履歴書

履歴書の卒業研究の書き方|注意点やテーマ未定の対処法をご紹介

履歴書の卒業研究の書き方に悩む就活生は多い

履歴書の卒業研究について、どのように書くべきか迷っている人は多いのではないでしょうか。苦労して作り上げたボリュームたっぷりの卒業研究を、履歴書の枠内に凝縮して文章化することは大変難しいです。

さらに、採用担当者に読んでもらう際に、明朗でわかりやすい内容にしなければ伝わりにくい内容でもあります。どのように書けば簡潔でわかりやすい内容にできるのか、解説していきます。卒業研究は、学生時代の学びの集大成ともいえる最大の研究結果です。

卒業研究に注目する企業は多く、応募者がどのようなことを大学で専攻し研究したのかを知りたいと考えている採用担当者は多いです。それでは次の項目から、企業側が卒業研究を知ることで得られるメリットや、卒業研究の書き方のポイントなどを説明していきます。

卒業研究から企業が見ているポイント

企業が応募者の卒業研究に着目しているポイントについて解説していきます。企業が見ているポイントは、課題に対して真剣に取り組んでいる姿勢と、努力を続けられたかどうかです。ご存知の通り、卒業研究は多大なる時間と労力を費やします。数多くの検証と立証、証拠集め、仮説の実証などをして、結論にたどり着つくまで何度も研究を重ねます。

指定された文字数の論文を書き上げなければならず、論文の構成や文字の打ち込みまで1人でやらねばなりません。大きな課題を逃げずにやり遂げるためには、相当な根性が必要です。企業は、前向きに挑戦し続けられる人物と仲間になりたいと考えています。卒業研究は、課題から逃げずに挑戦したことをアピールできるポイントになります。

課題に対して真剣に取り組んでいたか

卒業研究は、学生生活の集大成となる課題です。真面目に取り組まなければ完成しません。大学で学んできたことをフルに活かして、専攻した研究分野の新しい気づきや成果を実証します。それだけ重要な研究なので、誰しもが一生懸命に取り組むものです。

チームで研究を進めていた場合はチームとの連携も必要になりますし、新しい仮説を立証するために日々研究を重ねていた人は、多くの時間を費やしたはずです。大きな研究を乗り越えられた人物は一貫性があり、真面目に物事に取り組むことができる人物として評価されるでしょう。企業は、課題に対して真剣に取り組んでいたかを見ています。その姿勢を効率的にアピールできると、選考を有利に運べる可能性が高いです。

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途中で投げ出さずに努力を続けられたか

他にも、企業は途中で投げ出さずに努力を続けられたかどうかを見ています。卒業研究のあまりのボリュームの大きさに、途中で投げ出してしまう人も中にはいます。

企業は、履歴書やエントリーシート内で卒業研究について記入してもらうことによって、卒業研究を本当に完成させたかどうかを判別したり、面接でどのような卒業研究をしてきたのかを応募者に質問したりして、最後まで卒業研究に取り組んできたのかを引き出します。

卒業研究は学業の集大成であるため、学業に真剣に取り組んできたのかどうかがわかってしまいます。卒業研究をきちんと最後まで仕上げた人は、履歴書でも面接でも卒業研究について説明できるはずです。

履歴書の卒業研究の書き方

それでは、履歴書の卒業研究の書き方について解説していきます。せっかくの卒業研究なので、うまくアピールして採用担当者の心に刺さるような内容を書きましょう。基本的なことですが、卒業研究で取り組んだ内容を具体的に書けるかどうかで、今後の選考に大きく影響します。

そして、わかりやすい表現を心掛け、卒業研究で得たスキルの活かし方を説明できれば、採用担当者も納得する内容にすることができます。ここでは、3つのポイントに分けて卒業研究の書き方をご紹介していきます。

取り組んだ内容を具体的に書く

履歴書に卒業研究を書くポイントとして、取り組んだ内容を具体的に書くことが挙げられます。卒業研究は、大学で学んだ知識を最大に活用した課題です。卒業研究には、学生時代に何を学んできて、ゼミでどのような研究をして、なぜその研究テーマを選び、卒業研究を完成させたのかというストーリーがあります。

この一連の流れを説明することができれば、採用担当者も納得できる内容になります。ストーリー性のある内容は共感しやすく、印象的なものにすることができます。せっかく時間をかけて内容の濃い研究をしていたとしても、上手に説明できなければ相手に伝わりません。

取り組んだ内容が薄い表現でまとめられていると、残念ながら評価されるには値せず、企業としても面接で会いたい人物であると判断しにくいです。卒業研究は丁寧に具体的に書き、相手に伝わる言葉で書いていきましょう。

わかりやすい表現を心掛ける

専門用語を連ねるだけの文章では、何を説明したいのかがわかりません。読み手にわかる表現にしなければ、採用担当者も理解することができないのです。難しい言葉を並べるだけでは、学生時代に何を学び、なぜそのような卒業研究をしたのかがぼやけてしまい、何をしてきたのかが見えなくなります。

