実際に自分が書いたことのないテーマだったとしても、「自分ならこう書こう」とイメージし、それを他の人の論文と比較することで、気づきが得られます。ぜひ他の人の論文にもたくさん触れるようにしてみてください。

小論文は実際に書いて練習することが大事

小論文はポイントを勉強することも大事ですが、何よりも経験がものを言います。作文用紙の使い方などの最低限の知識を得たら、すぐに実際に書いてみましょう。書いた後は再度、押さえるべきポイントと照らし合わせて自己評価を行い、第三者からの評価ももらいます。これを繰り替えすことで自然と慣れていき、書いたことのないテーマでも比較的スムーズにきれいな文章を書くことができるようになります。

語彙力や文章力といったものは今まで本を読んできたかどうかや、天性の才能に頼らざるを得ませんが、それが全てではないのです。早めから準備を進めておけば、直前になって無理に時間を割くことはありません。計画的な対策で、就職活動のスタートダッシュを切りましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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