筆記試験

就職試験の適性検査とは?選考通過のために知っておきたい基礎情報

就職活動における適性検査とは?

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まず就職活動における適性検査の概要を紹介します。適性検査はテストの種類によって内容は異なりますが、多くの場合「知能・学力検査」と「性格検査」に分かれます。知能・学力検査では、国語や数学、一般常識から出題されます。

問題の難易度は小学校から中学校レベルで、専門的な知識は問われませんが、制限時間内に多くの問題を解かなければなりません。

能力検査と性格検査の2種類がある

適性検査は、能力検査と性格検査の2種類があります。この後に詳しく説明しますが、能力検査はさらに「言語」「非言語」という2つの分野に分かれています。

どちらも社会人になるための基本的な能力を確認するためのものです。言語分野では、語彙力や読解力が問われます。非言語分野では、基本的な計算力や論理的な思考力が問われます。性格検査は、現在多くの企業に採用されている試験です。試験形式としては、複数の条件文が与えらえれ、それに自分がどの程度当てはまっているかを回答していきます。性格検査は、自分の性格や特徴を明らかにしてくれます。そして、企業がこの性格検査の結果を元に就活生と企業の相性がどの程度適合しているかを判断します。

能力検査は言語分野と非言語分野に分けられる

能力検査は「言語」「非言語」の分野に分かれています。言語分野は、誤解を恐れずに言えば国語の問題で、社会人になる上で最低限必要な日本語の知識を持っているかどうかを確かめるためのテストです。

具体的には、語彙力を問われたり文章を読んで問題に答える問題が出題されます。非言語分野は、これも誤解を恐れずに言えば数学のテストのようなものです。そのため、計算ができるかどうか、論理的に考える能力があるかが問われています。どちらの分野も問題数が多く、時間が足りなくなる就活生が毎年たくさんいるので、しっかりと練習して準備をすることが大切です。

試験で用いられる適正検査は主に3種類

試験で用いられる適正検査は主に3種類あります。もっとも使われている適性検査のひとつにリクルートキャリアが開発した「SPI」があります。日本SHL社によって設計された「玉手箱」も「SPI」と並んで有名な適性検査です。

玉手箱では、SPIより問題を早く解くスピードが要求されます。最後に紹介するの「GAB」という適性検査です。GABも、玉手箱と同じ日本SHL社によって設計された総合的な能力を図るためのテストです。GABの問題にはかなりユニークなポイントが多くあるため、事前の対策をおすすめします。

①SPI

SPIの大きな特徴として、4種類の受験パターンが挙げられます。SPI会場でパソコンを使って受ける形式の「テストセンター」、企業に指定された場所で紙を使って受ける「ペーパーテスティング」、自分でPCを使って受ける「Webテスティング」、応募する企業に出向いて受ける「インハウスCBT」4つです。

それぞれ、PCを使うのか筆記なのか等、形式が違うので、志望しているか企業がどの形式なのかを把握して、それに合わせた対策をすることが大切です。SPIはとにかく時間との勝負です。わからない問題があった場合はどんどん飛ばして解ける問題からアプローチしましょう。練習の段階から自分で時間制限を設けながら問題演習するなど、常に時間を意識した対策が必要です。

②玉手箱

玉手箱も、SPIと同様に能力テストと性格テストの2つに分かれています。出題内容は計数、言語、英語に分かれています。計数の設問は「四則逆算」、「図表の読み取り」、「表の空欄の推測」の3つに分けられます。言語分野ではSPIのように語彙力をテストされることはあまりなく、文章を読んで論理的に理解できているか、文章の中で筆者が言いたいことを理解できているかなどをテストする問題が主です。

そのため、最低限の語彙力は必要ですが、SPIのように語彙を覚えたりするような対策は不要です。玉手箱の問題には、一問ずつに制限時間が設定されているため、SPI同様に常に時間を意識した対策が必要です。

③GAB

GABは、SPIや玉手箱ほどメジャーではありませんが、近年新卒採用のための適性検査として採用する企業の数が増えてきています。GABはテスト結果から、職務適性を見分けることができ、将来のマネジメント適性などを予想できます。

GABは、テストのユニークさと難解さで有名なため、選考過程にある場合には対策が必要です。GABの特徴はSPIや玉手箱のように、短い一問一答形式ではなく、文章の読み取りや図表の読み取りなどがメインです。ただ、GABがSPIや玉手箱と共通している点は、問題を解くスピードが重視されていることです。GABを受験する予定のある就活生は早め早めに準備しておくことが大切でしょう。

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試験の受験方法は3タイプ

先ほど、SPIのところで少し触れましたが、試験の受験方法は3タイプあります。1つ目は会場でパソコンを使って受ける形式の「テストセンター」、2つ目は自分でPCを使って受ける「Web受験」です。最後は企業に指定された場所で紙を使って受ける「ペーパーテスティング」です。

