業界研究

【IT業界の将来性】課題や現状と求められる能力について解説

IT業界に将来性はあるのか

先進的や華やかなイメージから、IT業界に興味を持つ人は多いでしょう。IT業界は時代の先端を行く分野であり、新しいもの好きの人にとっては、魅力的な業界といえます。進化を続けるIT業界ですが、いざ就職となると将来性が気になる人も多いでしょう。

今は成長傾向でも将来的に衰退が見込まれているなら、就職するのは得策とはいえません。実際に将来性が危ぶまれている業界もあり、就職するなら先々のことまで見越して考えるのは大切なことです。

時代の先端を行くIT業界はいつまで成長を続けられるのか、将来的に衰退の恐れはないのか知っておかなければなりません。将来性を正しく把握して、IT業界に就職すべきかどうか、よく考えてみましょう。

IT業界の将来性は未知数

結論からいえば、IT業界には多様な将来性があります。発足以来成長を続けているIT業界は、今なお衰えを見せずに成長しています。将来性はほとんど未知数であり、今後さらに爆発的に成長する可能性もあるでしょう。

IT業界を支えるテクノロジーの進化は、足し算ではなく掛け算のように加速度的に進化することも少なくありません。成長の限界が見えない業界ともいえるため、将来性の観点で考えるなら他業界と比較しても抜群に高いです。

人手不足になるほど需要が高い

IT業界の将来性を裏付ける根拠として、圧倒的な需要の高さが挙げられます。IT業界は各業界と関わりを持った仕事であり、今やどの業界や企業でも、ネットを使って仕事をすることが当たり前になっています。

つまり、ネットを利用する環境がある以上、そこにIT業界の仕事も生まれることになり、何らかの企業が存続する限り、仕事はなくならないといえるでしょう。また、ネットはあくまでIT業界の一分野にしか過ぎず、他にもソフトやハード、通信といった多様な分野があります。

需要の高さから人手不足になっている企業も少なくないため、就職するチャンスは比較的開かれているでしょう。需要の高さは業界の成長力を裏付ける確かな証拠であり、その忙しさから将来性の高さも感じ取れます。

ブラック企業も増えているため注意

高需要で人手不足に陥ることも多いIT業界では、あまりの忙しさにブラック化している企業も少なくないため注意が必要です。仕事が山のようにあるのは成長にも繋がるため嬉しい限りですが、仕事量と人材の数が釣り合っておらず、パンク寸前の企業も多いです。

新卒で入社していきなり残業だらけの環境で働かされるということもあるため、志望先の選択には注意しましょう。もちろん、IT業界だからといって、すべての企業がブラックなわけではありません。

業界全体がブラック化している傾向にあるのを受けて、社内環境の改善を目指し、他社との差別化を図る企業もあります。実際の労働環境は企業格差が大きいため、就職先の選択を誤らないことが大切です。

AIや新技術が登場し続けている

IT業界の将来性が未知数であるのは、AIを含む新技術が登場し続けている点にあります。今では当たり前となっているスマホも、数十年前では想像の世界でしか存在しなかった産物です。

ここ数十年でのIT技術の発展は目覚ましく、SFの世界で登場していた技術が、実現する日もそう遠くないでしょう。新技術は多様なものがありますが、特に注目されているのはAI技術です。AI技術はすでに幅広い分野で登場していますが、IT業界ではさらなる進歩を求めて研究、開発が進められています。

AIの登場によってなくなる職業が出るという危惧もありますが、そのAIを作り、管理やメンテナンスをおこなうIT業界は安泰といえます。今後も予想だにしない技術が生まれる可能性もあり、進歩の分だけIT業界の将来性は広がるでしょう。

働き方が多様化している

グローバル化や多様化を示すダイバーシティ化が注目されている現在では、IT業界もその波を受けて働き方が多様化しています。従来のいわゆる9時17時出勤のような、朝に出勤して夕方から夜に退勤するという働き方だけではなく、出勤時間を自由としている企業も多いです。フレックスタイム制をより柔軟にした変形フレックスタイム制を導入していたり、業務内容によってはそもそもオフィスへの出勤が不要だったりすることもあります。

