職種研究

【社会福祉士の志望動機とは】例文付きでポイントをご紹介

社会福祉士は志望動機が重要視される

主に介護の業界で活躍している社会福祉士になるには、志望動機を念入りに考えなければなりません。なぜ社会福祉士になりたいのか、社会福祉士になってどのようなことをしたいのかを明確にして、志望先にアピールすることが大切です。

給料が良さそうだから、肩書があってカッコいいからといった表面的な理由では、当然志望動機としては認められないため注意しなければなりません。説得力やアピール力のある志望動機を考えるには、社会福祉士への理解を深めることが大切です。

社会福祉士とはどのような仕事か、基礎的なことからアピール時のポイントや注意点までを知り、評価される志望動機の作成を目指しましょう。

そもそも社会福祉士とは

志望動機を考える前に、まずは社会福祉士とはどのような仕事なのか基礎的な理解を深めることが大切です。少子高齢化社会を迎えている日本では、介護業界での求人も活発化しており、「社会福祉士」という言葉を耳にする機会も増えています。

しかし、漠然と言葉としては知っているものの、実際に何をやっている人なのか、どのような仕事なのか知らない人は少なくありません。漠然としたイメージでは仮に就職できても、いざ仕事を始めてから困ってしまうことも多いため、正しく理解を深めておくことが大切です。

利用者との相談業務がメイン

社会福祉士にはこれといった決まった業務があるわけではなく、仕事の内容は多岐にわたります。介護の分野で働くのがメインですが、他業界に関与することも多いため、ハードな仕事ともいえます。

多岐にわたる社会福祉士の仕事ですが、中心は利用者との相談業務です。要介護者やその家族、障害を持った方やひとりでは生活が困難な年配の方など、幅広い人を対象に相談業務をおこないます。

ただ悩みを聞くだけではなく、改善するための提案をしたり、実際に自身で動いて問題の解決を目指したりもします。相談業務がメインのため、コミュニケーション能力は必須であり、やり取りの中で見つけた問題を解決できる、問題解決能力や実行力も求められる仕事でしょう。

社会福祉士はあくまで資格名

社会福祉士は、実は決まった肩書があるわけではなく、あくまで資格の名称です。社会福祉士は国家資格を取得した人のみ名乗ることができ、いわば名称独占の資格です。つまり独占されているのは「社会福祉士」という名称のみで、実際の業務については資格の有無に関係なく担当できます。

社会福祉士の資格を持っていなくても、社会福祉士と同じ仕事をすることは可能であり、当然応募も可能です。そのため、就職に向けて資格の取得は必須ではありませんが、持っているほうが選考で有利になりやすいのは確かです。

また、同じ仕事をしていても、資格の有無で給料が変わることもあります。福祉系の大学なら指定の履修科目を取得することで、実務経験なしで試験に挑戦できるため、早めに資格の取得を目指しておいてもよいでしょう。

社会福祉士の志望動機の3つのポイント

社会福祉士は業務独占の仕事ではないため、極端に言えば誰でもチャレンジできます。しかし、幅広く挑戦の門戸が開かれているからこそ、志望動機が重要視されることは理解しておかなければなりません。

挑戦できることと簡単に合格できることはイコールではなく、念入りな志望動機を考えておかないと、書類選考の時点で不合格になる可能性もあります。作成時の3つのポイントを把握して、社会福祉士の志望動機を上手に完成させましょう。

①なぜその企業や施設を志望するのか

社会福祉士として働ける場所は多数あり、選択肢は無数にあります。そのため、なぜその企業や施設を選んだのか、他の企業ではダメな理由は何なのか、明確に伝えなければなりません。

志望動機は志望先ひとつひとつに特化していることが重要であり、「他の企業(施設)でもよいのではないか」と思われると、その時点で大幅に評価は下げられます。志望動機の差別化を図るには、その企業や施設にしかない特徴や独自の強み、自身との関係性を踏まえて伝えることが大切です。自分にとって特別である、他の選択肢にはない魅力があるということが伝えられると、差別化したアピールになり、高評価の獲得にも繋がります。

②過去の経験から自分に何ができるのか

選考では大学時代の経験から何を得て、どのように成長したかを伝えることが大切です。志望動機でもこれは同じため、過去の経験を提示して、それが自身のどのような成長に繋がったかをアピールしましょう。

成長できた経験を述べることで、向上心や成長力の高さをアピールでき、評価の獲得に繋がります。新卒ではポテンシャル採用を実施する企業が多いため、成長できること、今後も成長できる見込みがあることは特に重要視されています。

実際に成長できた経験を伝えることで、少なくとも意欲や成長力があることは伝わり、好印象が得られるでしょう。自分がどのような人間か、何ができるかを明確に提示して、自分という人間を売り込んでいくことが大切です。

③仕事でいかに活躍できるかを提示

志望動機は最終的に仕事でいかに活躍できるか、能力や個性の仕事での再現性に繋げることが大切です。企業が求めるのは、ただ能力が高かったり、やる気があったりする人材ではありません。これらが求められるのは確かですが、もっとも重要視しているのは「仕事で活躍できるかどうか」です。

仮に優れた能力を持っていても、それが仕事で活かせないなら企業にとっての採用メリットにはならず、思うように評価は受けられません。やる気がある場合も同じで、熱意がどれだけあっても、実際に仕事で活躍できる能力がないと、企業は採用を躊躇うでしょう。

仕事で活躍し、自社の利益を貢献する人材を企業は探しているという点を念頭に置き、自身の能力や特徴を仕事に活かす再現性を提示することが大切です。

社会福祉士の志望動機の注意点2つ

志望動機を考える上では、注意しなければならないポイントもあります。上手に作成できていても、注意点が守れていないとそれだけでマイナス評価を受けてしまう場合があります。

