就活その他

【身元保証書とは何か】基本的な意味から注意点まで徹底解説

身元保証書とは何か知らない人は多い

就職が決まると、入社に向けて複数の書類を提出します。提出書類は企業によって違いますが、身元保証書が含まれることも多いです。身元保証書とは何か知らない人は多く、よく分からないまま提出している人も少なくありません。

身元保証書は重要な書類であり、今後の社会人生活にも関係する可能性があるため注意が必要です。トラブルを招かないためには、身元保証書とはどのようなものなのか、正しく知っておく必要がありますし、本当に提出しても大丈夫なのか理解しておくべきです。

身元保証書とは何か、どのような効力があり、何のために提出するのか細部まで理解を深めることが、就職への第一歩といえます。重要な書類だからこそ、意味や役割を細部まで理解しておきましょう。

身元保証書には何の意味がある?

そもそも身元保証書には何の意味があるのか、書類の効力を知らない人も多いでしょう。企業が提出を求める以上、書類には必ず何らかの意味があり、それは身元保証書も変わりません。身元保証書というからには、何かを「保証」するために提出するということは分かります。

問題は何を保証するかで、内容は大きく2つに分けられます。2つの保証内容を知り、身元保証書の提出にはどのような意味があるのか考えてみましょう。

人物の信頼性の保証

身元保証書の提出を求めるのは、提出する人物、つまりこれから就職する学生の信頼性をみるためです。ビジネスの世界では信頼性がもっとも重要視されており、選考でも信頼できる人物かどうかの見極めには、特に注意を払います。最終選考まで合格し、内定が決まった時点である程度信頼はされていますが、それでも確実とはいえません。

選考の短い時間の中では、人物の信頼性を細部まで見極めることは難しいため、信頼性の裏付けのために身元保証書の提出を求めると考えましょう。身元保証書には、保証人のサインをもらいます。企業と学生の当事者間だけではなく、第三者から見ても信頼に足る人物か確認するために、身元保証書が用いられます。

損害賠償が発生した時の保証

単に信頼性を確認するだけではなく、損害賠償が発生した際にも身元保証書は効力を発揮します。身元保証書に記載する保証人は、就業者が企業に損失・損害を出した場合に、損害賠償を請求される対象となります。

もちろん、最初から保証人が賠償責任を負わされるわけではありません。まずは就業者自身が賠償責任を負い、返済能力がない、あるいは逃げ出して行方が分からなくなった場合に保証人が肩代わりすると考えましょう。

借金の連帯保証人のように、最初から賠償責任が発生しているわけではありませんし、責任を負うのはあくまで就業者がトラブルを起こした場合に限られます。大規模な損失があった場合、就業者自身以外に責任の追及先を作ることも、身元保証書の意味といえます。

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身元保証書の提出は必須?

人物の保証と損害賠償責任に関する保証のように、身元保証書は重要な書類で、簡単に提出してよいものではありません。保証人はしっかり考えなければなりませんし、責任を持って提出することが大切です。

就職後の自身、そして保証人にも重要な書類のため、提出したくないと考える人もいるでしょう。身元保証書の提出は必須なのか、必要性の有無を知っておくことが大切です。

法的な定めはない

就職する上では重要な役割を果たす身元保証書ですが、実は提出に関する法的な定めはありません。就職の際に絶対に必要な書類というわけではありませんし、企業によっては提出を求めないこともあります。絶対的に必要ではない以上、提出は必須とはいえないでしょう。

ただし、法的な定めがないというのは、あくまで提出させなくてもよいというだけに過ぎません。企業が身元保証書の提出を求めることは自由ですし、提出を求めた場合には、内容に関する法的な定めはあります。

企業が提出を求めないなら無理に作成する必要はありませんが、提出を求められる場合は、法的な決まりに則って作成し、効力も法律上の定めが適用されると考えましょう。

企業が就業規則で定めるなら必要

基本的には企業が提出を求めるなら、身元保証書は出さなければなりません。特に就業規則で身元保証書の提出を必須としている場合は、これに反すると最悪解雇の対象となるため注意が必要です。

