面接対策
【短所を面接で答える際の例】失敗しない伝え方とNGポイント
- 16462 views
目次
面接で必ず質問される短所
面接の場では必ずといっていいほど質問される長所・短所ですが、意外に対策が難しい部分でもあります。長所についてはしっかりと自己アピールできるのですが、短所は自分のマイナス要素を述べることに抵抗があり、上手くいかないという人も多いのではないでしょうか。
就活の面接は自分を装う場ではなく、企業と自分とのマッチングの場です。企業側も、面接の回答から求める人材の要件と学生とを照らし合わせています。つまり、短所を聞かれた時に、自分をよく見せたいからと嘘や当たり障りのない回答をしてしまうと、逆に本音をいっていないと悪い評価をされてしまうこともあるのです。
自分の短所を確認することは自分を見つめ直すことですから、どんな会社なら生き生きと働けるかということにも繋がります。面接対策だけでなく納得できる就活のためにも、自分自身の短所ときちんと向き合うようにしましょう。
面接で短所が質問される理由
企業は、短時間の面接で応募者の見極めをおこなわなければなりませんから、無駄な質問をしている時間はありません。特に最近の採用面接では、漠然と優秀な学生を選ぶというより、社風や職種、配属する部署などを考えながら、それにマッチングする学生を選定するという傾向が顕著になってきています。
もちろん、面接だけでなくESや適性検査などを含めて総合的に判定をしていますので、面接の回答に矛盾があったりすると合格は難しいでしょう。面接で必ずといっていいほど聞かれる短所ですが、どこの会社でも聞かれるからと、面接対策本での受け売りの回答で誤魔化すのはNGです。事前にしっかり対策をしておきましょう。
自己分析ができているかチェックするため
面接で短所を確認する理由のひとつは、自己分析がしっかりできているかチェックするためです。現在は、新卒採用も即戦力化の傾向が強く、時間をかけて全員に同じ教育をしていくというよりは、本人の適性にあった教育をおこなって人材を育成していくといった時代になっています。
すなわち、この会社でこういう風になりたいという目的意識や向上心を持っている人が求められているのです。面接で短所がきちんといえるということは、自己分析が十分にできているということです。
自分の弱みを把握し、それをどう改善していけば自己の成長につながるのかを理解しているということになります。逆に自分の短所もわからないという人は、自分自身の伸びしろもわからない、目標や向上心のない人間だと思われる可能性もあるのです。
企業とマッチしているか確認するため
現在の新卒採用は、一般的に優秀といわれる人材を重視して採用するという企業は少なくなっています。新卒でも即戦力化が求められる現在では、企業側もあらかじめ自社で活躍できる人材はどのような要素を持っているかという要件定義をおこない、それにマッチングする学生を採用するようになっているのです。
すなわち、選考試験の合否のポイントは優秀かそうでないかということではなく、その企業にマッチングしているかそうでないかということになります。よって面接もその企業とのマッチングが前提となりますので、自分が応募する企業の社風や求める人材・仕事内容などをしっかりと研究して、それが自分自身の性格と相反していないかどうかの検討も必要になるでしょう。
39点以下は要注意?あなたの面接偏差値を診断しよう
面接に対して不安を抱いている人は多いです。「他の就活生より準備不足じゃないかな」と気になりませんか。
そんな時は、あなたの面接偏差値を診断できる「面接力診断」がおすすめです。面接力診断を使えば、簡単な質問に答えるだけで自分の弱みとその対策を解説付きで把握できます。
今すぐ活用して、志望企業の面接を突破しましょう。
面接で短所を答えるときのポイント
短所というのは自分の弱みですから、面接で短所を答えるときには答え方のポイントがあります。あえていえば面接もビジネスシーンですから、ビジネスを成功に導くためには短所についても戦略的な回答が求められるということなのです。
それは単に自分の欠点をいえばいいということでも、自分を偽って嘘をいうということでもありません。自分の弱みとしっかり向き合いながら、それを企業の求める人材にどう近づけていくかというビジョンを示すことが重要になるのです。
自己分析・他己分析をしておく
面接で短所を答えるにあたってまずやらなければならないのが、自己分析・他己分析です。就活は、まずは自己と向き合い自分の強みをどう活かすか、自分の弱みをどう改善するかというポイントを業界・業種・職種選びに繋げるところから始まります。
自己と向き合う方法としては、過去の自分を棚卸しするやり方がおすすめです。過去の自分で成功や失敗だと思うことについて、自分がなぜそういう行動に至ったのかや、自分の行動で他人からどう評価されたかなどをノートに書くことで、改めて自分の強みや弱みを知ることができます。
