履歴書

履歴書の得意な学科の書き方|取り上げる内容や例文をご紹介

履歴書に書く得意な学科に悩む就活生は多い

履歴書やエントリーシートには「得意な学科」「得意な科目」という項目があります。ここに何をどう書けばいいのか悩む就活生は非常に多いのではないでしょうか。学んだ学科は学部によって異なりますし、さらに得意な学科は人によって異なります。

得意な学科も重要な個性であり、アピールポイントになるため、しっかりポイントをおさえておきましょう。そもそもなぜ得意な学科を記入する欄があるのか、何のために書くのかを考えてみると、どんなことを書けばいいのかが見えてきます。

その上で、自分は大学で何を学んできたのか、その中で何が得意なのか、なぜ得意なのかなど、しっかり掘り下げてみることが大切です。この記事では、得意な学科を書く際に押さえておくべきポイントや例文をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

履歴書に得意な学科を書く欄がある理由

履歴書には、そもそもなぜ得意な学科を書く欄があるのでしょうか。履歴書の欄は、ただ何となく作られているわけではありません。限られたスペースを有効活用して、企業が知りたい情報を提供できるように作成されているのです。

実は、履歴書の得意な学科の欄を見ることで、採用担当者は採用に関わる重要な情報をキャッチしています。そのため採用側の意図を知り、それを踏まえて書くことが重要でしょう。ここからは、採用側の目的についてみていきましょう。

就活生の個性を知るため

採用側が履歴書の得意な学科の欄から知りたいことの1つに、「就活生の個性」があります。得意な学科を知ることで、どのようなことに興味があるのか、どのようなことで能力を発揮しやすいのかといった個性を知ることができるのです。

得意な学科といえるということは、モノにするために十分な努力を重ねているはずです。努力は通常、興味のない分野や好きでない分野では継続させることが難しいです。そのため、その学科への興味やこだわりもキャッチすることができるのです。

もちろん、興味があって努力するだけでは得意になることは難しいでしょう。そこには能力も絡んできます。採用担当者はこれらから学生の個性をつかみ、実際に入社したらどのように仕事をするのかをイメージするのです。

履歴書用の自己PRはChatGPTツールで作成してください

ChatGPTを使った自己PR作成ツールはもう試しましたでしょうか?

簡単な質問に答えていくだけでChatGPTが自動で魅力的な自己PRを作成します。
作った自己PRは選考で活用できるものになっているので、ぜひ活用して採用される自己PRを完成させましょう。

作成スタート【無料】

合わせて活用したい

あなたが書類選考でアピールできる長所を特定します。

学業との向き合い方を知るため

続いて、「学業との向き合い方を知るため」という目的もあります。「入社したら一生懸命に働きます」といったことは誰にでもいえます。しかし、実際に働かないことには本当かどうかわかりません。そこで、学業との向き合い方から知ろうというのが採用側の考えです。

学生は社会人として働いた経験が基本的にないため、学業への向き合い方から仕事への向き合い方を予測していきます。中にはアルバイトをしている人も多いでしょうが、学生の本分は学業です。自分の本分を認識し、それに真摯に取り組めたかどうかが判断されるのです。

履歴書に書いた内容は、書類選考のためだけに使われるのではなく、面接でも使われる可能性が高いでしょう。企業側は、面接で得意な学科について突っ込んだ質問をすることで、本当にきちんと向き合ってきたかどうかを判断します。

履歴書に書く得意な学科の内容

履歴書に得意な学科を書く欄があったり、面接で質問されることがあったりする理由は、得意な学科を通じて就活生の考え方を知るためです。就活生にとっても、面接官へ自分をアピールできるチャンスだと捉えていいでしょう。

そのため、ただただ好きな学科を選んではいけません。重要なのは、面接官にアピールできる学科を選ぶことです。それでは、具体的にどのような学科を選べばよいのでしょうか。得意な学科欄に書くべき内容について詳しく見ていきましょう。