身元保証書は企業にとって保険になる重要な書類です。選考を通して人柄はみているとはいえ、完全に素性の分からない人材を雇い入れる以上、企業にも何らかのセーフティネットが必要なことは理解しておきましょう。

身元保証書の提出を求められるのは、信用されていないからではなく、今後トラブルが起きた時に円滑に解決するためと考えても問題ありません。身元保証書を提出したからといって、悪用されることはまずありませんし、就業規則で定められているなら、従うのが基本です。

提出を拒否すると内定取り消しもあり得るため注意

身元保証書の提出を求められると、何か疑われているように感じ、いい気がしない人もいるでしょう。しかし、企業に求められる以上は提出する必要があり、これを拒むと内定取り消しにもなりかねないため注意しなければなりません。

そもそも身元保証書に限らず、内定時に提出しなければならない書類は複数あります。これらは就職に際して必要だから提出を求められているのであり、不要な書類をわざわざ提出しているわけではありません。つまり、身元保証書も就職するための必須書類といえ、提出しないと就職の手続きを進めてもらえない場合があります。

また、企業では信用できる人材のみ採用したいと考えているため、身元の保証ができず怪しい人材は採用したくないと考え、採用を躊躇することもあります。

身元保証書の保証人は誰に設定する?

身元保証書は第三者からの保証を裏付ける書類のため、当然自分以外に保証人の存在が必要です。問題は誰を保証人にするかであり、誰なら保証人として認められるのかです。

保証人になるということは、自分にもしものことがあった場合、企業に与えてしまった損害、損失を肩代わりしてもらわなければなりません。気軽に頼めることではないからこそ、誰に設定すべきかはきちんと考えておきましょう。

親族や血縁者が望ましい

結論からいえば、身元保証書の保証人は、成人であるなら誰でも設定できます。親族や血縁者はもちろん、友人や知人であっても、保証人に設定することは可能です。しかし、友人や知人のように、関係性の薄い人を巻き込むのはよくありませんし、企業によっては保証人としてふさわしくないと判断されることもあります。

特に損害賠償の観点から見ると、経済能力がある人が望ましく、同年代の友人・知人の設定が認められないことも多いでしょう。親族や血縁者なら、基本的には問題なく設定できますし、自身の信頼性の証明も容易にできます。

第三者の保証として信頼性があること、少なからず経済能力があることが重要なため、繋がりの強い親族や血縁者に頼むのが一般的と考えましょう。

頼める人がいないなら企業に相談

企業によってはどこまでを保証人に設定できるか、事前に決める場合もあります。環境次第では企業の取り決め通りに保証人を設定できなかったり、そもそも家族や血縁者との関係が薄く、保証人を頼めなかったりすることもあるでしょう。保証人を頼める人がいない場合は、正直に企業に申し出て、相談するのがおすすめです。

身元保証書の提出は法的に絶対に必要というわけではないため、事情を話すと柔軟に対応してくれることも多いです。場合によっては友人や知人、大学の恩師などを保証人にしてよいと判断されることもあり、相手から承諾を得られるなら、親族以外でも保証人に設定できます。自己判断で勝手に保証人を決めず、分からない時は企業に相談して対処しましょう。

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身元保証書の作成方法

実際に身元保証書の提出を求められた場合に備えて、基本的な作成方法を知っておくことが大切です。身元保証書の内容は企業によって異なる場合があり、細部はそれぞれ違います。

しかし、必須事項はいくつかあり、共通のルールもあるため、これは守らなければなりません。身元保証書はただ提出して終わりではなく、正しく記載して提出することが求められます。書き直しとならないためにも、正しい作成方法を知っておきましょう。

