就活その他

【4大卒は就活で有利に働く?】正しい定義や就職との関係性など

4大卒とは4年制の大学を卒業した人を指す

まずは4大卒というものがどのような状態を指した言葉なのか、基本的な定義を知っておく必要があります。4大卒という言葉自体は日常的に見聞きすることが多いものの、ニュアンスで捉えているだけで深い意味まで考えたことがある人はあまり多くはないでしょう。

簡単にいえば、4大卒とは4年制の大学を卒業した人を指す言葉です。これにはさまざまな勘違いをしている人が多いため、就活に向けて正しい定義を理解しておかなければなりません。

「有名な4つの大学のうちいずれかを卒業した人」は間違い

4大卒とは、4年制大学を卒業したかどうかであるため、偏差値や大学の知名度などは関係ありません。4大卒という言葉でよくある誤解としては、「有名な4つの大学のうち、いずれかを卒業した人が4大卒」というものがあります。日本では東大や京大、阪大や神大、あるいは名大が名門として知られていますが、これらのうちいずれかを卒業した場合でも、その他の大学を卒業した場合でも、4大卒といえます。

もちろん、学歴が高いほど就活では注目されやすく、実際に選考で多少有利になることはあります。しかし、学歴だけで合否が決まるわけではないため、偏差値は気にせずに取り組むことが大切です。4大卒の4大とは4年制大学という意味であることを再認識して、定義を間違いなく覚えておきましょう。

最終学歴が4大卒の人の割合は高くなっている

4年制大学を卒業した4大卒に該当する人は、年々増えています。「世界の大卒比率国際比較統計・推移
」を参考にすると、2018年の日本の大学卒業比率は50%を超えています。つまり、2人に1人は大卒であるという状態であり、人口の50%は4大卒に該当する計算です。4大卒の割合が多いからこそ、企業は募集要項に4大卒を条件として人材を確保できるといえます。

4大卒であることで国内のほとんどの求人には応募できますが、人口比率が多いことを考えると、競争率が高い点は理解しておかなければなりません。4大卒という資格は当たり前になりつつあり、それだけでは武器にならないことも多いです。4大卒はあくまで応募するための資格を持っているにすぎず、実際に選考を勝ち抜けるかどうかは個人次第であることは理解しておきましょう。

企業が4大卒を求める3つの理由

日本では就職の際に学歴が必要とされることが多いです。企業の多くは4大卒を求める傾向にあり、高卒や専門卒の人は不遇されているように感じることも多いでしょう。就活における4大卒の位置づけを知るためには、なぜ企業が4大卒を求めるのか、その理由を知ることが大切です。

何の理由もなく4大卒が求められているわけではなく、積極的に採用されることには理由があります。4大卒が求められる3つの理由を知って、企業からどのようなことを期待されているのか知っておきましょう。

①優秀である可能性が高いから

4大卒が求められる理由は、優秀な人材が揃っている可能性が高い点にあります。学歴が高いからといって必ずしも優秀とは限りませんが、4大卒で優秀な人が多いのも事実です。大学で学んでいるからといって、直接仕事と結びつくわけではないものの、しっかり学んできた=仕事でも頑張れる可能性が高いと評価してもらえます。

もちろん、高卒や専門卒でも優秀な人はいますが、選考だけで全てを見抜くのは難しいです。短い選考では見抜けない部分をカバーするために、学歴という条件をつけているともいえます。

学歴は評価の一部であり、実際にはその他の部分も含めて最終的な評価は決定します。4大卒=確実に優秀ではなく、あくまで優秀かもしれない程度の認識であることは覚えておかなければなりません。

②専門的な知識やスキルを期待しているから

4大卒は高卒や専門卒に比べて勉強時間が長いため、専門的な知識やスキルを身につけていると期待されることが多いです。専門学校の場合も専門的なスキルは身につけられますが、ごく一部の分野に限られます。

大学の場合は専門的な勉強もしつつ、幅広い内容で学ぶため、より深い知識やスキルがあると判断されることが多いです。ただし、4大卒だからといって、全員が専門的な知識やスキルを持っているとは言い切れないでしょう。

あくまで、知識やスキルを備えているかもしれないという認識で、実際の評価は個人によって異なります。4大卒で期待が高まっているため、何も身についていないとマイナスの印象を与えやすいというデメリットもあるため注意しなければなりません。

