ES(エントリーシート)

【長所と短所の書き方】エントリーシートで好印象を与えるためのポイント3つ

エントリーシートで長所を問う理由

エントリーシートで長所を問うのは、企業が面接前にある程度就活生を絞るためです。エントリーシートの中身によって、採用担当者は会ってみたい就活生と、企業に合わない人材とである程度判別するのです。

一方、就活生にとっても自分の長所をエントリーシートに書くことは、企業に自分を知ってもらうための重要なことです。ここでは、エントリーシートで長所を問う理由とその重要性について、詳しく解説していきます。

自己理解できているのかを知るため

就活生にとってエントリーシートは、面接に進む前の大事なアピールの場です。また、企業に欲しい人材だと思ってもらうために、自分の長所には良いことをたくさん書きたいと考えるでしょう。

しかし、企業側が就活生の長所を問う理由のひとつとして、自己理解ができているのか知ることを目的としている場合があります。短所が一つもない人なんていません。そのため、良いことしか書いていない場合は、面接などで自己理解ができていない人材だと評価されてしまう可能性があります。

自分のことを自分で理解していないのに、面接官にアピールすることはできません。面接では自分をアピールするため、エントリーシートの長所で自分のことを上手く表せない就活生には、採用担当者も時間を割けないのです。

エントリーシートに長所を書く場合、自分を卑下して書く必要はありませんが、企業に良く見せたいために現実的でないことを書くことは避けましょう。自分が現時点で持つ部分のなかで、何が長所かきちんと分析することが大切なのです。

入社してからのポテンシャルを図るため

企業がエントリーシートで長所を問う理由のひとつとして、入社した後にポテンシャルを発揮できるかがどうかを見極めることがあげられます。就活生がエントリーシートに記入した長所と企業が求める就活生の強みがある程度一致しなければ、就活生の長所を活かすことができません。また、就活生側も入社した後に自分の強みを十分に発揮できないでしょう。

例えば、入社してから常に商品の名前やその効果などの情報を大量に覚えなければならない薬品メーカーの企業に、集中力が強みの就活生と優しさが強みの就活生が志望したとしましょう。この場合、集中力のある学生の方がその強みを活かして会社の活躍できるようなイメージができます。これは、企業が求める就活生の強みとエントリーシートに書かれている長所が一致したということです。その就活生は入社後にポテンシャルを発揮して活躍することを予想できるのです。

企業は学生が入社した後のことを常に見据えながら選考をしています。学生の長所はなんであるのか、そしてその強みは自社で活かせるのか。それがポテンシャルを図るということです。

エントリーシートの長所・短所のポイント3つ

いざエントリーシートに自分の長所や短所を書こうとしても、すらすらと書けるものではありません。普段から自分の長所は何かや、短所は何かなどと考えている人はあまりいないでしょう。そのため、長所や短所をいざエントリーシートに書こうとしても、なかなか書き出すことのできない人が多いのです。

エントリーシートは自分が読むものではありません。企業が見て「欲しい人材だ」と考えてもらえるようにアピールするものです。ここでは、エントリーシートに長所や短所を書く3つのポイントについて説明します。

ポイント①自己分析

エントリーシートに長所と短所を書く際は、自己分析が必要です。今までの自分の人生や性格、成功や失敗を振り返って、どういう特徴が自分にあるのかを分析することになります。

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紙やパソコンのメモ帳に書き出す

自己分析をして思いついたことは、紙やパソコンのメモ帳に書き出していきましょう。そして、できるだけ具体的なシーンを思い出しながら、自己分析をしてください。

自己分析をする際によく使用されるのは自分史とモチベーショングラフの作成です。

自分史とは、自分の歴史。つまり物心がついてから今の自分になるまで、何を経験し、どんな感情を抱いたのか。何を感じ、どう行動したのかなど、その経験が自分の価値観にどのような影響を与えてきたのかを全体的に振り返っていきます。
自分史の例

自分史の表で事実ベースでの振り返りを終えたら、次に感情ベースでの振り返りであるモチベーショングラフを作成します。モチベーショングラフとは、自分史を基にその時々の感情の動きを書く表のことを指します。

モチベーショングラフの例

縦軸をモチベーションの浮き沈みで表現し、横軸は時系列にして書き出します。とてもシンプルではありますが、人生のターニングポイントや、感情の揺れ動きが一目でわかるので、分析しやすく、また自分の思いもよらない部分が発見できたりもします
モチベーショングラフを利用して、自分の弱みと強みを見つけていきます。重要なポイントは、そのモチベーションが動くタイミングです。