テンプレートを参考に作成する

雇用される本人の住所と氏名、生年月日と印鑑
身元保証人の住所と氏名、生年月日と印鑑
雇用される労働者の就労に当たって就業規則および諸規則を遵守して誠実に勤務することを保証
万が一の際本人と連帯して損害を賠償する責任を負担

基本的には企業が作成した身元保証書の空欄を埋める形で作成しますが、場合によっては用紙が配布されないこともあります。この場合は自身で作成する必要があり、一般的なテンプレートを参考にするとよいでしょう。

基本的に必要なのは、上記4つの項目です。企業によっては別途項目を追加することもあるため、何を記載しなければならないのかは、事前に確認しおくとよいでしょう。住所や氏名、生年月日などは上側に記載し、保証内容については本文の位置に書くことが基本です。

基本的に代筆は避けた方がよい

本人記載欄は直筆で埋めますが、身元保証人の項目は保証人本人に記入してもらうことが基本です。そのため、基本的には代筆は避けたほうがよく、できるだけ本人直筆で書いてもらうようにしましょう。

代筆してしまうと本当に保証されているのかが曖昧になり、書き直しを命じられることもあります。また、本人に知らせず勝手に保証人に設定し、万が一就職してから問題が起きてしまうと、トラブルに発展することもあるため注意が必要です。

もし身元保証人が遠方にいて直筆での記載が難しい場合は、企業に相談してみるのがおすすめです。相談の結果次第では特例的に代筆が認められることもあるため、他の人に頼みづらい状況なら、企業に話して対処法を考えてもらいましょう。

印鑑証明書の提出が必要な場合がある

基本的には必要事項を埋めた身元保証書の提出だけで済みますが、企業によっては印鑑証明書の提出を求めることもあります。印鑑証明書は、市区町村の役場などで印鑑を登録して実印を作ることで発行できます。

この場合は身元保証書への押印は実印でおこなう必要があり、印鑑の信頼性を証明するものとして、印鑑証明書が必要になると考えましょう。そのため、身元保証書への押印を認印でおこない、別途印鑑証明書を提出するということはできません。

また、企業によっては発行から3ヶ月以内のもののみ使用可能など、印鑑証明書の有効期限を設けていることもあります。企業によって細かいルールは異なるため、提出時の案内を見るか、分からない部分は相談して疑問点を解消してから提出するようにしましょう。

身元保証書を提出する際の注意点

・保証期間の確認
・保証期間更新の有無
・身元保証人への通知義務

身元保証書の提出を求められたなら、基本的には拒否はできません。しかし、求められたからといってすぐに提出せず、注意点も頭に入れた上で、慎重な提出を心がけましょう。

保証期間は特段の定めがない場合は3年、定めがある場合でも5年以内です。5年以上に設定されている場合でも、法的な決まりで5年に短縮されることは覚えておきましょう。最大5年という決まりは、一度の保証期間です。

更新があるなら、さらに長期間の保証もあり得るため注意が必要です。就業者に何らかの問題があった場合は、身元保証人に連絡がいきます。問題を通知された後は保証契約の解除が可能なため、通知に関する定めが記載されているかもチェックしておきましょう。

身元保証書とは就業者の信頼性を提示するもの

就職時に登場する身元保証書とは、簡単に言えば就業者の信頼性を提示するための書類です。就業者の人物としての信頼性はもちろん、損害発生時の賠償責任に関する信頼性も含まれるため注意が必要です。

身元保証人は就業者の問題に対して、保証責任を負わなければなりません。自分が起こした問題で、身元保証人に迷惑をかける可能性があるため、誰に頼むかは慎重に決める必要があるでしょう。もちろん、自分が問題を起こさないなら問題はありませんし、仮に問題が起きても自身で責任を負うこともできます。

身元保証人は、あくまで最後の砦で、基本的には頼ることのないものと考えるべきです。身元保証書の意味や社会人としての責任を正しく理解して、就職に向けた準備をおこないましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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