③応募条件として設定しやすいから

募集段階である程度制限をかけようと思った際に、4大卒は条件として設定しやすいといえます。4大卒を募集条件にすることで、高卒や専門卒が応募することはなく、絶対数は確実に減ります。

4大卒だけでも多数の応募者が集まることもありますが、それでも数が絞られている以上、企業としては多少選考も楽に進められるでしょう。つまり、4大卒が優遇されるのは企業側の事情が関係している部分も多く、単に選考をスムーズに進めたいだけともいえます。

高卒や専門卒が評価されないわけではなく、応募可能な限りはアピール次第で4大卒以上に評価される場合もあることは理解しておきましょう。

4大卒は本当に就職で有利になる?

就職市場で4大卒が求められる理由があるように、高卒や専門卒に比べて有利になるのではないかとイメージする人は多いでしょう。4大卒が有利になるなら、将来のことを考えてとりあず大学に行くという人もいるはずです。

しかし、大学に行くには高い学費がかかるため、明確にやりたいことがなく、本当に就職に有利か分からないなら、リスクが高いといえます。4大卒は本当に就職で有利になるのか、実際にはどのような評価を受けるのか知っておきましょう。

4大卒=評価されるとは限らない

結論からいえば、4大卒だからといって必ずしも評価されるとは限りません。優秀な可能性があるとして、一定程度は有利に働くのは確かですが、評価されるかどうかとは別です。4大卒という期待があっても、実際に選考を受ける中で評価に値しないなら、当然選考を勝ち抜くことはできません。

大切なのは自分らしさや能力などをしっかりアピールすることであり、学歴だけで突破できるほど、就活は甘くないことは理解しておきましょう。もちろん、4大卒できちんと自身を売り込めるなら、高い評価を獲得できるのは事実です。

しかし、これは4大卒に限ったことではなく、高卒や専門卒にも共通する当たり前のポイントといえます。就活に関する当たり前は4大卒であろうと変わらないため、基礎をしっかり固めることが大切です。

4大卒の中でも偏差値や知名度による差がある

ひとくちに4大卒といっても、どの大学を卒業しているかによって企業からの印象は変わります。一般的には偏差値が高い、知名度が高い大学の出身者のほうが、選考では優遇されやすいケースにあります。

企業によっては学歴フィルターという応募者を制限する仕組みを採用していることがあり、一定程度の偏差値がないとそもそも応募すらできないこともあるため注意が必要です。学歴フィルターは問題になったことから使用する企業は少ないですが、それでも確実にゼロとはいえません。

もちろん、偏差値や知名度だけですべてが決まるわけではなく、あくまで参考情報のひとつです。挽回はいくらでも可能であり、同じ4大卒なら、就活のスタートラインはそれほど大きくは変わらないでしょう。

大卒以上の応募条件をクリアできるのはメリット

4大卒だからといって、それだけで就活が絶対的に有利になるわけではありませんが、4大卒というだけで得られるメリットもあります。それは、応募条件をクリアできる点です。4大卒であれば、大抵の企業の選考に挑戦できるといえるでしょう。

特に、新卒の採用では求人が幅広く出されており、難関企業でも簡単にチャレンジが可能です。大手や有名企業の場合、応募者の絶対数が多いことから、学歴で分けて人材を募集することも少なくありません。

最低条件として大卒以上を求めることも多く、4大卒だとこれに引っかからないのは大きなメリットです。もちろん、専門職のように4大卒でも特定の人しかチャレンジできない仕事はあります。しかし、それ以外なら挑戦可能なため、選択肢が多いのは大きなメリットといえるでしょう。

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4大卒の就活で失敗しやすい2つのポイント

4大卒なら就活をスムーズに進めやすいと考える人も多いでしょうが、実際はそうとは限りません。4大卒でも当然就活に失敗することはあります。むしろ、4大卒だからこそ陥ってしまいやすい失敗もあるといえるでしょう。

確実に内定を獲得するには、失敗しやすいポイントを知って、注意することが大切です。4大卒の就活で失敗しやすいポイントは、大きく2つに分けられます。それぞれ細部まで深堀りして、ミスの削減に努めましょう。