専門性をアピールできる分野

他の就活生には語ることのできない、専門的な分野を学んでいるのであれば、それをアピールしましょう。面接官は、1日に多くの履歴書を読み、就活生の面接をおこないます。企業に採用されるためには、他の就活生と同じようなことを書いてはいけません。

他の就活生と差別化し、面接官により強い印象を与えることが大切です。専門性の高い分野は、その人独自の強い武器であり、アピールすべきポイントだといえるでしょう。ただし、専門性の高い分野に関して、専門的な内容をそのまま書いてはいけません。

専門用語などを使って説明したとしても、面接官はその内容を把握できない場合があります。わかりにくいことをわかりやすく説明することも、仕事をするにあたり重要なスキルです。その分野をあまり知らない面接官でもわかるように、噛み砕いた表現で書くようにしましょう。

大学の専攻科目

大学で専攻している科目であれば、より深く、詳しく内容を語ることができるでしょう。どんな分野でも、突き詰めていくと専門的な内容であり、他の就活生にはアピールできないことです。他の就活生との差別化に繋がり、面接官に強い印象を与えることができるでしょう。

専攻科目に関して深く語ることができれば、真面目さやしっかり勉強していることのアピールにもなります。真面目さや誠実さは、面接において重要なアピール要素です。ただ大学の専攻科目を伝えるだけでなく、その科目を通じて、自分の強みをアピールしていきましょう。

明日提出でも大丈夫!
ChatGPTツールを使えば3分で履歴書が作成できます

「自己PRが全然思いつかない......」「そもそも自己PRを考える時間がない......」などというお悩みはありませんか?

そんな人に活用してほしいのが、Chat GPT 自己PR作成ツールです。簡単な質問に答えるだけで、Chat GPTが選考で活用できる自己PRを自動で作成します。

自己PRが思いつかない人や、忙しくて自己PRを考える時間がない人は、まずはツールを使ってみることをおすすめします!

作成スタート【無料】

合わせて活用したい

あなたが書類選考でアピールできる長所を特定します。

志望する企業に関係する学科

「得意な学科」は、あくまで得意な学科を通じて自分をアピールするための欄です。ただただ好きな学科を書けばいいわけではなく、企業へのアピールに繋がる学科を選ぶことも重要となります。例えば「設計希望なのに体育が得意」「営業志望なのに流体力学が得意」といった場合は、アピールすることが難しいでしょう。

体育も流体力学もアピールできる題材ではありますが、志望企業によっては全く響かない得意科目となります。あくまで「得意な学科」の欄なので、詳しく質問されても答えられないような学科を選択してはいけません。自分がある程度自信がある学科の中で、特に志望する企業に関係する学科があれば、面接官によりよい印象を与えることができるでしょう。

履歴書の得意な学科の書き方

履歴書の得意な学科の書き方

得意な学科の選び方は重要ですが、選んだ後にどのように書いていくかも面接官の印象へと繋がる大切な要素です。せっかくアピールに繋がる得意な学科があるとしても、それを正しくアピールできなければ、もったいないです。

また、得意な学科の欄で、書き方によってマイナスのイメージを与えてしまうことは、絶対に避けるべきことだといえるでしょう。得意な学科を通じて、面接官によりよい印象を持ってもらうために、特にチェックしておくべき学科の書き方についてみていきましょう。

結論から伝える

まずは「得意な科目は何か」を最初に明確に伝えましょう。結論から伝えることは、志望動機や自己PRを書く上でも重要なことです。結論を後回しにし、だらだらと書いてしまうと、結局何が言いたかったのかわからない文章になってしまいます。「私の得意科目は◯◯です。」といった出だしから始めましょう。

また、一文に長々といろいろな情報を詰め込むのも、同様の理由でNGです。一文に情報を一気に詰め込むのではなく、適度に「。」で区切りを入れていきましょう。あまりに短すぎる文が続くと幼稚な印象を与えてしまうため、全体のバランスを見ながら区切ります。伝わりやすい文章を書くことができれば、面接官への印象もよくなります。推敲しながら、わかりやすい文章作りを心掛けましょう。