モチベーションが上がった時の自分の行動や思考は、自分の長所に繋がっていきます。上のグラフで「なかなか友人ができず、高校に行きたくないなと思うようになった」「先生の勧めで、生徒会選挙に立候補し、生徒会に入った」というところから、モチベーションが上がっていることが分かります。一人で何かをするよりも生徒会という組織で力を発揮できたり、周りと協力することで成果を出せたということがあればそれは「働きかけ力」という長所になります。

今までの何気ない行動が、グラフという目に見える形にすることで言語化が容易になります。そして深いところまでふり返れていれば、それだけ長所が根拠づいたものになるのです。面接で深堀された際にも、ここまで自己分析ができていれば難なく答えられるでしょう。

【例】

●モチベーションが低い時「谷」~モチベーションが上がっていくプロセス
 Lなかなか友人ができず、高校に行きたくないなと思うようになった。
 L先生の勧めで、生徒会選挙に立候補し、生徒会に入った
➡一人で力を発揮するより、チームで取り組むことに適性がある
➡中でも周りを巻き込んでプロジェクトを進めることで評価を受けていた
➡働きかけ力(強み)

●モチベーションが高い時「山」やモチベーションが上がっていく時⤴
 L志望校合格し、一人暮らしを始めた。
 L先生の勧めで、生徒会選挙に立候補し、生徒会に入った/塾講師のバイト開始
➡新しいことを始めるとモチベーションがあがる
➡挑戦することにわくわくする
➡実行力(強み)

●モチベーションが高い時「山」~モチベーションが下がっていくプロセス
 L中学では部活が始まり、勉強との両立が難しくなった
 L志望校合格し、一人暮らしが始めた
➡新生活が始まった時にモチベーションが下がりやすい
➡環境の変化に適応するまでに時間がかかる
➡柔軟性がない(弱み)

長所や短所は面接でも聞かれる可能性が高い

しっかりと自己分析をしておけば、ゆくゆくの面接でも役立つでしょう。長所や短所は、面接でもよく聞かれます。面接では、ESをもとにより詳しい内容を聞かれることが多いので、面接時に話に一貫性がなければ、辻褄が合わず、信ぴょう性が薄れてしまいます

エントリーシートに書く長所・短所は、面接の間も付いてまわります。ESを郵送する場合はコピーをとっておき、事前に確認したり、メモを取っておくなどして、内容は覚えておきましょう。また、長所や短所を感じたエピソードを詳しく話せるように、エピソードを深堀しておくと良いでしょう。

自己分析について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。

ポイント②他己分析

自己分析をすると、自分が知っている長所と短所が見えてきます。しかし、他人から見た自分の評価が、思い描いたものと違うことは珍しくありません

エントリーシートであろうと面接であろうと、評価をするのは他人です。エントリーシートを評価する人が、自分の予想していた長所・短所に対して「違う」という印象を受ければ、長所・短所だけでなく他の内容全てを疑われる可能性があるでしょう。

自分が気づけていない側面を知れる

長所と短所を書く際は、自己分析をするだけでなく、友人や先生、家族から見た自分の印象を聞くことが大切です。そうすると、自分では長所だと思っていなかった部分を褒めてくれる人や、自分では短所と思っていなかった部分を指摘してくれる人が出てくるでしょう。

自分が気付いていない側面を知るのも、エントリーシートに長所と短所を書くため、そしてその後の採用試験の対策をおこなうために、重要となるのです。

長所・短所の欄を後で読んでもらうのも手

他己分析を行う際には、長所・短所の欄を他己分析をしてもらう人にはあえて見せないのも効果的です。他己分析を行う際、「自分の長所・短所は〇〇だと思うんだけれど…」と相手に先に自身の自己分析の結果を伝える就活生もいます。

しかし他己分析を行う前に長所・短所の欄を見せてしまうと、先入観を持ってしまうでしょう。その結果、正確に他己分析を行うことが出来なくなってしまう恐れがあるのです。他己分析は自己分析では気づかなかった自身について知るために行うものです。

そのため先入観を与えてしまう恐れのある情報は事前に渡さないほうが良いと言えます。他己分析の後、自己分析で見つけた長所・短所と他己分析の結果を比べ、それによって自身について深く知っていくようにしましょう。

以下の例を参考にして、他己分析を始めてみましょう。

他己分析の質問の例

・私の長所を教えてください。
・私の短所を教えてください。
・私の他の人にない特徴は何ですか。
・私の性格を教えてください。
・第一印象を教えてください。
・印象に残っているエピソードはなんですか。

