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IT企業の就職に文系は不利だと考える就活生は多い
「IT企業といえば理系が就職する企業」と考えている方も多いのではないでしょうか。確かに、理系の学生はIT関連の知識を持っている傾向にあり、講義でも取り扱われていることがあります。特に、情報学部などの学生となると、プログラミング言語を自在に操れる人も多いでしょう。
また、IT企業のホームページに紹介されている業務内容は、IT関連の知識があまりない方にとってはわからない単語が多く、理解ができないこともあると思われます。しかし、実はIT企業への就職は、一概に文系に不利とは言い切れません。それは、IT企業が重要視していることは「IT関連の知識」だけではないからです。この記事では、文系でもIT企業に就職できる理由について紹介していきます。
文系がIT企業への就職が不利だと感じる理由
文系の学生がこれまで学んできたことを考えると、全く違う分野の知識が必要となります。わからないことが多く「本当に就職できるのかな?」と思っている人も多いのではないでしょうか。逆に、理系の学部でITについて学んでいる人は知識が豊富な傾向にあります。そのため、IT企業への就職は不利だと考えている文系の就活生はたくさんいます。まずは文系がIT企業への就職が不利だと感じる理由について詳しく見ていきましょう。
ITの専門的な知識がない
理系の学部である工学部では、IT関連の授業があります。「どのようにしてプログラミングをおこなうのか」「ホームページはどのように作られているのか」など、プログラミングや情報技術に関する知識は、理系学生であれば多少なりとも触れています。
情報学部などのITを専攻している方はもちろんのこと、機械や電気電子関連の科目を選考していたとしても、IT関連の知識をある程度持っていることが多いでしょう。しかし、文系の場合は、基本的にIT関連の授業がありません。
中にはプログラミングに触れたことのない方も多いのではないでしょうか。このように、文系と理系では学んでいることが大きく違うため、ITに関する知識量が異なります。そのため、どうしても「文系はIT系企業への就職は不利だ」と考えてしまうことが多いと言えるでしょう。
理系の知識や技術が必要な仕事が多いと感じる
IT企業は、新たなプログラムの開発やWeb作成、ネットワーク設計などをおこなう企業を指しています。企業ホームページなどを見ても「OSインストール」「CADを使った設計」など、専門的な言葉が並んでいることも多々あります。「応募する前にまずは企業研究!」と張り切って調べたとしても、業務内容を把握することもなかなか難しい場合もあるでしょう。
プログラミングや回路設計など、基本的に文系学生がこれまで学んできたこととは全く異なる知識が必要となるケースも多いです。業務内容を見ても、まず単語からわからないことから「知識がないから文系学生では仕事にならないのかな」と思ってしまうことも多いようです。
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文系でもIT企業への就職は可能
確かに、理系の学生の方がIT関連の知識を持っていることが多いでしょう。これまで専攻してきた知識をそのまま業務へ活かせるケースも少なからずあり、理系学生のほうが就職に有利になることもあります。ただし、理系学生しかIT企業へ就職できないわけではありません。実際に、文系からIT企業へ就職した人もいます。それでは、どうして文系の学生でもIT企業へ就職することができるのでしょうか。その理由について深く見ていきましょう。
学部不問のIT企業が多い
実は、IT企業の多くは学部不問となっています。そのため、文系の学生でも応募することは可能なのです。その理由のひとつとして、IT企業のおこなっている業務の専門性が非常に高いということが挙げられます。
「専門性が高ければ、理系学生の方が有利なのでは?」と思うかもしれませんが、その専門性の高さから、学生が持っている知識だけでできる仕事はほとんどありません。基本的には入社後に学び、その知識を駆使して仕事をします。また、IT企業の中にも営業や経理など、学部不問でできる仕事はたくさんあるため、IT企業は基本的に学部不問となっています。
入社後に研修がある
IT企業の場合、業務内容が非常に専門的です。文系の学生はもちろんのこと、理系の学生にとってもわからないことだらけなのです。入社後すぐに仕事を始めようとしても、多くの新入社員は何もできないでしょう。そのため、入社後にはIT関連の知識を学ぶための研修があります。ある程度基礎知識がついた後は、OJTなどでより詳しく業務を学ぶことになります。
