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【ブラック企業】厚労省が公表したリストや実例とは|参考になる見極め方もご紹介します
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目次
ブラック企業を見極めるのは意外と難しい
ブラック企業は、大まかに言えば労働者を粗末に扱い経営が成り立っている企業を指しますが、新卒の段階で見極めることは非常に厳しいです。なぜなら、採用担当者は決してそのような面を見せようとはしませんし、給与面や休暇のことを尋ねると口を濁して、回答を曖昧にしてしまう場合が多いからです。新卒に対して努力と根性を求める傾向が強い企業が多いため、正確な労働条件を確認することが難しい場合もあります。
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ブラック企業とはどんな会社?
「ブラック企業」というのは、もともとは暴力団等の反社会的組織を後ろ盾にして、特殊詐欺やマネーロンダリングなどの違法行為をおこなっている企業のことを指していました。しかし過重労働によって若手社員が自殺する事件が数多く報道されたことを受け、新興企業などが若年社員を使い潰して急成長している問題が提起されるようになると、これらの企業も含めてブラック企業と呼ばれるようになりました。
ベンチャー企業がブラック化してしまう理由について、知りたい人はこちらの記事もチェックしてみてください。
年々ブラック企業リストは更新!若者向け情報ツールのひとつになっている
このようなブラック企業の台頭への警鐘として、労働界では若年層を対象にしたブラック企業対策セミナーを開催したり、ブラック企業をノミネート対象にした年一回のアワードを開催しています。
このような労働者側の啓発活動により、さまざまにブラック企業リストが作られるようになりネットで公開されています。今ではこうして作られたブラック企業リストが、新たに会社に就職しようと考えるひとたちのための情報ツールのひとつとなっているのです。
ブラック企業の実例:妊娠後の社員に対する処置
それでは実際のブラック企業リストを見ていきたいと思います。まずは、とあるエステ会社の場合。この会社は雇用していた正社員の女性が妊娠した際、身体に負担のかからない業務への異動希望の上申を受けたもののこれを拒否し、さらに長時間残業の残業代も支払っていなかったことが明らかになりました。また同じ会社は別の正社員に対しても、有給休暇を取得した際に残業代から有給休暇分の給与を勝手に減額するなどの行為をおこなっていました。
長時間労働・ハラスメント・残業代不払いなどが続く場合は注意
この会社のように、「長時間労働」「ハラスメント」「残業代不払い」「有給未消化」「産休等の制度不備」が話題になる会社というのはブラック企業である可能性がきわめて高いので注意しましょう。
気づいた方もいらっしゃると思いますが、面白いことにブラック企業リストに載っている企業というのは単に「長時間労働」だけ「ハラスメント」だけといったように単体で問題になるのではありません。いくつもの労働問題が重畳的に起こっている職場であることが多いです。日頃から労働裁判のニュースなどに耳を傾けるなどして、情報収集を怠らないようにしましょう。
ブラック企業の実例:コンプライアンス違反
ブラック企業リストに載っている企業は、なにも労働条件が劣悪な会社だけに限りません。雑誌を発行しているとある出版社では、雑誌を購読している読者に対していわゆる「読者プレゼント」をおこなっていました。このプレゼントは懸賞制で、応募者多数の場合には抽選で当選者を決定する旨をその雑誌で公表していました。
しかし、会社は実際には誌面に記載した当選者数より少ないプレゼントしか用意していませんでした。そのことを知った編集担当の社員は、会社に対し「不正はやめるべきである」と指摘しつづけたのですが、会社側は逆に当該社員がプレゼントを着服したとして懲戒解雇処分としました。
個人であれば普通に守れるルールが守れない場合ブラック企業認定
このケースで問題となっているのは、会社の「コンプライアンス違反」です。コンプライアンスというのは企業統治の理念のひとつで、企業が法律や内規に従って活動をすることを言います。実際にこの会社は読者プレゼントの数を水増ししたとして、消費者庁から景品表示法違反の措置命令を受けており、この点が社会構成員である企業として問題となっているのです。
現代社会においては、法人格たる企業も法律を遵守することが求められます。個人であれば普通に守るような基本的な社会的ルールを守れないような会社は、ブラック企業リストに載ってしまっても仕方ないものと言えます。