また他己分析についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。

ポイント③長所→短所、短所→長所で考える

エントリーシートに長所と短所を書く場合、長所しか思い浮かばない、また短所しか思い浮かばないのような偏ってしまうことがあります。
その際は、「言い換え」をすることで解決することができます。長所と短所両方をきちんとかけるように準備しておきましょう。

長所と短所を言い換える

そして最後は長所と短所を言い換える方法です。「自分の短所ならすぐに見つけられるけど、長所はなかなか分からない」またその逆で「短所しか見つからない」という就活生も多いのではないでしょうか。

「今まで失敗してことなんてない」と記憶を巡らせても思い浮かばない人もいるかもしれません。また、過去の経験を振り返ったときに、成功体験よりも失敗した経験や上手くいかなかった出来事のほうが色濃く記憶に残っていて、短所ばかりに目が向いてしまうこともあるでしょう。その時は言い換えればよいのです。長所と短所は表裏一体で長所は裏返せば短所に、短所は裏返せば長所になります。

自分の長所と短所が偏っていると思う人は、切り口を変えて見ると良いでしょう。ものの見る方向を変えることで長所や短所が自然と見えてきます。

以下の例を参考にして、どのように短所を捉えればいいか確認していきましょう。

長所・短所変換表

大胆⇔大雑把
丁寧⇔心配性
優しい⇔気が弱い
負けず嫌い⇔頑固
好奇心旺盛⇔飽き性
主体性がある⇔自己中心的
行動力がある⇔軽率
リーダーシップがある⇔我が強い
コミュニケーション力がある⇔世話焼き
協調性がある⇔人の意見に流されやすい
積極性がある⇔自己主張が強い
集中力がある⇔ひとつのことに没頭しやすい
柔軟性がある⇔優柔不断

エントリシート長所・短所記入の注意点

エントリーシートに長所・短所を記入する際にはいくつか注意点が存在します。これらの注意点を理解せずに記入を進めてしまうと、思わぬ減点を招いてしまいます。

ここではエントリーシートに長所・短所を記入する際の注意点を解説していきます。不要な減点により内定が遠のいてしまうことの無いよう、以下のポイントをしっかり理解し、書類の作成に活かすようにしてください。

長所・短所の選択は業種や志望職種を考慮

どのような人にも長所・短所が複数存在しています。それらの中からどれをエントリーシートに記入するかを決める際、志望する業種・職種を考慮し、その上で記入を進めるようにしましょう。事務職を志望するのであれば、業務を進めるスピードはもちろん、1つ1つの業務を正確に処理していく能力が重要になります。

そのため事務職を志望しているにも関わらず「短所は少しいい加減なところがあることです」と述べてしまうと、事務職としての適性を疑われ、評価を大きく落としてしまう可能性が高いのです。このように業種や職種に応じて、必要とされるスキルは異なっています。これらを把握し、その上でそれに合った長所・短所を伝えるようにすることが大事なのです。

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端的に述べる

長所や短所をエントリーシートに記入する場合に、だらだらとすべてのことをそのまま書くのはやめましょう。エントリーシートに長所や短所を書くスペースにもよりますが、だらだらと書いてあると採用担当者が読むのも大変ですし、就活生の意図を読み取ることも難しくなります。

就活生の長所や短所は、企業側にとって求めているものかどうかを判断する重要な指針にもなります。そのため、エントリーシートに長所や短所を記入する場合には、はっきりと過不足なく端的に書く必要があるのです。端的に長所や短所を述べることができれば、企業にとっても求めている人材かどうかがわかりやすいため、好印象を与えることができます

具体例を用いる

エントリーシートに長所や短所を記入する場合は、例えば、「私は責任感が強いことが長所です。」と書いても、企業側から見ればこの就活生のことを知っているわけでもないため、本当に責任感があるかどうかの判断がつきません。そのため、エントリーシートに長所や短所を記入する場合には、具体的なエピソードを一緒に書くと説得力が増します

過去に経験したエピソードや、具体的な事例などを挙げながらアピールすれば、企業にも響きやすくなるのです。具体的なエピソードが何もないと思っている就活生でも、学生時代の部活動やサークル活動、文化祭などのことを思い返してみれば、何か一つは見つかるかもしれません。

長所を伝える例文3選とNG例文

上記では、エントリーシートで長所と短所を書く際のポイント3つをご紹介しました。上記の3つのポイントを踏まえたうえで、長所と短所を作成すれば、採用担当者に好印象を与えられるでしょう。

以下では、より良い長所と短所を作成するためにも、長所の例文3選NGと短所の例文3選、またそれぞれNG例もご紹介します。長所をアピールする際は、根拠となるようなエピソードを伝えることが大切です。長所と関連付けてエピソードを述べれば、採用担当者を納得させることができるでしょう。エピソードを述べる際は、自慢話にならないように気を付けてください。

