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【体育会系は就職に有利?】選考への影響や内定獲得のための対策

体育会系は就職に有利なイメージ

体育会系の学生は就職時に有利で、他の学生より簡単に就活を終えられるとイメージする人は多いでしょう。確かに体育会系はこれまでの取り組みが評価されることが多く、また、経験したこともアピールがしやすいです。

しかし、これらはあくまでもイメージであり、実際の問題とは必ずしもリンクするとは限らないため注意が必要です。体育会系が就職に有利というのは、正しい側面もありますが、反対に間違っている部分もあります。イメージだけが先行して、それが真実だと信じ込んでしまうと、失敗することは多いです。

体育会系であることが、就活や就職にどのように影響を及ぼすのか、漠然としたイメージではなく、正しい認識を持っておきましょう。

体育会系が就職に有利といわれる理由

体育会系は就活に有利という声があります。体育会系の学生は体力があり、タフなイメージがあるため、就活でもその点を企業から評価される場合があるようです。

就活中はやるべきことが多く、スケジュールも立て込みがちです。慣れない状況に体調を崩してしまう人もいるため、やはり体力がある方がよいでしょう。ほかにもストレスに耐性がある、変化に強いというのも体育会系が就職に有利とされている理由です。それぞれの理由を詳しくみていきましょう。

ストレス耐性がある

企業で働くためには、ストレスに対する耐性が必須だと考えられています。仕事をしていくうえでは困難な状況になることもありますが、そのような時にも逃げ出さずに前向きに取り組む力が必要です。「体育会系の就活生は、運動を続けてきた持久力や忍耐力を持っている」と企業は考えています。

社会人として仕事を始めれば、今までの学生生活とは大きく環境が異なり、誰でも多少のストレスを感じるでしょう。体育会系ならストレスへの耐性があるため、プレッシャーを感じる時でも自分の力を発揮できると考えられています。

変化に強い

体育会系の学生は、これまで組織の中で活動をしてきた場合がほとんどです。多くのスポーツはチームで協力し合い、結果を出すために努力を重ねていきます。チーム内ではポジション変更やメンバーの入れ替わりなどで常に変化があり、適応していく力が求められます。

同じように、企業でも人事異動や企業の考え方により組織の変化があります。これまで様々な環境に適応してきた体育会系の就活生なら、企業の体制が変わっても柔軟に対応できると考えられているのです。

変化を繰り返しながらチームで勝利するというひとつの目標に向かえる力は、社会人として仕事をする時にも重要になります。多くの企業では、新しいことへ挑戦するための変化に強い人材を求めています。

協調性がある

特にチームプレイの競技の場合は、チームワークを求められるため、協調性が養われることが多いです。協調性は仕事をする上でも重要な能力であるため、これが備わっていると認められやすい体育会系は、就活でも有利になりやすいでしょう。また、個人競技であっても、先輩との上下関係から協調性を身につけていることが多く、この場合も評価はされやすいです。

仕事はひとりで完結するものはほとんどなく、さまざまな人とのかかわりの中で進めていかなければなりません。そのため、チームワーク力を高めたり、チーム内で円滑にコミュニケーションを取ったりすることが求められます。これらを実現するには協調性が必須と考えられるため、備わっているなら選考でも評価されやすいでしょう。

体育会系は就職に強いのか

最初に考えたいのが、体育会系は就職に強いというのは、本当なのかということです。体育会系は就職に強い、就活で有利というのは昔からいわれていることであり、実際にスムーズに就活を成功させた先輩をみている人も多いでしょう。

しかし、就活の常識は常に移り交わしますし、実際に得られる結果は誰がどのように活動するのかによって変わります。体育会系学生の全員が就職に強いとは限らないため、実際の就活にどのような影響があるのか知っておきましょう。

無条件で有利になるわけではない

体育会系であることが就職で有利になりやすいのは確かですが、これは無条件で有利になるわけではありません。つまり、体育会系だから有利というわけではなく、体育会系はその魅力を就活に活かしやすいから有利であると考えましょう。