在宅業務やリモートオフィスといった働き方はIT業界では広く浸透しており、場所を選ばず仕事ができるのも特徴のひとつです。もちろん、企業によっては従来通りの働き方を採用していることもあり、すべての企業で多様化が認められているわけではないことは理解しておきましょう。

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IT業界の現状

IT業界に就職したいなら、業界の現状を正しく知ることが大切です。IT業界を知るためのキーワードとしては、「市場規模の拡大」と「企業間競争の激化」の2つがあげられます。

業界全体で見ると活発に動いており、成長も続けていますが、実際にはどのような変化が起こっているのか、詳細まで知っておくことが大切です。これら2つのキーワードを頭に入れながら、IT業界の現状を正しく理解していきましょう。

市場規模は拡大している

IT業界は発足時から現在に至るまで成長を続けている業界であり、市場規模は拡大し続けています。ひとくちにIT業界といっても業種や職種の幅は広く、いまやIT業界以外の分野にも進出して活躍の領域を増やしています。例えば企業での勤怠管理や売上金の計算などはソフトを使用していることが多く、これを作っているのはIT業界の企業です。

他にも電子システムはIT業界が作っているものであり、生活の端々にIT業界の恩恵があるといえるでしょう。業界や企業に関係なく介入できる性質から業界全体としても広がりの幅が大きく、市場は活発に動き続けるといえます。今後もさらなる成長が期待できる業界であり、市場規模の拡大はますます活発になると考えられるでしょう。

技術の進歩により企業間の競争は激しくなる

資本主義の日本において市場が活発に動き成長を続けているということは、それだけ競争が激化しているということです。数多くの企業が乱立しているIT業界では、企業間の競争が非常に激しく、入れ替わりも多いです。

調子よく売り上げを伸ばしていた企業が突然競争に敗れて大幅に失速するというケースも多く、変動の大きい業界といえます。もちろん、業界全体で競争が激化しているということは、それだけで業界が活性化しており、今後も成長の可能性を秘めているという証拠です。

企業単位でみると厳しい局面にあったり、リスキーな場面が多かったりすることもありますが、大きくみると成長力が高く、優れた業界といえます。IT技術の進歩は止まることなく続いており、進歩が続く限り、競争はさらに激しくなると考えましょう。

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IT業界に就職するために必要な能力3つ

IT業界への就職を目指すなら、事前に磨いておきたいスキルが3つあります。新卒では成長力重視のポテンシャル採用が基本ですが、スキルがあるならそれに越したことはありません。ある程度能力が備わっていると、成長の見込みありと判断してもらえ、より高評価も受けやすくなります。

また、求められるスキルを知ることで、業界との相性も判断できます。選考でのアピールに役立てるのはもちろん、相性のチェックにも利用して、IT業界を目指すべきか確認しましょう。

①基礎的なパソコンスキル

IT業界ではパソコンを使った仕事が多いため、当然基礎的なパソコンスキルが求められます。ただし、あくまで必要なのは基礎的な能力だけであり、必ずしも専門的なスキルが必要なわけではありません。

IT業界では高いパソコンスキルが必要とイメージする人も多いでしょうが、これは就職する分野や業務内容によって異なります。また、パソコンスキルといっても範囲は非常に広く、ワードやエクセル、パワーポイントといったスキルから、プログラミングなどの専門スキルまであります。

プログラマーやSEを目指すなら、ある程度プログラミングスキルはあったほうがよいですが、他の職種ならこれらの能力は不要です。志望先によって多少の違いはありますが、基礎の部分は共通しているため、最低限パソコンは使えるようにしておきましょう。

②コミュニケーション能力

コンピュータやデータと向き合う仕事と思われがちなIT業界は、実は人と関わることが多いです。そのためコミュニケーション能力は必須であり、どのような人とも円滑に人間関係を築けなければなりません。