例文①最後まで諦めずに努力ができる

私は、最後まで諦めずに努力をすることができます。高校時代、サッカー部に所属しておりました。そのときに、地域の大会と期末試験の時期が被ってしまい、部活以外での練習が難しいことがありました。試験勉強のために練習を諦めていたチームメイトも多かったのですが、ボールのコントロールにあまり自信がなくどうしても練習したかった私は、夜ご飯とお風呂の間や試験勉強の息抜きなどの時間を利用して練習に取り組みました。そして本番を迎え、無事パスミスをすることなく試合を終えることができました。この諦めない性格は、貴社の営業の仕事で活かせると考えております。

「最後まで諦めずに努力ができる」という長所の例文をご紹介しました。この例文のポイントは、しっかりと根拠となるエピソードを述べているだけでなく、結果まで繋げているところです。「諦めずに空き時間で練習した→パスミスをせずに試合ができた」という部分が、しっかりと強みの根拠になっています。

最後に、志望する企業のどういった部分で長所が活かせるのか述べると、採用担当者に働いている姿をイメージさせられるため、選考を突破できる確率が上がるでしょう。

例文②探究心が強い

私は、探究心が強いことが長所です。高校時代の授業で、自分の興味がある世界遺産について調べる課題を出されました。その際、多くの友人は何種類かを少しずつ調べていたのですが、私は探究心が強いため、1つの世界遺産を「なぜ?なぜ?」と深掘りして調べていました。
その結果、細かい部分まで調べたノートを作成できて、先生から「深掘りができている」とのお褒めの言葉をいただけました。この1つの物事に対して深く理解しようとする探究心の強さを、貴社で営業や売り上げのデータを分析する際に活かしたいです。

「探究心が強い」という長所の例文をご紹介しました。この例文のポイントは、第三者からの評価を紹介しているところです。「先生から褒められた」という部分があることで、採用担当者は、「自分が思っているだけでなく、人からもそう思われているんだな」と考えます。就活において、採用担当者が不安なことの1つは、「入社後にイメージと違う人物だと分かること」です。第三者からの評価を紹介すれば、その部分をカバーして、採用担当者を安心させられるでしょう。

例文③計画性がある

私は、計画性があります。大学時代、○○の資格を取得しようとしたのですが、出題範囲が広い○○の資格試験に合格するには、バランスの良い勉強をしなければなりませんでした。そこで私は、最初にスケジュールを立ててから、勉強に取り組むことにしました。
「○○の時間には○○を勉強する」というように、時間を区切りながら幅広い勉強に取り組んだところ、無事資格試験に合格できました。社会人になれば複数の業務を担当することがあると考えています。そこで、長所の計画性を活かして、しっかりとタスク管理をおこなっていきたいです。

「計画性がある」という長所の例文をご紹介しました。この例文のポイントは、文章の1つ1つに具体性を持たせているところです。「何の資格を受検しようとしたのか」「なぜスケジュールを立てたのか」「どういったスケジュールを立てたのか」などの細かい部分が、簡潔かつシンプルに書かれています。具体的なエピソードを書くと、採用担当者はその姿をイメージしやすくなるでしょう。その結果、「計画性がある」という長所が伝わりやすくなるのです。

NG例文:縁の下の力持ちである

私の強みは、縁の下の力持ちとして行動できるところです。学生時代は野球部のマネージャーとして、選手達のサポートをすることが多くありました。また、サポートだけでなく、練習方法を提案したり、新人勧誘の場で部員達の代わりに積極的に前に出て部員を増やせるように努めました。
結果として部員も増え、野球部が気持ちよく試合ができるようになりました。御社に就職した際には、他の社員をサポートして業務を円滑に進められるように努めたいと思っております。

こちらはマネージャーとしての活動を自己PRに使用していますが、内容を見れば分かる通り「裏方としての活動」という点ではアピールが弱いです。どちらかというと、前に出ようとしている印象を与える内容でもあるため、縁の下の力持ちのよさが伝わりにくいといえます。

短所を伝える例文3選とNG例

次に、短所の例文3選をご紹介します。先程も述べましたが、短所を伝える際には、「長所のようにアピールする」「改善する姿勢を見せる」の2パターンがコツとなります。

自分の短所をどうアピールすれば採用担当者に好印象を与えられるのかを考えて、伝える方法を判断してください。ただし、エントリーシートで述べる短所として、業務に影響を与えそうなものはやめましょう。例えば、接客業を志望しているのに、短所として「コミュニケーションが苦手」「人見知り」などを伝えれば、採用担当者からの評価が下がってしまいます。エントリーシートの段階で落ちてしまえば意味がありませんので、きちんとアピールに繋がる短所を選んでください。

