履歴書

【休学した場合の履歴書の書き方】中退や留学などのケースもご紹介

休学した際は履歴書に注意

履歴書では志望動機や自己PRを念入りに考えて書く人が多いでしょうが、実は他の部分にも注意が必要です。特に気をつけなければならないのが学歴であり、休学している場合は他の人と書き方が違います。学歴は単に事実を記入する項目のため、これまでの自身の履歴を書き記すだけを考える人は多いでしょう。

基本的にはそれで問題ありませんが、休学している場合は通常とは記載する内容が違い、書き方のポイントも異なります。また、注意が必要なのは休学した場合だけではありません。他にもイレギュラーな履歴がある人は、学歴の書き方に気をつけないと失敗する可能性があります。履歴書の学歴欄は意外にもミスが多い部分のため、正しい書き方を把握して、間違いなく完成させましょう。

休学の事実は履歴書に必要?

休学した場合には履歴書の書き方に注意が必要ですが、そもそも休学の事実を記入する必要があるのかと疑問に思う人もいるでしょう。人によって休学の事情は違いますが、休学したことを負い目に感じていたり、マイナスに働くのではないかと心配する人も少なくありません休学の事実は本当に履歴書に記入しなければならないのか、基本的なルールから考えて、必要性の有無を確認しましょう。

詳細まで記載

休学の事実は履歴書への記載が必須であり、できるだけ詳細まで書かなければなりません。学歴は単に入学と卒業見込みを書くだけの項目ではなく、その期間中に何か起きな出来事があった場合は、それらもすべて記入します。休学の事実を隠してしまうと、場合によっては学歴詐称とみなされ、不合格にもなりかねないため注意しなければなりません。

また、休学したことを記入する際は、休学した期間や事情を詳細まで書くことが求められます。例えば、何回生の時に何が理由で、何年間休学したのかという記載が必要です。単に「○○年休学」と記載するだけでは不十分になります。詳細まで書かれていないとルールに反するだけではなく、どのような経歴を持っているかが伝わりづらくなるため、注意しなければなりません。

病気の場合は仕事への影響も書く

休学する事情は人によって違い、場合によっては病気が原因になっていることもあります。病気が原因の場合は、さらに詳しく情報を記載することが大切です。病気の具合や仕事への影響も記しておきましょう。病気で休学していたものの、現在は完治していて仕事への支障がないなら、それも記載しておくのがおすすめです。また、病気によって仕事に制限が出る場合は、申告しておきましょう。

ある程度の説明は学歴欄でおこないますが、より詳細な状態まで伝えなければならない場合は、別の項目を使用しましょう。履歴書なら本人希望記入欄や特記事項に記し、それでも足りない場合は別途用紙を添付し、そこに病気の具合や仕事への影響を記載して提出します。

休学の場合の履歴書の書き方

休学の場合はいつ、何が理由で、どれだけ休んだのかを明確に記載する必要があります。例えば1年の時に病気が理由で1年間休んだなら、「1年次に病気療養のため1年間休学」と記載しましょう。この時、現在の病気の具合も記入することが大切であり、完治して何も支障がないなら(現在は完治しました)と書くことが大切です。

一言添えてあるかどうかで情報の伝わり方は変わるため、注意しなければなりません。また、病気以外で例えば親の介護のために休学した場合も、同様の書き方で記します。この場合現状については特に記入する必要はありませんが、介護の都合で仕事の時間に制限が出る場合は、その旨を記しておきましょう。

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休学理由で履歴書の印象は変わる?

休学理由で履歴書の印象は変わる?

人によって休学する理由は違い、評価に影響するのではないかと不安に思う人も多いでしょう。ひとくちに休学といっても、病気療養で休んでいる人や、ボランティア活動をおこなうために休学する人、学業とは別の道を考えたくて休学する人など様々です。理由ごとに印象は違い、何もしていない場合やプラスに働く休学でない場合は、負い目にも感じやすいでしょう。休学理由が就活にどのような影響を与えるかを知り、どのように提示すべきか考えることが大切です。

基本的に理由は関係ない

休学した理由によって履歴書の評価が変わるとイメージする人は多いでしょうが、実際には理由はほとんど関係しません。それどころか、休学していようがいまいが、評価にはほとんと影響しないと考えましょう。その後、どのように学生生活を送ったかが重要視されます。

就活で学歴が見られるのは、あくまでその人がどのような経歴を辿っているかの参考にするためであり、それだけで評価のすべてが決まるわけではありません。学歴を見る場合でも、休学した理由1点絞って確認するわけではないため、最終的にはトータルの評価で決まると考えましょう。

休学=マイナスではない

休学した理由によってマイナスの影響がないのと同様に、休学自体も基本的にはマイナスに働くわけではありません。そもそも休学は学校の制度として正式に認められているものであり、それを利用するのは全く問題ないと考えましょう。休学が評価に影響するのは、それによって何か大きな変化があった場合です。