受験方法によって出題形式や、問題の内容が変わるものも中にはあるので、受験前にはしっかりとチェックしておきましょう。備えあれば憂いなしです。

①テストセンターでの受験

ここからは、SPIを例に説明をしていきます。テストセンターでの受験は、テストセンターに赴いていって、そこでパソコンを使ってSPIを受験します。リクナビのHPによると、一般的に課される「言語」と「非言語」のテスト以外にテストセンターで受験する場合には「英語能力検査」と「構造的把握力検査」が出題される可能性があるようです。

流れとしては、企業からSPIの試験をテストセンターで受けるように指示されたら、テストセンターでIDを取得します。そして、そのIDを使って、試験会場の日時と場所を予約します。試験当日の注意点としては、「顔写真つき身分証明書」と「受検票」を持って行くのを忘れないようにしましょう。また、携帯電話と電卓は持ち込み禁止です。

②自宅でのweb受検

自宅でのWeb受験は、テストセンターと並んでもっともポピュラーな適性検査の受験方式の1つです。自宅だけでなく学校など、パソコンとインターネット環境さえあればどこでも受験できるのがこのWebテストの特徴です。

Webテストでもっとも注意すべき点はこの手軽さです。環境さえ整えばいつでもどこでも受験することができるので、受験する就活生にとってみれば、テストセンターで受験するときのように張り詰めた緊張感を持って試験に臨むことは並大抵のことではありません。また、この試験は企業にとっては足切りの意味が大きいようです。莫大な数の就活生が志望してくるような大企業や人気企業がWebテストを使用している傾向にあります。

③企業が用意する会場での筆記受験

最後に紹介する適性検査の受験方法は、企業が用意する会場での筆記受験を受ける形式のものです。SPIでは「インサイトCBT」という名前で知られています。この受験形式の特徴は、志望している企業に直接出向いて、その企業のパソコンを使って受験するのでその日のうちに企業はテストの結果を知ることができます。

しかし、適性検査の大半はテストセンターもしくは、Webテストが占めています。企業が用意する会場での筆記受験を受けるこの形に出会うのは極めて希と言えるでしょう。この受験形式で注意したいのは、志望している企業に出向くので緊張してしまい普段の力を発揮できないという可能性です。高得点を獲得できるように落ち着いて受験しましょう。

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適性検査の能力検査を突破するための対策

まず、面接に進む前の段階として適性検査が課されます。志望企業から内定をもらうためには、適性検査を突破して面接に進まないといけません。

適性検査の能力検査を突破するための対策としてどのようなことをすればいいのでしょうか。前提としては、とにかく問題数をこなすことです。具体的な方法について、ここからはSPIの「言語」「非言語」の分野ごとに見ていきましょう。

言語分野の例題

代表的な言語問題の例題として、二語の関係を見つける問題があります。ここでは一部ですが、例題をご紹介しましょう。

問、以下で示された言葉と同じ意味になるものを選択肢から選びなさい。

(1)邪推
【選択肢】1、疑惑 2、猜疑 3、邪心 4、懐疑 5、推理

(2)一切
【選択肢】1、十羽 2、一日 3、皆無 4、悉皆 5、推理

(3)胸に響く
【選択肢】1、胸に一物 2、胸に応える 3、胸のすく 4、胸を弾ませる 5、胸をときめかせる

回答(1)2(2)4(3)2

非言語分野の例題

次に、非言語分野の例題を紹介します。就活生がもっとも苦手とにしている推論の問題です。

(1)箱の中に玉が何個か入っている。これらの玉について、次のような発言があった。
Ⅰ)箱の中には少なくとも 2 色の玉が入っている。
Ⅱ)箱の中には青玉と赤玉と白玉が入っている。
Ⅲ)箱の中には少なくとも 3 色の玉が入っている。
Ⅰ)~Ⅲ)までの発言は信頼できるとは限らない。そこで、いろいろな場合を想定して推論がなされた。
■次のア、イ、ウの推論のうち、正しいのはどれか。
アⅠ)が正しければ、Ⅱ)も必ず正しい
イⅡ)が正しければ、Ⅲ)も必ず正しい
ウⅢ)が正しければ、Ⅰ)も必ず正しい
【選択肢】
1、アだけ 2、イだけ 3、ウだけ 4、アとイの両方
5、アとウの両方 6、イとウの両方 7、アとイとウのすべて 8、正しい推論はない

回答(1)6 イとウの両方
発言の正誤を推論する問題は、各発言を詳しい順に並べる。各発言を「詳しい順」に並べると、

Ⅱ)「箱の中には青玉と赤玉と白玉が入っている。」→Ⅲ)「箱の中には少なくとも 3 色の玉が入っている。」→Ⅰ)「箱の中には
少なくとも 2 色の玉が入っている。」となる。

ある発言が正しければ、それよりも詳しくない発言は必ず正しいので、今回の場合は「Ⅱ)が正しい → Ⅲ)とⅠ)は必ず正しい」「Ⅲ)が正しい → Ⅰ)は必ず正しい」と言える。したがって、正しい推論はイとウの両方である。