このように、もともとITに関する知識がなくとも、基本的には入社後にしっかり学べる制度があります。もちろん最初の知識量は違うかもしれませんが、研修をすることによって、どの新入社員も同じようにITに関する知識を得ることができます。そのため、文系の学生であっても問題なく入社することができるのです。
企業によって求める人材はさまざま
IT企業と言っても、業務内容はそれぞれ異なります。また、部署や個人によっても仕事は大きく異なるのです。IT企業の仕事と言えば、1人で黙々とパソコンの前で作業をしているイメージのある方もいるのではないでしょうか。もちろんそういった仕事もありますが、基本的にはチームでの活動となるため、協調性が必要です。
営業になった場合には、専門知識はもちろんのこと、コミュニケーション能力がとても重要だといえるでしょう。IT企業だからといって、IT関連の知識がある人材だけが欲しいわけではありません。コミュニケーション能力やリーダーシップのある人材が欲しい企業もあるでしょう。企業によって求める人材はさまざまなので、文系の学生であっても入社できる可能性は十分にあるのです。
コミュニケーション能力
IT企業では「1人で黙々とパソコンに向かってコードを打ち込む」といった仕事も、もちろんあります。このイメージを強く持っている人も多いでしょう。しかし、すべての仕事がパソコンを相手にする作業というわけではありません。例えば、システムエンジニアの仕事は、顧客との話し合いによって、どんなシステムを作るのかを決める仕事となります。
また、システムエンジニアが持ってきた仕事を、今度はチーム内で話し合い、分担しながら作業を進めていきます。この際、みんなで足並みをそろえて、すり合わせをしながら作業をおこなわなければ、バグが出る原因となって余計に時間がかかってしまうでしょう。このように人と話す機会が多いため、専門的な知識とともに、顧客と話したりチーム内で話し合いをしたりするためのコミュニケーション能力は必須だといえるでしょう。
論理的思考力
論理的思考とは「どうしてこうなるのか」を、矛盾なく考えることができる能力です。IT企業で働く上で、論理的思考は必須の能力だといえるでしょう。例えば、システムをひとつ作り上げるにしても、さまざまな仕様が存在します。そこには必ず「将来的な拡張性を考えて」「コストを抑えるために」といった理由があり、適当に作ってしまうことはありません。
もしも適当に作った場合、後々不都合が出て、バグ取りやシステム再構築などに追われてしまうことでしょう。また、システムトラブルが発生した場合、その理由が必ずあります。その理由を突き止める力も「論理的思考力」だといえるでしょう。プログラミングは、全て論理的思考から成り立っています。そのため、IT企業で働く上で論理的思考力はなくてはならない能力なのです。
柔軟性
IT業界はとても移り変わりの激しい業界です。例えば、プログラミングに使われている言語に関していえば、10年前と今とでは大きく異なります。10年前には全く知られていなかった言語も、現在はメジャーになっているのです。また、パソコンのスペックも指数関数的に上昇しており、10年前と比べてできることが大きく変化しています。
IT企業に新卒で入社して定年まで勤めてるとすれば、40年以上IT企業で働くことになります。その間に、使用言語や知識はどんどん移り変わっていくことでしょう。そんな中で重要なのが、どんな変化にも対応できる柔軟性です。新たなプログラミング言語が出たら、その仕様を覚え、新たなWebツールが出たらそれを使えるようにするといった柔軟性は、移り変わりの激しいIT業界では特に必要な能力だといえるでしょう。
リーダーシップ
IT企業の仕事は、基本的にチームでおこないます。それぞれおこなっている仕事は個別のコーディングであったとしても、それらを取りまとめて、ひとつの成果物とする必要があります。そこで重要となってくるのが、リーダーシップです。各個人のやるべきことを適切に決定して進捗を確認しながら仕事をしなければ、いい製品は出来上がりません。
もしも、リーダーシップのない人間がリーダーとなってしまった場合、全体の足並みがそろわず、バグが多発し、なかなか仕事が進まないという事態が起こるでしょう。1人でおこなう仕事の多いイメージのあるIT企業ですが、個人の力を存分に生かすためにも、リーダーシップを持った人材が欲しいとIT企業は考えているのです。
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IT企業での選考に有効な資格
IT企業では仕事をする上で必要な資格を持つことで選考に有利になることがあります。似たような条件の二人の学生がいた場合、資格を持っている人の方が志望度も高いと感じられ担当者に好印象となるケースがあります。
