就活その他

企業の選び方|後悔しないために知っておきたい判断基準

説明会が企業探しに役に立ったと回答する就活生が39.9%

志望企業を探す上で最も役に立ったものは?という質問に対する回答のグラフ

【調査概要】
調査日:2020年10月2日
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査対象:2021年に大学を卒業予定の就活生
有効回答数:281名
※複数回答可

2021年卒業予定の就活生を対象に行ったアンケート調査では、企業説明会が志望企業を探す上で役に立ったと回答した人が39.9%でした。ついで合同説明会が19.2%。約6割の就活生が志望企業を探すのに説明会が役に立ったと回答しています。

実際に企業の人事や役員の話を直接聞くことによって、その企業へのイメージが明確になるからでしょう。ある企業に興味がある状態から、説明会に参加することで、「入社したい」と、気持ちが変化するきっかけになったことから、「企業説明会」と回答する人が多かったことがわかります。

企業の選び方に悩む就活生はたくさんいます。就活では何十社、何百社と選考を受けることはできますが、最終的に就職できるのは1社だけです。どの企業に就職すべきかを決めるためにも、正しい選び方を身に付けておかなければなりません。

また、企業の選び方が理解できていないと、志望先を決める段階で困ってしまいます。すべての企業の選考を受けるのは時間的に無理があり、どの企業を受けるか絞り込むことが大切です。選考を受ける段階で絞り込みができていないと、無駄に時間がかかってしまい、効率的に就活を進めることができません。企業の選び方を知ることは、就活をスムーズに進めることに繋がりますので、正しい方法を身に付けていきましょう。

企業選びの前にしておくべきこと

これから始まる就職活動の前に企業を選ぶ必要があります。自分の興味のある業界でも、企業によって仕事内容や社風、仕事に対する考え方は大きく異なります。そのため、企業を具体的に決めるより先に、やるべきことがあります。

自分のことを良く知り、向いている企業を知る「自己分析」、業界全体の流れや傾向をつかむための「業界研究」、企業のことをより深く知るための「企業研究」などです。いきなり就職先として企業を決めるのは大変ですが、これらの工程をしっかり踏むことで、自分に合った就職先が分かってくるでしょう。

自己分析

自分の事をよく知るためには、まず自己分析が欠かせません。自分のことなのだから、自分が一番よく分かっていると思いがちですが、改めて自分についてしっかりと考える機会は今まであまりなかったのではないでしょうか。

今までの人生の中で印象に残っているできごとやターニングポイントとなった時などを時系列で書き出してみましょう。そして、その時にどんな選択をしたのか、またなぜそのような答えを出したのか、ひとつひとつ確認してみてください。

これまでの傾向や自分の考え、何を大切にしているかなどが分かってきます。そして、その答えから、これからどのような仕事をしたいのか、どのような仕事が自分に向いているのかを考えてみてください。

あなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活は、自分の強みを活かせる職場を見つけることが大事ですが、どの職業が本当に自分に合っているのか迷うことはないでしょうか…?

そんなときは、「適職診断」を活用してください。
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志望する職業と自分の相性をチェックして、自分らしく働ける環境を見つけましょう。

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業界研究

興味のある業界や、働いてみたいと考えている業界全体について研究してみましょう。どんな傾向があるのか、近年の売り上げや市場の動向、どこの企業が売り上げを伸ばしているのかなどを調べます。

また、その業界ではどのような人が活躍しているのかを知ることで、自分との相性も分かってきます。ポイントとしては、まずは業界全体について広く浅く把握していくという点です。市場規模の大きさや代表的な企業など、まずは業界の状況を理解するところから始めてみましょう。

そして、全体の状況がつかめたら、さらに詳しい現状や今後どのようになっていくのかなどを調べていきます。業界内でも各企業によって違いはたくさんあります。詳しく調べていくことで、志望する企業がだんだんと絞り込めてきます。業界団体のホームページや、新聞・ニュースなどを活用してみましょう。

企業研究

企業研究は自分に合った企業かどうか見極めるために、企業について詳しく理解することです。自己分析や業界研究と同じく、就職活動には欠かせない重要な作業になります。企業研究をすることで、興味のある業界の中から自分に合う企業を見つけ出すことができます。

また、企業への志望動機を具体化するためにも役立ちます。「なぜこの企業で働きたいと思ったのか」という質問は、面接においても必ず聞かれます。その時に明確な答えを述べるためには、企業のことを深く理解していなければなりません。

企業のホームページやパンフレットなどを参考にするとよいでしょう。企業理念や創立年度、資本金、本拠地などの企業の基本的な情報や、扱っている商品やサービスなどの事業内容などを確認しておきましょう。