就職試験の適性検査の合格ラインは企業ごとに異なる

就職活動における適性検査の合格ラインは、企業ごとに決められています。しかし、合格ラインを公表している企業はないので、「ここまで正解しておけば大丈夫」という明確なラインは、就活生の側では分かりません。想像するしかないのです。

ここでは、適性検査の中でも取りいれている企業が多いSPI(WEBテスト)での合格ラインの目安を紹介します。ここでいう合格ラインとは、知能・学力検査の合格ラインで、性格検査は含みません。

正答率は金融機関は80%の正答率・大手メーカーは75~90%を求める

まず、合格ラインが高いのは金融機関です。80~90%の正解率が必要です。特に日本銀行やメガバンクでは90%以上が合格ラインです。次に続くのが大手メーカーや商事会社、報道機関です。75%~90%程度は確実に正解する必要があります。たとえば、三井物産、三菱商事では85%以上が合格ラインではないかと言われています。

適性検査の性格検査を突破するための対策

適性検査の性格検査を突破するためには、企業風土とあなたのありのままの性格とがあまりにかけ離れすぎていないことが重要です。例えば、あなたが毎日イノベーティブなことを探し続けるアイデアに溢れるアグレッシブな人だとしましょう。そのような人が、保守的で伝統を重んじる堅実なで成長を続ける企業に入るとどうなるでしょうか。

このように明らかに企業風土と合わない場合は性格検査の結果を企業が敬遠するかもしれません。他にも、この後にも詳しく説明しますが、上記の例のように企業風土とあなたのパーソナリティが著しくかけ離れているので、嘘の回答をして企業風土に近い性格を演出しようとすることです。これも診断結果を見ると不審な点が浮かび上がってしまうのでやめましょう。

性格検査では心理テストあり

性格検査では、心理テストが行われます。問題数は40分で300問です。性格検査は、3部にわかれており、「日常の考え方にどの程度当てはまるか」という問いに対して4択で答えるようになっています。ここから簡単に、以下を紹介します。

第1部
「常に活動的なほうだ」
「決断するときは細心の注意をはらう」

第2部
「困難なことがあっても強気で進むほうだ」
「時間をかけて考えてから行動に移すほうだ」

第3部
「自分のやり方をたとえれば長距離ランナーだ」
「物事を素早く判断するほうだ」

性格検査の考え方には、3つあります。1つ目は、適社・適職探しにつながることです。まず就活生は、自分がその企業の風土や職務内容に合っているかどうかを知ることからはじめましょう。2つ目は、応募企業が求める人物像を知ることです。

企業が求めている人物像に近づくには、何が足りないのかを性格検査で判断するための自分を補足説明してくれる資料になります。また、その後の面接などの選考過程で、より詳しい就活生の人物面を確認するための資料にもなるでしょう。

3つ目は、働くときの自分を想定して答えることがでるでしょう。社会に出て働いている自分ならどう考えるか、どう動くかということを念頭に置くことができます。

素直に回答する

先ほども少し触れましたが、性格検査は素直に回答しましょう。偽りの人物像を演出しようと、本来の自分が思っていることと異なる回答を重ねた場合、性格検査の結果に歪みが生じる場合があります。

また、このように嘘の回答をすると、あなたのいいところが消えてしまう可能性もあります。さらに、あなたが演出しようとしている人物像が、あなたの志望する企業の求める理想の人物像と異なっている可能性があります。

このような点からも、性格試験は正直に回答すべきです。また、偽りの人物像を演出して性格検査を受験して、採用された場合を考えてみましょう。採用を出した会社の人事部の人があなたの配属先を決める時、性格検査の適性を判断材料にすることがあります。この時、あなたが偽った人物像に基づいて配属を決めることになるので、やはり素直に回答しましょう。

嘘をつく人物と判定が下れば不合格になる

性格検査では回答者が嘘をつくことも見込んでいますので、嘘の回答をしてもばれてしまいます。また、問題数が多いため、嘘を重ねるうちに回答に統一感がなくなり支離滅裂になります。この結果、「一貫性のない人物」「嘘をつく人物」という判定が下り、あえなく不合格という憂き目にあってしまいます。なので、性格検査では正直が一番なのです。

面接で矛盾した印象を与えてしまう

適性検査で誤った回答をしてしまうと、勿論矛盾した結果がでます。適性検査を元に、面接を行う企業もあるります。企業が求める人物像に近づけることも大切です。しかし、「私はポジティブ思考です」と回答したのに、面接では疑問視する内容の話だったり、根拠になるようなエピソードがなかったりするなど説得力に欠けてしまいます。

したがって、面接で矛盾した印象を与えないためにも、性格検査は自己分析を徹底して素直に答えるようにしましょう。

適性検査の合格ラインは企業で異なる!!性格検査は素直に答えよう

就職活動における適性検査ではまず、知能・学力検査では事前に対策をしっかりやっておき、できるだけ多くの問題に正解することが大切です。

性格検査では、自分を飾らず、よく見せようとせず、質問に正直に答えましょう。性格検査で不合格になっても落ち込んだりせず、「自分に合っていないことが入社前に分かってよかった」と考えるようにしましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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