さらに自己分析だけでなく、他己分析で第三者からの指摘や分析を同時におこなうことがとても重要です。他己分析については、家族や友人から直接聞く方法や性格検査などデータとして確認する方法もあります。
過去の出来事を振り返る
短所を考える時には、これまでの出来事を振り返り、どんな経験があったのかを思い出してみましょう。小学校のことや中学校の部活動、高校受験、学校生活など、なかでも印象に残っていることを書き出してみてください。そこから、人生において大きな影響を与えた経験を選び、その時のことを深く掘り下げてみます。
どのようなことがあったのか、その時にどんな行動を取ったのか、どんなことを感じたのか、どのような結果になったのか、などを思い出すと自分の短所がみえてくるはずです。短所を伝える時には、具体的なエピソードを加えると伝わりやすくなりますので、その時の出来事を整理して、分かりやすく説明できるようにしておきましょう。
長所を短所に言い換えてみる
面接は単なる自己紹介の場ではありません。面接官への自己アピールの場でもありますから、仮に短所であっても何かしらのアピールとして回答することが重要になります。また、長所と短所は裏表であるということもよくあります。
すなわち、短所として答えても見方を変えて長所になれば、自己アピールにできるということです。例えば、大雑把な性格は見方を変えればおおらかな性格ともいえますし、逆に神経質な性格は几帳面な性格ともいえます。
飛び込み営業のように初対面の人と多く触れ合う仕事であれば、おおらかな性格の人が向いているでしょうし、日々数字を扱う経理職であれば、几帳面な人が向いているともいえます。つまり、短所がマイナスではなくプラスに働くこともよくありますから、自分の短所がどうアピールできるかということも考えてみましょう。
面接で回答する長所・短所の言い換え一覧
・慎重→心配性
・思慮深い・よく考えて行動する→優柔不断
・おおらか→マイペース
・信念を貫く→頑固・意地っ張り
・向上心がある→負けず嫌い
・好奇心旺盛→目移りしやすい・飽きっぽい
・適応力が高い→流されやすい
・行動力がある→計画性がない
・細かな気遣いができる→気が弱い・神経質
・素直→単純
・聞き上手→人前で話すことが苦手
長所は見方を変えれば短所ともいえます。面接で回答する短所を考える時には、まず自分の長所を挙げていき、別の言い方で短所にしてみるとよいでしょう。長所を短所に言い換えると、短所があってもそれをカバーできるような工夫をしていると伝えることが可能になります。紹介した言い換え一覧で、自分の長所・短所の言い換えを考えてみましょう。
アピールする内容をひとつに絞り込む
面接で短所・長所をアピールする際、アピールする内容はひとつに絞るようにしましょう。短所を答えることは、自己分析がしっかりとできていて自分のことを深く理解しているというアピールになります。短所を答える際には、自分がどのような人間でどのような特徴があるのか、面接官に伝わるような回答をするのがベストです。
長所・短所がいくつも思い浮かぶ場合は、企業や業界に合いそうなものを選ぶとよいでしょう。自分のアピールポイントを決めて、一貫性が出るように相手に分かりやすく伝える工夫をしてみてください。
結論から述べる
面接での回答のポイントは、結論から述べることです。まずは「私の短所は~です」といい、それからなぜそう思うのかという説明を加えていきます。最初に結論を述べることで、聞いている相手の興味を引き「なぜなのだろう」と、これからの説明を聞く体勢になってもらうことができます。初めからダラダラと説明を始めてしまうと、どこが要点だか分かりづらくなるため注意しましょう。
なぜそれが自分の短所だと感じるのかという説明は、具体的な過去のエピソードを織り交ぜて話すと説得力が増し、面接官も納得しやすくなります。「結論から述べる」というテクニックは社会人になってからも様々な場面で役立ちますので、面接の回答でも練習をしておきましょう。
短所に対して努力していることや工夫を述べる
短所をただ伝えるだけでは、自分の欠点やよくない部分を企業へ伝えることとなってしまいます。面接は自分をアピールするチャンスになりますので、短所を述べるだけでなく、カバーするために努力していることや、普段の生活で工夫していることなどを合わせてを伝えて、前向きな姿勢が分かるようにしましょう。そのためにも、面接で回答する短所は、努力や工夫でカバーできるものを選ぶのがポイントです。
自分の短所は生まれ持った性格でもあるので、すぐに変えることは困難です。しかし、短所をしっかり理解したうえで、それを補えるような努力や工夫をアピールすれば前向きな印象を与えることができます。短所を伝えてもマイナスなイメージにならないように心掛けましょう。