具体的な内容や取り組みを伝える

得意な学科の内容について、具体的な説明を入れましょう。面接官が必ずしも、その学科のことを詳しく知っているわけではありません。どのような学科なのか、どのようなことを学んでいるのかを書くほうが親切であり、わかりやすい文章となるでしょう。

また、自分の学科の習熟度を伝えることもできます。ただし、その学科のことをよく知らない方でもわかるように、専門用語を使わず簡潔な文章で伝えましょう。また、どうしてその学科に興味を持ったのかを具体的に詳しく書いてください。

面接官は、得意な学科を通じて、どのような考え方を持っているのか、どのような人となりなのかを確認しています。具体的なエピソードを交えながら書くことで、どのような経験をしてどう思ったのか、どのような人物なのかを伝えることができます。

仕事に活かせる部分を説明する

得意な学科を書く際には、仕事に活かせる部分を説明するようにしましょう。なぜなら採用側は、就活生が入社して活躍できる人材かどうかを判断しようとしているからです。先述の通り、得意な学科を書かせる理由の中には、就活生の個性を知りたいといったことも含まれています。しかし、これも最終的には採用後に活躍できるかどうかを判断するための材料です。

どれだけ人として魅力的な個性を持っていたり、職場の雰囲気になじめそうであったとしても、そもそも仕事に活かせるスキルがなければ採用するメリットはないでしょう。もちろん、そういったスキルは入社後に身に付けていくものでもあります。ただし、現状アピールできるものはアピールしておくに越したことはありません。その学科を入社後に活かせないか、その学科で身に付けたスキルや知識が役立てられないかどうか、十分に考えてみましょう。

得意な学科の注意したい書き方

得意な学科欄は、面接官に良い印象を与える大きなチャンスです。ただし、書き方によってはマイナスのイメージを与えてしまうこともあります。せっかくのアピールチャンスでマイナス評価となってしまっては、非常にもったいないです。また、他の就活生にも差をつけられてしまうでしょう。ここでは、特に得意な学科を書く際に注意したい書き方をまとめました。こちらをチェックしたうえで、面接官によりよい印象を与えるような文章にしましょう。

多く書きすぎると中途半端な印象になる

得意な学科はひとつに絞り、できるだけ短くまとめましょう。文章をだらだらと書いてしまうと、例え結論ファーストで書いていたとしても、文章全体がわかりづらく、中途半端な印象になります。特にやってしまいがちなことが、シラバスの丸写しです。

得意科目の説明をする際にシラバスを参考にすること自体は大丈夫です。特にわかりにくい学科の場合は、シラバスはとても参考になるでしょう。しかし、シラバスはその学科のことをより詳しく解説しているため、どうしても文章が長くなってしまいがちです。

得意な学科の説明をする場合には、シラバスの内容をかいつまんで、わかりやすくまとめた上で書くことが重要です。また、その学科で何を学んだか、どんなことを感じたかも忘れずに書きましょう。

特になしはNG

「得意な学科がない」となると、面接官はどうしても「あまり真面目に勉強してこなかったのかな」と思ってしまいます。せっかくのアピールチャンスをふいにしているどころか、大幅な減点となってしまうでしょう。得意な学科がない場合は、これまで受けてきた学科の中で印象に残った学科を書くようにしましょう。

「どうして印象に残ったのか」「どんな内容なのか」「どんな勉強をしたのか」を書くことにより、自分を面接官に伝えるチャンスへと変えることができます。また、アピールしたい能力から考えることもひとつの手だといえるでしょう。例えば、コミュニケーション能力をアピールしたいのであれば「英語」がおすすめです。

多くの企業がグローバル化を目指す中、英語が得意な人材は需要が高く、企業側にも好印象を与えることができるでしょう。ただし、面接で得意な学科に関して深く質問されることもあるため、質問に答えることのできない苦手な学科を書くことはやめましょう。