ブラック企業の実例:長時間労働
ブラック企業の最も典型的な例は、極端な長時間労働です。代表的な例としては電通が挙げられるでしょう。電通では、2016年に新入社員である高橋まつりさん(当時24歳)が月に100時間を超える残業を慢性的に行っており、これが彼女が自殺する原因になったというものです。
月に100時間の残業という計算をしますと、月に20日働いたとして5時間残業していた計算になりますので、1日に平均して13時間近く働いていたことになります。拘束時間を含めると、さらに多くの時間を費やしていたことになるでしょう。
長時間労働で給料が支給されない企業もある
長時間働いて残業が支給されれば、ブラック企業としてはまだよいほうです。問題は働いても働いてもすべてサービス残業として処理され、正規の労働時間としてカウントされていないケースがあることです。日本は昔から長時間働く社員が高い評価を受ける形になっていることから、必然的にサービス残業で会社に奉公することが好まれてきました。
以前は、その見返りとして終身雇用や年功序列があったため、不平不満が発生しにくい傾向があったのです。しかし、ブラック企業はこの見返り部分を排除しているため、サービス残業だけが一方的に求められます。働けなくなった従業員はリストラして、次を補充するという形になっていることが大きな問題なのです。
ブラック企業の実例:労働安全衛生法の違反
労働安全衛生法とは、労働者を安全な環境で働かせているかどうかをまとめた法律です。この法律を守らなければ労働者が大きな事故やケガにあいやすくなることから、きちんと守ることが求められています。しかしある会社では、「床上操作式クレーンの運転の業務に無資格の労働者を就かせていたもの」という形での違反が発見されています。無資格の人が動かせば、重大な事故につながりかねないことを認識していなかったのでしょう。
労働安全衛生法に違反している企業は意外と多い
この労働安全衛生法に違反している企業は、これだけではありません。多くの企業は法律を守り、安全事項を遵守することによって事故を発生させないように努めているのですが、中小企業は特に法律を軽視する傾向にあります。
中小企業は親族で企業を経営していることや、人数が大企業に比べて圧倒的に少ないことから監査が入ることが少なく、結果として法律の遵守よりもその企業における長年の経験と慣習を優先させることが少なくありません。
これが事故を誘発する間接的な原因となっており、その企業の管理監督者が危険を察知していないこともあります。何らかの事故が発生すると、事故が大きなものになってしまう可能性が高くなってしまうことも問題です。
ホワイト企業の特徴について、知りたい人はこちらの記事もチェックしてみてください。
厚生労働省HPではブラック企業リストが公開される
厚生労働省では労働基準関係法違反に係る公表事案を掲載しています。2017年5月に初めて公開されました。通称、【ブラック企業リスト】と呼ばれており、毎月発表しているようです。このページには、違法な時間外労働や残業代や賃金の未払いなど労働基準関係法の違反をした企業や事例が載っています。2017年8月の更新で、掲載企業数は400社を超えました。
「ブラック企業」の定義は、かなり間違っている|草食投資隊をフォローせよ|東洋経済オンライン|経済ニュースの新基準
ブラック企業の見極め方
ブラック企業の見極め方
・企業のホームページを確認する
・検索結果・口コミを参考にする
・企業見学や説明会に参加する
・上記で紹介したブラック企業リストを確認する
企業のホームページでは、事業内容や給料、勤務形態などが載っています。口コミでは、実際にその企業で働いた経験のある人の話も掲載されているケースがあるようです。企業見学や説明会では、実際に社員の人と関われる機会でもあります。
【ホームぺージに掲載されている内容が曖昧】【誤字が多い】【検索結果・口コミの評判が悪い】【企業の雰囲気が悪い】など、これらに当てはまった場合、ブラック企業の可能性があるかもしれません。
ブラック企業を見極める際は、1つの情報にとらわれるのではなく、多くの情報を参考にするのが必要になってくるでしょう。特に、口コミは主観的な意見が少なくありません。ぜひここで紹介した見極め方を参考にして、企業選びに役立ててください。
ブラック企業は労働問題やコンプライアンス違反が多い!就職の際には十分注意を
特に話題になっていなくても「労働問題」「コンプライアンス」に問題を抱えるような企業は、いつブラック企業リストに載ってもおかしくないものです。会社選びの際には先輩の話などを参考にしながら、充分に注意していきたいですね。