あなたは何点取れる?あなたの面接偏差値を診断しよう
面接に対して不安を抱いている人は多いです。「他の就活生より準備不足じゃないかな」と気になりませんか。
そんな時は、あなたの面接偏差値を診断できる「面接力診断」がおすすめです。面接力診断を使えば、簡単な質問に答えるだけで自分の弱みとその対策を解説付きで把握できます。
今すぐ活用して、志望企業の面接を突破しましょう。
面接に合格する短所の回答例
先にも述べたように、面接で合格するには短所であっても自己アピールとして活用する意識が必要です。もちろん、自分の性格を偽ったり面接対策本の回答例をそのまま答えても何の意味もありません。
まずは自分自身の性格としっかり向き合い、短所は短所として受け止めましょう。その上で、それをどう改善していくかという目標意識や、逆に短所を仕事にどう活かしていくかといった長所への置き換えに繋げていきます。以下に短所の伝え方をご紹介しますので、参考にしながら自分の言葉で伝えられるようにしていってください。
マイペースだと言われる
私の短所はマイペースなところです。例えばゼミの合宿で、私は宿泊するホテルを決める担当を任されました。先に予算や条件などを決めて、参加メンバーの希望を一人ひとり確認することで、とてもよい宿泊先を探すことができてみんなに喜んでもらえました。
しかしのんびり進めすぎて、あやうく申し込みの締め切りに間に合わなくなるところでした。この経験から、計画については物事の優先順位を決め、進捗をチームで共有するなどの工夫をするようにしています。
マイペースは「時間にルーズ」、「協調性が無い」などの一面もありますが、逆に「おおらか」、「コツコツ頑張る」、「周りに流されない」性格ともいえます。今回の例でいえば、周りとコミュニケーションを取りながらきちんと結果を出していますから、面接官からは多少のんびりしているがコツコツ頑張って成果を出す人という評価を貰えるでしょう。
心配性な性格
私は心配性な性格です。常に失敗しないよう忘れないようにと心配してしまうので、どんなことでも事前に細かく準備をしておくクセがあります。友人からは心配し過ぎだと笑われることもありますが、イベントなどは安心して任せられるといわれることもあります。
結果として大きな失敗はありませんが、準備のやり過ぎは時間がかかってしまうこともあるので、今はタスクリストなどでやるべきことを効率的に管理するようにしています。
心配性な性格は「時間がかかりすぎる」、「神経質である」、「臨機応変さに欠ける」などのネガティブなイメージがあります。しかし表現の仕方によっては「計画性がある」、「責任感が強い」、「慎重である」という強みを示すことが出来ます。実際の経験や出来事を踏まえて答えることで内容に深みが出ることを忘れないでください。
頑固である
私は友人から頑固な性格だといわれます。一度決めたことは最後までやり遂げないと気が済まないからです。例えば、アメリカに語学留学することを目標にしてアルバイトを始めました。最初は早く費用を貯めたいとアルバイトを無理に掛け持ちし、周りからも心配されてしまいました。
改めて考えてみると語学留学の目的がおろそかになっていることに気づき、アルバイトの頻度を減らして語学の勉強に充てることで、予定より時期は遅くなりましたが留学に行って充実した時間を過ごすことができました。
頑固という性格は「融通が利かず協調性に欠ける」と思われがちですが、面接の際には「継続力がある」、「芯が強い」という印象でアピールしたいものです。しかし、ただ単に「〇〇をやり遂げました」では短所として自覚していないと思われますので、そこは言い回しを考えなければなりません。
優柔不断さ
私は優柔不断なところを短所だと考えています。私は現在、テニスサークルの部長をしています。以前練習の進め方でメンバーから色々提案されたときに、なるべく多くの意見を反映したいという思いから、なかなか意見をまとめられなかった経験があります。
最初は戸惑いましたが、話し合いを続ける内にテニスの実力の差が練習方法の違いに出ていることに気づきました。そこで初心者チームと上級者チームに分けることで、みんなに喜んで練習してもらうことができるようになりました。
優柔不断な性格のマイナスイメージは「決断力が無い」「気が弱く流されがち」などですが、強みとしては「慎重である」「素直である」などが挙げられます。例文のような事例では、さらに協調性がある所もアピールできます。
面接で言ってはいけないNGな短所
人によっていろいろな短所がありますが、面接で述べるにはふさわしくない短所もあります。上で述べたような短所の言い換えなどもありますが、そもそも面接ではNGである短所といったものもあります。