就活では学生時代に取り組んできたことや、そこから生まれたアピールポイントを聞かれることが多いです。部活動をしていない場合でも、学業やサークル活動、アルバイト、ボランティア活動を題材にアピールができますが、経験内容次第では伝えづらい場合もあります。

しかし、部活動の場合はやってきたことが明確で、どれだけ努力してきたかも分かりやすいです。そのため、結果を伝えやすく、アピールがしやすいという点において、有利であると考えましょう。

出遅れて不利になるケースもある

部活動で培った経験は有利に働きますが、体育会系だからこそ不利になってしまうこともあります。それは部活動に打ち込んだことによる、就活の出遅れです。部活動ごとにスケジュールは違いますが、場合によっては就活が解禁した後も大会が残っているということもあります。

この場合は、部活動が優先となり、就活は後回しになります。就活イベントや選考への参加が難しくなり、対策の時間も他の学生よりは短くなってしまうでしょう。大会が終わった後は、他の学生と同様に就活に集中できますが、その頃には大幅に出遅れていて、挽回が難しい場合もあります。就活解禁前に大会が終わっている場合でも、部活動がある分、就活に割ける時間が短くなり、この点においては不利になりやすいでしょう。

OBとのコネクションは強みになる

体育会系は選考でのアピールがしやすいだけではなく、OBとのコネクションが選考で有利に働くこともあります。同じ部活動の先輩がいるからといって、それだけで就職できるとは限りませんが、選考時のプラス評価になりやすいことは確かでしょう。

企業によっては大学との繋がり、特定の部活動との繋がりが強い場合もあり、優先的に採用してくれることも少なくありません。また、OBとのコネクションは、就活の対策にも役立ちます。

先輩の経験からやるべきこと、押さえておくべきポイントを聞けるため、出遅れた分の挽回も測りやすいです。OBとの距離が近く、関係性が深いのは体育会系ならではの特徴であり、これを上手く活かせると、就職で有利に働くでしょう。

体育会系の弱点

就活で評価されやすく、選考で有利になることも多い体育会系ですが、弱点となる部分もあります。そのため、確実に評価されるには、弱点を知り、どのような点でマイナス評価を受けやすいのかを知っておくことが大切です。

体育会系ならではの弱点を知っていることで、選考でどのような点に気をつけるべきなのかもわかるでしょう。弱点を知り、それを克服して選考に臨むことでより高い評価を受けやすくなり、内定にも近づきやすくなります。

言語化するのが苦手

体育会系の学生は物事の言語化が苦手と思われることも多く、これによって自分のアピールポイントを正しく伝えられないことも少なくありません。就活では自分の魅力をいかに言語化して伝えるかが重要となるため、これが苦手な人は選考でも評価を受けづらくなってしまいます。

特にエントリーシートや履歴書、面接などでは言語化が必須であり、自分の能力や魅力を正しく言語にできないと、アピール力が下がってしまうでしょう。自分が何を考えているのか、どのような点で企業の利益に貢献できるのかは、正しく言語化して論理的に伝えなければなりません。

物事の言語化が苦手な人は体育会系かどうかに限らず、選考で不利になりやすいため、日頃から考えていることを言語化する癖をつけておきましょう。

精神論に偏りやすい

アピールの内容が精神論に寄りやすいことも、体育会系ならではの弱点です。例えば部活で頑張ったというアピール内容をひとつとっても、とにかく辛いことに耐えたなど、精神論で乗り切ろうとする人は少なくありません。

過酷な環境にも耐えられる、辛いことでもめげずに努力ができることは魅力的なスキルですが、ただ精神論だけで伝えてしまうと失敗することも多いです。精神論を展開するだけでは、明確なアピールができず、具体性が低いために高い評価を受けられないことも少なくありません。

選考ではいかに具体的にアピールするかが重要であるため、漠然とした精神論を述べるだけで内定が勝ち取れるほど、甘いものではないことは理解しておきましょう。

体育会系の就活で失敗しやすいこと

体育会系だからといって、それだけで就活が上手くいくとは限らず、場合によっては失敗することもあります。有利な側面、不利な側面それぞれがあるため、他の学生とは違った目線から就活を捉え、工夫して取り組まなければなりません。