①学歴を過信し過ぎて失敗

4大卒は高学歴のため、これを過信し過ぎて失敗を招く人は多いです。確かに4大卒のメリットもありますが、だからといってただ4大卒であることが評価に繋がるわけではありません。

学歴にあぐらをかいていると、企業にとっては学歴しか引き出しのない人材と思われてしまい、マイナスの印象を与えていまいます。仮に偏差値の高い大学や有名大学でもこれは同じです。難関の試験を突破して入学できた点は素晴らしいですが、その後の生活で何も成長できていないと、入学しただけで満足したと思われてしまいます。

成長意欲のなさが透けてみえてしまい、仮に就職しても仕事で成長できないだろうと判断されてしまうと、低評価になるため注意が必要です。学歴は武器ですが、あくまで一部であって、全部ではないことは覚えておきましょう。

②新卒での就職に固執し過ぎて失敗

新卒は就職の選択肢が幅広く用意されており、難関企業にも就職できるチャンスです。新卒の切符を逃すと、選択肢は一気に狭まると考えて焦る人も多いですが、実はこれが失敗のポイントです。

新卒での就職に固執し過ぎるあまり、就活が上手くいかないと内定が出た企業に飛びついてしまうことも少なくありません。就職先が決まったからといって安心していると、いざ入社してから相性の悪さに気づき、後悔することも多いです。

新卒の機会で就職先を決め切るのは大切ですが、就職だけが進路なわけではありません。固執して納得できない結果を受け入れるよりは、別の方法を考えて柔軟に対処したほうがよいでしょう。進路は多数の選択肢があるため、新卒での就職だけに固執しないことが大切です。

4大卒の就活を成功させるには

4大卒であっても就活を成功させるには努力が必要であり、これは他の学歴とも変わりありません。4大卒の場合、応募先の選択肢は増えますが、学歴自体が大幅な評価アップに繋がるわけではないため注意が必要です。

内定を勝ち取るにはすべきことを見つけて、課題をひとつずつクリアしていかなければなりません。4大卒の就活の成功に欠かせない2つのポイントを知り、念入りに準備を進めて内定を目指しましょう。

やりたいことを明確にする

新卒の就活は選択肢の多さが魅力ですが、反面何がよいか迷うことも少なくありません。目指すべき方向性が決められないまま手探りで進んでも効率が悪いため、まずは何をしたいのかを明確にすることが大切です。企業名まで限定しなくても、業界や業種といった大まかな括りで構いません。

やってみたい仕事を考え、それをリストアップして実際の企業に当てはめて志望先を探していきましょう。やりたいことが特に決まっていないなら、やりたくないことをリストアップして考えるのがおすすめです。

やりたくないことを完全に除外すると、仕事の選択肢は減らせます。残ったものは少なくともやってもよいものといえるため、相性を探るならあえて嫌いに注目するのもひとつの手です。

徹底した選考の対策をおこなう

就活において、選考の対策は欠かせません。対策は徹底しておこなうことが大切であり、選考の段階ごとに事前対策をしておきましょう。例えば、選考初期なら応募書類の作成や適性検査の勉強をすべきです。

書類選考に合格したなら、面接やグループワーク、グループディスカッションの対策をしなければなりません。事前準備なしでアドリブ対応だけで乗り切れる人もいますが、自信がないならしっかり準備してから臨むことが大切です。

選考は対策することで難易度を下げられ、合格率を高められます。どれだけ優秀な人でも、きちんと対策をしていないと思わぬところで引っかかり、失敗することもあるでしょう。選考対策は徹底しておこない、妥協せずにやり抜いて選考の突破を目指しましょう。

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4大卒でも就職するには努力が必要

就職市場で優遇されることも多い4大卒ですが、他の学歴と比べて圧倒的に高評価というわけではありません。単に区分分け程度に考えられていることもあり、企業によっては学歴はまったく不問で、評価に含まれないこともあります。

また、学歴を評価してもらえる場合でも、評価にはごくわずかな影響しかありません。偏差値の高い大学、有名大学に通っているからといって、無条件で高評価になるわけではないため注意が必要です。

高い評価を獲得するには、努力して選考の対策を進め、自分の良さを念入りに売り込んでいくことが大切です。就活の攻略に事前対策は必須なため、準備は念入りにおこない、万全の状態で選考に臨んで高評価の獲得を目指しましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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