高評価を獲得するには、いかにプラスの印象を与えられるかだけではなく、いかにマイナスの印象を与えないかも考えなければなりません。社会福祉士の志望動機ならではの注意点を知り、思わぬところで失敗しないよう気をつけましょう。

①仕事はボランティアではない

大前提として頭に入れておかなければならないのが、社会福祉士の仕事はボランティアではないということです。利用者との相談業務や働く業界から公共の仕事というイメージも強いですが、企業に属している以上、営利目的で行動しなければなりません。

利用者のためになることをしたいという奉仕の心を持ち、誠心誠意働くことはもちろん大切であり、素晴らしい心がけです。しかし、実際の仕事では完全にボランティア、社会貢献の意識だけでは通用しないため、どこかで利益のことを考える必要があります。

世のため、人のためになる仕事がしたい、社会貢献がしたいという理由だけで志望動機を作成すると、ビジネスの観点が抜け落ちていると思われるため注意が必要です。

②将来のビジョンを明確に提示する

業務内容は多岐にわたることから、社会福祉士の仕事は分かりづらく複雑でもあります。そのため、社会福祉士になって多くの利用者を助けたいという漠然とした目標を掲げて志望動機を述べる人も多いですが、これはNGです。

志望動機で目標を述べるなら、もっと明確にビジョンを提示しなければなりません。社会福祉士として働き、どのようなことを成し遂げたいのか、どのようにキャリアアップしていきたいのかは、しっかり考えておく必要があります。

ただ社会福祉として働きたいとしてしまうと、向上心がないと思われる可能性もあります。向上心や成長意欲をアピールするためにも、明確な将来のビジョンを述べることが大切です。

社会福祉士の志望動機例文

上手にアピールするポイントから注意点まで知ったところで、実際の例文を参考にして、さらに細部まで理解を深めていきましょう。OK例文とNG例文の2つがあるため、それぞれチェックしておくことが大切です。

よいところだけではなく、悪いところも把握しておくと、自身の志望動機の見直しがしやすく、ブラッシュアップにも繋がります。例文も参考にしながら、自分らしさが伝わる志望動機を作成していきましょう。

OK例文①

私は利用者の不満を解決することで、豊かな社会の実現に貢献したいと考え、貴社を志望しました。貴社は施設数も多く、より多くの人に触れながら業務をおこなえます。多くの人に触れて実践的に成長することで、介護から障害まで幅広く対応して活躍したいと考えています。
大学時代は福祉の勉強をし、社会福祉士の資格も取得しました。貴社ではまずは現場で経験を積み、実際に利用者の声に触れながら働いて成長し、社会福祉士としての活躍を目指したいと考えています。

OK例文①では、なぜその企業を志望したのか、志望先ならではの特徴を述べてアピールできています。また、どのように働きたいかも述べられており、仕事への意欲や成長力の高さも伝えられているでしょう。現場で経験を積み、社会福祉士として成長したいとビジョンを述べることで、企業で働く姿もイメージさせられています。

OK例文②

私は実践経験を積みながら勉強し、社会福祉士になって多くの人の役に立って活躍したいと考えています。私の祖父は寝たきりで施設におり、お見舞いに行った時に施設の方が祖父の世話をしてくださり、満足そうな祖父の表情を見て、社会福祉士になりたいと思いました。
社会福祉士の資格は現在勉強中ですが、就職後も勉強を続けて少しでも早く取得したいと考えています。貴社は高齢者向けのサービスが充実しており、特に個人に対する念入りなケアが特徴です。ひとりひとりにしっかり向き合って、祖父のような寝たきりの人も満足させられるよう献身的に働くことで、貴社で活躍したいと考えています。

OK例文の②では、自身の過去の経験を軸に、社会福祉士を志望したきっかけを述べています。過去の経験という大きな裏付けがあるため、説得力のあるアピールができているでしょう。また、資格は未取得でも、取得に向けた意欲を提示できているため問題ありません。

NG例文

大学時代はボランティア活動に取り組み、老人ホームへの訪問も何度も行いました。ホームへの訪問ではグループで出し物を考えて実行するのですが、準備するのは非常に大変です。それでも喜んでくださる皆様の顔を見ると苦労も吹き飛び、達成感に変わります。
利用者の方を喜ばせたい、楽しんでもらいたいという気持ちから、社会福祉士を目指しました。社会福祉士として利用者ひとりひとりに真剣に向き合い、問題の解決に努めることで、社会貢献を果たしたいと考えています。

NG例文では、特定の企業や施設を志望する明確な理由が提示されていません。ただ社会福祉士になりたいという漠然とした理由で、意欲が上手く伝わっていない点がNGです。また、アピールの最終的な落としどころが、完全に社会貢献になっています。ボランティアと混同していると思われかねない点も、NGポイントといえるでしょう。

工夫した志望動機で社会福祉士を目指そう

社会福祉士は多岐にわたる業務内容から大変な仕事ですが、その分やりがいもあります。相談業務がメインとなりますが、実際の業務は幅広いため、コミュニケーション能力から責任感、バイタリティと幅広い能力が必要です。

また、就職するには志望動機のアピールが重要で、能力が備わっていても伝える内容次第ではマイナス評価になってしまいます。志望動機で伝えるべきなのは、仕事への意欲や成長力、仕事で活躍できることを示す採用メリットです。

自身の魅力を伝え、企業に採用したいと思ってもらえるかどうかが、評価の分かれ道といえます。社会福祉士の業務自体は資格なしでもできるため、ライバルは多いです。ライバルに負けないためにも志望動機を念入りに作成し、上手にアピールして社会福祉士を目指しましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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