ITに関係する資格は幅広く、様々なものがあります。まずはじめに、就活にも有利な資格としてIPAが主催する、「情報処理技術者試験」が挙げられます。情報処理技術者試験は情報処理の促進に関する法律に基づき、経済産業省が認定している国家試験です。他にも、「ITパスポート試験」、ITの安全な活用を促進するための基本的知識やセキュリティに関する知識が求められる「情報セキュリティマネジメント試験」、エンジニアとして基本的な知識や技能が必要となる「基本情報技術者試験」などがあります。
資格取得により熱意も伝えられる
IT業界では資格よりも、経験が重視されるという傾向があります。しかし、就活生は業務の経験がない人が一般的です。そのため他の就活生と比較した場合には、業務上で必要となる資格を持っている人の方が有利になると考えられます。
資格取得のためには、事前準備や試験のための勉強が必要となります。自主的に資格取得に向けて、学習をしてきたという前向きな姿勢も評価されます。入社後も、自分から積極的に仕事に取り組む姿勢がうかがえます。資格があるということは、 IT業界に興味があり、仕事をしていく上での必要な知識や能力を持っているという証明にもなります。資格があることにより面接での会話の幅も広がることもあるかもしれません。希望の企業に自分の熱意を伝えるためにも資格をとっていた方が有利でしょう。
文系の人は特にインターン参加がおすすめ
一般的にIT業界への就職は、理系の学生が多い傾向です。しかし、今後ますます発展していくと予測されているIT業界では、人材不足が懸念されています。そのため、文系理系問わず採用する企業も増加しています。文系でIT業界の詳しい業務内容を知りたい時には、インターシップへの参加が有効です。
IT企業のインターンシップでは、実際の業務をおこなったり、他の参加者とチームを組んで課題に取り組むなど、様々な経験ができます。インターンシップを開催する企業の中には、参加している学生を優先的に内定する場合もあるなど、様々なメリットが期待できます。企業の担当者や社員と接するチャンスもあるので、入社後にどんな仕事をしていくか具体的なイメージもわきやすいでしょう。
ITといっても仕事内容はさまざま
ひとくちにIT業界といっても、様々な業種があります。通信やWeb、ネット広告、ハードウェア・ソフトウェア、情報処理システムなど幅広い分野に分かれています。さらにその中に数多くの職種が存在します。
企業の研究職開発職などの専門的な知識や能力が必要とされている職種では、理系の大学院を出た学生などが採用されやすいと言われていますが、文系出身の学生でも採用される可能性が高い職種もあります。Webデザイナー、Web ディレクター、プログラマー、ITコンサルタント、セールスエンジニア、ネットワークエンジニアなどは文系出身の就活生にも人気の就職先となっています。文系だからIT業界は難しいとは思わずに、自分の能力やスキルに合わせた職種を選んでみましょう。
内定後の早期離職防止にもなる
インターンシップに参加するメリットには、ミスマッチを防ぐということも挙げられます。内定後に「こんなはずじゃなかった」と自分のイメージとギャップを感じて、早期離職する人が多くなっています。最近では企業と採用した学生のミスマッチによる早期退職者の増加が問題視されています。
実際に企業の中で業務をおこない社員と触れ合うことで、入社後の具体的なイメージを掴みやすくなります。事前に自分に合うのか、合わないのかを確認できることは、就活生にとっても企業にとっても、大きなメリットとなります。特に長期実践型インターンは入社前に一定の期間仕事を経験することによって、企業のことをより深く理解する機会にもなります。企業は新卒学生の採用活動に多くのお金と時間をかけています。早期離職防止をするためにもインターンシップは有効だと言われています。
文系でもIT企業への就職は十分可能
理系の学生であれば、講義でプログラミングや情報技術について学ぶため、確かにIT関連の知識を持っていることは多いといえるでしょう。それもあり、文系の学生の中にはIT企業への応募をためらう人も多いと思われます。しかし、IT企業で生き残っていくために重要なものは知識だけではありません。
論理的思考や柔軟性、リーダーシップなど、他にもたくさんの能力が必要になります。また、IT関連の知識は入社後に身に付けることが可能です。最初から持っている知識よりも、実際に業務で使える知識を身に付けていく意欲の方が重要だといえるでしょう。文系だからといって、IT企業に就職できないなんてことはありません。もしもIT企業に興味を持った場合には、積極的に応募してみましょう。