特に失敗しやすいポイントを知ることは大切で、何に気をつけるべきかは、正しく知っておく必要があります。体育会系ならではの失敗しやすいポイントを知り、思わぬ落とし穴にはまらないよう、注意深く就活を進めましょう。

勢いだけでは評価されない

体育会系では元気やノリの良さ、体力があることが題材になる場合が多いです。これらは人間的な魅力として評価されるポイントではありますが、勢いだけで合格を勝ち取れるほど、就活は甘いものではありません。

体育会系ならではのノリで選考に臨んでしまうと、空回りして終わってしまうことも多いです。仮にその場が盛り上がったとしても、結果は不合格というケースも多いため、念入りなアピールを心がけなければなりません。

元気が良いことや体力があることは、特段伝えなくても面接での態度や、これまでの部活動の経験を伝えることでアピールできます。他の題材を使ってアピールしたほうが、魅力が複数伝わって、より高評価を獲得しやすくなるでしょう。

先輩が引き上げてくれるとは限らない

OBとのコネクションは有利に働きやすく、選考時のプラス評価に繋がることも少なくありません。しかし、これが必ずしも有効に働くとは限らないため、注意が必要です。仲の良いOBがいるからといって、絶対に引き上げてもらえるとは限らず、不合格になることもあるでしょう。

関係性が深いなら選考時に優遇されることは多いですが、それでも採用されるには一定程度の基準を満たしておかなければなりません。先輩が引っ張ってくれるからと、何の準備もせずに選考に臨んでしまうと、誰からも引っ張り上げてもらえず、進路に困ることもあります。先輩の力はあくまでプラスアルファのものであり、それだけを期待するのはよくありません。まずは自分でしっかり合格を勝ち取る工夫をすることが、就活成功の近道です。

アピールの差別化が重要

体育会系の学生は、部活動での経験をアピールしやすく、これはメリットのひとつです。しかし、他の体育会系の学生も同様の内容でアピールするため、差別化を考えなければなりません。

単に部活動に真剣に取り組み、頑張ったというだけでは他の学生と同じと判断されて、高評価が得づらくなるため注意しましょう。仮に同じ競技をしていても、人によってどのような経験をしたか、どのように取り組んで成長してきたのかは違います。

ただその競技を経験したことだけを伝えるのではなく、どのような課題に取り組み成長してきたか、自分らしさを上乗せして回答することが大切です。他の学生と似たようなアピール内容になり、埋もれて評価されないことも多いため、何を伝えるかは特に工夫して考えましょう。

体育会系が就職を掴み取るには

部活動の経験が有利に働くか、それとも不利になってしまうかは、就活の取り組み方次第です。体育会系の学生でも失敗することはあるため、成功するための方法を考え、努力しなければなりません。

上手に活かすと有利に働く要素は多いため、ポイントさえ押さえられているなら、他の学生よりもスムーズに就職を掴み取りやすいのは確かです。体育会系ならではのメリットを最大限活かす方法を知り、工夫して就活に取り組んで就職をめざしましょう。

早めから就活準備を進める

体育会系は部活動と勉強、就活、やっている人はさらにアルバイトと、他の学生に比べてスケジュールが過密になりやすいです。そのため、就活に割ける時間は必然的に短くなり、これをカバーするためにも、早めから就活準備はしておかなければなりません。

就活準備を始めるのに早過ぎるということはなく、むしろ早い段階からやっておくと余裕を持って就活に臨みやすくなります。極端に言えば入学してすぐでも就活準備は始められるため、できるときからコツコツと積み重ねておくとよいでしょう。

先輩が就活をしているなら、どのようなことをやっているのか、リサーチしておくのもおすすめです。体育会系ならではの就活のスケジュールを知り、人より早めに動き出すことが成功を掴み取るカギといえます。

OB訪問は部活の繋がりを活かす

就活を有利に進めるにはOB訪問がおすすめで、体育会系の学生は先輩との繋がりが強いことから、これをおこないやすいでしょう。OB訪問をおこなうことで、業界・企業・仕事についての理解を深められ、一気に就活準備が進められます。