わかりやすい表現にするためにも、専門用語を誰もがわかる言葉に置き換えたり、捕捉をつけたりして工夫しましょう。志望する業界や企業によっては専門用語が定着している場合もありますが、採用担当者が人事というポジションゆえに専門分野に詳しくない場合があるので、わかりやすい表現で卒業研究を説明することが得策です。

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学びや仕事に活かせることを書く

履歴書の卒業研究の項目では、学びや仕事に活かせることを書くようにしてください。ただ「卒業研究を完成させました」という内容だけでは、せっかくの卒業研究を何も活用できない人だと思われてしまいます。卒業研究の内容を書くだけで精一杯にならず、企業でどのように活かせるかまでを書かなければ選考の意味がありません。

卒業研究の内容を詳しく書くだけでは、入社後どのように活躍してくれるのかが想像できないのです。卒業研究で培った努力をする姿勢は、企業から評価されます。今後どのように会社に貢献できるかを伝えることで卒業研究を最大にアピールできるので、仕事に活かせることを書くようにしましょう。

履歴書の卒業研究を書くときの注意点

次に、履歴書の卒業研究を書くときの注意点についてご紹介します。注意点は、成果だけの報告にならないようにして、質問に答えられるようにしておくことです。「私はこのような卒業研究をしました」という内容だけでは、その研究を活かしてどのような社会人になりたいのかが伝わりません。

書類選考が通過して面接に招かれたときに、卒業研究についてうまく答えられるようにしておきましょう。面接官があなたの卒業研究に興味を持っても、質問したときに曖昧な回答しか得られないと、とても残念な印象になってしまいます。

履歴書を書くときには、質問されることを前提にして卒業研究を書くことが大切です。面接では、履歴書をもとに質問がされます。履歴書に書いたことと回答した内容が相違してしまっては意見がぶれる人と認識されるため、注意しましょう。

成果だけの報告にならないようにする

履歴書の卒業研究を書くときは、成果だけの報告にならないようにしましょう。壮大なテーマの卒業研究であっても、研究の内容だけを伝える文章では今後の展望がどのようなものであるのかが伝えきれません。相手が理解できる言葉で伝えることはもちろんですが、入社後のイメージを想像できるようにする工夫も必要です。

卒業研究で学んだことをどのように会社の事業に活かしたいかまでを掘り下げて伝えられると、採用担当者も納得できる内容になります。難しい内容を誰もがわかるように嚙み砕き、さらに自分のやりたいことにつなげてアピールできれば、卒業研究のアピールと入社意欲の高さを示すことができます。

質問に答えられるようにしておく

履歴書の卒業研究を書くときは、質問に答えられるようにしておきましょう。面接では、応募者から提出された履歴書やエントリーシートをもとに質問が繰り広げられます。履歴書に書いてある内容を見ながら面接が進むので、履歴書に書いている内容と違う内容の回答がなされた場合、書いていることと言っている内容が違うあやふやな人と印象付けされてしまいます。

面接官から質問されることを想定して卒業研究の項目を書き上げなければ、いざ面接本番で質問されてもうまく回答することができません。面接において、卒業研究はよく聞かれる質問のひとつでもあります。卒業研究にしっかりと取り組んできたことを証明するためにも内容を頭に入れておき、具体的に説明できるようにしておきましょう。

卒業研究のテーマが未定の場合の対処法

大学によっては、卒業研究は、就職活動が始まってからテーマ決めが始まる場合もありますし、卒業研究ではなく作品を作り上げる卒業制作の場合もあります。このように大学の履修制度によっては、卒業研究のテーマが未定である人は多いので、その場合は「卒業研究テーマは未定です」と正直に伝えて構いません。

しかし、せっかくのアピールポイントが「未定です」だけではもったいないので、自身が所属するゼミの研究内容や、自分が研究してみたい分野について説明しましょう。「テーマは未定であるが、大学ではこのような内容の研究をしており、このテーマについて研究をしていきたい」と意欲的に表明することで、消極的なイメージを緩和できます。

想定している卒業研究を書く

卒業研究のテーマが未定の場合、想定している卒業研究を書きましょう。先に述べたように「卒業研究テーマは未定です」と書いて終わるだけでは、せっかくの履歴書が空白で寂しく、やる気のない応募者だと思われてしまいます。未定であっても、どのような研究をする予定なのかを書くようにしてください。

就職活動が始まってもテーマが未定であることは珍しくないです。しかし、まだ卒業研究のテーマ決めをしていない正式な理由があっても、建前では学生です。専攻している学業がある手前、研究テーマを持って前向きに勉学をしている立場です。学びたい分野があるからこそ専攻しているはずなので、卒業研究のテーマが未定でも、興味のある分野や卒業研究のテーマにしたい内容を書くだけでも印象は違います。

なぜその卒業研究にしたのかを伝える

卒業研究が未定でも、テーマにしたい内容が決まっている人は、なぜそのテーマにしたのかを伝えましょう。ただテーマを伝えるだけでは信憑性がなく、予定を伝えるだけになってしまいます。その後面接に進んだとしても、テーマにした理由と経緯が定まっていれば、積極的に勉強している姿勢が伝えられます。