もちろん、自分自身にそのような短所がある場合もあるでしょう。しかし、人間の性格で短所がひとつだけということも考えにくいので、そのような時は再度自己分析をおこなってみたり、周りに意見を求める、性格検査を受検するなどの方法をとってみるといいでしょう。
仕事に関係しない短所
「料理が下手」「運動が苦手」など、仕事に全く関係ない短所は、面接でいう必要はありません。企業がなぜ短所を聞くのか、質問の意図を分かっていない、あるいは理解力やコミュニケーション能力に問題があると思われてしまう可能性があります。
面接で短所を聞くのは、あなたが企業に合うかどうかを判断するためです。入社するのに致命的だと思われる短所は避けた方がよいですが、仕事に関係ない短所を伝えてもアピールにはなりません。
自分の短所だと思う点をいくつか挙げたら、そのなかから仕事につながるものや、克服して仕事に活かせるものなどを選んでみましょう。面接で答えるのに適切と思われる短所を伝えるためには、企業がどのような人物を求めているのかをしっかりと確認することが大切です。
職種の適性と相反する短所
就活時に自己分析や性格検査を受検する目的のひとつに、職種の適性と性格とのマッチングがあります。もちろん性格だけで仕事が合う・合わないを決めつけるのは、就活においては選択肢が狭くなる危険な行為です。しかしやはり職種ごとに合う性格・合わない性格があることも事実です。企業側としては求める人材にマッチングした人を採用したいという考えから、要件に合わない短所の人は採用を避けることも考えられます。
例えば接客の仕事で内向的であるとか、金融業で大雑把であるという人が活躍するイメージはなかなか持ちにくいものです。面接では、自分勝手に回答するのではなく、相手がそれをどう受け取るかを考えなければなりません。職種の適性と相反する短所を答えると、よい結果には結びつかないでしょう。
仕事をするうえでリスクとなる短所
企業側は新卒採用においては伸びしろも見ますから、仮にその人に募集職種に合わない短所があっても改善する余地があったり、短所以上に魅力的な長所やポテンシャルがあれば採用することも十分考えられます。
しかしながら、仕事をするうえでリスクとなる短所がある場合は別です。現在は一社員の行動が会社全体の信用を大きく損なうような事例も多く発生していますから、トラブルに繋がりそうな短所はそれだけでNGとなります。
例えば「嘘をつく」、「ルールを守らない」、「協調性が無い」といった短所は採用する上での大きなリスク要因とみなされます。学生時代の不用意な行動を自慢げに話したりしないのはもちろんですが、自分の回答がそのようなリスク要因を抱えていないかを事前に確認することも必要でしょう。
「短所はありません」という回答
これは自己分析などの面接対策を疎かにしている人や、面接で短所を話すと企業にマイナスイメージを持たれてしまうという誤った考え方をしている人によくあります。「短所はありません」という回答は、そもそも就活を誠実におこなっておらず、結果としてその企業への志望度も低いと思われてしまう可能性があります。
また、短所が無いという人は自分としっかり向き合っていないので、自分のどこを改善していかないといけないのかという目標意識や向上心も無い人だと思われてしまうかもしれません。完璧な人間などいませんし、企業はその人の成長力に期待して採用をおこないます。短所は長所の裏返しともいえますし、自分の伸びしろとしてアピールできる部分でもあると認識しましょう。
体型や体質に関するもの
身長が低い・痩せている・太っている・アレルギーがある・体が弱い、など体型や体質に関することを短所とするのは避けましょう。体型や体質など身体的な特徴は変えることが難しく、短所とはいえません。企業の面接で身体的な問題を伝えると、仕事に影響があり業務が難しいと判断されてしまうこともあります。
短所は外見・体質などではなく、あなたの性格や考え方、行動などに関係するものです。企業が面接で短所について質問する意図を理解して、適切な回答を準備しておきましょう。ただし、仕事をするにあたり配慮しなければいけない疾患などがある場合は、嘘をついたり隠したりせずに、企業にきちんと報告する必要があります。
例を参考に面接で短所をどう回答するか考えておこう
様々な例を挙げて面接での短所の伝え方をご紹介してきました。但し気をつけなければならないのは、例文を丸暗記して使ってみても上手くはいかないということです。重要なのは、自分自身の性格としっかり向き合い、短所は短所として受け止めたうえで、希望する企業の求める人材像とどう繋げていくのかです。自分なりの回答を作っていくようにしましょう。
長所・短所はどんな会社でも必ずといっていいほど質問されますから、自分の言葉で回答しないと面接官にはお見通しです。突飛な回答は必要ありませんが、「自己分析がきちんとできているか」「その企業の職種や社風と合っているか」というポイントを踏まえて、自分なりの回答を作っていってください。