また、複数回おこなって顔を売っておくと、選考時のプラス評価にも繋がりやすいでしょう。同じ部活動に所属していて、同じ先輩を知っている場合でも、OB訪問の有無によって引っ張り上げてもらえるかどうかは大きく変わります。

また、引っ張り上げてもらえなかったとしても、就活全般に役立つことは確かで、OB訪問で得たことは他の企業の選考でも役立ちます。他の学生よりもOB訪問をしやすい環境にあるため、コネクションは最大限活かしましょう。

自分の魅力を正しく知る

体育会系であることが無条件で評価されるわけではなく、どのような経験をしてきたかが評価される対象です。つまり、体育会系学生という肩書ではなく、ひとりの人間として自分自身が評価されることは理解しておかなければなりません。

選考では人間的な魅力を伝える必要があるため、自分にはどのような魅力、アピールポイントがあるのか、正しく理解しておきましょう。体育会系だから元気がある、体育会系だから何事も頑張れるではなく、自分だからできること、自分にしかできないことを考え、アピールすることが大切です。

部活動でどのようなことをし、何を考えて努力に励んだかを考えましょう。そこから自分の本質的な魅力を知り、それを選考で売り込んでいくことが、高評価の獲得に繋がります。

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体育会系の自己PRのポイント

就活ではエントリーシートや履歴書、面接などで自己PRを求められることが多いです。自己PRを上手におこなうには、体育会系ならではの経験を述べることがおすすめですが、問題はいかにして伝えるかということです。上手に自己PRをするには、さまざまなポイントがあるため、これを把握しておくことで、より高評価を受けやすくなるでしょう。自己PRはどのように伝えると評価されやすいのかを知り、体育会系の強みを活かして自分の魅力を伝えましょう。

具体的なエピソードを述べる

自己PRをする際には、具体的なエピソードを述べることを意識しましょう。自己PRでは冒頭に自分の強みはなにか、どのような能力や魅力があるかを述べますが、結論を提示するだけではアピールに説得力が出ません。例えば自分は体育会系の学生で、継続力があると述べても、面接官はそれが本当であるかどうかの判断ができないため、アピールには説得力を持たせることが大切です。

冒頭で提示した能力や魅力をどのように身につけたのか、あるいはいかなるシーンで発揮したかなどの、具体的なエピソードを追加することで、よりアピール力は高まります。自己PRは面接官に納得してもらえるかどうかが重要であるため、具体性を意識してアピール内容を考えましょう。

数字を入れることで説得力が増す

より評価される自己PRをするには、アピール内容に数字を含めることがおすすめです。数字を用いたアピールをすることで、これまでの実績や自分の頑張りを定量的に示すことができ、より伝わりやすくなります。

例えば継続力をアピールしたいなら、ただ部活動を頑張っただけではなく、4年間頑張ったとしたほうが、自己PRの説得力は高まります。他にも「〇本のシュートを練習後に欠かさずおこなった」、「努力の結果、大会で〇位になれた」など、体育会系は数字を使ったアピールがしやすいです。

まったく同じ内容でも、数字の有無によって物事の伝わりやすさは異なります。より具体的な自己PRにするためにも、これまでの頑張りを伝える際にはできるだけ数字を用いるよう意識しておきましょう。

体育会系は就職で有利になりやすい

体育会系は就職に有利か不利かで意見が分かれやすいですが、基本的には有利と考えて問題ありません。ただ、有利といっても絶対的に評価されるわけではなく、単にアピールがしやすいというだけに過ぎないことは理解しておきましょう。

体育会系という肩書は、いわばひとつの武器です。しかし、どれだけ強力な武器を持っていても、それを上手く活かせないと、魅力は半減してしまいます。体育会系というそれだけで評価されると思い込んでいると、宝の持ち腐れになって、失敗することも少なくありません。

体育会系という武器を活かすには何が必要か、どのように就活を進めるべきかを考えることが大切です。就活の取り組み方の根本から見直し、上手にアピールして就職を勝ち取りましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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