企業を選ぶ上で知っておくべきこと

世の中にはさまざまな企業があり、それぞれで特徴は違っています。同業界内であれば、どの企業も似たようなものに見えてしまうこともありますが、細部を確認すれば違っていることが多いです。

企業を選ぶ上では、その企業ならではの特徴を理解することが大切であり、細部の情報に目を向けることが大切です。企業を選ぶ上で知っておくべきことは、大きく3つに分けられます。それぞれのポイントを理解して、上手に企業を選びましょう。

業界内での位置づけ

企業を選ぶと考えれば、その企業だけにフォーカスしてしまいがちですが、一歩引いて業界内での位置づけを知っておくことが大切です。企業ごとに業界内での立ち位置は違っており、その違いこそが企業の特徴、独自性のある部分といえます。

常に業界でもトップクラスの売上を出し、業界全体を引っ張っている企業もあれば、目立たないながらも確実に利益を出し続けている企業もあります。これらの違いが生まれるのは企業の性質による部分が大きく、理解することで企業への理解も深まるでしょう。

職種ごとの仕事内容

ひとつの企業にはさまざまな職種があり、職種ごとに仕事内容は違っています。たとえば営業と事務では仕事内容が大きく異なります。職種についての理解を深めるのは大切なことです。また、同じ職種であっても、企業が違えば仕事内容が異なることも多いです。

同じ営業であっても、企業によって営業展開の方法や顧客の取り方などは違い、実際に担当する業務も異なります。求められる能力など、本質的な部分は共通することも多いですが、業務内容は異なるため、企業によっては自分がやりたいことができない可能性もあるので注意しましょう。同じ職種の企業ごとの仕事内容の違いを把握して、もっとも自分に合っていると感じる企業を選ぶことが大切です。

企業の社風

社風も企業ごとに大きく異なるポイントであり、企業選びでは欠かすことのできない部分です。似たような仕事をしている場合でも、社風が違えば取り組み方が異なり、仕事から得られる満足度にも影響が出ます。

人によってどんな環境で仕事がしたいのかは異なるため、自分ならどのように仕事がしたいかを考えましょう。実力主義で企業内でも競争の激しい社風もあれば、ともに成長することを喜びとして、支え合える社風もあります。

どちらが間違いでどちらが正解ということはなく、自分に合った社風を持つ企業を選ぶことが正解です。社風は仕事の環境を決める重要なポイントであるため、説明会などの機会を利用して、社員の雰囲気を感じ取っておきましょう。

給料・福利厚生・制度

給与や福利厚生など、企業の制度も働くうえで重要なポイントです。いくら仕事内容が自分に合っていたとしても、給料が低すぎれば生活していけません。逆に給料が高くても、残業時間が極端に多かったり、仕事が多忙すぎれば生活に支障が出てきてしまいます。

志望する企業を絞り込む際には、企業の事業内容や仕事内容だけでなく、給料や福利厚生などもしっかりと確認しておきましょう。社員のための寮が用意されている企業や、家族用の社宅がある企業、家賃の一部を負担してくれる補助制度がある場合などがあります。

有給休暇も年間で与えられる日数が決められています。有給休暇が次の年にも繰り越しが可能かなどもチェックしておきましょう。また、休日はいつなのか、長期休暇があるのかなども確認します。企業や職種によっては、資格取得を手助けしてくれる制度などもあるので、合わせて調べておくと参考になります。

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間違った企業の選び方

上手に企業を選ぶためには、どんな選び方が間違っているのかを知っておくことも大切です。人によって企業の選び方は異なり、無意識に間違ったやり方で選んでしまっていることもあります。間違った選び方で企業を選んでいると、就活に行き詰ってしまうことが多くなるため注意しなければなりません。自身の企業の選び方と比較して考え、間違ったやり方で企業を選んでしまっていないか、チェックしておきましょう。

適性を意識しない

企業を選ぶ上では、憧れがあったり、やりたい仕事を優先して決めるのは大切なことですが、適性を意識しないのはNGです。憧れの企業へ就職して、夢見ていた仕事をするのは素晴らしいことですが、やりたい=活躍できるわけではありません。

どれだけやってみたい仕事でも、適性がなければ活躍できない可能性が高く、成果が出せないことで充実感を感じれず、すぐにやめてしまうということも多いです。仕事には向き不向きがあるため、適性を意識して選ぶことが大切です。

また、仕事への適性だけではなく、企業との相性を踏まえて選ぶことも忘れてはいけません。企業ごとに社風は違い、どんな社風と相性がいいかは人によって違うため、仕事と企業、両方の適性を意識して決めましょう。