例文①心配性である

私の短所は、人よりも心配性なところです。例えば、「家のカギをかけたか」「提出書類をきちんと出したか」などの考えれば思い出せることでも、記憶に自信がなくなり、確認したくなってしまいます。しかし、私はこの短所のおかげで、「カギのかけ忘れ」「提出期限を過ぎて書類を出す」などの凡ミスを、一度もしたことがありません。働き出してからも、心配性だからこそ防げるミスがあるのでは、と考えております。

「心配性」という短所の例文をご紹介しました。この例文のポイントは、短所を長所のようにアピールしているところです。「その短所がどう役立ったか」を具体的に挙げれば、採用担当者から多少のマイナス評価を受けたとしても、選考に落ちるまではいかないでしょう。また、自分がその短所をどう思っているか、どう業務に関係あるかという部分も明確にしておくと、短所としての悪い部分を薄めることができます。先述しましたが、「長所をアピールするような内容」に変えることが、短所ではポイントとなるのです。

例文②オンオフを切り替えられない

真面目にするべき場面とプライベートで遊んでいる場面で、オンオフを切り替えられないことが短所です。元がお調子者といわれる性格のため、真剣に受けるべき授業などでも、変な落書きをしたくなったり先生をからかいたくなってしまいます。もちろん、このままでは社会人としてダメだと理解しています。
そのため、現在は克服するために、真面目なときとプライベートで髪型を変えてみるなどして、オンオフを切り替える練習をしています。入社までには、社会人としてオンオフを切り替えられる人間になるため、努力する所存です。

「オンオフを切り替えられない」という短所の例文をご紹介しました。この例文のポイントは、「克服するためにどうしているか」をきちんと述べているところです。

短所をそのままにしているのはNGだという自覚を持ち、克服するための挑戦や努力をする姿勢を見せると、採用担当者は安心できます。克服法として明確かつ効果のありそうなものを挙げられれば、短所でマイナス評価される可能性を、ぐっと下げれるでしょう。

例文③物事に飽きやすい

私の短所は、切り替えが早いという長所が災いして、物事に取り組んでもすぐに飽きてしまうところです。趣味などを新しく始めても、極める前に飽きてしまうので長続きしません。この短所を克服するために、現在は、「飽きそうになったら新しい魅力を探す」という方法を試しています。
新しい魅力に気付けば、興味が長続きして飽きることを防げるからです。もし、この方法で克服できない場合は、あえて飽きやすい性格を活かしてさまざまな物事に取り組み、オールラウンダーを目指すことも考えています。どう短所と付き合うかという部分は、今後も考えていくつもりです。

「物事に飽きやすい」という短所の例文をご紹介しました。この例文のポイントは、短所との付き合い方を細かく考えているところです。短所だと認めたうえで克服法を探しつつ、ダメだった場合の上手な付き合い方も考えておけば、どちらに転んでも評価が下がる可能性は低くなるでしょう。

企業にとって大切なのは、長所・短所が業務にどういった影響を与えるかという部分です。マイナスにならないことを上手にアピールできれば、短所の部分で選考に落ちることはほぼないでしょう。

NG例:協調性がない

私の短所は協調性がないことです。いつも自分の主張が通らないとイライラしてしまい、誰かに八つ当たりをしていました。ゼミ活動では、自分の研究結果が認められず、教授と大喧嘩しました。周りのゼミ仲間にも呆れられるほど言い合いをしましたが、今ではいい思い出です。
あの喧嘩依頼、教授とは飲みに行く関係になり、今では友達のように親しい間柄です。協調性がないことで、仲間ともなじめない日々を送り悲しかったですが、得られることも多く、後悔はしていません。

協調性がなく自分の意見を主張しがちな人は、自分の意思をはっきり表明できる強みも持っています。しかし、ありのまま素直にエピソードを伝えてしまうと、例文のように人間関係をうまく構築できない人だと思われ、悪い印象を与えることがあります。

エントリーシートにおける長所・短所の書き方を知っておこう

エントリーシートにおける長所と短所の書き方について、本ページでご紹介しました。エントリーシートを書く際には、その内容をしっかりと考えることが重要です。少しでも良い印象を与えるために、内容を磨く労力を惜しまないようにしましょう。

エントリーシートに書いた長所と短所が、面接で感じられないと思われれば、印象が悪くなります。長所・短所の内容は、その後の選考でも一貫性が出るように、気を付けておきましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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