なぜその分野を専攻したのか、どのような講義を受講して学びを深めたいと思ったのか、なぜそのゼミに所属して研究しようとしたのかなど、テーマを決定するきっかけを一緒に説明することで、成果のある卒業研究をやり遂げる人物だとアピールできます。

そして、文末には大学で得た学びをどのように企業に貢献したいのか述べることで、目標がしっかりしている人物であることをアピールできます。卒業研究のテーマが未定だからといって億劫にならず、前向きに自分が学んだ内容を説明するようにしましょう。

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卒業研究の書き方の例文

ここまでは、卒業研究の書き方のポイントを見てきました。しかし、それだけでは実際にどのように書いたら良いのか、イメージが湧かないという人も多いでしょう。そこでここからは、実際の卒業研究の書き方の例文を見ていきます。

ここから紹介する例文について、ぜひこれまで押さえてきたポイントを踏まえて読んでみてください。例文を見ていく内に、書き方のパターンがわかってくるでしょう。これらの例文を参考に、ぜひ自分自身の卒業研究について自信を持って書いてみてください。

例文①

私の卒業研究のテーマは、「○○村の文化について」です。私がこのテーマを設定した理由は、「これからは地域文化の活性化が意味を持つ時代になる」と考えたからです。国際化や情報化が急速に進み、私たちは以前に比べ、好きな場所で生活や仕事ができるようになりました。しかし、その一方で精神的な豊かさが失われたとも感じています。
私は、地域に根ざした文化の可能性を見直すことが、精神的に豊かな生活を見直す上で大切なことであると考えました。そこで、大学に近い○○村に注目しました。現状は、郷土資料などを中心に村の歴史や文化について調べ、月に1度は現地のお年寄りにお話しを聞くなどの調査をおこなっています。
8月にはお祭りもあるので参加し、○○村をより活性化させるためのヒントも見つけつつ、1月までに論文をまとめる予定です。資料を綿密に調べてまとめる能力や、共感しながら相手から話しを引き出すスキルなどを、貴社に入社後も活かしていきたい所存です。

就活では、全て結論から書くのが基本です。この例文では、最初にテーマが示されており、全体が読みやすい構成になっています。なぜそのテーマにしたのか、なぜ○○村なのか、といったことが順を追ってわかりやすくまとめられています。入社後に活かしたいスキルがアピールされている点もよいでしょう。

例文②

私の卒業研究のテーマは、「○○県の火山活動史」です。大学のある○○県の火山活動について調査・研究をしています。文献などによる資料の分析と、実際の地質調査の両方をおこない、精度の高い研究を目指しています。
資料の分析には根気強さが求められますし、地質調査には体力が求められます。これまで、粘り強くコツコツと取り組むことで、順調に研究を進めてきており、来年1月には卒業論文にまとめる予定です。貴社に入社後も、粘り強さとこれまで培った体力で成果を出し、貢献していきたい所存です。

こちらの例文も卒業研究のテーマが最初に書かれており、研究に必要な資質である粘り強さと体力をアピールのできる内容となっています。企業にもよりますが、社会人になってからの仕事はすぐに成果が出るものばかりではありません。粘り強さ・体力は仕事の上でも必要ですので、よいアピールになるでしょう。

例文③

私の卒業研究のテーマは「ブランドにまつわる消費者行動」です。このテーマにした理由は、同じような商品でもブランドかそうでないかでどうして消費者の捉え方が変わるのか気になったからです。現状は、専攻している経済学だけでなく、研究に必要となる行動経済学や心理学の文献を読んで基礎知識を身に付けつつ、実際のブランド品を使ったサンプリング調査をキャンパス内でおこなっています。
夏休みまでには調査結果が揃うので、そこから1月までに論文にまとめる予定です。疑問に思ったことについて知識を集めたり、仮説を立てて実際に調査・分析することが得意です。貴社のマーケティングでもこの姿勢を活かし、売り上げアップに貢献したいです。

こちらの卒業研究は、就職後の仕事に直接役立ちそうなものです。卒業研究は、就活をしているタイミングではまだまとまっていないことが多いでしょう。そのような場合には、このように現状の進捗を伝え、今後どのような計画で進めていくのかを伝えるとよいでしょう。

履歴書の卒業研究は人柄が伝わるように書こう

履歴書の卒業研究をどのように書けばいいのかわからず手が止まっていた方は、ご紹介したポイントを1つずつ攻略していき、採用担当者の心を動かすような内容を作成してください。採用担当者は人事という立場上、専門分野に詳しくないかもしれませんが、わかりやすい内容にすることでただの成果発表にならず、内容が難しい卒業研究も効果的にアピールできます。

そして、なぜそのテーマにしたのか、どのように研究を達成させたか、どのように企業で活躍できるかを一緒に盛り込むことで、入社後のイメージを植え付けることができます。印象的な人物になって選考を有利に進むためにも、具体的に卒業研究の内容を書くようにしてください。大学の学びをフルに活かした卒業研究ですから、自分自身の魅力を最大限にアピールできる素敵な内容にしてください。

 

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監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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