履歴書に書く得意な学科の例文

ここまでは、履歴書に得意な学科を書く場合のポイントを見てきました。しかし、これらのポイントを踏まえたとしても、具体的にどう書いたら良いのか、いまいちイメージが湧かないといった人も多いでしょう。

そこでここからは、これまで紹介してきたポイントを踏まえた実際の例文を見ていきます。いくつかの例文を見ることで、書き方のパターンがつかめるでしょう。これらを参考に、ぜひ得意な学科を履歴書に魅力的に書いてください。

例文①

私の得意な学科は電子回路です。大学では電子工学を専攻し、回路の組み立てや素子の挙動等について学びました。電子回路とは、トランジスタやICを用いた回路設計を学ぶ学問です。
私は小さいころから機械の設計に興味があり、電卓やリモコンなどの電気機器を分解し、中身を解析することに楽しみを見出していました。その趣味が高じて大学で回路設計の詳細を学び、実際に電卓を一から組むことにも成功しました。私は大学で学んだ回路設計の知識を活かし、貴社での機械設計業務に役立てると考えています。

結論ファーストで、得意な学科について触れています。特に専門的な分野のため、面接官にわかりやすいようにその学科の簡単な解説を挟み、その学科に惹かれた理由も書かれています。その学科で学んだことを活かして「電卓を一から作成した」といった具体例を出すことも、面接官によりわかりやすく伝えるポイントのひとつです。最後には、必ずその学科が企業でどんな役に立つかに関しても言及しましょう。

例文②

私の得意な学科は行動経済学です。大学2年のときに初めて履修し、3年次にも応用編を履修しています。私はこれまで経済学を学んできましたが、消費者が本当に理論通りの行動をするのか、疑わしいと思っていました。「消費者が合理的に行動することを前提にするよりも、実際の消費者心理を調べ、それを分析した方が良いのではないか」と思っていたところ、この学科に出会いました。
持ち前の好奇心で、アンケート調査や分析に積極的に取り組み、秀の成績で単位を取得しました。入社後もこの経験を活かし、消費者心理を分析してマーケティングに役立てたいです。

この例の得意分野は、入社後の仕事に直接役立つものです。自分がなぜその学科に興味を持ったのか、どのような学科なのかといったことが、イメージしやすく書かれています。実際にどのように取り組み、結果はどうだったのか、入社後にどう活かすのかも明確に説明できています。

例文③

私の得意な学科は、英文購読です。この授業では、英語の論文や文学作品を事前に読み込み、ゼミで内容を確認しつつ、討論するというものでした。私が特に楽しいと感じたのは、ただ翻訳するのではなく、英英辞書やその論文・文学作品が書かれた背景知識なども使って読み解くという方法です。
語学のスキルだけでなく、その背景について深く追求する姿勢は、異文化理解にとってとても大切であることを学びました。この経験を活かし、外国人など異文化の方をターゲットにした商品企画で貢献していきたいと考えています。

この例文も結論から書かれており、わかりやすいです。英文購読で具体的にどんなことをしているのか、自分はどんな点が特に楽しかったのか、といった点がわかりやすく書かれています。ただ単に知識やスキルをアピールするのではなく、その学科から得た経験を入社後に活かしたいということが具体的に書かれており、好印象です。

履歴書の得意な学科の書き方は背景や理由が大切

得意な学科を聞かれる理由は、就活生の考え方や人となりを知るためです。「得意な学科は◯◯です。」で終わらせてしまうと、その事実だけしか伝わりません。また、学科の説明として、どんな科目なのかだけを伝えるのももちろんNGです。

「どうしてその学科が得意なのか」「どんなエピソードがあったのか」を絡めながら伝えることで、よりよい印象を与えることができるでしょう。さらに、実務でどのように活かしていくかまで考えることが大切です。

得意な学科は、他の就活生と差をつけやすい箇所です。質問をされたとしても、大体のことには答えることができるでしょう。安易に「好きだから」といった理由で書くのではなく、企業へアピールしやすい学科を選び、面接官へ自分を伝えるチャンスを最大限に活かしましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

記事についてのお問い合わせ