職種によって人との関わり方は違いますが、同部署の人はもちろん、社内の別職種の人や社外のクライアントと接する機会も多いです。例えばSEの仕事で考えるなら、クライアントやシステムを構築する各プログラマーとのコミュニケーションが必要です。

作業は細分化されていることも多いため、お互いの進捗状況を共有する必要があり、円滑なコミュニケーションが取れていないと仕事は滞ります。チームワークが重要になる場合が多いからこそ、コミュニケーション能力が重要視されることは理解しておきましょう。

③情報収集能力

時代の先端を行く業界で活躍するには、情報収集能力は欠かせません。情報収集能力は、大きくアンテナを張って有益な情報を集める力と、それを取捨選択して、本当に必要なものを抜き出して活用できる力の2つに分けられます。特に重要なのは情報を正しく活用できる力であり、ただ情報を集めるだけが情報収集能力ではないことは理解しておきましょう。

情報収集能力は、まずは情報を集めることが大切なため、常にアンテナを張って外部からの刺激に敏感でなければなりません。どのようなことでも面白がることができる人、新しいことでもまずは受け入れられる人が、情報収集能力が高いといえます。インプットとアウトプット両方の能力が求められ、IT業界では特に重要視されているスキルでしょう。

IT業界に就職するには資格や学歴は必要?

新卒は幅広い業界、企業に挑戦できますが、一部の応募先では条件が決められていることもあります。特定の資格を持っている、指定の学部・学科を卒業していることを条件にしていることもあり、これらを満たさないと応募すらできません。

また、応募はできても、資格ありや指定の学部・学科であることで、選考で優遇されるケースもあります。IT業界の場合は資格や学歴がどのように関係するか知り、応募時点での評価に影響するか把握しておきましょう。

無資格未経験でOK

IT業界を志望するには、必要な資格はありません。無資格でも応募可能であり、資格の有無によって評価が大幅に変わることはないでしょう。また、経験不問であることも多いため、新卒で実績やスキルがなくても、問題なく就職できます。

プログラマーのような専門職の場合は、一定のスキルが求められることも多いですが、企業によっては自社育成を前提として、無資格未経験でも採用することがあります。これは人手不足も関係しており、すでにスキルを持っている人を探すことが難しいため、新卒での採用・育成に切り替えたと考えられるでしょう。

もちろん、業務に関する資格やアルバイトでも経験があるならプラスに働くことはあるため、持っているものがマイナスになることはありません。

学部や学科も問われない

学部や学科が問われないことも、IT業界の特徴です。一部専門職に限っては理系のみの募集となっていることもありますが、基本的には学歴には関係なく募集をおこなっています。そのため、大学でどのような勉強をしていたかは問題ではなく、仮にIT業界に関係ない勉強をしていても、就職を目指すことは可能です。

仕事をする上で重要なのは、知識を持っているか勉強ができるかではなく、単純に活躍できるかどうかです。活躍の可能性を示せるなら、学部や学科、文系理系に関係なく評価を受けられ、内定も獲得できます。

ただし、業務に関することを学んでいたなら選考時の評価の対象となることはあります。学歴は不問でも、学業の成果がまったく評価されないわけではないことは理解しておきましょう。

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IT業界には無限の将来性がある

成長力の高いIT業界には無限の可能性が秘められており、将来性の高さは未知数です。新技術の登場によって、今後も爆発的に成長する可能性があり、仕事の幅が拡大することも考えられます。

ただし、爆発的な成長力に対して人材の確保が追い付いていないことが現状であり、人手不足に悩まされている点には注意が必要です。人手不足でブラック化している企業も多く、就職先を間違えると劣悪な環境で働くことになります。

将来性があるからこそ、長く働きたいならよりよい環境の企業を見つけることが大切です。IT企業に就職するなら、まずは現状を正しく知る必要があります。現状の把握から将来性の理解へと繋げ、正しい認識を持った上でIT業界への就職を目指しましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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