例えば病気で休学し、復学しても体調が優れないなら仕事にも関係しますが、完治しているなら全く影響はありません。病気の過去はあっても、現在に問題がないなら企業がそれによって評価を変えることはなく、その他の部分を見て評価を決定します。休学したことを負い目に感じていると、自信がなくなってマイナスの印象を与えやすいため、その点には注意しておきましょう。

ボランティアは評価されることもある

休学した事実や理由によって評価が変わることはありませんが、ボランティアのように積極的な理由の場合は、プラスに働くこともあります。学業を中断してでも社会貢献のために行動した、何かに力を入れて取り組んだという経験は、仕事でも通じると評価を受けられる可能性があります。これはボランティアをしたこと自体が評価されるわけではなく、行動の姿勢や経験から得たものが評価の対象になると考えましょう。

そのため、単に1年間休んでボランティアをしても、惰性でおこなうだけで、何も得たものがないなら評価の対象にはなりません。就活での評価の基本は経験そのものではなく、経験から得たものに向けられていることを知り、アピールの方法を工夫しましょう。

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パターン別の履歴書の書き方

中途退学の場合 :○○大学○○学部 中途退学
転校・転部の場合:○○大学○○学部 転入学/○○大学○○学部 編入学
留学の場合   :○○年○月までカナダ○○大学へ留学

履歴書のミスをなくすためには、パターン別の正しい書き方をマスターすることが大切です。学歴欄の書き方がイレギュラーになるのは休学した場合だけではなく、他にも複数のケースが該当します。例えば中途退学や転校・転部、留学なども通常とは書き方が違うため、間違えないよう注意しなければなりません。これらも休学と同様で、書き方を間違えると学歴詐称になりかねないため注意が必要です。余計なところでマイナスポイントを作らないためにも、書き方は細部まで理解しておきましょう。

中途退学の場合

中途退学した場合は、その旨も記入しなければなりません。学歴に書く場合は中途退学した年と月を記入し、「○○大学○○学部 中途退学」と記入します。その後、別の学校に入学した場合は、通常通りの書き方で「○○大学○○学部 入学」と記入しましょう。中途退学後そのまま就職するなら不要ですが、新卒の区分で就職するなら中途退学と入学の組み合わせはセットで必要です。

学校を辞めた後の足取りが分からないと、経歴に不審な目を向けられ、本人の信頼度も下がるため注意しなければなりません。また、退学から次の進路が決まるまでの間の空白期間が長いと、面接時に質問されることもあります。この場合は何をしていたのか答えられるようにし、やむを得ない事情で期間が開いているなら、そのことを履歴書に書いてもいいでしょう。

転校・転部の場合

転校や転部の場合も記入が必要です。転校の場合は「○○大学○○学部 転入学」、転部の場合は「○○大学○○学部 編入学」と記入します。口頭では転校や転部と言うことが多いですが、履歴書で書く場合はそれぞれ転入学、編入学と表現を変えなければならないため、間違えないよう注意が必要です。

また、学科を移る場合も同じく編入学と記載します。転校や転部を経験すると、学生時代に経験することが大きく変わり、何を学んできたかも異なります。特に転部や転学科の場合は、複数の分野で学んでいることも多いため、経歴をきちんと記入することで、これまでに学んだことを幅広くアピールしやすいです。

留学の場合

留学の場合も学歴に記入が必要です。どれくらいの期間で、どこに留学したのかを書きます。例えばカナダに1年行ったなら、留学を始めた年と月を記載して、「○○年○月までカナダ○○大学へ留学」と記しましょう。留学の場合は月まで記すことが大切であり、基本的には1年以上おこなった場合のみ、学歴で記載します。数週間や数ヶ月単位の場合は、学歴には含まないと考えられるため記載は不要です。

経験をアピールしたいなら、自己PRや学生時代に頑張ったことなど、別の部分でアピールしましょう。短期間の留学経験を学歴欄でアピールすると、書き方のルールを理解できていないと思われ、印象が悪くなる可能性があります。最低でも1年は必要であり、それ以下の期間は留学の内容に関係なく、別の場所でアピールします。

休学した場合は履歴書の学歴欄の書き方を知っておこう

休学をはじめとして、中途退学や転校・転部、留学など学歴欄の書き方がイレギュラーになる場合は複数あります。履歴書はトータルで見られて評価が決定するため、細かい部分でも間違いがあると全体の評価を下げられてしまいます。せっかく熱心に考えた自己PRや志望動機が、学歴の書き方の間違いだけでマイナスの評価になってしまうのはもったいないです。

全体の評価が下がると当然書類選考突破も難しくなるため、就活のハードルを上げないためにも、履歴書の書き方は細部まで理解を深めておかなければなりません。正しい書き方をマスターし、ミスのない履歴書を作成することが書類選考突破のポイントです。基本に忠実になり、慣れてきた時こそ初心に戻って、丁寧に履歴書を作成しましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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