将来性をみない

やりたいことだけに目を向けて企業を選んだ場合に失敗しやすいのが、将来性を考慮しないということです。やりたいことを優先して企業に就職したとしても、企業が必ずしもその事業を運営し続けるとは限りません。

将来性がないと判断すれば、規模を縮小したり、その分野から撤退するという可能性もあります。仕事をする上では将来性は非常に重要であり、やりたいこと+将来も続けていけるかを考えた選び方が大切です。

将来性のないものを選んでしまうと、入社後に困るだけではなく、選考の段階でマイナスの印象を与える可能性もあります。将来性を把握できていない=業界、企業研究ができていないとみされ、志望度が低いと思われるので注意しましょう。

ネームバリューだけで選ぶ

ネームバリューのある大手企業はさまざまな魅力があるため、学生からも人気の就職先です。少しでも良い条件で働く、規模の大きい仕事をしたいと考え、大手にチャレンジするのはいいことですが、ネームバリューだけで選んでしまうのはNGです。

有名だからというだけで選んでしまうと、企業を志望する理由が弱くなってしまい、選考でのアピール力も弱くなります。大手はただでさえ競争率が高く、選考も難関であるため、中途半端な理由で志望しても合格するのは難しいです。

また、大手だけに絞ってしまうと、全滅する可能性もあるため、リスクを分散するためにもほかの企業にも目を向けることが大切です。大手を受けるのは悪いことではありませんが、それだけになってしまうのは問題ですので注意しましょう。

中小企業の上手な選び方

大手以外にも魅力的な企業はたくさんあり、優れた就職先を見つけるためには、中小企業に目を向けることも大切です。中小でも優良企業と呼ばれる企業は多くあり、場合によっては大手よりも好条件で働けるということもあります。

しかし、中小企業は数も多く、どの企業がいいのかよく分からないという人も多いでしょう。中小企業の選び方にはコツがありますので、それを把握しておけば、自分に合った企業を見つけられます。上手な選び方を知り、就活の選択肢を広げましょう

ビジネスモデルに注目

中小企業を選ぶ際には、ビジネスモデルに注目するのがおすすめです。ビジネスモデルとは、その企業がどのように利益を獲得しているのか、どのような方法で事業を進めているのかです。

ビジネスモデルとしては分かりやすいのは、BtoBやBtoCなどであり、これらが違っているだけで、仕事内容や仕事の性質なども大きく異なります。また事業方針を知り、どのように利益を獲得しているのか、根本的な部分を知っておくことも大切です。

優れたビジネスモデルを持つ企業は安定しており、倒産の危険性も少ないです。一躍有名になった企業でも、ビジネスモデルが悪ければその活躍は一瞬で終わってしまいます。長く続くビジネスモデルかを判断して、企業の安定性を見えておきましょう。

成長力に注目

企業を選ぶ指標としては、成長力にも注目が必要です。基本的には成長力の高い企業を見つけることが大切ですが、一過性のブームにならないか注意しておかなければなりません。高い成長力を誇っていたとしても、それがいつまでも続くとは限らず、ブームが去れば一気に売上が減少してしまうこともあります。

爆発的に成長している場合でも、安泰とは限らないため、ビジネスモデルなどもチェックしながら、成長がいつまで続くかを見極めることが大切です。成長力として見るべきなのは、どれだけ続けて成長できているかです。緩やかにであっても、毎年少しずつ成長している企業であれば、優れた企業の可能性は高く、就職先としてもおすすめできます。

隠れた優良企業を見つける

企業の価値と知名度は必ずしも一致するわけではなく、知られていない企業であっても、優良企業はたくさんあります。また、隠れた優良企業というのは、ビジネスマンの間では有名であることも多く、単に学生が知らないだけということがほとんどです。

業界に精通していないから知らないだけで、実際には知名度が高い場合もあるので、どんな企業でも目を向けてみることが大切です。隠れた優良企業は、大手の子会社であったり、マイナーな分野で活躍している企業などに多い傾向があります。ネームバリューを意識するのではなく、企業としての実力を意識して志望先を選びましょう。

就活は企業の選び方で成功する

就活をスムーズに進めるためには、志望する企業の上手な選び方を知っておくことが大切です。企業選びの段階で失敗している人は実は多く、最初の段階でつまづいてしまうと、成果もあげづらくなってしまいます。

就職の選択肢は膨大であるため、正しい選び方を理解して、本当に目指すべき企業をピックアップできることが大切です。ただ闇雲に就活を進めているだけでは成功しませんし、就職できても自分に合った企業でない可能性もあります。

単に就職を決めるだけではなく、自分に合った企業を見つけるためにも、選び方を知るのは大切なことです。企業の選び方で就活は変わりますので、上手な選び方を知って、自分に本当にあった企業を見つけ、就活の攻略を目指しましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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